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令和6年9月27日定例知事記者会見

 

令和6年度「京都府あけぼの賞」受賞者の決定について

本日の発表項目は、令和6年度「京都府あけぼの賞」受賞者の決定についてです。

京都府では、男女共同参画社会の実現による豊かな地域社会の創造や、女性の一層の能力発揮に向けまして、各分野において先駆的に活躍されている女性や女性グループに「京都府あけぼの賞」を贈ることとしています。

今年度は4名の方にお贈りすることといたしましたので、順に簡単に御紹介させていただきます。

1人目は、作家の井上 奈奈さまです。

2018年にドイツで開催されました「世界で最も美しい本コンクール2018」にて銀賞を受賞され、また、2023年には、絵本「PIHOTEK 北極を風と歩く」で第28回日本絵本賞大賞を受賞されるなど、文化芸術部門において多大な貢献をされました。

2人目は、立命館大学教授の長谷川 知子さまです。

気候変動の緩和と生物多様性保全の相互作用の解明をテーマに研究に取り組まれ、5年連続で科学・社会科学分野における高被引用論文著者に選出されるなど、世界的に注目を集めておられます。

3人目は、ダンサーの福島 あゆみさまです。

京都を拠点に、20年以上にわたりブレイキンの第一人者として競技を牽引され、競技の普及・発展にも取り組んでこられました。初めて正式種目となったパリオリンピックでは、ブレイキンBガールで5位入賞を果たされました。

最後に、アニメーション監督の山田 尚子さまです。

何気ない日常描写を瑞々しく描く映像センスと、繊細な映像演出は、国内外のアニメーション界で高く評価されており、監督を務められた「きみの色」が、今年の上海国際映画祭で金爵賞アニメーション最優秀作品賞を受賞されました。

以上の4名の方々に、これまでの御功績をたたえ、「京都府あけぼの賞」を授与させていただきます。

表彰式は、11月2日(土曜日)に、京都テルサで開催する「第36回 KYOのあけぼのフェスティバル2024」において行います。更なる女性活躍の励みとなりますよう、当日の取材についても皆さまの御協力をよろしくお願いします。

私からは以上です。

質疑応答

記者

あけぼの賞について、女性の社会進出が進んでいる中で、性別ではなく実績で評価していくべきという声もよく聞かれるが、それでもこの時代に表彰制度がなお必要だと考えているのか。

知事

御指摘のように、このあけぼの賞が創設されたのが平成元年度で、その時と比べると女性の社会進出も含めて女性の活躍が進んでいることは間違いないです。ただ一方で、2024年のジェンダーギャップ指数を見ると、日本は146カ国中118位ということで、まだまだ下位にあるという現状ですし、「京都府子育て環境日本一推進戦略」を作る過程でもジェンダーギャップの解消なくして少子化問題の解消はないと言われました。やはりいまだに男性の育児休業の取得、女性が活躍できる環境整備については不十分だと考えていますので、現状では、女性ということにスポットをあてた表彰をすることは必要だと考えています。あけぼの賞という名前についてもいつも議論が出ますが、(創設した時代が)女性活躍の黎明期だということで付けたのですが、やはり今の状況ではまだこの名称も維持すべきではないかという意見もいただいていまして、そういう意味で今年度については従来の考え方に則って表彰させていただきたいと判断しました。

記者

あけぼの賞は、今回で36回目ということは、平成に入ってつくったものなのか。

知事

そうです。平成元年度から始まっています。

記者

このペースだと100人以上があけぼの賞に選ばれているということか。

知事

これまでに167名の個人、22のグループ、1御夫妻に授与しています。

記者

輝く女性に限らず芸術文化の分野などでも、京都府や京都市に顕彰制度があり、1回あたりに顕彰する人数が結構多いと感じているが、それほど多くの方を顕彰する意味はあるのか。

知事

京都には顕彰にふさわしい方が多いと御理解いただければありがたいです。

記者

今回であれば、一番の方だけを顕彰するというのが本来の顕彰かと思うが、どうか。

知事

あけぼの賞は、ロールモデルとして認められている方を顕彰するものであって、芸術や文化の分野のトップにある方というより、女性という立場で頑張っておられる方で先駆的な活躍をされている方などを表彰するものです。

私の気持ちとしては、そうした方を表彰することで、他の方がそれに続いていこうと考えられることや、それほど高齢になってから贈るものではないので、御本人が表彰後もその立場で活躍していただくことを考えると、一定の人数の方を表彰することにより、この顕彰制度の効果を発揮できるのでないかと考えています。

功なり名を上げた人に「お疲れ様でした」と表彰するのではなく、ロールモデルとして突破した人なので表彰するという思いです。

そうした観点で一定の人数を表彰しており、4名は多いと思っていません。

女性にフォーカスしており、スポーツや芸術といった様々な分野から選ばせていただいておりますので、これくらいの人数は表彰させていただきたいです。

記者

前回の定例記者会見で、小中学生・高校生の万博会場への入場料を支援する事業について、学校に意向調査をすると言っていたが、その後の状況はどうか。

知事

9月13日にご質問いただいた段階では、各市町村の教育委員会の方には、既に通知を発出していましたが、回答をする各学校現場に対しては、まだ教育委員会での調整過程であったことから、「実施をしていない」と回答しました。

その後、順次教育委員会の方から学校に連絡が行き、9月25日の段階で概ね全ての学校に情報が行き渡ったということです。そういう意味では、その段階(9月25日時点)で、全部の学校について意向調査が始まったところであり、現在、各学校で検討していただいています。

ただ、万博開幕半年前のタイミングで、各パビリオンのコンテンツ等が発表されていきますので、様々な情報が揃うのにはまだ少し時間がかかることから、回答の期限は10月末でお願いをしており、まだしばらく時間があります。あくまでも確定的なものではなく、どういう意向かという調査ですので、10月末までの情報をもとに、各学校の方で希望の有無を検討していいただいているという段階です。

記者

各学校の回答は、各市町村の教育委員会を通じて、府教育委員会に上がってくるということか。

知事

各学校からの回答については、WEBでの回答になっていますので、直接府に届きます。

最終的な結果については、いずれまたお知らせしますが、あくまで予算がどれくらい必要かを把握するための調査という位置づけです。また、調査の過程で様々な悩みや課題が出てくると思いますので、ご相談があれば我々の方で対応しなければいけないと考えています。

記者

能登半島において大雨でかなりの被害が出たが、京都府で何か支援などは考えているか。

知事

元日に発生した能登半島地震からの復興途上にあるところで、大雨が降り河川の氾濫や土砂災害が発生し、現時点で10名の方がお亡くなりになったということで、まずはお亡くなりなった方に謹んで哀悼の意を表しますとともに、度重なる被害を受けておられている皆様に対しても心から御見舞い申し上げます。

支援の第1弾は、各消防本部で組織される緊急消防援助隊として発災直後から京都市消防局から派遣されていまして、これまで2交代要員を含めて延べ23名の方が派遣されています。

府警本部からは、広域緊急援助隊として9月22日から105名が派遣され、こちらは25日までで一旦捜索活動は終了していますけれども、支援を行っています。

それから、避難所運営や備蓄物資の供給などの対口支援については今のところ中部ブロックで対応しており、我々も何かあればということで情報収集をしていますが、今のところ直接の支援要請が来ていませんので、それがあれば対応していきたいと考えています。

また、日本赤十字社が義援金の受付を開始されていますので、京都府も本日から義援金の募集を開始します。具体的な受付場所等につきましては、この会見の後に担当課からお知らせをさせていただきます。

もう1点は、1月の能登半島地震からの復旧復興支援として石川県に対して畜産技師1名と土木技師2名を来年の3月末まで派遣をしています。

もし今回の大雨の被害への対応で派遣が必要となれば対応しますが、今のところまだそこまでは来ていません。地震対応で派遣している京都府の職員については当然ですけれども引き続き全力で支援するようにと指示しています。

記者

義援金は地震とは別に大雨のものを集めるということか。

知事

そうです。

記者

子どもの医療費助成制度の拡充について、府議会の代表質問で「検討会議を設け、あり方を議論する」と言われた。これは拡充することを念頭においた発言だったと思うが、昨年9月に、小学校卒業までの通院医療費の自己負担上限額を200円に引き下げており、拡充したばかりという印象があるが、なぜこのタイミングで発表したのか。

知事

元々、医療費助成制度を拡充してほしいという声はそれなりに多く、一部の市町村では先行的にやっておられるところもあって、要望の声が届いていました。

仰るように昨年に拡充したばかりではありますが、それから丸1年が経ち、拡充した制度に基づく運用の実績も積み上がってきましたので、それを反映して次のステップにいくかどうかを検討させていただきたいと考えています。

以前の検討会議でも、医療関係者も含めて色々な立場の方に参加いただきました。小児科の受入体制の問題など、色々と検討しなければいけないこともありますし、京都府が制度を作ると全ての市町村に影響するので、意見をよく聞いていきたいです。

昨年の拡充から1年経ったということと、元々、拡充してほしいという意見は聞いていましたので、それを受ける形でまずは検討から入ろうということで答弁いたしました。

記者

中学校卒業まで拡充されれば保護者の負担が軽減され、既に独自に軽減措置を取っている市町村は他の事業費に財源を振り向けることができるが、その一方で、中学生の医療費は小学生以下に比べてそれほどかからず、子育て支援や人口の社会減対策の施策としてのインパクトは少し弱いと思うが、どうか。

知事

インパクトが強い施策を行うには、当然、財政負担が伴います。

今は小学生までが対象なので、まずは次の段階までの検討と考えています。

市町村では高校生まで拡充しているところも多いですし、そうしたところは、我々が制度を拡充すればその分財源に余裕ができます。

昨年の拡充の際には、他の分野の施策に回されることは避けたいと考えていたので、拡充によって余裕ができた財源をその他の子育て施策に使ってほしいということを強く求めた上で実施しました。

もし今回拡充する場合も、それによって生まれた財源は、医療に限らなくてもいいのですが、是非とも子育て施策の充実に振り向けてほしいということを前提に検討に入りたいと考えています。

財源には限りがありますので、それほどインパクトのあることはすぐにはできないと考えています。

記者

検討会の設置の時期はどうか。

知事

これから検討します。

記者

1978年の府政転換から今年で48年ということで、林田府政から始まり、荒巻府政、山田府政、そして今の西脇府政と、転換から4代目となる。それぞれの時代で求められる役割があったと思うが、今の時代をどう捉えて、知事の今の役割をどのように感じているか伺いたい。

知事

1978年の話がありましたが、元々、行政としては、第二次世界大戦等も挟んで様々な制度が変わった中ではありますが、京都府政の舵取りは、初代知事以降、歴代の知事がバトンを繋ぎながら続けてきました。

継続や継承することで効果を発揮する施策も多いので、バトンをきちんと繋いできた歴代の知事の御尽力に心から敬意を表します。

特に、御指摘のあった林田府政以降であれば、人口の約6割を占める京都市との府市連携がより強められたことがあります。

例えば、林田府政では、関西文化学術研究都市構想を推進され、荒巻府政では、京都縦貫自動車道の建設や平安遷都1200年記念事業を実施され、山田府政では、文化庁京都移転の実現やもうひとつの京都事業を展開され、それぞれの段階で府政を前に進めて来られました。

私が知事になる時にも「継承と発展」と言っていましたが、行政には安定性も必要ですので、きちんと継承する部分と、その時代ごとの背景にあわせた形で発展させていくことが役割ではないかと考えています。

私の1期目には、「安心」を実感できる環境づくり、「いきいき」としたまちづくり、文化を軸とした京都力を活かした未来の京都づくりに取り組んでいくという、「安心」「いきいき」「京都力」というキーワードで府政運営に取り組みました。

ただ、1期目の1年目に大阪府北部地震や西日本豪雨があって、秋には台風21号が来て、次の年には京アニの事件があって、3年目には新型コロナウイルス対応が始まり、かなり危機管理への対応がありました。

それもまた、府政に与えられた課題という意味では、まさに安心を担保するための重要な役割でした。その中でもなんとか工夫して令和元年10月に総合計画を作り、コロナ禍でも府政を前に進められたのではないかと考えています。

今の時代認識という意味では、これは2期目スタートの令和4年にも言いましたが、コロナがまだ収束していないことと、ロシアによるウクライナ侵攻をはじめとする世界情勢の変化で原油価格の高騰や物価高騰があったということで、当時、世界的にも歴史的な転換点と言われていた中で、私としては「安心」「温もり」「ゆめ実現」という3つのキーワードであたたかい京都を作りたいと考え、選挙戦を戦いました。

そして府民の皆さんの付託を得て2期目をスタートするにあたり、できる限り速やかに施策を進めたいと考え、総合計画の改定を1年前倒しして、「安心」「温もり」「ゆめ実現」の視点で、あたたかい京都を作るということで、今の府政を運営させていただいています。まずは、その計画を着実に前に進めることが今与えられた役割だと考えています。

ただし、社会経済情勢はどんどん変化していきますし、特にAI等を含めた科学技術の進展は予想を上回るペースで進んでいます。また、国際情勢がコロナの時とはまた違った、より不安定な要素もあります。

こうしたことを受けて、常に政策運営にあたっては、柔軟に、臨機応変にしていかなければいけません。計画を安定的に進めることと、時代の流れを的確に捉えていくことの両面から府政を繋いでいきたいと考えています。

記者

保守系の政党からは、蜷川府政においてインフラ整備が遅れたとさかんに言われているが、1950年には向日町競輪場、1963年には総合資料館ができ、蜷川府政下にできたインフラもあり、今はそれらを見直したり、再整備に着手している。

そうした50年というスパンでみた時に、次の50年を見たときに何を残し、何を継承したいか伺いたい。

知事

蜷川府政におけるインフラ整備の遅れについて象徴的に言われているのは、高速道路ネットワークを代表とする道路インフラ整備の着手の遅れだと思います。一方で、例にありました様々な公共施設については、実は高度経済成長期は税収等が全国的に比較的潤沢であり、それまで圧倒的に足りなかった箱物インフラ整備が進んだ時でした。

だからこそ今、色々な施設が一斉に老朽化しており、その頃に集中的に整備されたことにおいては御指摘のとおり、蜷川府政においてもそういう意味でのインフラ整備はあったと考えています。

ただ、象徴的に遅れたと言われているのは道路インフラと、一部の鉄道です。鉄道もその後、奈良線や山陰線の整備がありました。

全国の状況を見ると、鉄道で新しく複線化しているところはあまりありません。それだけ着手が遅かったという指摘もあり、道路も含めて、ようやくインフラ整備が落ち着いてきたというのが、この50年の総括です。

ただ、これからどうなるかということについて、圧倒的に影響が大きいのは人口減少だと考えています。需要面でも供給面でも影響が大きく、それをどうしようかということです。

一つは、その影響を緩和するための「子育て環境日本一推進戦略」です。ただし、それで人口減少を食い止められるかというと、そんなにすぐにはできません。

であれば、人口減少下でも今の社会経済システムを維持もするし、より良くしていくためにどういうことが必要なのかというと、実は知らず知らずのうちにやっている施策はありますが、それを意識して仕事を進めていく時期だという時代認識を持っています。

それと、国際情勢の変化が激しいので、日本の立場からすれば、自治体レベルでも国際情勢を意識した施策運営が必要になると考えています。

記者

兵庫県の斎藤知事が出直し選挙に立候補される決断をしたが、改めて今回の一連の流れについてどのように見ているか。

知事

私は隣県のことをコメントする立場にありませんし、斎藤知事が失職した上で出直し選挙に立候補する意向を示されたということは、政治家としての判断が大きいと思うので、なかなか評価することはできません。

先日の会見はつぶさには見ていませんが、今回の件で県政に混乱が生じたことについて県民の皆さんにお詫びをしながら、今まで自分が取り組んできた改革を進めるために出馬すると仰ったと思うので、私としてはその言葉どおりの受け止めをしています。

選挙は民主主義の根幹的な制度なので、後は兵庫県民の皆様の判断で知事に最もふさわしいと思われる方が選ばれると思います。

ただ一方で、元々、百条委員会が設置され、ある程度事実を明らかにするという目的があったので、そのことについては兵庫県議会の問題かもしれませんが、事実がどうだったかについては明らかにしてほしいという思いはあります。

記者

兵庫県知事の件について、先ほど「百条委員会で事実関係を明らかにしてほしい」と仰ったが、百条委員会の論点がいくつかあったうち、事実関係を明らかにしてほしいのは、どのテーマなのか。

知事

特定のテーマについて言っている訳ではありません。そもそも事実を確認するために百条委員会が開かれていると思うので、議会解散がなかったので途中で終わりになるのかは分かりませんが、私が強く言うという訳ではなく、県民の立場に立てば、一定の事実関係が明らかになる必要があるという意味で言ったものです。

記者

一連の騒動についてということか。

知事

そうです。

記者

斎藤知事が辞職ではなく失職を選ばれたことについては、何か意見はあるか。

知事

制度的な違いは、辞職して再選すれば任期は来年の夏までであり、失職して出直し選挙となり、当選すれば任期は4年間となります。他に何が違うのかは私も分かりませんが、明示的に違うのはそこです。

過去に失職で再選されたのは、長野県の田中知事の例があります。もし出直し選挙に出られるのであれば、私も御本人の思いを確認した訳ではないので分かりませんが、もし長い期間県政を担いたいという思いがあるのであれば、失職の方が当選後に4年間の任期があるということにも理由にあるのかもしれません。

記者

先日、強制不妊手術に関する補償法案がまとまったが、知事の受け止めと、府としての被害者の方への通知や、相談窓口の設置などの対応はどうか。

知事

旧優生保護法で本人の同意なく優生手術が行われたことは、人権上、極めて問題があったと認識しています。当時は適否を都道府県が行っていましたが、法律に基づく機関委任事務であり、当時知事が国と違う判断をすることは難しかったと思いますが、そうした仕組みの中で優生手術が行われたことは非常に遺憾ですし、私自身も当事者の方に心から申し訳なく思っています。

当事者の方に寄り添って法律の枠組みの中でできる限りの対応をしていくことは、京都府としての責務だと考えています。

新たな法案は、秋の臨時国会に提出予定だと報道で承知しています。

法案の前文を見ますと、被害者に対する謝罪や国の責任について明文化されており、当事者だけでなく配偶者や遺族、旧優生保護法に基づく中絶手術を受けた方も補償金の支給対象になることになっていますが、もう少し法案の動向を踏まえてとなりますが、我々としては制度が確実に当事者に届くように引き続き対応したいと考えています。

記者

先日、支援団体の方が記者会見をされ、色々と相談に乗ってほしいと言われていた。また、被害者の方にそれぞれ通知するかどうかは自治体の判断になると言われていたが、その点について知事の見解はどうか。

知事

今、京都府で一時金支給認定をされた方は18名おられますが、その方々には新しい補償制度の請求の意思があると思いますので、個別通知をいたします。

なお、それぞれ御事情があるので、個別通知は慎重になるべきだという意見もあります。

国においても新たな補償法ができると、第三者機関に委託して調査するような話も出てきており、原因究明や再発防止に繋げたいとしています。国の動向も見ながらですが、支援団体が立ち上げられたことは承知しておりますので、我々としては新しい法案に基づく補償制度がどういうものになるのか、その中で我々は今までとは違う役割を与えられるのかどうかもよく見極めた上で、団体の皆様との連携についても検討していきたいと考えています。

記者

優生保護の関係で、9月28日に京都府で立ち上がる団体は、京都府に求めたいこととして、一連の不妊手術の検証や、再発防止策を府として主体的に検討する会議を立ち上げ、その上で当事者団体もメンバーに入れてほしいということを言っていた。

新しい法律ができて第三者機関ができるという話もあるが、現時点で会議の立ち上げは予定しているか。

知事

今のところ予定していません。これまで、できる限り関係の方に情報を届けるようにと指摘されていたので、今までも府民だよりへの掲載や医療機関、関係施設にチラシを置くことなどをしており、広報の範囲を広げるといったことはやっています。

要するに制度が確実に届くことについては努力したいです。ただ、再発防止というのは、我々の立場としてどういうことを検討していいか思い浮かびません。

ただ今回、新しい法案ができれば新しい局面に入ると思いますので、それを踏まえて確実に情報が届くよう努力したいです。

記者

検証の必要性はどうか。

知事

先ほど言ったように当時の知事の判断でやっていましたが、法律に基づく国の機関委任事務として行っていたので、国と違う判断をすることは難しかったと思います。

検証することにより、新しい情報や、新しい制度に活かせるような結果は出にくいと思うので、それを見通せない中で検証に着手するのは難しいと考えています。

記者

先日行われた立憲民主党代表選で野田新代表が誕生したが、知事の受け止めはどうか。

知事

立憲民主党の代表は、今の国政の状況では野党筆頭の代表となるので、まずは国会で政府と政策について論戦を交わしていただいて、政府の政策を鍛えていく役割を是非とも担っていただきたいですし、その意味では、野田代表は、総理をされていた時から分かっているように論客ですので、そうした役割を十分に果たされると思っています。

記者

府内の銭湯の入浴料については、10月1日から大人510円になるが、ワンコインを超えることで府民に負担になると思うが、どうか。

知事

今回の値上げについては、銭湯側にとってみれば物価高騰の影響を受けて経営が厳しくなっているという事情があります。

銭湯は、全国的にも京都においてもだんだん減ってきており、サービスを維持するという意味では、経営者側の状況も踏まえた上で値上げしなければいけません。

ただ、値上げ分を新しい方法で計算するとかなり高くなるということで、そこについては今後更に慎重に審議をするということで、まずは速やかに引き上げをするため、今回の引き上げ額が答申されましたので、それを踏まえて決めさせていただきました。

我々としては、利用者側のことも考えて、また経営者側も値上げに伴う銭湯離れを心配しているという中で決定いたしました。今回の値上げ幅については、それほど大きな負担増になったものではないと考えています。

ただ、これからの審議については、この論点についてよりきめ細かく審議をお願いしたいですし、我々の対応もきちんとしたいと考えています。

記者

銭湯は京都の一つの文化という面もあると思うが、文化を守る救済策として、府が何かできることはあるか。

知事

どの部分を捉えて文化と言うかという点はありますが、あくまで持続可能な経営をしていただかないといけないという観点からすると、もちろん経営者側の努力も必要ですが、持続可能な経営の基盤を築くという意味で料金が公定されており、その代わりに優遇措置も行われています。

この枠組みで決めた料金の中で、できる限り効率的に経営していただくということであり、我々が直接的に経営を支援するのは難しいと考えています。

足元の状況は分かりませんが、コロナ前は外国人観光客の方が民泊などに泊まり、銭湯を利用されることが多く、海外の方向けの対応をされていたところもありました。

個別の銭湯の経営のことではなく、そうした新たな展開に向けて必要なことを支援するという話は協会の方からよく聞いていましたので、お金が入っていたかは分かりませんが、そうした支援はあり得るかもしれません。

ただし、経営に対して直接の支援をすることは、私どもとしては持続可能な経営に繋がらないと考えています。

記者

北陸新幹線の関係で、10月に自民党京都府連が国土交通省の課長を招いて講演会を行うが、知事は出席する予定か。

知事

案内は頂いていますが、公務日程との関係で最終的には判断をしたいと考えています。もちろん府から誰かは参加すると思います。

記者

他の公務とこちらの講演会との優先順位はどうなるか。

知事

特定の政党の講演会であることや、国交省の課長の方が講師をされるということも含めて総合的に判断したいです。

記者

沿線自治体への説明を進めていくという話もあるが、その説明は既に受けられているのか。

知事

斉藤大臣が会見で言われた「沿線自治体への丁寧な説明」については、まだ受けていません。

記者

まだ日程も決まっていないのか。

知事

そうです。

記者

北陸新幹線の件について、知事が京都府連に行って説明を受けることはあるか。

知事

その予定はありません。

記者

自民党総裁選の結果はまだ出ておらず、現時点で高市氏と石破氏の決選投票になっているが、知事の所感はどうか。

知事

自民党総裁選は、選ばれた方が首相になられるので、国が抱えている様々な課題を解決していただける方にリーダーになっていただきたいです。

当面は物価高やエネルギー価格高騰といった国民が直面している様々な課題がありますし、それに関連して、賃上げにより経済の好循環がでてきていますので、それを活かした経済政策をしていただきたいです。

それから、我が国最大の構造的課題である人口減少・少子高齢化に対応することです。

そして、国土政策を含めた東京一極集中の是正については、国レベルで取り組んでいただかないとできないことが多いので、取り組んでいただきたいです。

また、今回の能登半島地震に次ぐ大雨被害を見ても、自然災害が明らかに激甚化・頻発化していますので、その対応もあります。

都道府県の立場としては、地方の声を国政に反映していただきたいということを、是非ともお願いしたいです。

いずれにしても、首相が誰であろうと私の思いは変わりません。

記者

京都府知事ならではの要望はあるか。

知事

文化庁の京都移転は、元々、地方創生の流れで決まったものであり、文化庁が京都に移転することで新しい文化政策の潮流を作ることが重要だと考えていますので、文化については、是非とも文化庁の京都移転の効果を発揮できるような施策をしてもらいたいです。

日本は、経済面や産業面では国際的な地位が落ちていると言われていますが、文化面では引き続き国際的に高いプレゼンスがあると思うので、是非、京都に文化庁があることを活かして国際的な発信もしてほしいというのは、京都ならではの要望の1つです。

記者

もし高市氏が決戦投票で勝利した場合は、女性で初めての首相となる。知事はいつも女性活躍と言われているが、その視点からコメントをいただきたい。

知事

まずはきちんと国のリーダーとして政策課題を解決してもらいたいと考えていますが、その上で女性が初めて総理になるということであれば、素晴らしいことだと思います。

ただし、あくまで政策課題への対応をきちんとしていただきたいという思いがありますが、アメリカ大統領選挙もどうなるか分かりませんが、国際的にみても女性が国のリーダーになるというのは、女性活躍の象徴的な現象になりますので、もしそうなるのであれば、女性活躍の視点からは素晴らしいと思います。

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