更新日:2025年6月3日

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令和7年5月30日定例知事記者会見

 

令和7年度6月補正予算案の概要について

令和7年度6月補正予算案が概ね取りまとまりましたので、その概要について御説明します。

なお、議会へは6月11日から始まる6月定例会開会日に提案する予定です。

予算編成の基本方針

まず、予算編成の基本方針ですが、米国の関税措置に伴い京都経済にも深刻な影響が懸念される中、厳しい状況にある府内の中小企業者を守るために必要な対策を講じます。また、当初予算編成後に生じた国費の内示増など、対応が必要なものについて予算を編成します。

なお、今後についても引き続き、政府の動き、事業活動や府民生活への影響を注視しながら、時期を逸することなく対応と(資料1ページ目に)書いておりますが、これの意味するところは、今後必要が生じれば6月定例会への追加の補正予算案の提出も含めて、時期を逸することなく対応していきたいということです。事態は非常に流動的でもありますので、臨機応変に対応していきたいと考えています。

米国の関税措置を受けた対応

米国の関税措置を受けた対応についてですが、4月2日に米国から関税措置が発表され、翌日の3日には、(京都府の)特別相談窓口を設置しています。

府内の中小企業者に対しまして、ニーズに応じたきめ細かな伴走支援ということで、資金面での支援や、経営改善・成長に繋がる取組等への支援、生産性向上へ向けた取組への支援などを行っています。

特に関税措置により経営の不確実性が高まっていますので、経営強化や付加価値向上は必要不可欠だと考えています。

米国の関税措置に伴う追加の対策

今回の予算の中身についてですが、「米国関税措置等緊急対策事業費」ということで、1.2億円規模です。

経営強化に取り組む中小企業への伴走支援ということで、経営経験のあるコーディネーターを配置して、相談内容に応じたきめ細やかな支援を実施します。

そして、ジェトロとも連携して、海外取引特有の課題への対応を行います。

(資料3ぺージ)下段は、経営強化の取組への支援ということで、伴走支援を受けた中小企業者が緊急的に行うソフト・ハードの取組を支援します。

また、酒蔵が行う京の酒の付加価値向上の取組を支援したいと考えています。

その他の施策

「医療機関等経営改善支援事業費」、10億円規模です。

医療機関につきましては、経営状況が厳しい医療機関が行う病床数の適正化、耐震化等の施設整備を支援します。

分娩取扱施設や小児医療施設につきましては、分娩数や入院患者が非常に減少していますので、給付金を支給するものです。

訪問介護等事業所につきましても、人材確保や経営改善の取組を支援していこうとするものです。

人・物・情報・日々の生活の基盤づくり

道路整備等の公共事業関係につきましては、国費の内示増が38.4億円の規模でありましたので、それに対応する追加を行うものです。

公共事業の補正後予算額は、前年度と比較して102.6%になっています。

予算案の規模

予算の規模については、令和7年度の現計予算が1兆299億円で、今回の6月補正予算が49億円台ですので、合計しまして1兆348億円台となっています。

この1兆348億円台というは、昨年度の6月補正後と比較しますと103.6%となっております。

私からは以上です。

 

質疑応答

記者

アメリカの関税措置を受けた対応として、特別相談窓口を4月3日に開設したとのことだが、その後、府内の中小事業者からの経営に関する相談状況はどうか。

知事

特別相談窓口には、5月27日時点で13件の相談があり、そのうち5件は実際に売上や受注の減少などの影響が生じているとのことでした。例を説明すると、自動車部品加工業者からは「取引先企業からの受注がなくなったため、輸出向け部品の生産を停止した」という声や、自動車製造設備の板金加工業者からも「受注が大幅に減少している」といった声をお聞きしています。

なお、以前に京都商工会議所が発表されていましたが、会員企業に対して実施した調査において、今後の影響を懸念している旨を回答されたのは、76社のうち48社で6割程度という結果が出ています。いずれにしても、実際の影響を受けただけでなく、懸念も含めますと、予断を許さない状況であると認識しています。

記者

自動車部品に関する企業は、丹後に多いイメージがあるが、(影響のある企業に)地域的な特徴はあるか。

知事

地域的な特徴はありません。

記者

米国関税措置等緊急対策事業費が1.2億円規模とのことだが、一般財源の割合はどうか。

知事

国の交付金を活用しますので、1.2億円は全額国費になります。

記者

アメリカの関税措置に対して、先程相談もいくつか寄せられているという話もあったが、支援の必要性についてどう考えているか。

知事

アメリカの関税施策は一自治体で全て対応できるものではなく、まさに今、政府がアメリカと交渉中ですし、米中の経済摩擦が深刻化すれば、単に関税措置だけでなく国際経済全体の縮小等の懸念があります。

そういう中でも少しずつ具体的な影響が出ているのであれば、中小企業者に対してできる限り影響を抑えて、生産性向上や経営改善に繋がるようなことをやりたいと考えています。ただ、財源に限りもあるのでこういう形になっています。

私としては、トランプ関税を巡る今の経済全体の懸念がなくなることが一番重要ですが、今のところ不安定な状況が続いているので、今、足元でできることをやるということで今回の措置をさせていただきました。

特に緊急的に対応する必要があるということなので、経営経験のあるコーディネーターにアドバイスをしてもらって、すぐにできることをやろうということです。

特定の国に輸出している製品や部品に関係する人にとっては販路を変えたいという場合もあるので、ジェトロと連携することもひとつの新しい方法ではないかと思います。それによって販路開拓や新商品開発ができれば今後にも繋がるという思いで措置しました。

ただ、事態は流動的なのでまだまだこれからも対応していかなければいけないと考えています。

記者

今回は中小企業に限定した措置なのか。

知事

そうです。

記者

その理由は何か。

知事

もちろん大手の企業に影響が出る可能性はあります。今回はトランプ関税を契機としていますが、資材価格や人件費の高騰、人手不足や事業承継など、中小企業を巡る経営環境がもともと厳しい中で今回のトランプ関税ということなので、もともと厳しい状況に置かれた現状を踏まえて中小企業に対する支援として構成させていただきました。

記者

米国の関税措置による府内における影響額を試算されているか。

知事

先ほど特別相談窓口への相談件数が13件あると申し上げ、事例を一部紹介しましたが、あくまで事例ですし、「深刻な影響が懸念される」と言いましたけれども、商工会議所のアンケートで懸念がありますかという質問に「ある」と答えられた企業が一定数おられるということです。そう答えたところに具体に影響が出ているかは分からないので、まだ定量的に分析できるところに至っていないです。

ただ、皆さん心配されていることは間違いなく、恐らく自動車産業は日本の経済の中で裾野の広さ、雇用人数、生産量・売上も含めて非常に大きいので懸念が広がっているということだと思いますし、全国でも色んな話は聞きます。

懸念はあると思いますが、そこはまだ懸念の段階ですし、まさに政府が調整中なので、定量的なところまで分析できないというよりも、分析する状況に至っていないです。

記者

「中小企業者が行う経営強化の取組への支援」の中に、酒蔵の支援とあるが、この業種だけを抜き出して対象としているのはなぜか。

知事

酒蔵の経営環境については、関税措置の影響で輸出環境が厳しくなるということに加え、様々な資材や物価の高騰の影響があり、その中に米価格の高騰の要素も入ってくるという厳しさがあります。

もう一つの理由は、「京の米で京の酒を」を合言葉に、我々は(事業者と)一緒に「京の酒」をブランド戦略としてずっと育て上げてきたという経緯があります。そうした中で、より厳しい状況に置かれた時に、何とかそのブランド戦略を維持してもらいたいという思いがあり、全般的な支援というよりも、「京の酒」というところに着目してブランド戦略を維持するために、より手厚い対応が必要なのではないかと考えました。

酒造り全般に対する支援とまではいきませんが、「京の酒」の付加価値向上の取組への支援であり、これまでブランド戦略をやってきたという経緯を踏まえた予算措置だと考えていただきたいです。

記者

京都の酒の付加価値向上に限った予算枠があるということか。

知事

京都の酒の中でも、京の米で作った「京の酒」に限ったものです。

記者

コーディネーターとは具体的にはどういう方をイメージしているのか。

知事

基本的には中小企業の支援機関におられる人です。しかもその中でも特に経営経験のある方で、府の職員ではない方を配置したいということです。

記者

商品開発に必要な資機材の導入の支援は補助金を出すというイメージか。

知事

そうです。資機材を入れるなど商品開発に必要な経費があればそれを補助します。もちろん一定の限度はあります。

記者

医療機関等の経営改善について、このタイミングで病床数の適正化や耐震化への支援、分娩取り扱い施設への給付金を支給することととした理由は。

知事

国から一定の政策趣旨に伴う予算措置について内示がありましたので、このタイミングになった意味は、国で支援の枠組みを示されたことによって、今回それを予算化しているということです。

記者

先日、「Music Awards Japan」が京都で開催され盛り上がりを見せた。開催を終えて知事の所感と、今後の開催について、初回を京都で開催できた一方で、経費のかかるイベントでもあり、今後開催するとしたらどんなことを思い描いているか。

知事

日本をはじめアジアの音楽を世界に発信する国内最大規模の国際音楽賞「Music Awards Japan」の記念すべき第1回が京都で開催されたことは大変光栄に思っています。

開催にご尽力された、音楽主要団体が結集されたカルチャーアンドエンタテインメント産業振興会(CEIPA:セイパ)の皆様と、何よりもこの国際音楽賞を提唱され、京都開催を実現された都倉文化庁長官には心から感謝を申し上げます。

私も2日間にわたって参加しましたが、人を惹きつける音楽の力や素晴らしさを改めて実感しましたし、オープニングショーや授賞式会場、レッドカーペット等、京都らしさを直接感じるような会場で開催できましたので、演出も良かったと思います。

何といっても音楽団体が結集したことと、J-POPを世界に発信する土台が出来たことに感動しました。

今後については、まずは第1回が開催できたことが大きいと思いますが、これから、主催団体のCEIPAで、今回の課題や反省点もあるでしょうから、それを洗い出した上で、次回以降について場所も含めて検討していると聞いています。

我々も京都で開いていただきたいという希望はありますが、経費の問題や様々な課題もあります。もし2回目も京都でということであれば歓迎もしたいですし、できる限りの協力もしたいですが、ハードルはたくさんあると思っていますので、必ず京都で開催されるとは思っていません。

記者

北陸新幹線について、京都商工会議所の堀場会頭から舞鶴を経由するルートに関する発言があったが、知事の受け止めはどうか。

知事

堀場会頭の発言はあくまで個人の意見と断られた上での発言でした。舞鶴ルートは、私が知事になる前の平成28年に与党の北陸新幹線敦賀・大阪間整備検討委員会の場で意見聴取の際に京都府として舞鶴ルートを主張した経緯もありますので、舞鶴の重要性や府中北部への波及効果においてのその当時の受け止めは承知していますが、その後、速達性やB/Cの議論を経て今のルートに決定した経緯があります。

堀場会頭としては舞鶴の重要性を念頭に発言されたのではないかと思います。

記者

かつて京都府は舞鶴ルートを推していたが、西脇知事自身の舞鶴ルートに対してどのような評価をしているか。

知事

私自身は府が舞鶴ルートを主張していた時には知事ではなく、私が知事になった時には既に小浜・京都ルートに決定していたので、舞鶴ルートを評価するだけの知識はありません。

堀場会頭は舞鶴の国防上の重要性をおっしゃっていましたけれども、京都府において舞鶴は関西エリアで唯一の日本海側の重要港湾ですし、そういう意味では北部7市町の中心となる市であるという重要性は十分理解していますし、(舞鶴に新幹線が通ることによる)府北中部への波及効果もあると思っています。

ただし、鉄道事業なので、B/Cや採算性、速達性を踏まえての決定であり、舞鶴の重要性だけでは決まりません。その上で、決まったルートなので、今、私から舞鶴ルートについて評価やコメントするつもりはありません。

記者

5月12日に東京で北陸新幹線の建設促進大会があった。その際に初めて「京都府などが示した課題解決は不可欠」という文言が要望書に入った。これについて知事はどう考えるか。

知事

建設促進同盟会の事務局は福井県ですが、これまでから要望書の文言については情勢に合わせて変遷しています。御指摘の京都府に関する文言が入ったというのは初めてかもしれませんが、それ以外の場では、私が会議に出た時でも馳知事が「京都府の問題を解決しないといけない」と口頭で発言されていましたし、その意識は北陸の知事さんも持っていただいています。それが文言になったということでは少し状況は変わったかもしれませんが、皆さんの思いは同じで、我々も去年の与党のヒアリングでもお話をしましたので、そのことが的確に伝わっているとは思いましたが、すごく新しいことが出てきたという感覚はないです。

記者

建設促進大会には武田副知事が出席されたが、石川県の関係者が途中退席されたり、米原ルートを求める文書が配られたりする等、沿線自治体で温度差があるような動きがあったが知事の受け止めはどうか。

知事

退席されましたが、結果として要望書について同盟会としてきちんと合意をしています。文書が配られたといっても新しい内容のものが配られたわけではなく、昨年の石川県の県民会議で決議された文書がそのまま配られたので、あくまで「こういうことがあります」というもので、同盟会の意思決定に対する意見として配られたものではないと私は推測しています。

結果としては、最終的な文書として合意できたということです。

記者

万博開幕から1カ月以上経つが、京都ゾーンの来場者数の現状はどうか。また、開幕から1カ月程度は文化をテーマにされていたが、特に反響のあった分野はあるか。

知事

まず、関西パビリオン全体については、5月22日に来場者数が30万人を突破したと発表されました。京都ゾーンについても1日当たり約2,700人来場いただいており、5月25日に来場者の累計が10万人を超えました。

直近1週間の5月18日から5月24日では、約1万9,300人の方に京都ゾーンにご来場いただいており、開幕当初から比べると、来場者数は増加傾向です。ただ、関西パビリオン全体のキャパシティの問題があるので、どんどん増えるということではないとは思います。行政のパビリオンにしてはということだと思いますが、関西パビリオンの館長自らが、関西パビリオン自体が隠れた人気館だと言っておられました。

(京都ゾーンについては、)開幕6週間は文化をテーマにやっていましたので、呈茶や伝統芸能などの体験や実演が非常に盛況だったと聞いていますし、漫画などのサブカルチャーや伝統工芸品、祭りで使う祭具なども展示していましたので、より京都の文化を体感していただいたのではないかと考えており、評判も上々だったと聞いています。

5月26日からは文化から食にテーマが変わっており、こちらもできる限り、多くの皆さんにご来場いただきたいと考えています。

記者

来場者数について、感覚として多いや少ないなど、知事はどのように感じているのか。

知事

関西パビリオン自体も全部ではないですが基本予約制で、予約枠も結構埋まっていると聞いていますし、昨日時点の報告だと、予約された方が来ないキャンセルの率も5%ぐらいで関西パビリオン全体として好調だということです。

関西パビリオンの中は、回遊する形になっていますので、私自身としては、来場者数については非常に好調だと考えています。

記者

京都ゾーンを訪れた来場者が京都に来ているような流れはあるのか。

知事

京都の色々な商業者の団体の皆さんなどから、京都ゾーンだけということはないですが、万博来場者の方がかなり来られているのではないかという実際の声は聞いています。

京都ゾーンの来場者の方がどれだけ京都に来たかというのは、一部の府県では、万博会場で配ったものを県内で提示する(と特典が受けられる)ということを行っているところもあるのですが、それでも全部把握されているわけではありません。

京都の場合、京都ゾーンだけで把握するのはなかなか難しいのではないかと思っています。京都駅にあるEKIspot KYOTO(エキスポ キョウト)で聞いてみるなど、定量的には難しくても、定性的な把握はできるのではないかとも思いますが、課題なので、考えたいと思っています。

記者

府内の小中高生の万博会場への訪問状況はどうか。

知事

これは学校からの報告を受ける必要があるのですが、4月に万博会場に来場した学校数は19校であり、内訳は、公立13校、私立6校で、来場した人数は約6,200人です。これは5月28日時点での報告数であり、4月の訪問分を全て把握したものなのかは分かりませんが、いずれ最終的には全ての数字が分かります。4月は年度初めとではありますが、それなりの人数の方に行っていただいたと考えています。

ちなみに、その後も随時、来場予約が行われており、年度が替わって新たに行く予定となった学校も増えていると聞いています。5月26日時点の数字ですが、仮予約済みであるという報告のあった学校数は226校で、人数は約5万1,600人だと聞いています。

必ず行くかどうかは別にしても、学校としては、そうした枠として予約されているという報告を受けています。これはいずれ実績になってくるので、より正確に把握していきたいと考えています。

記者

政府備蓄米の随意契約による放出が始まるが、これについての考えや府としてどのように取り組むのか伺いたい。

知事

今回、放出の方式を、もともと大手の集荷業者へ入札方式で行っていたものを、大手の小売業への随意契約に見直して、さらに、中小規模の小売事業者も対象となったということを承知しています。備蓄米ですので在庫量に限りはありますが、消費者にとっては一定の負担軽減が図られるのではないかということを期待したいと考えています。それから、非常にスピード感のある対応をされていて、様々な課題はあると思いますし、改善しないといけないところがあるかもしれませんが、スピード感を持って、直接備蓄米の価格低減効果が目に見える形で対応されているということについては、私としては非常に評価したいと考えています。

ただ、今の方式でも、例えば地域間で小売や販売に偏りがあるのではないか、本当に米価格全体の抑制効果に繋がるのかという懸念の声もあるということも重々承知しています。この辺りについては、我々も国の方に様々に要望していきたいと考えていますが、私としては、消費者の目線もありますが、もう一方で生産者の立場を考えていただき、大きな視点で米政策を考えていただきたいです。

やはり国内の需要に十分応えられる生産量を確保できる需給見通しを国が示して、国民が安心感を持っていただいて、なおかつ余剰があればそれを輸出するとか備蓄に回すというように、安定した需給調整が可能な仕組みにしていただくよう、国の方にも要望していきたいと考えています。それは、おそらく皆さんが望んでることなのではないかと考えています。

記者

これまで国は減反ということで、生産を減らすような政策を進めてきた。一部では増産という声もあるが、これまでの農政の方向性を変える必要があると考えているのか。

知事

お米といっても基本的には商品ですので、マーケットで決まることですから、減反だけ取り出しても仕方なく、需要が少ないから過剰生産にならないように減反してきたということですから、もし需要が上回れば、当然それに必要な供給をするというのは当たり前だと思います。ただ、それが本当にどうなのかということが皆よく分からないということです。それは、生産現場もありますが、流通があって最終的に消費者に届くというそれ全体で見る必要があるということです。

ただ、米離れが進んで米農家の方の生産意欲がなくなることや、そもそも米の生産の基盤が崩れることが一番問題なので、そのあたりは先ほど言いましたように、消費者の目線もありますし、生産者の目線もあるということを考えてもらいたいです。

減反政策だけを捉えても仕方がなく、必要な量が必要な質で米が確保できるようにするというのが農業政策なのではないかと考えています。

記者

前農林水産大臣は「米はもらっていて買ったことがない」と発言されたが、知事は米を買ったことがあるか。

知事

もちろん買ったことはありますが、夫婦二人で消費量が多くないので頻繁に買う訳ではありません。お米だけを買いに行くということではなく、パターンとしては駐車料金との兼ね合いで、じゃあお米を買っておこうかと妻が言って、重たいけれども買い物カゴに入れるといったことは何回かありました。

知事になって以降も買ったことはもちろんありますが、最近はあまり買った記憶がありませんので、私自身はこの半年ぐらいは買っていないかもしれません。

記者

東京都が今年の夏は家庭の水道料金を無償化する方針を打ち出したが、知事の所感はどうか。

知事

ひとつは、これができるのは財政力がある東京だからということは確かです。首都圏でも近隣の県からは「東京と同じことをするのは不可能だ」という声が出ています。

それから京都府としての立場に立てば、府営水道は市町村に供給していて、東京都は消費者に直接供給している主体なのでそこは事情が異なります。しかも東京都の基本料金は(水道管などの)インフラ整備に当てられる部分だと思いますし、夏の暑い時期の対策として臨時的なものだと理解しています。

自治体の財政力によって住民サービスの質が変わったり、負担に大きな格差が出るのは問題だと思いますので、水道だけではありませんが、国としても財源の偏在是正の観点から検討していただくことが必要だと考えています。

知事

アメリカのトランプ政権が学生ビザの面接の新規予約を停止するなど、留学生に対する影響が出てきている。京都府は大学が多いが、アメリカに留学しようとしている学生や今アメリカにいる学生も含めて、国と連携して対応する考えはあるか。

知事

文科省が、5月27日付けで米国での留学生の学びが継続できるよう各大学に対して日本人を含めた留学生の受け入れが可能な支援策を検討するよう依頼されたことは承知しています。

まずは、それぞれの学生が希望されているということので、今まで通り留学生が授業を受けられるようにすることが必要だと考えています。

一方で、東大や京大、阪大がハーバード大学の留学生の受け入れを表明したことを報道で承知しています。ハーバード大学に行きたいけれどもそれが難しければそれぞれ学生のニーズに合わせて(それぞれの大学が)受け入れるということだと思います。

日本人については、留学するということは、外国に行かれる訳ですから、その人の要望が叶うように、米国政府に働きかけるかは別として国として取り組んでいただきたいです。

一方で米国に行けないアジアの留学生を受け入れることについては、今までからも留学生数を伸ばそうとやっていましたから、その文脈の中で各大学が努力されるのはいいことだと考えています。

先ほど東大・京大・阪大と言いましたが、京都は大学が非常に多いですし、留学生も受け入れていますから、調べてみた方がいいのではと考えています。入学時期が決まっていますから、数字がすぐには出ないのですが、例えば、ハーバード大学に行けないとなった時に、日本の大学にどのように関係してくるかは調べてみる価値はあると考えています。

記者

知事の任期は残り10カ月ほどになっているが、知事選への対応についてはどのように考えているか。

知事

先日も質問いただきましたが、最終年度で「あたたかい京都づくり」を実感してもらう予算と銘打った令和7年度の当初予算の執行を含め、足元の課題、今まさに補正予算も編成しましたが、そうした課題を解決するのに全力を挙げるに尽きるということで何も考えていないです。

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