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令和5年12月22日定例知事記者会見

発表項目に先立ち2点申し上げます。

1点目は大雪についてです。

京都気象台によりますと、明日にかけて、府北部地域を中心に大雪となる可能性があり、既に昨日から大雪注意報が発表され、現在も継続していることから、SNS等で府民の皆様に注意を呼びかけますとともに、現在、京都府の雪害警戒本部を設置し、厳重な警戒体制をとっているところです。

府民の皆様におかれましては、今後の気象情報、また道路交通情報に十分御注意をいただきますとともに、雪が予想される場合には、不要不急の外出を避けていただき、やむを得ず車を運転される場合には、冬用タイヤの装着など、しっかりと雪対策をしていただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

2点目は節水についてです。

9月以降の降雨が平年より相当少なく、日吉ダムの貯水率や琵琶湖の水位が低下しています。特に日吉ダムでは昨日貯水率が4.5%を下回り、本日10時から上水道等に対する取水制限が32%に引き上げられました。

府営水道では広域水運用を活用して対応することで、直ちに府民の皆様の暮らしに影響が生じることはないものと考えておりますが、今後の気象状況によりましては、渇水の状況が更に悪化していくことも懸念されることに加え、これから年末にかけて大掃除などで水の消費が増加することも予想されます。

府民の皆様におかれましては、

一点目として、歯磨き、洗顔、手洗いの際には、水を流したままにせず、こまめに止めていただくこと、

二点目として、洗濯は、なるべくまとめて行うことで回数を減らし、更には、風呂の残り水を利用していただくこと、

三点目として、食器洗い、大掃除、洗車の際には、水を流しながら洗うよりも、洗い桶やバケツなどを利用した「ため洗い」をしていただくこと、

など、節水に御協力いただきますようお願い申し上げます。

それでは、発表項目に移らせていただきます。

年末年始における医療提供体制等について

1点目は年末年始の医療提供体制についてです。

年末を迎え寒さも今厳しくなっており、体調を崩しやすい時期になります。

京都府では、年末年始に発熱等の症状があっても安心して療養いただけるよう、24時間対応の医療相談窓口を開設します。

発熱症状がある場合などは「きょうと新型コロナ医療相談センター」(075-414-5487)にお電話いただきたいと思います。こちらの相談窓口では、症状に対する相談をお受けするほか、受診が必要な場合には、医療機関を御案内いたします。

また、救急車を呼ぶかどうかを迷った際に助言を受けられる電話相談については、一般の方でしたら「#7119」(「救急安心センターきょうと」)、15歳未満の子供の方なら「#8000」(小児救急電話相談)を御利用いただけますので御案内させていただきます。

年末年始の期間中の受診可能な医療機関については、京都府救急医療情報システムによる救急医療機関の御案内のほか、休日診療所などの情報についても、ホームページに掲載し、案内いたしますのでお知らせします。

併せまして、帰省等で人と会う機会や、大勢で集まる機会が増えますので、こまめな換気や手洗い、咳エチケットなどの基本的な感染防止対策が重要ですので、改めて府民の皆様にお願いいたします。

周知につきまして、御協力をよろしくお願いいたします。

2023年を振り返って

2点目は、年末の恒例の話題として、今年1年の振り返りです。

お配りしている資料は、優先順位を付けている訳ではなく、所管部局の建制順に並べたものですが、この中で、印象に残っているものをいくつか申し上げます。

まずは、子育て環境日本一推進戦略の改定と新条例の制定についてです。

「子育て環境日本一」は、知事就任以来、府政の最重要課題として取り組んでいるところですが、コロナ禍や物価高騰などにより、子どもや子育て世代を巡る環境が非常に厳しさを増していますし、少子化も加速しています。こうした状況下で、「子育て環境日本一」の取組を進化させていく必要があると判断し、令和元年に策定した戦略を改定すると共に、新しい条例を制定しました。

私自身が様々な方との対話を行い、検討を重ね、私の想いを戦略と条例に盛り込んだつもりです。府民の皆様や企業、地域などと手を取り合いながら、一丸となって「子育て環境日本一」の京都の実現に向けて取組を進めてまいります。

次に、IVS 2023KYOTOの開催についてです。

スタートアップ企業の海外展開を促進するため、海外企業と競い合うピッチ会や投資家等との商談を行う国内最大規模の国際スタートアップイベントを開催し、海外からの2,000人を含む1万人の方に京都にお集まりいただきました。

伝統と革新によるイノベーションを象徴する「京都」の強みを十分に活かしながら、京都のエコシステムの発信とスタートアップ企業の京都への集積を促進していきたいと考えています。

もう一つ紹介しますと、京都縦貫自動車道のNEXCO西日本への移管についてです。

平成27年に全線供用した京都縦貫自動車道については、京都府道路公社とNEXCO西日本がそれぞれ管理してきましたが、道路公社の管理区間である宮津天橋立ICから丹波ICまでを今年の4月1日にNEXCOへ移管いたしました。NEXCOの全国路線網へ編入されたことにより京都縦貫自動車道の4車線化の実現性が高まり、また、京都府としては山陰近畿自動車道の整備促進に集中できる体制に繋がるものであり、京都府の高速道路網整備は新たなステージに入ったと考えています。

この移管を契機として、高速道路網の更なる充実・強化に努めてまいりたいと考えています。

このほか、番外編としまして、印象に残ったものをあげさせていただきました。

何といっても明治以来初めてとなる本格的な中央省庁の移転が実現しました。移転後の文化庁には、京都の地域文化や生活文化に触れていただくことで、地域の実態に即した新たな国の文化政策に繋げていただくことが期待されますし、京都府としても、文化庁と連携しながら新たな文化政策の新たな潮流を作り、それを全国に波及させることで地方創生に繋げていきたいと思っております。

最後に、私がこの1年を振り返って考える今年の漢字を発表させていただきます。

今年の漢字は、「文」です。

何といっても、文化庁の京都移転は明治以来初めてですし、これからも似たようなことが起こるかというとなかなか起こりにくいことです。

3月27日に移転され、5月15日から業務を本格的に開始されています。移転を記念して9月に開催したオープニングセレブレーション「きょう ハレの日、」をはじめ、府域全体で文化に親しむ取組を展開しました。

先日、京都市の門川市長が(今年の漢字として)「文化」を挙げられました。示し合わせた訳ではありませんが、考えてみると府市協調を軸にしてオール京都で取り組んできた課題だということで、もし今年の漢字を選ぶとなれば、文化の関係しかないのかなと、当然のことだったような気もします。

それから一点付け加えますと、来年の大河ドラマは「光る君へ」ということで、源氏物語というとまさに書物というか文であり、それを書き上げた紫式部の人生を通じて、いにしえより培われてきた、京都の様々な文化にも注目が集まるのではないかと思っています。こうした期待を込めて、「文」という字を選びました。

今年の発表項目は以上となります。

最後になりますが、府民の皆様におかれましては、健やかに新年を迎えられますことを心から願っています。

また、記者の皆様におかれましては、今年1年、本当にお世話になりました。今年1年お世話になったことに改めて感謝申し上げますとともに、どうか皆様も良い年をお迎えいただくよう祈念しています。

私からは以上です。

質疑応答

記者

今年の漢字について、先日清水寺で行われた恒例の発表は「税」だったが、知事の感想はどうか。

知事

元々清水寺の漢字は投票によって、価値判断というよりも数で決めておられると聞いています。「税」が選ばれたということは、やはり今年、色々な政策についても財源や増税が話題になりました。最後の局面で所得減税の話を岸田総理が表明されたということで、国民の関心も高く、税ということであれば、インボイス制度が始まりましたので、消費税に対し、特に小規模な事業者にとってみれば関心も非常に高まりました。それから、ふるさと納税も色々と話題になったということもあり、そういう国民の皆様の関心が文字に表れたのかなと思っています。

記者

清水寺で今年の漢字として「税」という字を森貫主が書かれた時に、税に対する国民の視線を感じつつ、少し厳しい気持ちで書いたと言っていたが、知事が今年の漢字として選ばれた「文」を書き上げた時の気持ちはどうか。

知事

先程も言いましたように、清水寺の場合は、国民の投票でどういうことに関心があったかという前提で書かれていますが、私が毎年発表しているのは、私自身がこの1年をどう受け止めたかという思いを字に表したものです。

文化庁の京都移転は、非常に長い歴史の中、オール京都で取り組んできたことが実現したものです。しかも、3月27日と、今年の前半に始まって、それがずっとその後の「きょう ハレの日、」まで続いていますので、やはり今年は「文化」をかなりずっと意識してきた年でした。私自身の意識や取組、これまでのオール京都の先人の皆様の努力など、色々考えると、今年は早い段階からやはり「文」しかないと思っていたので、そういう気持ちを込めて書きました。

記者

晴れやかな気持ちで書かれたということか。

知事

文化庁の京都移転は、誘致という意味においてはゴールですが、実は全くそうではなくて、文化首都京都を実現する上ではまさにスタートラインに立ったばかりです。

しかも、誘致の時も結構頑張りましたが、いざ文化庁が来たとなると、地元京都としての責任や役割は非常に重いと感じていますので、晴れやかなだけではありません。どちらかというと、地元としての責任や役割の重さを感じながら書かせていただきましたので、晴れやかということではなく、いよいよスタートだという気持ちを込めて書いたということです。

記者

先ほど「府市協調」と言われたが、門川京都市長が「文化」という文字を出されたことについて、どう思ったか。

知事

当然だと思いました。誘致は決まっていましたが、実際に文化庁が組織も人員も含めてこられることを目指して、この5年間、私も知事になってから常に門川市長と行動を共にしてきましたので、ずっとやってきて、その時には「当然だな」と思いました。2文字というのは意外でしたが、「やっぱりか」という感じでした。

記者

この1年を振り返ると意欲的な取組も多かったかと思うが、逆にできなかったことや足りなかったことはどうか。

知事

足りないものは、たくさんあると言えばあると思いますが、やはり物価高騰がずっと続いていることと、コロナ禍に入る前からある程度分かっていたことですが、人手不足というか人口減少の局面がコロナ禍の3年半の間も構造的にはどんどん進んでいた中で、コロナ禍によりそのことは若干焦点からは外れていました。色々な日常の経済活動や社会活動が回復してくると、そうした課題が改めて認識されました。これについては研究会をつくって労働や雇用構造の研究を始めており、これからのことかもしれませんが、かなり待ったなしの課題です。

私自身は、人口減少下における社会経済活動と住民サービスをどう確保していくかということについては、コロナ禍が明けていきなり突きつけられた課題であり、そこはもう少し準備しておけばよかったかもしれないと考えています。

記者

その辺りについては新年から取り組むということか。

知事

そうですね、これからの課題です。

ただし、これは京都府だけではなく、我が国全体の課題だと考えています。

記者

府立植物園の「きのこ文庫」へのビル・ゲイツ氏からの寄贈本については、知事から礼状を出され、府内の高校生に読んでもらう取組もしたが、補正予算で取り組まれた内容の総括やビル・ゲイツ氏からのアクションはどうか。

知事

ビル・ゲイツ氏からのアクションは一切ありません。ただ、財団を通じて、おそらく伝わってはいると思います。

補正予算で「人生最高の5冊」を府内の高校生に読んでもらって、まだ途中ではありますが、本を読んだ感想を英語でスピーチするコンテストを開催し、その動画をビル・ゲイツ氏側に「こんなふうに活用していますよ」とお送りする予定です。

その過程で、京都の高校生たちに、ビル・ゲイツ氏のような方も本に親しんでおられることを知っていただき、「人生最高の5冊」と言われている本に触れていただきたいです。内容の難しい本もありますが、京都の高校生にそういう本に少しでも触れてもらい、少しでも心に残れば非常にいいのではないかという思いがあります。

すぐに効果が出てくるかどうかは分かりますが、色々なところで反響も聞いています。また、実際にあの本を読み込んでスピーチしようと思う子どもたちにとってみれば、やはり勉強になりますし、その成果はこれから出るかと思いますが、その成果をビル・ゲイツ氏側に送って、また是非反応を見たいと思います。

記者

今年の振り返りとして、新型コロナが5類に移行したことがあるが、医療体制でもそれ以外でも、コロナ禍を乗り越えて京都府が得たものは何か。

知事

振り返ると長くなるので簡潔に言いますと、まずは5月に5類に変更になりました。この間、一番はやはり医療現場の第一線で御奮闘いただいている医療従事者の皆様、色々な施設で感染防止に協力いただいた方々に感謝を申し上げたいです。府民の皆様にも、行動制限を含めて感染防止に協力いただきました。そして事業者の皆様にも、時短営業や休業、アルコールの提供禁止などで御負担をかけました。そういう全ての皆様の御協力で何とか一つの区切りを迎えられたということで、まずは感謝の気持ちでいっぱいです。

一方で、すぐには戻ってきませんが、だんだんとコロナ前の日常生活が戻ってきました。景気も、経済活動も、観光客の状況も戻ってきて、先ほども人口減少のことを言いましたが、改めて新たな課題も浮かび上がってきました。コロナ禍が始まった頃はよく「ポストコロナをどうしようか」ということを言っていましたが、まさにコロナ禍が明けた今、私自身がどう生かしていくのかということです。

コロナで気づいたことはたくさんありますが、一番は、例えば医療機関に対してもそうですし、事業者に対する営業時間短縮やアルコールの提供禁止などもそうですが、日本のコロナ対策は、日本のコロナ対策は、全ての行動制限が依頼という形でお願いベースで成り立っていました。最終的な法律の措置はありましたが、それはほとんど使っていません。それでも時短要請を約97%の事業者に守ってもらいました。

その過程には、京都府や市町村の行政が行うことに一定の信頼性があったということです。情報もそうですし、色々な措置についても信頼性があったからこそ、ずっとその措置を継続できました。

改めて、府民の皆様の信頼がないと様々な施策が前に進まないということを痛感しました。考えてみると、それはコロナ対策だけではなくて、全ての政策に繋がるのではないかということを学びました。

そこが私自身の学びとしては一番大きかったことです。

記者

昨日、大阪府が、大阪府の高校授業料無償化制度への参加を表明した近畿5府県の計107校を発表し、京都府からは京都西山高校が参加する意向を示した。

今まで基本的には京都府の私学団体は一枚岩で動いているとの話しであったが、1校が参加し、2校が参加を検討中とのことである。あくまで各校の判断だと思うが、この点についてどう考えるか。

知事

昨日、大阪府から公表された中身は、御紹介がありましたように、全日制では参画が1校、不参画が36校、検討中が2校ということで承知しています。

私学団体は様々な観点から懸念も表明されていましたが、最終的には学校単位で参画、不参画を判断されるということなので、参画であれ不参画であれ、各校とも相当熟慮され悩んだ上で判断されたのではないかと思います。

ただ、参画された京都西山高校について言えば、大阪府に近い向日市に位置しており、大阪府から通学されている生徒数も他校と比較すると多いということもあるので、直接聞いた訳ではありませんが、そうしたことも考慮されて判断されたのではないかと考えています。

記者

これを受けて京都府としての対応はあるのか。

知事

京都府の「あんしん修学支援制度」における年収区分による崖となっている支援の程度をなだらかにして拡充することや、他府県に通学している生徒についても相互支援を前提に支援する考えを言ってきましたが、京都西山高校が大阪府の制度に参画することで、我々の制度設計にどういう影響があるのかについては精査するようにと事務局に指示しています。基本的には大阪から来る生徒に大阪府が支援をするものですが、そこにはいわゆる「キャップ制」と言われている一定の縛りがかかっているという前提があり、大阪府以外から京都の高校に通っている生徒との差がどれぐらい出るのかなど、色々と実態も見なければいけないと思いますが、まだそこまでは考えていません。

基本的には、大阪府が大阪から来る生徒に対して支援するという制度なので、すぐに京都府のあんしん修学支援制度の制度設計に直接大きな影響を及ぼすことはないのではないかと考えていますが、京都府の制度設計をどうするかということについては令和6年度当初予算編成に向けて検討しており、元々色々な影響を考えながら制度設計の検討を始めているので、その中で検討したいです。

記者

京都西山高校において、大阪から来ている生徒と京都に住む生徒との不公平感がどうなるかについても見極めるということか。

知事

不公平感が出たとしても、京都に住む生徒については、京都の全ての学校において同じ条件であり、元々全く支援がなかった時には京都と大阪の生徒に一定の違いがありました。それを直ちに一緒にしようということではないのですが、学校が真剣に考えた上で今回判断されたことだとは思いますが、どのような状況になるのかは把握しておいた方がいいと考えています。

記者

基本的には各校の判断を尊重するということか。

知事

もちろんそれが大前提です。

記者

品質不正問題でダイハツは全車種の出荷停止を行った。府内にも大山崎町に工場があるが、府内への影響と対策についてはどのように考えているか。

知事

私が全部を把握している訳ではないので報道ベースになりますが、不正行為があったことによって、国内外で販売する全車種の出荷を停止することになったことは承知しています。

私も国土交通省にいましたが、型式指定の申請について不正が行われるということは、自動車ユーザーの信頼が損なわれますし、自動車の認証制度そのものの制度の根幹を揺るがす行為であり極めて遺憾です。

昨日、国土交通省がダイハツの本社に立入検査に入っておられますし、これから現行の生産車の基準適合性についても技術的検証が行われると聞いていますので、その結果を踏まえ、ダイハツには是非とも適切な再発防止対策を講じていただきたいです。

いくつかの車種で手続上の不正があったということですが、不合格だった車種を合格にしているのではなく、やり方が違うということなので、該当する車種を今使っておられる方もたくさんおられるので、適合性に関する技術的検証はできる限り早くされた方がいいと考えています。

ただ、そうは言っても、立入検査や技術的検証の結果次第で、工場の稼働停止が長期化する場合も当然想定されます。今言及いただいた大山崎の工場は、今年の4月1日時点で約1,300人の従業員の方が雇用されていますし、当然、下請企業への影響も懸念されます。

府としては、すぐに何かをするというよりも、まずはダイハツから状況を確認して、雇用と下請企業も含めた地域経済への影響を最小化する取組をしたいと考えています。

今、具体的に何ができるかというよりも、出荷停止がどのぐらいになるのかまずは状況の確認と、従業員の方に対しては、停止しても雇用状況に変更がなければ会社の責任として対応していただくことですので、まずは状況を確認させていただきたいと考えています。

記者

ライドシェアについて、政府は、年度内に新制度を設け、タクシー会社の運行管理のもとで、タクシーと特定地域に限って一般ドライバーが有料で客を運ぶことができるようにする方針である。これによって地域が抱えるタクシーや運転手の不足、地域交通の確保難、オーバーツーリズムといった課題の解決に資するものと考えられるが、この方針に課題や問題があるとすれば、どういったところか。

また特にタクシー会社が運転手の教育や運行、安全管理を担うという仕組みをどのように評価するか。

合わせて、政府は来年6月を目途に、更にタクシー会社以外の事業者もライドシェアに参入できる全面解禁についての考え方を示す方針だが、知事の期待や懸念点を教えて欲しい。

知事

12月20日のデジタル行財政改革会議で公表されたデジタル行財政改革中間取りまとめの中でライドシェアについて言及がありました。

1点目は、ライドシェアとは別かもしれませんが、ドライバー確保のためのタクシー運転手に関する規制緩和です。2点目は、タクシー事業者の運行管理のもとで地域の自家用車やドライバーを活用する新たな仕組みの創設であり、これがライドシェアです。3点目は、従来の自家用有償運送制度についても大幅な改善を図るということです。この3点が大きく盛り込まれたと承知しています。

まず、政府がある程度の期限付きでこれを打ち出したことに関しての評価ですが、今までライドシェアという言葉がひとり歩きをしていて、ライドシェアに対するイメージがかなりバラバラだったので、政府が一定の枠組みを示したことについては、高く評価したいです。

以前の会見でも申し上げましたが、ユーザーが一番気にするのは、安心・安全に公共交通機関として利用できるかということです。今まで日本のタクシー会社は、運行管理については、車両も運転手の管理も含めてかなり安全重視でやってこられましたので、タクシー事業者の運行管理下で行われるということであれば、ライドシェアの入り口として最も懸念される課題がクリアされやすい仕組みで導入するということなので、是非、安全で安心できるシステムとして年度内の構築を期待したいです。

6月に向けてのタクシー会社以外の経営体の新規参入については、元々、規制緩和というか参入障壁の撤廃の流れで出てきた話でもあるので、経済の活性化という意味においては一定の効果があると考えています。しかし、最終的には消費者にとって安全なシステムが供給されるかというところに行き着くという点は、あまり変わらないと思います。タクシー会社は元々ずっとそういう仕事をされているので、そうではないところが同じような安心感を消費者に与えられる仕組みをどう作れるかということに尽きると考えています。

元々、京都でも北部の「いねタク」など自家用有償旅客運送を活用して地域の高齢者の足の確保をしているので、そこはどんどん規制緩和等で改善していただいたらいいのですが、大都市部でのタクシー不足に対応するということであれば、自家用車やドライバーの供給も課題の一つだと考えています。タクシー会社が運行管理をする時も同じですが、その確保ができる地域もあれば、難しい地域もあるのではないかと考えています。

それから、観光都市ということであれば需要の波も出てくるので、安定した経営や安定した運行をするために、例えばタクシー会社の場合はほかの業務と抱き合わせて対応するといったことが考えられますが、その辺りができるのかなど課題はかなりたくさんあると考えています。

今回はあくまで表明して、議論がスタートしたということなので、是非、今起こっているドライバー不足などへの処方箋となるような実効性のある制度構築を期待したいです。

記者

渇水について、日吉ダムの貯水率も下がる一方で、見通しがなかなか見えないが、どう考えているか。

知事

渇水というのはまさに天気次第で、しかも雨が降っても全体で降る訳ではないので、どの地域、どの流域で降るかによります。

私が30年以上前に経験した琵琶湖渇水では、木津川水系のダムも全部渇水だったのですが、今年の秋は木津川水系には結構降っていたので、まだ少し水はあるようです。どこでどう降るかということは予測できないので、基本的にはまず節水をして備えることしかありません。

ただ、琵琶湖流域も日吉ダムの流域も雪が積もるので、春になれば雪解け水が必ず出てきます。なので、来年の1月、2月でどれぐらい降雨があるかということにかかっているのですが、その見通しは、私自身にも分かりません。

記者

府営水道において取水制限が32%に引き上げられたということだが、どれぐらいまで耐えられるのか。

知事

どれぐらいかは分かりませんが、更に貯水率2.2%を目安として、取水制限を35%にすると言っています。

現場でどれぐらい耐えられるかはシミュレーションをしていませんし、それを言ってしまうと、その状況になると本当に被害が起こるのかということになるので、取水制限の時の水の使用と広域水運用の結果でどうなるかなどを細かく見てみないと分かりませんが、今のところは大丈夫だということです。

それから、琵琶湖の場合も、今朝でマイナス73センチということですが、疎水を通じた水は京都に流れてきており、瀬田川洗堰も今は毎秒何トン流しているか分かりませんが、一定の量が流れてきています。琵琶湖の方は、逆にマイナス何センチになると滋賀県で影響が出るかとの兼ね合いなので、どう影響が出るかはその時でないと分かりません。

対応としてはできる限り節水をすることですが、ダムの運用や琵琶湖の運用も雨が少しでも降れば流すとか色々な細かい運用もしていると思うのですが、先は読めません。

記者

一昨日、共同体育館の意見聴取会議が開かれ、府立大の塚本学長が、学生さんの意見をもとに、「府立大に1万人規模のアリーナは要らない」という趣旨の発言をされたが、その受け止めはどうか。

知事

今週開催した共同体育館に係る意見聴取会議は、これまでスポーツ施設のあり方懇話会で検討してきたことの報告と、そこでの検討を前提にして、改めて委員からの意見を求めるために開催しました。

例えば学生利用を中心に地域利用や学生のスポーツ大会など、学生利用だけではなく範囲を広げたらいいのではないかとか、検討状況については大学だけではなくて広く地域で周知や共有をした方がいいのではないかという意見もありました。

今、御紹介がありましたように、学長からではありますが、学生ワークショップの意見に基づく配置のイメージを学生のサークルやクラブに示したら異論がなかったということで、その紹介があったということです。これも学生の意見として幅広く意見を聞くという中では極めて重く受け止めたいです。

府立大学は年明けに教員にも意見を聞いて、「大学の要望として取りまとめたい」とも仰っていますので、当然それも踏まえて、我々としては更に検討を進めていきたいです。

記者

老朽化自体が進んでいるので整備自体は早くして欲しいということで、来年度予算に盛り込まなければ、更にまた1年延びるのではないかと懸念されていた。そういう意味では向日町も含めて整備をしていかないとどんどん遅くなってしまうが、スピード感的をどう考えているか。

知事

検討が終わらないとできないのは間違いないのですが、一方で様々な意見があるのと、ぐずぐずするつもりはありませんが、やはり決断するからには、ある程度専門的な検討も含めて、それなりの根拠も必要です。

老朽化のことはもちろん分かっていまして、本当に危険なところについては使用しないとか、仮の施設を使用してもらうなど、学生の皆さんにご不便をおかけしていますが、そこは期限を区切るということではなく、丁寧にきっちりと検討していきたいです。来年度当初予算でどうするかも含めて検討させていただきたいです。

記者

京都府警の警察官の不祥事が最近目立っており、先日も金融機関からの情報をもとに職務で訪れたところで窃盗をしていたということがあり、事実だとしたらかなり悪質なケースだと思うが、知事の受け止めはどうか。

また、府警の人事や普段の捜査などは府警が行っていて、知事が口を挟んだりはしていないが、その辺り、知事としての考えはどうか。

知事

警察行政は、基本的には府民の安心・安全を守る根幹であり、しかも特別な法律に基づいて様々な権限を持っています。それを執行する警察官に信頼がなければ、当然適正な業務の執行はできません。そうした意味においては、どういうものであれ、不祥事は極めて遺憾です。

不祥事にも色々な種類があって、もちろん業務上の不祥事であれば悪質ですが、単なるルール違反であっても、警察官の信頼性をなくすという意味ではあまり変わらないと思いますし、あってはならないことです。最近増えてきたかどうかは分かりませんが、しばらくなかったものであり、警察本部も認識されていると思いますが、改めて綱紀粛正や、適正な業務、執務の執行について努力をしていただきたいです。

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