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令和5年10月13日定例知事記者会見

「第20回京都労働経済活力会議」の開催について

本日の発表項目は1点だけですが、「京都労働経済活力会議」の開催についてです。

京都府などの行政・労働者団体・使用者団体では、地域の経済・雇用情勢に応じたきめ細やかな雇用対策について、関係機関が一同に会して議論します「京都労働経済活力会議」を開催しており、今回20回目となる会議を10月25日(水曜日)に京都府公館で開催します。

議題は、「賃上げを実現するための京都経済の好循環の形成」と「京都ジョブパーク等の就労支援機能の強化」の2点を予定しています。

賃上げに関しては、先日示されました国の経済対策の5つの柱の一つにも挙げられています。物価高騰など先行きが非常に不透明な経済状況の中で、今後とも、企業が利益を確保しつつ、持続的な賃金上げに繋がるよう、行政・労働団体・使用者団体と意見交換をしたいと思います。

2点目の就労支援機能の強化については、少子高齢化、人口減少による労働力人口の減少や多様な働き方の広がり、ダイバーシティ人材の活躍など、今後の社会経済情勢や生活様式・価値観の多様化などを踏まえた就労支援機能強化の方向性について意見交換をしたいと考えております。当日の取材についても御協力をよろしくお願いいたします。

私からは以上です。

質疑応答

記者

今回開催する「京都労働経済活力会議」では、リカレント教育については議論するのか。

知事

「京都労働経済活力会議」は、労働者側・使用者側・国を含む行政が一同に会して、きめ細やかに雇用対策について議論しようということで始まりましたので、網羅的にというよりは、年ごとに重要課題に論点を絞って議論をしています。今回は、この2点について議論をするということですので、リカレント教育そのものが議題になっているということではありません。

過去には、生涯現役クリエイティブセンターについて議論したこともありました。始まったばかりの頃は、人手不足というよりも雇用の場の確保という観点で議論をしていましたし、ジョブパーク自体が「京都労働経済活力会議」の議論がスタートとなって、皆で協力して就労支援機能を強化していこうということで誕生した経緯もあります。今回は20回目という事もあって私から告知をさせていただきました。

リカレント教育については、今回は直接取り上げるという事は恐らくないと考えています。

記者

台風7号の激甚災害の指定について、先日、激甚災害に指定されたことで、補助率のかさ上げ等があり、財源を国がみてくれることになるが、京都府内への影響や、知事の所感はどうか。

知事

台風7号に係る災害の激甚災害指定については、8月15日に谷防災担当大臣が現地入りされた時に直接要望していました。その結果、10月6日に閣議決定され、昨日、交付・施行されました。まずは迅速な対応について感謝申し上げます。

今回の指定の結果、農地などの災害復旧事業に係る国庫補助率の引上げと、災害復旧債に係る元利償還金の基準財政需要額への算入などが行われると承知をしていまして、市や町、農業関係者の経済的な負担が減ることとなるので、これは非常に喜ばしいことです。農業関係の災害についての適用だと認識しています。

記者

昨日、京阪京都交通が亀岡や桂坂で2ヶ月間に渡り一部の便の運休をすることが公表された。理由は運転手不足の深刻化ということだが、府内の影響を伺いたい。また、運転手不足はかなり幅広く他の事業者にも広がっているようだが支援策はどのように考えているか。

知事

京阪京都交通の減便の件については、直接お伺いした訳ではなく、ホームページ上で公表されたということで子細に分析していませんが、基本的には運転手不足の深刻化ということで、2ヶ月間、一時的に平日ダイヤの一部の便を運休すると聞いています。運休されるので影響がないとは思いませんが、どういう形で影響が出るかなどは、実態をもう少し調べなければいけないと考えています。

運転手不足は深刻な問題であり、京阪京都交通に限ったものではありませんが、元々我々は国に対して、全体として運転手確保の取組や施策の充実をして欲しいと思っておりましたし、強く言っていきたいと考えています。府が個別にどういった支援をできるのかについては、人手不足の話は全ての業界について言えることでもありますし、それぞれの生活にどれだけ影響が出るのかということも含めて、市や町といった地元自治体ともお話をした上で検討しなければいけないと考えています。

急な話だったので直ちに何らかの支援をすることは考えていませんが、全体としてはバス運転手の確保対策というものを全般的な公共交通のバスについて国に検討していただく必要があると考えています。

記者

現状では、運転手の確保対策を何かしていることがあるのか。

知事

基本的には国の方で様々な会社に対する対策をしています。タクシー運転手については、我々はジョブパーク等を使って研修に御協力しています。ただ、根本的な対応になっているかと言えば、まだまだかなと思っています。

経営採算性ということではなく、運転手不足というかなり物理的な障害であり、極めて深刻な問題なので、全体像もよく見ながら検討しなければいけないと考えています。

記者

支援策としては例えばどういったことが考えられるか。

知事

経営であれば、できるかできないかは別にして、いわゆる財政支援などがありますが、人がいないという話なので、おそらくバス事業者側での工夫として、人繰りなど勤務状況の工夫や、場合によっては機械的なものでの対応というのが考えられるかもしれません。ただ、もちろんワンマン化していますし、かなり極限まで工夫されていますので、その辺りについて、私も今すぐにはバス運転手の確保について知恵がありません。

記者

先日、政府が早期に実施すべき花粉症対策をまとめたが、これに対する受け止めはどうか。また、京都府は花粉症対策についてどのように取り組もうと考えているか。

知事

花粉症は国民の4割程度が罹患していると言われており、多くの国民の皆様を悩ませている社会問題なので、その対策が進むことは歓迎すべきことだと考えています。

今回の花粉症対策は比較的人口の多い都市部周辺を重点区域にするとされており、どのように対策のエリアが選定されるのかは分かりませんが、京都府は森林資源を循環利用することに取り組んでおり、かなり伐採期に入っている森林が多いので、その主伐や再造林、府内産の木材の利用促進にも繋がりますし、それによって花粉症対策にも繋がるということです。

政府の対策のメニューも見なければいけませんが、我々のそうした政策にも活かしていきたいし、また逆に我々の政策で政府の示す花粉症対策に貢献できることがあれば、そこはしっかりと連携したいと考えています。

いずれにしても非常に大きな社会問題であると思いますので、経済対策なりに盛り込んでいただければありがたいです。

記者

文部科学省が旧統一教会に対する解散命令請求を行ったが、知事の受け止めはどうか。

知事

旧統一教会の問題については、ここまで政府が宗教法人法に基づく手続きを丁寧に踏んで来られたと思います。質問権の行使もありましたし、高額献金者等への聞き取り調査もかなり丁寧にされ、最終的には宗教法人審議会において全会一致で了承され、それを踏まえて本日午前中に解散命令の請求をされました。基本的には法に基づいた対応だと考えています。

これからは司法の場での検討になりますので、それについては裁判所の判断を注視したいです。

いずれにしても旧統一教会による被害者の方がおられますので、そうした方への支援が進むことを心から期待したいです。

記者

北陸新幹線が敦賀までの試運転を開始したが、これに対する知事の感想を伺いたい。また、その後はいよいよ京都、大阪という流れになると思う。今、ボーリング調査が行われており、京都ルートは地下水や残土の問題について市民から不安の声も上がっているが、そうした声も踏まえて北陸新幹線についてどのように考えているか伺いたい。

知事

金沢~敦賀間の開業日が決まり、御指摘の通り試運転が始まっているということで、これは地元福井県の方にとって待望のものであり、心からお祝い申し上げます。おそらく北陸新幹線の敦賀延伸を活用して様々な地域の活性化策が行われると考えています。

敦賀から先の事については、一定の手続きの下で進んでおりまして、現在の状況の認識は、環境アセスメント法に基づく環境アセスメントが鉄道・運輸機構で行われている段階だと考えています。

残土など、様々な環境への影響の課題については、これまでの手続きの中でも指摘していますので、丁寧な調査と地元への説明、そして我々が指摘しています環境上の様々な課題について、きちんと適切に対応していただきたいということを引き続きお願いしていくということに尽きます。

記者

今後はこちらの方に動きが来ると考えているか。

知事

敦賀延伸の遅れに伴って、切れ目ない着工を地元の方も要望されていましたので、開業の日時が見えたことでより要望が強くなるということは理解していますが、我々の対応やこれまで国や機構にお願いしてきたことについて、敦賀延伸が確定したからといって何ら変更するものではないと考えています。

記者

中東情勢について、イスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘が激化しており、府内では綾部市が声明を出しているが、京都府としての対応は何かあるか。知事の所感も併せて伺いたい。

知事

ハマスを含むパレスチナの武装勢力がイスラエルを攻撃し、それに対してイスラエルがパレスチナのガザ地区への空爆等をしているということで、罪のない一般市民にも非常に多くの犠牲が出ています。その御家族に対して哀悼の意を表しますとともに、負傷した皆様にもお見舞いを申し上げます。我々としては1日も早く戦闘が中止して平穏な日々が訪れることを心から祈っています。

綾部市長は世界連邦宣言自治体全国協議会の会長という立場もありますので、そうした立場から一定の行為をされたと思います。我々が直接国際的に何らかの働きかけをすることは考えていませんが、もちろん今後の展開も見なければいけません。

もう一つ戦闘が早期に収束することを願うのは、過去にも中東の紛争の長期化により、オイルショックを始め、エネルギー情勢等に非常に大きな影響を与えた事案もありましたし、今まさにロシアによるウクライナ侵攻で世界情勢が非常に不安定化している中で、更にイスラエル情勢によってそれが大きくなっていくことは極めて憂慮すべき事態だと考えています。そうした経済情勢についても引き続き注視したいです。

記者

11日に首相官邸で初めてデジタル行財政改革会議が行われ、その中でライドシェアについて検討材料となった。政府・自民党の中でも河野デジタル大臣や菅前首相がライドシェアをかなり積極的に進めている。加えて、先月、神奈川県の黒岩知事が神奈川版ライドシェアをタクシー業界と一緒に検討したいとして、方針などを表明された。タクシー不足は一大観光地である京都でも大きな問題の一つだと思うが、ライドシェアに関する知事の所見や取組があれば教えて欲しい。

知事

一般ドライバーが自家用車を使って有償で乗客を送迎することをライドシェアと呼ぶのであれば、ライドシェアを含めてタクシー事業に関する規制のあり方については、私が国土交通省にいる時からずっと議論になっていることです。

京都でも14の市町村のいわゆる「交通の空白地域」では、自家用有償旅客運送事業が既に制度化されており、それに取り組んでいる自治体もあるので、一部は既に実現していると考えています。

一方で、タクシー不足については当然憂慮すべき事態で、解決すべき重要な課題であり、何らかの手を打たなければいけないと考えています。ただライドシェアを使ってタクシー不足に対応することについては、斉藤国土交通大臣が言われた通り、運行管理や車両整備に責任主体を置かないまま、ドライバーのみが運送責任を負うことを前提としたライドシェアは安全の確保や利用者保護の観点から問題があると言われています。

様々な論点があるので、そこを整理した上で、所管が国土交通省であると明確に決まっているので制度化に向けて検討されるべきだと考えています。

私自身、闇雲にライドシェアを認めるべきではないとは言いませんが、かなり課題は沢山あると思いますし、ある程度自治体レベルの関与によって解決する課題があれば、そこは当然、観光地でもある京都が積極的に関与したいですが、その前に国として整理しないといけない基本的な課題があると思うので、せっかくこうした議論になってきたので、あまり前提を置かないで積極的に議論していただければありがたいです。

記者

先日、岸田首相が京都に来られた時に、知事とランチをされたとの報道があったが、どのような話をしたのか。

知事

首相はインターネットガバナンスフォーラムで開会の挨拶と講演をされた後に、昼食をとるということで、私に同席して欲しいというお話を官邸側からいただきました。

基本的には雑談で終わりました。私は岸田首相とは建設政務次官の時からのお付き合いで、秘書官も5人同席されていましたので、昔の話などもさせていただきました。インターネットガバナンスフォーラムで来られたので、突っ込んだ話はしませんでしたが、生成AIの話など、仕事の話もしました。基本は、ほぼ京都に関する雑談だったと思っていただければ結構です。

記者

一昨日、藤井聡太さんが京都の地で前人未到の八冠を達成された。将棋の起源は海外とはいえ、日本の伝統文化の一つになっており、それが文化の都である京都で八冠を達成されたのは何らか縁があるように感じる。

藤井八冠は、来週にも竜王戦で京都に来られる。昨日の記者会見では京都はなじみが深い土地という発言もあった。京都の地で八冠を達成されたことへの所感と、将棋や囲碁、もしくは藤井八冠に向けた取組など、何かあれば伺いたい。

知事

藤井聡太さんの全冠独占について、全冠独占は過去に3人おられて、それは三冠、五冠、七冠でしたが、八冠独占は当然初めてですし、しかもここ京都で達成されました。心からお祝い申し上げます。

藤井八冠の活躍によって、藤井八冠だけでなく、対戦されている若手の棋士も連日ニュースで報道されるということで、将棋をしない人の間でも話題に上り、将棋文化の裾野の広がりについても感じています。

今、御指摘がありましたように、毎年、タイトル戦を京都で何回かされており、対局の譜もありますが、将棋めしやおやつにも注目が集まっているので、それが報道されることは、それだけ京都について発信していただいていることになるので、ありがたいです。

来週は竜王戦の第二局が仁和寺で行われるということで、まさに八冠になって初めてのタイトル防衛戦となります。八冠を独占し続けるということはずっと勝ち続けないといけないので大変ですが、もちろん活躍を期待していますし、盛り上がるいい対局になることを期待しています。

前夜祭で過去2回もお会いしておりますので、その時にはお話したいです。京都のために何かやってくれと言えるほど親しくはないのですが、京都で八冠を達成されましたし、京都で八冠としての最初の防衛戦にもなるので、それだけでも十分京都のPRになると思っています。

ちなみに、2年前に誰かが何の食べ物に興味があるか聞いた際に、確かラーメンと言っておられました。去年は「ラーメンを食べましたか」と聞いたら「まだ」と言われていましたので、今年も聞いてもいいかもしれません。

私の小さい頃は近所のおじさん達が皆、将棋をしていました。将棋の文化が広がることはいいことだと思います。

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