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令和6年1月19日定例知事記者会見

令和6年能登半島地震に係る対応等について

1点目は能登半島地震への対応についてです。

災害関連死の可能性がある方も含め、本日午前7時30分時点で、232名の方がお亡くなりになられました。

改めて、謹んでお悔みを申し上げます。

また、本日午前9時の時点で石川県では22名の方が、安否不明となっておられます。被災地では道路網の甚大な被害、断水、衛生状態の悪化など、過酷な環境下での生活が続いております。

加えまして、2次避難や中学生の集団避難など被災者の方々は非常に御苦労されておられます。

被災された全ての方々に、心からお見舞いを申し上げます。

本日は、前回の記者会見以降の新たな動きのうち、主な取組について御説明申し上げます。

資料2ページを御覧いただきたいと思います。発災以降、京都府では対口支援先である七尾市に対して、避難所運営支援やリエゾンのために職員を派遣しているところですが、さらに1月25日から28日までの間、関西広域連合のリエゾンの交代要員として2名を石川県庁に派遣することが決まりました。

資料3ページを御覧いただきたいと思います。教育支援として、学校教育活動の再開に向けた支援のニーズを把握するため、リエゾンを石川県教育委員会などに派遣することとしました。1月21日に避難所運営支援の職員と共に出発する予定であり、後ほど、担当課から資料を配布いたします。

なお、1月18日までに、警察を含めて324人の京都府職員を派遣いたしました。これまでに京都市を含みます府内全市町村と合わせまして約1,400人の職員を派遣しております。

次に公営住宅の受け入れ状況についてです。府営住宅につきましては、1月17日に1戸に入居されており、現在、3戸の入居に向けて調整しているところです。

また、京都市営住宅では3戸に入居されており、その他の市町の公営住宅については、まだ入居されていないと聞いております。

資料6ページを御覧いただきたいと思います。京都府災害ボランティアセンターが、1月17日からボランティア活動をサポートするための募金の受付を開始いたしました。

多くの府民の皆様が被災された方を支援したいと思っていただいていると思います。

既に1月5日から受付を開始しております義援金と合わせまして、御協力いただきますようお願いいたします。

その他、派遣期間の延長などの新しい動きにつきましては、資料の下線を引いている部分を御覧置き下さい。

引き続き、被災された方々が一日も早く日常生活を取り戻せるよう、全力で支援してまいりたいと考えています。

「ZET-summit2024」の開催について

2点目は「ZET-Summit2024」の開催についてです。

京都府では、「産業創造リーディングゾーン」の一つとして、「脱炭素テクノロジー」をテーマに、EV・バッテリー・バイオものづくりなど京都産業が世界的な競争力を有する分野をターゲットとして、国内外のスタートアップ企業・事業会社との共創や、まちづくりへの技術実装等を促進する拠点「ZET-valley」の形成に取り組んでいます。

その一環としまして、2月6日と7日に、向日市の永守重信市民会館において、世界各国の脱炭素関連の関係者が一堂に集う国際カンファレンス「ZET-summit」を今年度も開催いたします。

今回のサミットでは、産学公のトップランナーの方々による講演やトーク・セッションを行います。2日目の7日13時からのセッションには、私も登壇させていただき、日経BP総合研究所クリーンテックラボ・主席研究員の神保重紀様と「ZET-valley構想」についてお話しさせていただきます。

また、国内外の脱炭素関連スタートアップ約30社によりますピッチ会を行い、その中で優れた企業に対して、新たに創設する「ZETアワード」を授与いたします。

本カンファレンスを通じて、脱炭素テクノロジー関係者のビジネスマッチングによるコミュニティ形成の促進や、マッチングから生まれた共創プロジェクトの実装化に向けた支援に取り組んでいきたいと考えていますので、事前の周知と当日の取材の御協力をよろしくお願いします。

私からは以上です。

質疑応答

記者

能登半島地震の支援の関係で、教育支援はどういった支援を想定しているのか。

知事

これはリエゾンで派遣しますので、一言で言えばどういう支援が必要なのかということを一定把握するために、教育関係の専門家をそこに派遣した方がいいのではないかと思っています。ただ、中学生の集団避難も始まっていますが、学校教育の現場でもなかなか日常生活が通常に戻ってないということで、支援が必要だということは間違いないと思いますが、無手勝流で行っても仕方ないので、まずは教育についてどのような支援のニーズがあるのかを把握するために、今回派遣させていただくということです。

おそらく集団避難もありますが、そもそも避難所に使われている学校施設もあります。それからいわゆる通学するための足の確保もありますし、いろいろな教育を再開するための障害があると思いますので、それがどういうものかということをまずは把握することです。

それからどれぐらい教育が通常ベースに戻っているのかなど、どことやりとりするのかということもあると思います。

そういうことも含めてニーズを把握するということで派遣させていただくということです。

記者

派遣されるのは府の教育委員会の職員か。

知事

そうです。

記者

府営住宅への入居について、情報を出せる範囲でよいが、どこの自治体の方が入居されるのか。

知事

先程言いましたように、1月17日に1戸が入居済みです。既に入居することが決定しているのが、その他に2戸あり、あとの1戸についてはまだ入居に向けて調整中ということです。この4件については、いずれも珠洲市で被災された方からの申込みであったと聞いております。それぞれの個人情報については控えさせていただきます。

入居希望者はこれから徐々に増えてくる可能性もありますので、発表でも申し上げましたように、ニーズに合わせて我々の方も場合によっては提供を拡大する他、府だけではなく京都市もそれ以外の市町でも提供の意向がありますので、ニーズに合わせて幅広く準備をさせていただきたいと考えています。

記者

義援金はいくら集まっているのか。

知事

我々が募金箱を設置させていただき、日赤を通じて被災自治体に届けようとしている義援金は、17日現在で13万9,000円余です。

記者

金額が一定まとまった段階で届けるのか。

知事

そうですね、これは日赤を通じて届けますが、需要は長くあると思いますので、まとまった段階で届けます。

記者

能登半島地震で七尾市に職員を派遣しているが、これを通じて分かってきたことはあるか。

知事

これまで、かなりの報道がされており、国も様々な対応をされているのですが、対口支援先の七尾市の避難所運営支援という立場に立てば、物資は結構あっても断水によって様々なことが行われにくい状況にあります。

また、飲料水や食料が足りていても、場合によっては栄養に偏りがあるのではないかという健康上の不安を抱いている方がいることや、お風呂に入れないことによる衛生上の問題もあります。あと、避難所の中に新型コロナウイルス感染症の患者さんがいる場合は、隔離や施設内の消毒作業も必要になってきます。

しかも、避難所によってかなり状況も違い、夜間は避難所に戻ってくるが、昼間は自宅に行って様子を見て来られる方もおられるので、避難している方や避難所ごとにきめ細かく対応するのがいいのではないかという報告も受けています。

だいぶ時間が経ちましたので、厳しい状況もある一方で、避難されている方の中からも避難所運営にかなり積極的に協力される方も出てきていて、例えばエコノミークラス症候群にならないようにラジオ体操を始めようとされるなど、地域の方が自発的に皆で助け合っておられるというような動きも出てきています。

ただし、今日、馳知事も「孤立の解消については一定の目途が立った」と仰っていましたが、我々が入っている七尾市よりも更に奥の輪島市とか珠洲市とか穴水町には、もっと厳しい状況にある箇所もあると思います。それについては警察や消防、様々な報道などを通して私も承知していますので、かなり厳しい状況がまだ引き続き続いていると認識しています。

記者

石川県が地震で亡くなった方の氏名を公表したが、京都でそういうことがあった場合、どのように対応する考えか。

知事

死者の方の氏名の公表については、国の方で基準を定めていないので、基本的には自治体の判断になっております。

京都府では一定の方針を策定しておりまして、その中では、亡くなられた方々の御遺族の気持ちに寄り添うことが一番重要だという認識の下、御遺族に対して丁寧に説明を行った上で、御遺族の同意が得られる場合には公表できることとしておりますので、基本的にはその方針に従って対応すべきだと考えています。

氏名の公表は、京アニ事件の時には非常に話題になって、京都府警察本部も非常に苦慮されたのですが、あの時も基本的にはそういう考え方で対応されたと思っています。

基本的には御遺族に寄り添って、その同意が得られた場合に公表するというのが基本的な方針です。

記者

遺族の同意がやはり重要だということか。

知事

そうだと思います。安否確認の場合は捜索や救助活動について一定の必要性がありますが、お亡くなりになられた方については、そういう観点ではなくて、やはり御遺族のお気持ちが一番重要なのではないかと考えています。

記者

馳知事が15日に被災地への支援も含めて、このような時にこそ石川県に来てほしいというメッセージを発信された。その念頭には、3月の北陸新幹線の敦賀延伸が控えていることなどがあると思う。また、京都と石川は、同じ観光文化都市であることや、12月に文化振興連携の協定を結んだことなどが共通点としてあるが、石川県に向けた観光支援などについての知事の所見はどうか。

知事

今のフェーズがどれぐらいかというのがあるのですが、地元の意向が一番重要です。ただ一方で、能登にあまり来ていただくと復旧や救助・救出にも非常に支障が出る場合があると馳知事は仰っています。

今までの地震は全部そうですが、地震だけでなく、豪雨災害であっても、最終的には経済的な活力や活性化について支援していくということがあります。私が知事になった時にも、西日本豪雨がありましたが、観光庁が旅割という形で、豪雨災害を受けた地域などに行く場合の支援をされていましたので、色々な動きが出てくると思います。

京都府が今単独で、ただ「石川県に行ってくれ」と言ってもなかなか皆さん大変なので、いずれ国の仕組みが出てくれば積極的に支援をしていきたいです。今日、経団連の会長のところに北陸経済連合会の会長が行かれて、そういう経済的な復興支援についての要請もされていましたので、そろそろそうした形での動きも出てきています。

復興支援の一番は、経済の活性化に支援をしていくという観点がありますので、観光についても十分に協力していきたいです。具体的に何をするかというところまでは、まだ今はありません。

記者

被災者の中にはビニールハウスなどに避難している人がいる。そういう方への支援はいち早くしないといけないと思うが、京都府でそういう人が出た場合の把握の方法などは何か決まっているのか。

知事

元々地域防災計画では、市町村が開設する避難所の候補を上げて、そこに対してどう支援していくかということになっています。

今回のビニールハウスはかなり異質ですが、過去に私が関わった災害対策では、熊本地震の時もそうでしたが、昔はペット避難などなく、ペットを避難所に連れて行くと嫌がる方がいるということで、結局は皆が車の中にいたということがありましたが、最近はペットを別に預かるということがあります。そういった事情で避難所に行かず、自宅や車中避難をされている場合もあるので、そういう人に対してどう支援していくのかということについては、基本的にはそこの居住環境もありますが、まず避難所が満員だからそういうところにいるという人に対しては、避難所の設置運営を被災者を想定して的確にやっていくことが重要です。一方で、自主的に避難所以外におられる方については、医療関係も含め色々な支援物資が的確に届くようにするにはリスト化するしかなく、誰がどこに避難しているかを正確に自治体が把握するということをしておけば、特殊な事情がある人については支援の手を差し伸べられるということですが、ケースバイケースになります。

京都府の地域防災計画ではビニールハウスまでは想定していないのではないかと思います。

自宅避難や車中避難、親戚の家など、より安全なところに避難されている方は結構おられるはずです。そういう方に対してどうやって支援物資を届けるかについては、まさに避難者のリスト化が一番重要だと考えています。

記者

色々な形で自主防災される方がいるので、今回のビニールハウスは特異ではあるが、そういうことも念頭に置きながら防災計画を策定するということか。

知事

そうです。常に、新しい災害が起こった時には、今仰った点も含めてその教訓は必ず次の防災計画に活かされるはずです。今回は特に、避難所に行く人数が相当多かったということがあり、だからこそ1.5次避難とか2次避難という話が出てきているのだと思いますので、それも教訓にしていきたいです。

記者

福祉避難所の開設が遅れていることも一部指摘されている。京都でそうした事態が起こった場合に、例えば他府県への協力を求めるなど、そういう制度や仕組みはあるのか。

知事

元々、今は自治体同士の互いの支援は過去に比べるとかなり積極的になってきています。ただ、基本的に避難所というのは、被災された自宅から一定近いところに避難するのが大前提で、そこであらかじめ被災の想定をした上で避難所を事前に準備しておくのが大原則だと考えています。

今回はそれでは避難所が足りずに、ホテル、旅館を想定した2次避難ということになりました。2次避難ということについて、今回のことを教訓にして、京都府でもそういう状況が起こりうるのか、もし起こり得るとすれば、その場合にどのようにお願いをするのかということも考えていかなければいけません。

ただ、最初から他府県に頼るということではなくて、基本はその市町村できちんと避難所を確保することが重要なのではないかと考えています。

記者

例えば福祉避難所では、職員の方が被災して、入所施設に来られないというケースもあると思う。そうなるとどうしても人材不足になると思うが、京都府でそうした事態が起きた場合は、人材を府内で調整するのか。

知事

実は、そこは既に厚生労働省の枠組みで、福祉関係の介護の人材を全国から集めて石川県に送るということになっています。物理的に福祉避難所が壊れている訳ではなく、被災している方がいるのでマンパワーが足りないという場合には、おそらく全国から人が行くということになります。そうしたことは当然必要です。

ただ、直接どこかの府県とのみ行うのではなく、全国知事会も関西広域連合もそうした観点で助けようという枠組みを作っています。全部が事前に想定できる訳ではありませんが、仰るように施設の損壊だけではなくて、マンパワーの不足については、当然念頭に置かなければいけません。それも今回の災害の一つの教訓かもしれません。

記者

2次避難先の旅館、ホテルについて、現時点で問い合わせはあるか。

知事

問い合わせについては確認していませんが、今のところオファーはないと聞いています。受入れが可能な2,733人分については、いずれオファーがあれば、もちろんいつでも対応できるようにと団体にはお願いしています。

記者

ダイハツにおける不正事案を巡り、3車種の型式指定が取り消される方向である。府内に工場もあるが、その辺りの影響や、先日設けた相談窓口の対応について伺いたい。

知事

元々、型式指定の申請において不正が行われていたこと自体が、自動車ユーザーの信頼を損なうものですし、自動車認証制度そのものの根幹を揺るがす行為であり、こうした不正については極めて遺憾です。

今回、調査の中で、国が型式指定を取り消すこととした3車種については、たまたま京都工場で生産されているものではないということですが、一工場というよりも、ダイハツという会社自体が社を挙げて対応されていることであり、どの車種の型式指定が取り消されたということではなく、全体として既に生産と出荷が停止されていますので、我々としては、地域経済への影響をなるべく最小化するために、まずは情報収集と相談対応等で取り組んでまいります。

今のところ、相談はそんなにたくさん来ている訳ではありませんが、その辺りはきちっとよく見ておかないといけないと考えています。

記者

今週水曜日に、新名神高速道路の大津から城陽の区間の供用開始がさらに遅れることが公表され、知事も書面でコメントを出されたが、改めてこの問題に関する受け止めはどうか。

また、沿線自治体もすごく期待していたと思うが、沿線自治体からの声が知事のところに何か届いているか。加えて、改めて西日本高速にこれから求めることや、アクションを起こす予定はどうか。

知事

まずは、開通が遅れるということ自体については、極めて残念に思っています。

NEXCO西日本の発表によりますと、ルート内の3ヶ所で工事の進捗に伴う新たな課題が明らかになったことから、今後、工事進捗を踏まえた工程の精査が必要だということです。安全な施工にも配慮しながら、早急にまず精査を実施していただくことを望みたいです。

今御指摘ありましたように、京都府や関係の市町村、民間企業も含めて、予定通りの開通を期待していましたし、それに合わせてまちづくりや企業立地を進めてきました。だからこそ非常に残念に思っています。

京都府では、国道307号線や山城運動公園城陽線、宇治木屋線といったアクセス道路も開通をにらんで整備していますし、企業誘致にも積極的に取り組んできました。

今回の開通延期によって、そうした様々なまちづくりへの影響がなるべく出ないように、最小限になるように進めていきたいと考えており、我々のアクセス道路の整備もありますので、NEXCO西日本をはじめとする関係機関と、工程などの調整は緊密に行っていきたいと考えています。

企業活動においても、開通を見据えた対応に見通しが立てられないことが一番懸念されますので、NEXCO西日本には、早急に開通時期の目途を明らかにしていただくよう特にお願いしたいです。

あと、沿線自治体からの声について、私自身に直接は来ていませんけれども、担当部署をはじめとして、そういう声が上がっていることは聞いています。

今は遅れるということになりましたので、いつ開通するかという時期を早く示していただいて、もちろんそれよりもできる限り前倒しの開通をお願いすることと合わせて、アクセス道路の整備や企業誘致等のまちづくりを進めていきたいと考えています。

記者

アクセス道路の整備に関しては、当初の新名神の供用開始時期を睨んで進めていたと思うが、そこからの遅れはどうか。

知事

おそらく路線ごとに違っており、非常に複雑です。新名神の片方が通っていたところの用地を使うといった話があったり、インターチェンジ近くでは高速側が遅れていてはできません。宇治木屋線についてはそれ以外の区間は整備できるなど、一概には言えません。工程が緊密に関連するものについては、だからこそ工事工程の調整は是非とも早くさせていただきたいです。

記者

昨日と一昨日、府立大で整備予定の共同体育館に係る意見聴取があり、様々な意見が出ていたが、これについての受け止めはどうか。

知事

今回は、府立大学の共同体育館整備に係る検討過程を府民の皆様に報告して、御意見を伺うために開催させていただきました。当然様々な意見を頂くことは前提にしており、もちろん参加者からたくさんの意見が出ました。

例えば、府立大学生が望む規模の体育館を早く整備してほしいとか、京都府としてアリーナの整備地を早く決めてほしいとか、学舎整備を早く進めてほしいなど、そうした意見を頂きましたので、そうした意見も踏まえて今後の検討に活かしていきたいと考えています。

記者

アリーナの整備について、アリーナの事業効果やシミュレーションを行う業者をプロポーザルで決定されたが、この結果をまとめる時期が3月29日までとなっている。逆に言うと3月29日までは結論は出ないということか。

知事

これは予算の措置として年度内執行という前提により、3月29日までということになっているもので、実際は年度末のぎりぎりになるのか、少し早めに出るのか、今のところは分かりませんが、基本的にはその検討が我々の総合的な判断の重要な根拠になりますので、基本的にはその結果の方向性が出ることが、我々の判断の一つの前提になることは間違いないです。

3月29日というのはたまたま発注の期限であって、その日が確定的な日付ということではないです。

記者

知事はスピード感を持って取り組むと言われたが、結果が3月29日より早くまとまれば、もっと早く結論が出ることはあるのか。

知事

そうですね。ただ、それほど拙速にやるつもりはないです。検討はきちんとしていただきたいと思っています。

記者

結論が出た段階で府としても表明するということか。

知事

はい、そうです。

記者

京都市の京都第一赤十字病院で手術の説明が適切に行われなかった等の問題で、先日、京都市が病院に行政指導を行った。それについての知事の所見を伺いたい。

知事

まず制度的には、医療施設で起きた医療事故については、必要があると認める時は立入検査を行い、その状況を調べて、場合によっては様々な指導を行うこととなっています。京都市内の医療施設への立入検査につきましては、京都市が所管しておられ、今回もそういう意味で京都市が立入検査を行われたものだと認識しております。

私は今回の事案をつぶさに把握している訳ではありませんが、京都第一赤十字病院に限らず、およそ医療機関においては診療記録の適切な記載やその保管などの法令に基づく対応は当然しなければいけません。加えて、患者さんやその家族への丁寧な説明責任を果たすことが、医療機関にとって不可欠なことだと認識をしております。

これは、今回の件についてではなく、一般論ですが、京都府としては、府民からの相談があれば、その対応を行い、関係団体と連携して医療従事者向けの研修などを行うことにより医療の安全確保を図っていくこととしており、医療提供体制全体に対して、府民の安全・安心がしっかりと守られるように取り組んでまいりたい考えています。

記者

知事は日本赤十字社京都支部の支部長も務めているが、その立場から、今後この病院の調査について主体的に関与するというような考えはないか。

知事

まず、日本赤十字社の各医療施設への指導監督は、平成28年に本社内の医療事業推進本部に権限と責任が集約されているので、支部長として医療施設に対する直接的な指導監督権限はありませんが、一方で京都の地域医療を守っていくという知事としての立場もありますので、必要があれば指導は行っていきたいです。

私としては、今回の京都市の保健所長からの指導に対して、病院として真摯に受け止めて適切に対応するとともに、やはり患者さんとその家族に対してしっかりと対応するように、これは指導監督権限によるものではありませんが、支部長として病院に是非ともお願いしたいです。

この事柄が始まった時からきちんと対応するように申し上げていますが、今回、保健所の立入検査が入ったので、改めて支部長として求めたいと考えています。

記者

今回の京都市の調査で明らかになったことでいうと、手術を受けた患者が十分な説明を受けていないなど、素人目から見てもずさんな体制ではないかと思うが、知事はどう受け止めているか。

知事

私が直接立入検査をした訳ではないので、臆測でものを言いたくありませんが、もし御指摘のような点があるとすれば、最初に申し上げましたように、医療機関としては当然法令を適切に守るということと、常に患者さんとその家族を含めた周りの方に対して丁寧に説明していくということは、寄り添った医療という意味において不可欠だと考えています。

だからこそ今回がどうだったかということについて検査をされている訳なので、きちんとした説明責任を果たしていくべきだと考えています。

記者

第一赤十字病院における不適切事案については、京都市の調査で発覚したということだが、これを受けて京都府が府立医大附属病院に対して改めて調査をすることはあるのか。

知事

今のところそれは考えていませんが、今回、追加の調査も含め、京都市の保健所がいろいろと要請をされていますので、その状況を見て必要があれば対応します。

ただ、法令を守ることは当然のことなので、我々がもし調査をやるなら、府立医大附属病院だけではなく、京都府内全体の医療提供体制をどう考えるかという観点になります。府立医大附属病院だけについて調査をするということは今のところは考えていないです。

記者

全体に対しての調査は行うのか。

知事

今はそれも考えていないです。

記者

新型コロナ感染症の患者がやや増加傾向にあるが、学校も再開されていることもあり、所見があれば聞きたい。

知事

新型コロナの定点当たりの患者数は7.93人です。御指摘のように11月下旬ぐらいから増加に転じて、その後も増加傾向が継続しております。全国的にもほぼ同様の傾向で、季節的なこともあると思います。去年は1月、一昨年は2月にピークが来たので、季節的な状況から見てもまだ増加する可能性はあると思います。

ただ、季節性インフルエンザの方は若干減少傾向にありまして、医療現場でもインフルエンザが減少傾向で、コロナが増加傾向だと言われています。入院・外来とも医療が逼迫している状況ではないと聞いていますが、先程言いましたように、昨年、一昨年もこの後にコロナ患者数のピークを迎えておりますので、引き続き医療機関の状況をよく聞いて注視していきたいです。

記者

21日に京都市長選が告示されるということで、行政や京都市の課題に幅広く関心を持っていただく貴重な機会だが、この論戦に改めて期待されることがあれば教えてほしい。

知事

市長選挙は4年ごとなので、毎回、貴重な機会ですが、特に今回は現職の門川市長が4期16年で御勇退を決めて、新しい市長を選ぶという節目になります。

市民の皆様には、是非ともそれぞれの候補者が出揃った段階で、京都市の未来やまちづくりについてどういう考え方をお持ちなのか、また、行政のトップにふさわしい人柄や見識を持っているのかも含めて、よく関心を持っていただき、判断した上で、是非とも投票という行動に移していただきたいです。

前回の市長選は、久しぶりに投票率が40パーセントを超えましたが、それまでは30パーセント台でした。

できる限り関心を持っていただいて、それを投票行動に繋げていただきたいというのが、全体としての私の思いです。

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