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令和5年9月29日定例知事記者会見

新型コロナウイルス感染症への10月以降の対応等について

1点目は新型コロナウイルス感染症等の関係です。

まず、この間の府民の皆様、事業者の皆様の感染防止の取組に感謝を申し上げますとともに、医療現場の第一線で御奮闘いただいております医療従事者初め関係の皆様にも、心から感謝を申し上げます。ありがとうございます。

コロナ発生状況(定点報告)の推移

まず(現在の)、発生状況は、定点報告では9月18日から24日が10.62人ということで、5類に位置付けが変更後は上昇傾向にあり、7月下旬からほぼ横ばいの傾向です。直近では減少してるように見えますが、この傾向がどうなるかというのは、若干不透明なところがあると考えています。

医療機関については、聞き取り調査を行っていますが、全体として逼迫している状況ではなく、落ち着いてると伺っています。

新型コロナウイルス感染症対策 10月以降の対応

(1)外来診療体制

それでは10月以降の対応ということで、まずは5類移行後も、府民の皆様の命と健康を守るということを第一に取り組んできたところでして、できる限り他の疾病と同じように、幅広い医療機関での通常の対応に段階的に移行するという形で進めてまいりました。

国から、10月以降についての内容を示されておりますので、まずは外来診療につきましては、5類の変更前は1,035施設だったものが、1,219施設まで拡充しています。これはできる限り、更に拡充をしたいと考えています。

新たに外来対応される医療機関に対する設備整備補助は継続することになっていますので、引き続きこの補助を活用して拡充をしていきたいと考えています。

(2)入院調整

入院調整につきましても、5類移行以降は、軽症等患者は医療機関間で調整し、重症等患者について調整が必要な場合については、入院支援センターで調整を支援しております。

これについても基本的には変わらないということでして、原則としてはできる限り医療機関での調整になりますが、困難な場合には引き続き入院センターが支援をしていきたいと考えています。

(3)入院体制

入院の体制ですが、9月までは104病院1,045床を確保病床としています。しかしそれだけにとどまらずに、確保病床によらない入院患者の受け入れを進めてきました。これは、更に確保病床によらない形での入院患者受入を進めるということにしています。

ただ、更に感染が拡大する場合に備えて、国から方針が示されていますが、重症・中等症Ⅱの患者さんに重点を置いて病床の確保を進めていきたいと考えています。

(4)医療費の公費負担

医療の公費負担につきましては、10月以降は高額療養費の自己負担の上限額を最大で1万円引き下げる措置が行われます。

コロナ治療薬につきましては、一部自己負担とした上での公費負担を継続するということで、それぞれの段階に合わせて(3割負担で)9,000円、(2割負担で)6,000円、(1割負担で)3,000円の負担を求めるということです。

(5)高齢者施設等支援

高齢者施設への支援です。

感染対策や医療機関との連携、療養体制の確保について支援しています。

10月以降もこの支援の取組については継続しますが、一部国が補助単価等の見直しをしていますので、それに合わせた形で見直した上で、支援を継続したいと考えています。

(6)医療相談体制

相談体制につきましては、これまでと同様で、「きょうと新型コロナ医療相談センター」での24時間の対応をしてまいりたいと考えています。

(7)ワクチン接種

ワクチン接種につきましては、既に9月20日からお住まいの市町村で秋接種を開始していますので、それを当然進めていくということですし、京都府としても接種の呼びかけやワクチンの市町村への配分・配送をしていますし、「副反応相談センター」につきましては、一本化して我々の方で相談対応を行います。

インフルエンザ等の流行状況

季節性インフルエンザ等の流行状況です。インフルエンザにつきましては、9月24日時点の定点報告が4.77人ということで、前週に比べて少し減ってはいますが、いずれにしてもこの夏は0人にならないで、くすぶり続けて上昇局面に入っています。通常はこれから寒くなる時になって増加傾向になりますが、足元の傾向は横ばいと言う人もいれば、減るという人もいてはっきりとはわかりませんが、どちらにしても冬に向けては拡大の可能性があるということです。

感染症予防のために

インフルエンザ以外のプール熱などのその他の感染症も増加しています。感染症予防ということで、新型コロナと同様の感染対策がインフルエンザについても有効です。こまめな換気や外出後の手洗い、咳やくしゃみ出る時のマスクの着用、適度な湿度を保つこと、それから十分な栄養と休養を取るということです。

また、ワクチンにつきましては、インフルエンザワクチンも10月1日以降順次各市町村で接種が開始されますので、その接種につきましても御検討いただきたいと思います。

発熱・症状がある場合

最後に、発熱等の症状がある場合は、これは先ほど申し上げましたが、9月27日時点で府内1,219箇所(の医療機関)で対応していますので、そこを受診されるか、何か不安があってわからないことがあれば、「新型コロナ医療相談センター」にお問い合わせをいただきたいと考えています。

コロナ関係は以上です。

アート&テクノロジー・ヴィレッジ京都のオープンについて

2点目は「アート&テクノロジー・ヴィレッジ京都」のオープンについてです。

京都府では、地域の強みを生かしながら、国内外から注目されるテーマを掲げて、オープンイノベーションにより次代の産業を育成したいということで「産業創造リーディングゾーン」の形成を進めていますが、この間、大山崎町で整備を進めていました「アート&テクノロジー・ヴィレッジ京都」について、10月31日(火曜日)にオープンすることといたしました。

まずは敷地を御提供いただきましたマクセル株式会社様には、改めて、厚く御礼を申し上げます。

既に完成している交流棟に隣接する個別サイトへの入居企業は、マクセル株式会社、株式会社シロク、株式会社HESTA大倉、日本テレネット株式会社、株式会社音無の5社が決定しており、他にも複数社から御相談をいただいているところです。

いずれにしても京都の文化・芸術の力を生かし、この地を、アートとテクノロジーを融合させた新たな産業の創造や、また、次世代を担う人材を育成するためのオープンイノベーションの拠点にしたいと考えています。

具体的には、例えば「フェムテック」のテーマで研究会が立ち上がるなどしておりますし、オープン後は、「アートと住環境の融合」や「子どもの能力開発」といったテーマの研究や、入居企業をはじめとした国内外の企業や大学との交流を更に進めまして、我が国の新産業創造のモデルにしたいと考えています。

詳細は追ってお知らせしますが、10月31日(火曜日)にオープニングセレモニーを行うとともに、11月の1か月間はオープニング月間として、(各種)研究会や異業種交流イベント、一般の方も参加いただけるワークショップ等も開催したいと考えていますので、取材の御協力についてもよろしくお願いいたします。

キッズフレンドリー施設の展開について

3点目は、「キッズフレンドリー施設」の展開についてです。

京都府内の様々な行政機関・民間企業など幅広い団体に御参加いただいております「京都府子育て環境日本一推進会議」では、妊婦の方やお子様連れでの外出を応援するため、「きょうと子育て応援パスポート協賛店舗」及び「きょうと子育て応援施設」制度を設け、合わせて4,548の店舗・施設に登録いただいています。

2つの制度がありますが、より分かりやすく利用していただくために、2つの制度を統合し、10月1日から新たに「キッズフレンドリー施設」として展開することといたします。

登録施設には、新たに作成しました(「キッズフレンドリー施設」の)ステッカーを掲示いただき、店舗でのサービス内容や、ベビーカーの預かり、ミルクのお湯の提供といった取組を記載していただきます。

登録施設の募集は常時行っておりますので、是非とも多くの店舗・施設にご登録いただきたいと考えております。

なお、登録いただいた施設については子育て応援パスポートアプリ及びウェブサイトの「まもっぷ」に掲載して発信いたいと考えています。

いずれにしても、「京都は子ども連れでも安心して外出できる」、「京都で子育てをして良かった」と思ってもらえるよう、府内全域で「子育てにやさしい風土づくり」というものを進めていきたいと考えていますので、周知についてよろしくお願いします。

私からは以上です。

質疑応答

記者

入院支援センターについて、4月の時点では9月末までの運用という言い方をされていたが、継続されるという理解でいいのか。

知事

そうです。あまり件数はなく、重症の方はそれほどおられないので、医療機関間の調整でかなりの件数が片づいているのですが、万が一、場合によっては感染拡大局面等もあるということで、当面存置させていただくことにしました。

記者

外来対応医療機関の数を拡充するとあるが、具体的な数字はどのくらいを想定しているのか。

知事

全体の目標値はありませんが、来年の4月以降は通常の疾病と同じになるということで、こういった登録制度はもう無くなるという前提に立てば、できる限り全ての医療機関でインフルエンザと同じように外来診療をしていただくことを目指すべきだと考えています。外来診療医療機関は(府内に)全部で2,000程度ありますが、小さい所もあるし、それぞれの事情があるので、できる限り増やしていきたいと考えています。

記者

入院の確保病床について、原則として確保病床という考え方自体がなくなるということか。

知事

国も感染が再拡大していった時の段階に分けています。ピーク時の感染者数に比べて何分の1になれば、このくらいの確保病床が必要だという数字が、空床補償との絡みで示されています。それに合わせた形で府も病床を確保していくということです。

まだ今は感染拡大局面にないのですが、それに合わせて確保病床という形で増やしていくということです。ただ、現に今も、確保病床以外にかなりの数の入院患者を受け入れてもらっているので、だんだんそういう形を増やしていけば、確保病床という形を取らなくても入院患者を受け入れるキャパシティは確保できると思うので、それは是非ともお願いしたいと考えています。

記者

重症者用については確保病床という考え方を残すということか。

知事

そうではなく、もちろん対象は重症と中等症Ⅱに重点化すると国が明確に言っていますが、確保病床として確保するタイミングは、感染の再拡大に合わせて段階別に確保していくということです。確保していくということは、要するに病床を空けておくということです。その切り替えを感染拡大の段階別に行うということです。

今何床確保しないといけない状況ではないですが、いずれ感染が再拡大した場合については、この重症・中等症Ⅱを前提とした病床を確保する体制を取っていただくということです。

これは、この冬の感染拡大に対応するためであり、今の段階では確保病床があるという訳ではないということです。

記者

確保病床がなくなるということは、毎週1回、定点発表の時に合わせて出している病床使用率の情報もなくなるということか。

知事

確保病床というのは、病床を空けておいていただくということであり、入院患者の情報は変わらないと思います。

記者

相談センターは継続されるということだが、電話番号についても同じか。

知事

はい、全て同じです。

記者

京都府としての独自の対応はあるか。基本的に国の方針に合わせるということか。

知事

相談センターなどは国が決められたものではないので、元々独自でやっていることについては継続ですが、今回の10月の変更点は、ほとんど国の方針に沿ったものになっているので、独自のものの変更は基本的にはないと考えていただいて結構です。

記者

高額療養費制度の自己負担の上限額を最大1万円引き下げられるということだが、治療費の自己負担が発生することについてどう考えるか。

知事

特に治療薬については、インフルエンザに比べてかなり高額だということもあって、全国知事会の要望の中でも無償を継続してほしいということをお願いしてきたので、そこについては一部とはいえ自己負担が入ったことについて、残念だと思っています。

ただ、これから治療薬がどういう形で使われていくのか等、現場の医療の状況についても10月以降にはよく検証していただき、例えば受診控えが起きないかなどをよく見ていただいて、国には対応していただきたいです。

インフルエンザのタミフルは1錠230円程度で非常に安く、コロナの治療薬とは価格がかなり違うので、一部とはいえ自己負担が入ることで医療現場に悪影響が出ないように、そこはよく検証していただきたいです。

記者

コロナとインフルが同時流行してる中で、府民への呼び掛けはどうか。

知事

本日の資料にも記載していますが、インフルエンザだけではなくプール熱などその他の感染症もありますので、やはり基本的な感染対策というのは同様になります。

これからは窓を開ける季節にもなりますが、こまめな換気や外出後の手洗い、マスクも暑さが和らいでくると着用しやすくなると思いますので、咳やくしゃみが出る時のマスクの着用と、室内の適度な湿度を保っていただくこと、そして何といっても十分な栄養・休養を取って抵抗力を付けていただくということを留意していただくことです。

また、最後に言いましたけれども、症状がある時には、できる限り早く、医療機関の受診や、相談をしていただき、感染の拡大を防いでいきたいと考えています。

特に9月になって学校が再開した時に、コロナもインフルエンザも比較的年代の若い人の間で感染が拡大しましたので、先程申し上げたことは、親御さんも含めて注意していただければありがたいです。

記者

アート&テクノロジー・ヴィレッジ京都について、府内でいくつか産業創造リーディングゾーンがあり、府内の企業や大学等が集積するエリアは他にある中で、今回の位置づけや性格を改めて聞きたい。

知事

元々、産業創造リーディングゾーンを造ったのは、今までの産業集積や工業団地などと違い、テーマ設定をした上で、そこでオープンイノベーションを起こしていくということです。そうしないとなかなか世界に通用するような産業や人材が出て来ないという発想のもとに取り組んで参りました。

ここはまさにアートとテクノロジーの融合ということで、これは最近の様々な製品を見ても、いわゆる同じものを大量生産するというよりも、人間がどう感じるかといった、アートの要素を入れた形で製品を作ったり、サービスを生むことが世界的な潮流となっているので、そうした概念の組み合わせをこのアート&テクノロジー・ヴィレッジ京都で創っていきたいということです。

ただ、非常に範囲が広いので、色々なテーマ、柱、旗などを立てて、そのテーマに興味がある人が集まっていくとか、そうした作業がこれから始まっていくのではないかと考えています。

先程少し言いましたが、「フェムテック」や「アートと住環境」など、そうした要素を入れたものを挙げることで、それに関心のある企業が集まって、イノベーションが起こっていくことを期待しています。

最初はどんな形になるのか私も楽しみで、それぞれの企業の関心が高いことはまず間違いないので、いずれ画期的なものが生み出されることを期待しています。

記者

施設整備の方針として、交流棟と個別サイトが出来ているということだが、今後、施設が増えていくのか、企業を増やしていくのかなど、着地点を伺いたい。

知事

個別サイトは10区画しかないので、今5区画が決まって、残りの5区画にどういうところが関心を持って入っていただけるかを決めていかなければいけません。一方で交流棟の方は、私も少し見てきましたが、様々なタイプの部屋があるので、そこでまさに人材の交流や技術の交流など、色々なことをやっていただくという意味では、10区画に入ってくる入居企業だけではなく、それももちろん基盤にしながら、大学や様々な人達がそこに集まって新しいものを生み出していくような交流が生まれることを期待しているので、建物を増設することは当面は考えていません。オープンスペースも色々あるので、「実証実験をしたい」とか、「アートの展示をしたい」など、色々な声が来ています。

10月31日に何をしようかと関係の皆さん悩んでいましたが、かなりスペースはあるし、新幹線からもよく見えるので、私はスピードが速い新幹線から見てもよく分かるものにしたらいいのではないかと現地で言ったりしましたが、建物だけではなく、オープンスペースも含めてそういう交流の場にしたいです。

記者

マクセル株式会社から10年間の無償貸与という形で土地を借りていると思うが、10年という期間中に最終的にどういう形になって欲しいという期待、目標を伺いたい。

知事

目標数値はないのですが、貸与期間は一応10年と言われているので、10年後というよりその期間の中で、やはり何といっても新しい製品や産業を生み出すということが一番です。それと、あの場で色々と研究したり、交流した人たちが、人材として育って、他の所で活躍していただいても構いません。

まずは、新しい製品や産業を生み出すことです。しかもそれが「なるほど京都らしいな」と思われるものであればベストです。そうしたものを作っていきたいです。あの場で全て製品化・産業化されるかどうは分かりませんし、あの場で生まれてどこかで製品化されるかも知れませんが、あの場から生まれたものがいくつか出てくることを効果としては期待したいです。

記者

子育てに優しい施設の見える化について、「子育て応援パスポート協賛店舗」と「きょうと子育て応援施設」の2つの制度を統合することにより、府民にとってどんなメリットがあるのか。

知事

元々「子育て応援パスポート協賛店舗」というのは、有償のものを割引くサービスや無料ドリンクサービスなどをやっており、それなりに普及してきました。一方で、無料のサービスを行う施設を、令和2年度から「きょうと子育て応援施設」としていたのですが、実は子育て応援パスポート協賛店舗でも、例えばお湯の提供やトイレの貸出しなどもやっていて、きょうと子育て応援施設とサービスが被っている部分もあったので、分かりにくいという声がありました。

無償であろうと有償であろうと、お出かけする方にとってみれば、どういったサービスがあればお出かけしやすいかということは同じですし、子育てに協力しようという気持ちは両施設とも同じなので、統一して分かりやすくしようということです。

私自身は「まもっぷ」で応援パスポート制度を見た時に、すごく良いことをやっているのに、活用している人と活用していない人の差が非常にあって、もっと多くの人に活用してもらいたいという思いがあります。その裾野を広げるためにも基本的なところを1つにしておいた方が、後々の展開にもいいのではないかという思いもありました。

取りあえず今回はまず一本化するということですが、いずれはこの取組をもっと活用していただけるようにできないのかということにも取り組む必要があるのではないかと考えています。

記者

看板が変わることにより分かりやすくなるということだけなのか、それとも実際にサービスが拡充されたり、対象店舗が増えたりするのか。

知事

今回はサービス内容というよりも、まずは統一しようということなのですが、御指摘のように、いずれサービス内容の拡充ということもありますし、それからやはり登録店舗・施設の数を増やしたいし、こうした制度があることを子育て世代に伝えていきたいです。皆さんかなり積極的に協力していただいているので、もっとその取組を広げたいです。サービスの内容はかなりバラエティーに富んでいます。

記者

本日、府から発表された、有機フッ素化合物の綾部市での検査結果をどう見ているか。地元の方にも一部不安が広がっていると思うが、どのように考えているか。

知事

私は、この案件を聞いてから、とにかく住民の方の健康被害を防ぐことが最優先だということを申し上げて、できる限り不安が広がらないように、幅広く、しかも速やかに情報提供するべきだという大方針の下で対応しています。

もともと国の指針で令和3年度から河川48地点で年1回、有機フッ素化合物の水質測定を実施しています。

環境省が出している手引きでは河川で高い数値が出た場合の対応についての規定はないのですが、8月の調査で、上流部の河川で高い値が見られたということで、周辺の井戸が飲用に利用されているということもわかったことから、綾部市と相談して、まずは井戸水を飲まないようにとの協力依頼をした上で、事業者に対して直ちに排水処理施設の点検とか、早期の活性炭やイオン交換樹脂の交換、高濃度排水の原因調査を指示したということです。

住民への説明会も開きまして、飲用されている可能性のある4つの井戸について先行して検査した結果、本日発表しましたとおり、暫定の指針値以下だったということです。

井戸については、綾部市の方に、他にそういう井戸がないか、その所在の調査をお願いしていますので、追加的に(検査の)必要な井戸があれば、それは当然調査したいと考えています。

河川は犀川本線の4ヶ所は、今回の検査で暫定指針値以下だったのですが、事業所からの放流原水については少し下がったけれどもまだ高いということと、天野川の方で逆に濃度が上昇したということで、これについては国の研究機関であります国立環境研究所に指導をお願いしていますので、その指示を待って対応したいと考えています。

こうしたことは全国でも幾つかの都道府県であるみたいで、7月に全国知事会としても、国の方で知見の集約を進めて欲しいということや新たな知見はなるべく早く教えて欲しいということ、発生源の調査や汚染除去等の対応といったことも示して欲しいと要望していますので、そういうことも引き続きお願いしていきます。

なかなかわからないことが多いということですが、まずは住民の皆さんに不安が広がらないように、きめ細かく対応していきたいと考えています。

記者

基本的には井戸水、飲み水の部分に関しては今回、暫定指針値を下回っているので、その分についてはもう安心してよいということか。

知事

そうです。国の方も今のところ、健康被害、健康に対する影響のことだけ言っており、それを示した値が暫定指針値ということで、それを下回っているので、飲用されている井戸水については大丈夫だということを今回示させていただきました。

記者

今日から中国で国慶節が始まり、日本にも旅行者の方がいらっしゃるが、京都府への影響についてどう考えているか。府としての対応はどうか。

知事

中国の団体旅行が解禁になってからの動きについて、宿泊施設にも聞き取りをしているのですが、中国の団体客が急に増えるとか、そうした目立った動きは今のところないと聞いています。もちろん団体客もゼロではないと思うのですが、個人客は元々中国からもかなり来られていたということなので、すぐに国慶節による影響が出るとは考えていません。

それから関空の中国便の復便率について、一旦コロナで便数を減らしたものの復便率が低いです。航空会社の調整や空港の受入れ態勢の整備が必要で、中国便の復便には一定の時間が必要なのではないかと言われているので、団体旅行客が一定程度の規模で戻ってくるのはもう少し先ではないかと考えており、国慶節の影響はすぐにはそれほど出てこないと考えています。

ただし、これは京都市が主に取り組んでおられますが、交通機関の混雑などもあるので、観光快適度マップで混雑情報を出したり、朝観光や夜観光と時間帯で分散されています。それから、「京都観光モラル」というのを出して、市民生活と観光との調和を目指されています。また、交通機関についても様々な工夫をされています。

我々はできる限り京都市から京都府域へ分散化を図ることによって混雑緩和に貢献したいです。そうした取組は、国慶節や中国の団体旅行客とは関わりなく進めていきたいです。

ただ、御指摘のように、いずれは中国の団体客が戻って来られることも考えると、そうした様々な対策を早めに準備をして、実証にもなるので、早めから実行するべきではないかと考えています。

記者

先日、政府が示した経済対策に対する評価や要望はどうか。

知事

最終的に経済対策がどういう内容になるかということであり、今の段階でなかなか最終的な評価は難しいのですが、総理が示された5本の柱は①物価高騰対策②地方、中堅、中小企業の持続的な賃上げ、所得の向上と地方の成長③国内投資の促進④人口減少を乗り越え、変化を力にする社会変革の起動と推進⑤国土強靭化、防災・減災など国民の安心・安全の確保で、それぞれの項目について、緊急に取り組むべき課題であるということは間違いないので、まずはこの柱立てに沿って、政府等で作業が始まっているので、実効性のある、中身のあるものにしていただきたいというのが要望です。

我々も、物価高騰対策については今会期中の9月定例会に補正予算として審議をお願いしており、非常に大きな問題意識を持っているので、国にも実効性のある、できる限り速やかに効果が発揮できる経済対策をやってほしいです。

それから、防災・減災、国土強靭化については、8月の台風7号の時にも政府への要望の中で予算確保をお願いしています。そういう柱立てが立っている以上、中身のあるものにしていくのと、特にこれについては予算額も必要なので、そこもお願いしたいです。

その他の項目も、全てしっかりと検討していただきたいと思います。

府では、9月補正予算の発表の時に申し上げましたが、国の経済対策の中身によっては、我々の方での予算編成が必要になる場合も十分想定されますので、よく情報を取って、国の対策をそのまま実行するものもあれば、我々の方でそれを生かすような取組も出てくるかもしれないので、そこはよく検討していきたいと考えています。

記者

大阪・関西万博について、会場建設費の増加や、それを誰が負担するかといった負担のあり方に対する色々な発言があるが、これに関する所見を伺いたい。

知事

京都府の立場を除いて一般論で言いますと、いずれにしても大阪・関西万博は政府を挙げて実施するという枠組みがはっきり出来ていて、開催の日時も決まっているものです。色々な課題はありますし、資材や物価の高騰がありますが、これは万博だけではなく、全ての様々な諸活動に影響が出ている現象なので、当然それは乗り越えて、万博の成功に向けて関係者が一丸となって協力していくべきだと思いますし、その中できちんとした役割分担が決まると考えています。

我々の立場からすれば、当然万博の効果を京都にきちんと持ってくることが必要です。そういう意味では、我々も万博の開催に協力していく立場なので、どういう形であれ取り組んでいきたいです。

それから関西広域連合という立場に立てば、関西パビリオンも造ることになっています。これについても当然、物価の高騰等の影響は受けますので、そこは他人事では全くなく、どのように課題を克服していくかについて、引き続き努力をしていきたいと考えています。

記者

旧総合資料館跡地活用について、シアターコンプレックスの開業が当初より遅れる見通しだが、その理由を伺いたい。

知事

まず、私自身は「遅れる」というイメージは全くないです。何と比べて遅れるのかということがありますが、もしそれが令和2年12月に公表した基本計画を指しているのであれば、あれは議論をスタートするためのあくまでたたき台であり、我々が決めたスケジュールとは思っていないので、遅れるということは全くなく、今回初めて一定の期間を示すものが出たということです。

ただ、シアターコンプレックスを造っていくためには、当然、府立大学や植物園との全体調和も要りますし、施設によっては都市計画の変更の必要が出てくるので、当然責任のある京都市との調整も出てきます。それから何と言っても整備事業者の公募や契約など、かなりの年限がかかるということは間違いないです。

一方で、いつまでも旧総合資料館跡地をそのままにしておくのは良くないし、暫定利用期間とは言えども、一定の形のものを考えれば、あまりに短い使用期間のもどうかと考えて、今回の暫定利用期間を令和13年度末までと決めさせていただいた訳です。それは遅れているというよりも、新しい施設の着工には、それぐらいはかかるだろうということで決めさせていただいたものです。

記者

暫定利用の中身について、やはり地元の方も気になっておられると思うのですが、どう考えているか。

知事

我々がどう使うと言っている訳ではありませんので、公募して出てくる中身を見て審査させていただきます。

ただ、周辺環境に悪影響を及ぼすようなことはできないですし、一定の地元の理解が得られないと施設としては成り立たないと考えています。使い方としていいなと思えることと、我々としても財政的な貢献も少しはないと困るといったこともありますので、その辺りを総合的に見て判断しようと考えています。

記者

決まるまでの過程で住民の意見が反映されることはあるのか。

知事

暫定利用について明確に「こう使って欲しい」という声は、あまり聞いていません。個人個人、意見を持っておられる方がおられるかもしれないし、暫定利用したいという方がおられるかもしれませんが、暫定利用について地元の合意形成や意見聴取のようなことはやっていないので、公募で出てきたものの中身で、当然御理解を得るような努力はしないといけないと考えています。

記者

文部科学省の中央教育審議会で、大学の再編や統合に関して議論をスタートさせるという動きになっているが、京都に沢山大学があるので、今後少子化も含めて大学のあり方についてどう考えるか伺いたい。

知事

まだ議論が始まるというだけで、中身について私がコメントする段階ではないと思います。ただ、やはり人口減少で若年人口が減っているので、大学が経営改革しないといけないということもあります。それから今回の世界的な大学ランキングで日本の大学の順位は少し上がりましたが、やはり世界に伍していくための大学自身の高度な研究のあり方もあります。一方で地域に根ざしたあり方、これは前から文科省がやっていますが、大学に対する色々な課題があると思うので、それらが議論されることは、我々としては非常に歓迎することだと考えています。

個別の大学の経営については、我々も踏み込めないのですが、京都は大学のまちで、大学生や大学の存在によって様々な活動を支えていただいている側面もありますので、いずれどういう議論になろうとも、やはり京都の大学が、その議論に沿った形で引き続き活性化し、輝いていただくことが、我々としての一番の望みです。そのためにもし我々の方でお手伝いすることがあれば、積極的に関与していきたいと考えています。

お問い合わせ

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