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令和6年7月5日定例知事記者会見

「京都府子育て環境日本一推進会議」の開催について

1点目は、「京都府子育て環境日本一推進会議」の開催についてです。

京都府では「子育て環境日本一」の実現に向けまして、オール京都の推進体制として、経済・労働者団体、子育て支援団体をはじめ様々な分野の計57団体で構成しています「京都府子育て環境日本一推進会議」を設置しています。

このたび、昨年12月に改定しました「子育て環境日本一推進戦略」に基づき、「子育て環境日本一」の実現に向けた取組を一層進化させるため、7月11日(木曜日)に本会議を開催いたします。

今回の会議では、「『子育てが楽しい風土づくり』を京都中にどう広げるか」をテーマに、「子どもの“ええ顔”広げるプロジェクト」を共同プロジェクトとして設定し、推進会議の構成団体がそれらに基づく「行動目標」及び「具体的行動」を発表する場といたします。

会議当日は、ドイツで、子どもだけの仮想のまちをつくる「ミニ・ミュンヘン」に参加しておられる、橋本みなみ様による講演のほか、構成団体による「行動目標」及び「具体的行動」の発表、それから、私や松井京都市長を含めました出席者の、子どもの頃の“ええ顔”ボードを掲げたフォトセッションを行う予定ですので、当日の取材につきまして御協力をよろしくお願いいたします。

京都府危機管理センターの全面運用開始について

もう1点は、京都府危機管理センターの全面運用開始についてです。

京都府危機管理センターにつきましては、3月に映像情報システム等の主要な機能の運用を開始したところですが、国や他の自治体などからの応援職員の活動スペースとなるオペレーションルームなどを整備し、7月25日(木曜日)に全面運用を開始することとなりました。

今回の整備の主な効果としては、オペレーションルームの完成によりまして、最大で応援職員約140名を収容可能なスペースを確保し、災害対策本部員と応援職員が、随所に配置した大型モニターにより即時に情報を共有し、対応を調整することが可能になることです。

全面運用を開始する7月25日には、報道機関の皆さま向けに施設を公開しますので、当日の取材をよろしくお願いいたします。

また、8月30日(金曜日)には、今回整備したオペレーションルーム等を活用した初の訓練を実施します。なお、この詳細については、後日お知らせいたします。

今後とも、危機管理センターを京都府における危機管理対応の拠点として、国や市町村、関係機関との連携を一層強め、府民の皆様の更なる安心・安全につなげてまいりたいと考えております。

私からは以上です。

質疑応答

記者

京都府子育て環境日本一推進会議については、前回の開催が3年前だったかと思うが、本気で子育て環境日本一を目指すのであれば、毎年開催すべきだと思うが、3年ぶりの開催となった理由はあるのか。

知事

3年ぶりの開催ではありません。3年前に本会議を設置し、その後にもう一度開催をしていまして、今回で3回目です。1回目の令和3年11月には、「きょうと子育て環境日本一サミット」を開き、2回目の開催となった令和5年3月には「京都府地域協創大学連携会議」との共催で、子育て環境の向上に繋がるような大学生の取組を発表しました。

毎年開催すべきだというお話ですが、昨年度は「子育て環境日本一推進戦略」の改定を優先するため開催しておりません。戦略の中身の具体的な推進ということで、今年度は改定を受けた第1回目の推進会議となり、通算では3回目の開催となります。

子育て環境日本一の推進に対して、決して不熱心ではありませんので、御理解いただきたいです。

記者

京都府子育て環境日本一推進会議のテーマを『「子育てが楽しい風土づくり」を京都中にどう広げるか』としているが、具体的にどのような取組を考えているのか。

知事

今回の会議では、構成団体の方々に「行動目標」とそれを実現するための「具体的行動」を出していただくこととしており、一部の方には、この会議の場で発表してもらおうと考えております。

第1回目の会議の際にも行動宣言をしてもらったのですが、子育てに関するものなら何でもいいということで、かなり幅広いテーマで出してもらいました。第1回目の会議から3年が経過していますので、各団体にも新しい動きが出ていることから、今回は、昨年改定した「子育て環境日本一推進戦略」の重点戦略の一つである「子育てが楽しい風土づくり」をテーマとしました。

例えば、京都府では、「京都版ミニ・ミュンヘン」を実施することを「具体的行動」の中に盛り込もうと考えています。それぞれの団体が、京都府の推進戦略の趣旨を汲んでいただき、どのような目標や行動を出していただけるのかということを楽しみにしています。

(子どもや子育て世代を巡る)問題意識は推進戦略の中にも書いていますが、以前に比べて子どもがいる世帯が、以前は全世帯の半分ほどあったのが、近年は約2割まで減少しています。また、推進戦略を改定する際に中高生にアンケート調査をしましたら、子育てに対するイメージが大変そうとか難しそうなどのネガティブなイメージが多かったのですが、実際に子育てをしている人の8割近くが、楽しいことの方が多いと答えられているので、そのギャップを何とかしようというのが、重点戦略の趣旨です。

子育てが楽しいということであれば、特に今回は子どもの笑顔、”ええ顔”というのは笑顔だけではなく、頑張っている顔や悔しい顔など色々な顔がありますが、そういうものに触れられるような取組が出てくることを期待しています。

記者

推進会議をきっかけに、「泣いてもかましまへん」のステッカーが配布されているが、一部の保護者からは、子どもが泣くのは当たり前だとか、そういう言葉を使うことで「子どもは泣いてはいけない」という空気ができているのではないかという指摘があるが、知事は何か思うところはあるか。

知事

私はそうした声を直接聞いている訳ではありませんが、もともと「泣いてもかましまへん」というのは、地下鉄や喫茶店といった色々な公共空間で、泣き止まない赤ちゃんをあやすのに困っておられる親御さんたちに「気にしないですよ」という気持ちを見える化するために実施しているものです。赤ちゃんを連れて外出することが抑制されないようにという思いで、こうしたプロジェクトを始めました。

ただし、もっと大きな子どもについては、泣くべきではない場所はあります。このプロジェクトは赤ちゃんを対象としており、しつけや制御がきかない年齢の赤ちゃんについては、泣くのが仕事といった面もあるので、「泣いてはいけない」ということではなく、「泣いてもいい」ということを見える化するためのプロジェクトです。

毎年赤ちゃんは生まれてきますので、ずっと継続していくべきだと考えていますが、始めた時よりもプロジェクトの趣旨についてのPRや情報発信が少し弱くなってくることは否めないので、常に趣旨をきちんと情報発信した上で、このプロジェクトを引き続き進めたいと考えています。

記者

先ほど、「見える化するためにやっている」と仰ったが、逆にわざわざ見える化しないといけない、言わないといけないという時点で、社会全体でまだまだ子育てに対する認識が足りていないということだと思うが、知事自身はどう感じているのか。

知事

それは、社会の価値観や構造を変えないかぎり、少子化対策を含めた子育て推進戦略が進まないと「子育て環境日本一推進戦略」に明確に書いています。3年前の推進会議でも、一度地下鉄の中で(赤ちゃんが泣いて)うるさいと怒鳴られたことで、「赤ちゃんを連れて二度と乗りたくない」と思っているお母さんの声など、かなり色々なことを紹介してもらいました。

そうした場面をできるだけなくしていこうということなので、道のりは長いと思いますが、地道に運動を続けていくことが必要だと考えています。

記者

危機管理センターについて、災害時に使うオペレーションルームを整備するに至った背景を聞きたい。また、今までとの比較や整備した意図はどうか。

知事

危機管理センター自体は、常設の対策本部会議の会議室などを整備したということですが、今までは職員福利厚生棟で、自然災害の時もコロナなどの感染症対策の時も会議をしていましたが、特に自然災害の時には、気象庁や、自衛隊、消防、警察の方が来られた時に、専用の部屋がなくて、大きな会議室の端に待機していただいていました。

意見交換や情報共有をする場合でも、今回はかなり映像システムも充実させましたので、応援の人たちも映像を一緒に見られて、そこで情報交換をして対応を調整できるような専用の部屋があった方がはるかに効率的に仕事が進むだろうと考え、「オペレーションルーム」という形で応援の方たちの専属の部屋を作りました。

映像システムで即時に映像情報を含めて情報共有ができますし、危機管理部と隣同士にありますので情報共有は緊密になると考えています。今まではそうした専用の部屋が全くありませんでした。

記者

一般的に大きな地震の際は低階層の方が揺れが少ないため、本来、危機管理センターは6階といった高い階層ではなく、1階や2階など低い階層に作るものだと思うが、どうか。

知事

もともと耐震性に問題があれば別ですが、建物全体として耐震性が確保されていれば、当然、揺れがあっても大丈夫です。ただ、この建物は大丈夫ですが、低い位置にあっても自家発電が全て止まることもあります。東日本大震災の時には、国土交通省では、(防災センターが)14階にあってエレベーターが止まって、一日に何度も階段を往復したことがありました。

構造によって違うとは思いますが、今回の場所はそこまで高い建物でもありませんし、耐震性について中層の建物は、階層によってそれほど大きな差がある訳ではないと思いますので、そこは問題ないと考えています。

記者

今回発表のあった危機管理センターは、実際に京都府内や近隣で災害が起きた時の被害の支援などにどのように活用しようと考えているのか。

知事

危機管理センターを作ったことで、情報の即時収集ができるのと、職員が集まりやすい形になっていますので、いわゆる即応体制がきちんとできるということ、それからこれは応援する側も応援される側もですが、関係の職員が一堂に会するオペレーションルームができたことで、京都府と市町村、またそれぞれの関係機関との連絡調整が非常にうまくいくようになったというようなこともあります。当然今からどこで何が起こるかというのは分かりませんが、災害発生時には迅速に初動を立ち上げて、なるべく多くの方の連携によって、まずは最初の72時間は特に人命救助を含めた救急救助活動を実施し、その後は復旧を進めていきたいと考えています。

記者

株式会社イセトーのランサムウェア感染により、自動車税納税義務者の個人情報が漏れた事案についての受け止めと、再発防止対策についてどのように考えているか。

知事

まず、このような事態が発生して、府民の皆様に多大な御心配、また御迷惑おかけしていることについて、深くお詫び申し上げます。

今回の事案は、自動車税の納税通知書作成と発送業務の再委託先がサイバー攻撃によって、ランサムウェアに感染する被害を受けた結果、159名の自動車税の納税者の氏名と車両番号が流出したということで、現時点において流出に伴う被害は確認されていませんが、やはりこれは、個人情報保護という観点からあってはならない事態だということで大変重く受け止めておりまして、それぞれの対象者の方に対しては、郵送によるお詫びと、経緯についてのお知らせをしたところです。

もし、御相談が寄せられた場合には、当然ですが、丁寧に対応して参りたいと考えています。

委託業者に対しては、情報管理の徹底についての指導等、今回の事案に至った詳細な報告と今後の適切な対策の実施を指示しており、我々はこれから、それについてきちんと進行管理をしていきたいと考えています。

記者

向日市に建設するアリーナについて、昨日、向日市長が京都府庁に来て要望書を渡された。その要望書では市民には希望と不安の両方があり、市民の不安の解消のために向き合って話し合っていかないといけないと言われている。知事は市民の不安にどう向き合い、どう解消していくべきだと考えるか。

知事

向日市長からは期待と不安の両方あるというお話でした。各論で答える前に、基本的には、不安をなくして期待に応えるということに尽きます。

ただ、不安にも色々な観点があり、昨日の向日市長の要望書の中でも色々な観点がありましたが、市民の皆さんの意見をできる限り把握して、その対応策を実施することと、情報がないことによる不安もあるので、きちんと情報発信していくことが原則だと考えています。

記者

情報発信については具体的にどのようにするのか。

知事

先日、説明会を開きましたが、説明会だけが情報発信ではありませんし、京都府議会や向日市議会の質疑、自治会などとの意見交換や、ホームページや電子メールなど、あらゆる機会を使って住民の皆さんの意見を吸い上げますし、吸い上げるのとあわせて情報発信もしていこうと考えています。

もう少し整備が進捗していけば、発信する情報も増えていくと思いますし、施設本体だけでなく周りのまちづくりも含めて発信していこうと考えています。

そのためには、地元の向日市や京都市南西部、乙訓地域の皆さんと一緒になって発信しないといけないこともあると考えています。

記者

新たに自治会との意見交換も想定されているということか。

知事

常に自治会活動をされていますから、そうしたところに当然、市の方で「説明会」と称さなくても、自治会の役員などの皆さんに対して情報発信をされると思いますので、そうした場面を通じて情報発信し、意見を吸い上げていくということです。

記者

府が住民と意見交換をするのではなく、向日市を通して行うということか。

知事

基本的には向日市がされると思いますが、その内容については当然、我々と連携をしています。

記者

向日市の市民団体が、アリーナ整備に関して、府に対して過去4回、要望書を出しているが、今まで府からの何の回答もないと言われているが、なぜ回答をしないのか。

知事

様々な団体があるので、団体の方と一問一答で答える場合もありますが、それだけではありません。

昨日、安田市長が向日市を代表される立場で要望に来られていますので、そこにかなり集約されていると思います。昨日私がお答えしたことに加え、これから向日市長からいただいた要望項目について順次、我々で答えを出していくということです。

一つ一つに答えるというより、市民団体や向日市長が言われている論点をきめ細かく、我々の方で対応して回答していくやり方で進めたいと考えています。

記者

その市民団体の要望では、アリーナ事業を一旦撤回し、住民の意見を聞いてから再提案してほしいということだが、一旦撤回をする考えはあるか。

知事

それはないです。

記者

その理由はなにか。

知事

我々は期待にも応えていかなければいけないということもありますし、これは政策として進めていますので先ほど申し上げたように、「不安をなくして期待に応える」ということです。見直しを求めるという意見の理由には、色々な不安があるのだと思います。その不安については、きちんとお答えしていくということで、事業については丁寧に着実に進めていきたいと考えています。

記者

アリーナの件について、向日市からの要望書はどのように反映されるのか。6月末でアリーナ整備の参加企業の募集が終わっているが、そうした企業に要望書を示した上で提案してもらうのか。

知事

要望書の中身については、既に事業者の提案に反映してもらいたいと言っているものもあります。環境問題への配慮や市民が憩える場所にするように、例えば今は塀があるところを、整備後は散歩や運動に使えるようにといったことです。

要望書そのものを事業者に見せて、このとおりにしろという訳ではありませんが、提案事業者が考慮すべき点については、交渉の過程できちんと示していきたいし、提案の中身もそれに沿って判断していきたいです。

ただ、市長の要望の中には事業者ができることもありますが、それ以外のアクセスの問題や、まちづくりの観点、京都市南西部から乙訓、場合によっては京都府域全体に波及効果があるような施設になるようにという話であれば、提案者と関係がない訳ではありませんが、我々自身が反映しなければいけないこともあります。

安田市長の要望は、反映させるタイムスケジュールに色々な段階があると思うので、要望書をそのまま示すというよりも、その趣旨を呈して我々が事業を進めていくということを市長に申し上げたので、そこは信頼関係の中でやっていきたいです。

記者

回答の中で「アリーナを作るプロセスを見てもらいたい」と言われていたが、その意味は作っている中を見学できるということか。

知事

それもありますが、どういったものができるのかということが徐々に明らかになっていきますので、そうした構想や、もう一つは、アリーナを含めた全体のまちづくりの計画です。これは向日市と一緒でないと作れないのですが、向日市が作るものなど、そうしたものが段階を追って具体化していきますので、それを私はプロセスと呼びました。その都度、きちんと我々も情報発信するし、その段階でも御意見をいただいて反映していくというプロセスを丁寧に踏みたいという意味で申し上げました。

記者

アリーナについて、府道の整備や来客への対応については、ハード・ソフトの両方から検討をするということだったが、ハード面の検討はかなり早い段階から進めないといけないと思うが、どういう形で進めていくのか。

知事

それほど向日市も道路事情がよくないので、府道整備については計画も含めて着手しています。そうしたものは当然、完成を急ぐことになります。ただ亀岡のスタジアムもそうですが、アリーナ開設までに全てのハード整備ができるかというと、とてもそんな時間はないので、優先順位を決める、毎日イベントを開催する訳ではないので、その時に公共交通機関を使うように推奨する、歩行者と車の導線を分離するならどういう形で鉄道駅から人がアリーナに行くようにするか、駐車場についても今の競輪場の駐車場の更なる活用をするなど、色々な形を組み合わせてアクセスについては万全を期したいと考えています。

もちろん、ハード整備は必要なので、アリーナということを念頭に置いて整備に対する姿勢を決めたいと考えています。既に計画自体は道路計画としては存在するものもありますが、ただ、もっとここを先にやったらいいということや、交差点の改良などもありますが、まさに検討していくべきまちづくりの一環だと考えています。

記者

能登半島地震の発生から半年を迎えたが、被災地に対する支援や、府の防災対策にどのように活かしてくのかを伺いたい。

知事

1月1日に発生した能登半島地震から半年が経過しました。地震による死者は、7月3日時点で関連死を含めて299人となっています。改めて、お亡くなりになられた方に謹んでお悔やみ申し上げます。

また、今なお2,000名を超える方が避難所での生活を余儀なくされています。被災された全ての皆様にも心よりお見舞い申し上げます。

また、府民の多くの皆様から御支援・御協力をいただいたことに感謝を申し上げます。

発災当時から消防、警察が現地に活動部隊を派遣していただき、捜索、救助、救急業務にあたっていただきました。警察については、現在も自動車警ら部隊が活動されています。

それから、京都府としても府内の市町村や関係団体との連携で保健師や応急危険度判定士の派遣、給水車やトイレトレーラーの提供など、幅広い支援を実施していますが、特に京都府の対口支援先は七尾市になりましたので、そこでは避難所運営や罹災証明書の発行業務と、その都度ニーズに応じた支援を行ってまいりました。

七尾市については先方からの申し出により、6月21日で支援を終了していますが、現在も地方自治法に基づく中長期の派遣として、畜産技師1名、土木技師2名、農業土木技師1名の計4名を石川県と富山県氷見市に派遣しています。また、京都ならではという点では文化財の建造物の復旧に向けた職員の派遣も行ってきました。

ただ、七尾市も6月17日に復旧・復興推進本部を立ち上げましたし、7月1日からは国の関係省庁と石川県と被災6市町で能登創造的復興タスクフォースを現地に設置し150名程度で業務にあたっているということです。

私が2月28日に現地に行った時と比べれば、インフラの復旧も進んで、避難されている方は減ってきてはいますが、まだ本格的復興はまさに始まったばかりなので、これからも息の長い支援を続けていきたいと考えています。

なお、能登半島地震で得た教訓を我々の対策に反映することについては、京都府戦略的地震防災対策指針と、京都府戦略的地震防災対策推進プランの改定に向けた見直しを進めているところであり、そこに活かしていきたいと考えています。

記者

先日、沖縄県で米軍関係者による性加害事件があったが、知事の受け止めはどうか。また、京都府には京丹後市に経ヶ岬通信所があるが、今後の対応があれば伺いたい。

知事

今回、沖縄で相次いで発覚している事件については、あってはならない痛ましい事件でありまして、被害に遭われた方々に心からお見舞いを申し上げます。

経ヶ岬通信所についてはこれまでも近畿中部防衛局を通じて、米軍関係者による事件・事故の事前防止に全力を挙げて取り組むことを要請しておりますので、問題が生じた時には速やかに、なおかつ厳しく対応を求めてきたところです。

今回の事件を受けて、京都府も参加していますが、米軍施設が所在している都道府県で構成しています渉外関係主要都道府県知事連絡協議会というものがあり、ここで米軍関係について様々な対応をしておりますが、今月、国に対しては何らかの再発防止の要請を行うということで、今、中身について調整中です。

いずれにしても渉外関係主要都道府県知事連絡協議会も含めて、私としては一番重要なのは府民の安心・安全なので、それを守るための最大限の努力を払っていきたいと考えています。

記者

ふるさと納税について、ポイントを付与するサイトの利用禁止に関連して、楽天が反対するなど波紋が広がっているが、京都府として運営事業者への対処や働きかけといった考えはあるか。

知事

今回の見直しは、令和7年10月以降は、寄附者にポイントを付与するポータルサイト運営事業者を通じた寄附を、地方公共団体が募集することを禁止されるということです。

京都府としても寄附者にポイントを付与しているポータルサイトの事業者と契約して募集をしています。今回の見直しを踏まえて、ポータルサイトの運営事業者において見直しが行われれば、我々も契約が継続できるものだと考えています。

国はポータルサイトの運営事業者に対して事前に説明などをしており、総務大臣も「ふるさと納税の本旨にかなう適正化を目指すもので、引き続き運営事業者に丁寧に説明したい」と発言されています。

今のところ我々としては、ポータルサイトの運営事業者がどのように対応されるかをまずは注視したいと考えています。

記者

旧優生保護法の関係で伺いたい。先日、最高裁が障害者に不妊手術を強いたのは憲法違反だとして国に賠償を命じたが、受け止めはどうか。

また、強制不妊手術の決定は都道府県の優生保護審査会が行う仕組みだったのであり、京都府も当事者となる。手術の申請を京都府が精神科病院や知的障害者の施設に働きかけていたことも過去の公文書から判明している。西脇知事が就任して以降の話ではないが、歴代の知事が決定権者であり、京都府が強制不妊手術を決定していたことの責任をどのように受け止めているか。

知事

旧優生保護法によって本人の同意なく優生手術が行われたことについては、人権上非常に問題があったと認識しています。その仕組みの中に都道府県知事の役割があり、当時、それぞれを判断された知事にとっては、その時に枠組みと違う判断をするのは非常に難しかったと思いますが、最高裁の判例をみても、最高裁自身も除斥期間について自分たちの判断を覆しました。

時代の流れと、社会を取り巻く環境が変わってきたということで、今から思えば優生保護という仕組みの中で活動したことについては遺憾だと言わざるを得ません。

ただ、責任については当時の国と都道府県の関係も含めて、知事の役割としては国と違う判断をすることはなかなか難しかったのかなと思います。

記者

当時の社会情勢もあったと思うが、その上で、少なくとも152人いるとされている府内の被害者の方たちへのお気持ちがあれば伺いたい。

知事

今回の最高裁判決を見ても、本人の同意なく優生手術をすることは、人権上非常に問題があったということで、当事者の方に対しては心から申し訳なく、私がやったということではなく、気の毒だったと思っています。

既に一時金の仕組みもできていますし、新たな救済についても話題に出ていますが、失った時間は取り戻せないと言いながらも、できる限り、今、仕事に携わっている人間としては救済も含めてそうした方に寄り添って、新しい仕組みの中でできる限り対応していくことが我々に課された責務だと考えています。

記者

一時金の支給に関連して、最高裁は被害に見合わない、不十分なものだと指摘した。府内では一時金の申請した方は5月末現在で14人に留まっている。他府県では被害者の現在の居場所を調べて、わざわざ出向いて、旧優生保護法の説明を行い、当時の診察記録が残っていることを伝えた上で申請を促している県もある。京都府としては、そうした個別の働きかけを行うつもりはあるか。

知事

我々は、府民だよりへの掲載や医療関係機関へのチラシの配布など、できる限り周知、広報を行ってきたところです。今、御指摘のとおり、個別通知をされているところもあります。ただし、個別通知は立法過程の議論の中では、それぞれの方が色々な事情を持っておられるので、不妊手術等のこと自体を家族に伝えていない場合や、当時のことを思い出したくないという場合もあって、こちらから個別に通知することは慎重に考えるべきだという話がありました。

私も、最高裁判決があったからではありませんが、全体として当時の方に対する色々な対応が少しずつ変わってきたことをみれば、立法過程での懸念というは、あくまで知られたくないといったことなので、一方的に通知を出すということであれば様々な問題点を惹起する可能性はありますが、もしやり方で工夫ができるのであれば、せっかく一時金の救済制度があるので、情報が届いていないのであれば、できる限り届く方法を考えるのは必要だと考えています。

ただ、新たな措置の検討もありますので、そういうことも含めて検討していただければ、それぞれの都道府県もよりスムーズに対象者へのアクセスができると思います。独自でも考えたいとは思いますが、問題が生じないようにしないといけません。

記者

まずは国に検討していただくということか。

知事

制度全体の中で検討していただくということです。

記者

今の方法に留まらず、他の手法も含めてということか。

知事

制度を知らないために申請ができないというのは、制度を作った趣旨に最も相容れないところだと思うので、そこは改善できる隙間があるかどうかも含めて検討したいと考えています。

記者

被害認定が進まない背景として、精神科病院に残っている診療録の確認ができていないという現状がある。病院は日常業務の中で、そうした調査をすることが難しいという現状もある。その中で府が当時の診療録の調査を支援するなど、府として被害の確認をより主体的に進めていく必要性についてはどうか。

知事

今、例示された診療録についても、制度があるのに制度を知らないためにアクセスできない方への対応の一つの方法だと思います。ただ、どれくらいの作業量かというのと作業の困難性もありますので、そうしたことも併せてですが、できる限り周知していく方法の一つとしては検討すべきだと思います。

記者

京都府は終業後に15分間の休憩時間を設けている。理由としては、心身の状態を整えてもらうためだと担当課は言っているが、事実上のサービス残業だという見方もある。亀岡市などは一律で45分間となっていた休憩時間をやめる方針を示したが、府としてはどう考えているか。

知事

京都府は平成21年4月に正規の勤務時間を1日8時間から7時間45分に見直し、その際に終業時刻の午後5時15分から5時30分までの15分間を休憩時間として設けました。

その当時の趣旨は、時間外勤務をしない職員が帰宅しやすい雰囲気を作ることや、時間外勤務をする人の心身の健康保持の観点から一旦仕事をやめてリフレッシュを図ること、軽食を買い出しなど時間外勤務開始に向けた準備をする時間として設けたと聞いています。

当時としては勤務時間の見直しに合わせたということで、一定の合理性があったかと思います。私自身は、世の中も変わりましたので、すぐ見直すかどうかは別にしても、見直せるのかどうかも含めて検討をするように指示したいです。

記者

15分の休憩時間がサービス残業に繋がっているのではないかという声を聞いたことはあるか。

知事

制度上は、休憩時間に勤務されている人については、当然ですが、その仕事をした分について時間外勤務手当が出ることになっています。休憩時間がサービス残業に繋がっているという話を直接聞いたことはありません。

そのまま続けて働いていたら、指摘されたようなことになるかもしれませんが、その分を時間外勤務として申告されれば、その分はサービス残業ではなくなります。制度というよりも、制度の運用上どうなっているのかということなので、休憩時間があるから自動的にサービス残業になっているということではないと思います。

記者

検討を指示したい理由としては、サービス残業になるおそれがあるからということか。

知事

サービス残業になるおそれがあるということもありますが、帰宅しやすい雰囲気の醸成というのは、そういうことをしないと帰宅しやすい雰囲気はできないのかというと、そうではなく、管理職の心構え一つだと思います。帰りたい人は帰ればいいと思いますし、平成21年とは状況が違うのではないかということで、勤務時間管理というよりも職場の働きやすさの観点から考えても、府の子育て戦略でも「日本一働きやすい職場」と言っていますので、そういう観点でも見直した方がいいのではないか、検討してはどうかと思っています。

記者

もともと休憩時間の設定理由として、心身の健康保持と軽食の買い出しというものがあったが、それはもうなくてもいいということか。

知事

そこは勤務実態との関係であり、実態をみて検討してほしいということです。

頑張って働いて15分早く帰りたいという人もいるかもしれない訳で、勤務の実態と職員の皆さんの思いがあり、私がここで「やめます」と言えないのは検討要素があるからなのですが、ただ、検討の俎上に載せるべきだという意味で申し上げました。

記者

先日、公衆浴場入浴料金審議会が行われた。そこで現場の声として光熱費が高くて厳しいというものがあったが、値上げについて知事の所見はどうか。

知事

私がここで値上げするしないを発言すると決まってしまうので言えません。ただし、私も何人もの方から光熱費が大変だと聞いていますし、公衆浴場は光熱費が経費のかなりのウエイトを占めるので、他の業種に比べて光熱費の上昇が経営に与える影響が大きいことは十分に分かっています。ただ、料金の仕組み自体が、そういうことも含めて会議の場で決めることになっていますので、十分に反映した形で設定されるように私も意を用いていきたいと思います。

正確に光熱費を含めた経済情勢が反映される結果になるように努力します。

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