ここから本文です。
令和6年度一般会計決算の概要について御報告申し上げます。
令和6年度における決算総額につきましては、子育て環境日本一にかかる取組や長引く物価高騰への対策を講じた結果、1兆円を超える決算規模となりました。
歳出は約1兆784億円で、社会保障関係経費の増加や、過年度の国庫支出金返還金の増加などにより、約159億円の増加となりました。
また、歳入は約1兆876億円で、国庫支出金がコロナ対策の減などにより減少となる一方で、府税や地方交付税などの増加により、約78億円の増加となりました。
この結果、単年度収支につきましては、コロナ対策にかかる過年度分の国庫支出金返還金の影響を除くと9億円台の黒字となりました。
ただ、社会経済情勢の先行きが不透明なことに加えまして、社会保障関係経費の増加など、引き続き厳しい財政状況が続く見通しであると考えております。
いずれにいたしましても、令和6年3月に策定しました「京都府行財政運営方針」に基づき、持続可能な財政運営に努めてまいりたいと考えております。
資料3ページの財政調整基金についてです。
長引く物価高騰への対策や、各種災害への備えをはじめ、ある程度の一般財源が必要となる案件も想定されますことから、年度末の財政調整基金を昨年度から約10億円増額し、総額約15億円を確保したところです。
次に、資料4ページ以降は令和6年度の主な取組と成果をまとめております。
資料4ページですが、精神障害者を対象とした医療費負担を軽減するための助成制度の創設や、あらゆる危機事象に迅速かつ的確に対応するための危機管理センターの全面運用開始などにより、府民の皆様の安心を守る取組を進めてまいりました。
資料5ページですが、子どもと若者の交流機会を増やすことを目的とした「京都版ミニ・ミュンヘン」のモデル実施や、子育て世帯の不安や負担を軽減させるための「親子誰でも通園モデル事業」を全国で初めて実施するなど、子育て環境の整備を進めるとともに、府市連携により高校生が学びをより深めていくための機会を創出することを目的とした「京都探究エキスポ」を開催いたしました。
また、京都テルサ内にあった企業支援機能を統合し、人材確保・定着・労働生産性向上を推進する「京都企業人材確保センター」を設置いたしました。
資料6ページですが、中小企業や社会福祉施設などの環境改善を図るため、好事例を取り込むための勉強会や、生産性向上に資する設備導入の支援を実施するとともに、国内最大規模の国際スタートアップカンファレンスであるIVSを2年連続京都で開催するなど、京都産業の持続的な成長を目指して取組を推進してまいりました。
また、開園100周年を迎えた府立植物園において、「LIGHT CYCLES KYOTO」をはじめとした様々なイベントを実施するとともに、府内一円で音楽に親しむ機会を創出するための「Music Fusion in Kyoto音楽祭」の開催や府市連携による周遊観光促進のためのモデルツアーの造成などを進めてまいりました。
資料7ページですが、令和6年度から向日町競輪場敷地内に京都のシンボルとなるアリーナ整備に着手いたしました。また、府内で初となる「ドナルド・マクドナルド・ハウス」整備のため、建設資金をオール京都で応援し、令和7年3月に寄附目標額を達成したところでございます。
このように、誰もが未来に夢や希望がもてる「あたたかい京都づくり」の実現に向けた施策を全庁一丸となって積極的に取り組んできたところですが、引き続き、複雑・多様化する課題に迅速かつ的確に対応してまいりたいと考えております。
私からは以上です。
今年度も物価高騰への対応、トランプ関税の影響などで、いろいろな補正予算が組まれている。まだ先は長いが、今年度決算で伸びそうな部分は何か。
だいたい社会保障関係経費の増加は通年で出てきますので、その分はどうしても見込まないといけません。それから、全体の決算規模は国の施策を取り込んで変わるところもあります。例えば、直近で言えば、経済対策を進めることに関しては、国は方針だけは示していますけれども、まだそれが国の補正予算としては形になっていません。その辺りの傾向を見ないと、全体の総額の規模は見通せないです。
ただし、財政状況は非常に厳しいので、できる限り国庫支出金の導入や有利な地方債の起債、それから行財政運営方針の的確な実施など、歳出規模が増えてもできる限り財政収支に影響が少ない形で持続的な行財政運営に努めていきたいと考えています。
引き続き厳しい財政状況であるとは言いながら、決算が5年連続で1兆円を超えることについてはどう考えるか。
もともと行政というのは、(施策に)そこまで凸凹がある訳ではなく、一定の連続性や安定性の下で実施しています。一定の施策の規模はそんなに乱高下はしないので、1兆円という規模については、一般的な行政ニーズに合わせた形での行政サービスの提供の結果だと考えています。
ただ、単年度で見れば、コロナの時に(決算額が)かなり増えていますし、その国庫支出金の過年度分の返還など、特殊な事情はありますけれども、1兆円という規模は、我々にとって必要な行政サービスのための必要な財政規模ではないかと考えています。
財政調整基金について、前年度から10億円増加したということたが、まだ少ないという意見もあるかもしれないが、どのように考えているか。
もともと、財政調整基金というのは、年度間に様々な支出が必要になった時のために備えとして積み立てるものですから、備えという意味であれば、もちろん多ければ多いほどいいという声もあります。一方で、我々がずっと言ってきたことは、府民サービスの維持向上が一番のポイントなので、そこに力点を置いた財政運営という意味においては、必要な府民サービスがあるにも関わらず、基金に積むこととどちらが大事かと言えば、やはりサービスの提供の方が大事ということになります。
その中でやりくりしていく中で、可能な範囲で基金に積む必要があると考えて、かなり歯を食いしばってここまで来ていますので、そう簡単に(基金の金額が)たくさん増えるということではないと思います。我々は数値目標を持っている訳ではないですが、ある程度税収なども含めた財政状況が許せば、少しずつでも積み増していきたいという気持ちはあります。
しかし、それと府民サービスのニーズとの兼ね合いの中で、毎年度総合的に勘案していくということしかないと考えています。
先日参議院議員選挙が投開票されたが、結果の受け止めを伺いたい。(京都府選挙区で)トップ当選した候補者が日本維新の会の候補者だったが、来年の知事選への影響もあると考えているか。
参議院議員選挙の結果については、有権者お一人おひとりの投票行動の積み重ねの上で総体的な結果が生まれているので、現時点における民意を反映したものだと考えています。
その全体について私は評価しにくいのですが、京都だけではなく全国の状況として、与党を中心に既成政党に対しては評価が厳しく、新しい政党に対する評価が伸びたことについては、政治構造か有権者の投票行動に少し変化があったのではないかと思っています。
ただ、一回の選挙だけではなかなか分析し切れないと考えています。
それから、もう一つは投票率が上がりました。この場でも何回も聞かれていますが、投票というのは民主主義の根幹的な制度なので、総体的にまず投票率が上がったことについては評価したいと考えています。
特に、京都は(前回の投票率との比較で)全国の上昇幅よりも上昇していて、全国平均よりも投票率が高く、これはおそらく初めてのことでした。多くの候補者が立候補されたということもありますし、選挙を通じた論戦により選挙に対する関心が高まったというふうに考えています。
最後に、知事選挙への影響ですが、私自身は現行の政策課題に取り組むことに全力を挙げるということで、知事選挙のことは全く考えていませんが、それを除けば四年に一回必ず知事選挙がありますので、これはどんな時の選挙でもですが、直近の国政選挙の影響が少なからずあることは間違いないと考えています。
ただし、それがどう影響するかについては、私自身何も考えていません。
自民党内で石破首相の退陣論が出ていることについて、知事の受け止めはどうか。
石破総理ご本人が続投の意思を表明されています。選挙の結果をどう総括されるかということは、まさに自民党総裁として、自民党を構成する議員をはじめとした人たちからの声を聞いてされることですので、私はコメントする立場にありません。
衆議院に続いて参議院でも(与党が)過半数割れしたことについての受け止めはどうか。
(過半数割れが)衆議院の方だけでも、前の通常国会で法案を通過させるのに相当厳しい政権運営をされてきたということが、参議院もとなれば、当然より厳しい運営になると考えています。
昨日まで3日間やっていた全国知事会においても、この話はかなり話題になりました。最終的に取りまとめた青森宣言でも明確に言っていますが、我々地方を預かる知事にしてみれば、今起こっている物価の高騰や景気の問題、トランプ関税も決着したけれどもまだ流動的な部分もあること、自然災害が待ったなしということなどを考えれば、できる限り早期に、与野党問わず国政をしっかり前に進めるような仕組みなり姿勢を示してもらって、国民や都道県民が安心できる形で国政を運営して欲しいという思いに尽きます。衆議院、参議院ともに過半数割れということは非常に厳しい状況だということは間違いないですが、ただ厳しいと言うだけでは物事は進まないので、それをどういう形で政策運営をしていくのかということについては、様々紆余曲折あると思いますが、できる限り早い段階で国政の安定的な仕組みを作ってもらいたいと考えています。
安定的な仕組みについて、具体的な考えはあるのか。
具体的なものは私にはありません。
色々な意見があり、例えば党が連立するのではなくて政策ごとでやっていくのが良いとか、色々な形があると思いますが、
いずれにしても、今我が国が抱えている課題はたくさんあるので、それが前に進むように、議論ができる形を作るべきだと思っていますが、どういう仕組みがいいのかということは、私自身も明確な考えはないです。
野党が多数を占めたことに伴って、消費税減税や、あるいはガソリン税の暫定税率の廃止といったことも想定されるが、知事の考えはどうか。
消費税率は、もともと消費税減税が選挙の大きな争点の1つになったことは間違いないです。これも、物価高騰が家計や企業経営に影響を与えているということで、まさにこれが争点になったということです。
ただ、消費税について言えば、その4割ぐらいが地方税財源になっており、地方財政が非常に厳しい状況にある中で、地方が安定的に行政サービスを維持していこうと思えば、地方への影響が出ないような形で丁寧に議論していただきたいと考えています。ただし、これは税ですから、国会で審議なり議論がされるものですので、地方団体の立場に立ってみれば、地方財政への影響をしっかり含めた上で議論してもらいたいと考えています。
(ガソリン税の)暫定税率についても、軽油引取税まで含めれば、もし廃止された場合には、京都府内で、市町村分も合わせて83億円の減収になりますので、消費税は6月、暫定税率は3月に、それぞれ知事会として政府に対して、地方財政状況についての影響にも十分配慮いただきたいといった趣旨で要望もしていますので、それを踏まえて対応していただきたいと考えています。
ただ、各政党の公約などに盛り込まれている内容も一律ではありません。暫定税率の廃止は選挙前の状況であれば、野党7党が合意されましたので一致していたということですが、消費税についてはかなりばらつきもあります。
それをどうされていくのかということについては、地方財政への影響も踏まえながら、しかも税金ですので一度決めるとある程度の期間、国民生活にも影響が大きいので、丁寧な議論をしていただきたいと考えています。
政府与党にというよりも野党に対してか。
与党が過半数割れしているということもありますので、知事会でも議論がありましたが、それは与野党問わず、国政全体としての枠組みとして、我々の思いをきっちり伝えていく必要があるのではないかという問題意識を持っています。そういう意味では参議院選挙の影響というのは大きいのかもしれません。
参議院議員選挙では、一部で「日本人ファースト」という言葉が掲げられ、根拠のない外国人の犯罪や外国人問題が争点になっていた一方で、昨日まで開催されていた全国知事会議で、労働力や共生社会の両面から外国人の受け入れ拡大を国に求める提言がまとめられたが、京都府内で働いたり学んだりしている外国人が多数いる中で、改めて外国から来た人たちや外国籍の人たちに対する知事の考えはどうか。
前回の会見でも聞かれましたが、元々京都は都があった時から、国内外から多くの人材や資金を受け入れて、京都という舞台でレベルを上げて昇華して、それをまた地方や海外に戻していくということをやってきた、極めて包摂性の高い社会だと考えており、基本的に外国人の方とは共生していくというのが大前提です。
「日本人ファースト」の意味がよく分からない部分もありますが、今技能実習やこれから始まる育成就労など、外国人の方が日本の経済や社会に果たしておられる役割のウェイトはかなり高くなっています。京都府内でも多くの外国人の方が働いておられますので、外国人の方にも日本人と同じように、より良い環境で働いてもらいたいという思いがあるので、基本的には共生すべきだと考えています。
一方で、選挙において、あのような形の主張があり、一定の共感を得られた部分もおそらくあるのかもしれないですが、それとは別に、外国人の方がたくさん暮らし、働くようになったことで、もし不安に思っておられる方がいるのであれば、逆に共生という立場に立てばそういう不安を取り除いていく努力も必要だと考えています。
ただし、観光客の話は若干違うと思っています。外国人の方が存在することによる不安という意味では似ているところもありますが、生活して働いている外国人の方と、観光で来られる外国人の方では、おもてなしの心や共生という意味では同じですが、観光客についてはマナーや公共交通の問題があります。
ですので、外国人との共生によって生じている課題は個別に解決していく必要があると考えていますが、基本的にはきちんと共生していくことが我々がとるべき態度だと考えています。
SNSと選挙に関連して、京都府は昨夏の高校野球に関して、差別的な投稿についてプラットフォームに削除申請を行っていたが、今回の選挙で府からアプローチすることはあったか。
選挙管理委員会の所管の部分については、私のところに情報は入ってきていませんが、今の段階ではそういう特別な出来事があったということは聞いていません。
選挙の投稿というのがどの範囲までかということもあります。高校野球の時は明らかに差別的な投稿があったので明確だったのですが、選挙の場合は主義主張を述べている場合もあります。
削除申請や投稿を拒否したという事例はあったか。
今回は特にありませんでした。
参議院議員選挙では北陸新幹線が大きな争点になったが、今回の参議院選挙全体の結果として参議院も与党が少数になったということで、今後政局も混迷する中で北陸新幹線の今後の進め方に影響があると考えるか。
大前提として、国政選挙や他の選挙もそうですが、国政選挙では国会議員の方が様々な政策やマニフェストを出されていて、(有権者は)その一つひとつについて比較衡量されているのみではなく、その人の人柄も含めて、トータルとして投票された結果なので、特定のイシューの政策課題についてどの候補者がどうだったから当選されたというような単純なものではないと考えています。
ただし、衆参ともに与党が過半数を割ったということについては、北陸新幹線だけではなく、あらゆる政策について、国政の中での意思決定や取組の仕組みはある程度変わっていかざるをえないと思います。そういうことの一環として、新幹線だけではなくインフラ整備についての意思決定にも一定の影響がある可能性はあると思います。私の立場ではそれがどう変わるかというところまでは分かりませんが、それをどう受け止めるかは、国や鉄道運輸機構がその状況をどう受け止められるかということです。ただ、今後あらゆる施策について、決め方をどうしようかという話にはこれからなっていくと思いますので、そこは私としては、よく国政の動きを注視していきたいと考えています。
特定の課題についてどう変わるかということについては、今のところ考えを持っていません。
参議院議員選挙の結果、特に北陸新幹線に関して、京都府選挙区では米原ルートも検討すべきだと主張していた日本維新の会の新実彰平さんがトップ当選で、与党PTの委員長の西田昌司さんが2位当選だった。それを受けて、吉村大阪府知事が京都府民の意見が表れた結果だと話されていた。このことを踏まえて、北陸新幹線に関して京都府選挙区での結果をどのように捉えているか。
今、当選順位1位、2位のお話がありましたが、投票された方は北陸新幹線(のルート)についてイエスかノーかというだけで投票されているのではなく、トータルで投票された結果です。新実候補に投票された方の中にも、米原ルートではなく小浜・京都ルートに賛成している人もいるかもしれませんし、それは分からないです。
ですので、選挙結果がそのままストレートに北陸新幹線についての意見を反映するかどうかは分からないのですが、先程も答えたように、全体として、衆参ともに与党が過半数割れしている中で、様々な物事の決め方、国政の枠組みも変化せざるをえないと考えています。北陸新幹線に限らず、国政上の様々な課題について検討の仕組みが変わっていくのではないかと考えていて、その一環として今回の選挙結果をどう捉えるかということは、国や鉄道・運輸機構がお考えになることではないかと考えています。
それから、吉村知事の話も、大阪府の知事としての発言かそれとも日本維新の会の代表としての発言だったのかもしれませんが、京都府外の話ということであれば、これまでも石川県議会など他の所でも米原ルートの話は出ていますので、その要素が若干増えたというだけで、今回の選挙結果とは直接関係はないのではないかと考えています。
吉村さんは日本維新の会の代表ですから、自分の党の候補の話をされたと思いますが、いずれにしても国政全体の枠組みがどう変わるかという中で、(国や鉄道・運輸機構が)どう判断されるかということだと考えています。
先ほど北陸新幹線についてイエスかノーかで投票されているのではないと言われたが、米原ルートを含めた別ルートの検討を主張した日本維新の会の新実候補が33万票、次点の西田候補が19万票獲得した。京都府選挙区において北陸新幹線の影響はなかったと受け止めているのか。
影響がなかったとは言っていません。それなりの影響はあったと思いますが、その影響というのは、国や鉄道・運輸機構が国政について決める仕組みの中でそういう主張をされている方が当選したことをどう受け止めているかということです。一方で、一部映像系メディアの出口調査の結果によると、小浜・京都ルート(に賛成の割合)と米原ルート(に賛成の割合)の数字が並んでいるような調査もあります。それはもちろん非公式の調査ではありますが、いろいろな調査があります。今回の参議院議員選挙絡みで出てきている様々な民意を総合的に勘案されるのは国や鉄道・運輸機構の仕事だと考えています。
影響はあるのではないかと思いますが、だからと言って見直すかどうかは別で、当然(国や鉄道・運輸機構は選挙結果を)考慮されるのではないかとは思います。
7月24日に鉄道・運輸機構が、京都府が示している懸念については大きな障害にならないという説明を福井県議会に対してされたそうだが、それについてはどう思うか。
福井県議会に鉄道・運輸機構が説明されたという事実は知っていますが、説明内容や質疑応答の内容については詳細が分かりません。障害にならないかどうかは我々がどう受け止めるかという、まさに府民の皆さんの理解と納得、沿線市町の協力というところで最終的に決まっていくと考えているので、鉄道・運輸機構が福井県議会にどう説明されたとしても、それは京都府としては関与していませんし、あずかり知らないことです。
鉄道・運輸機構が「大きな障害はない」と説明されたことについて、京都府知事としてどう思うか。
本当に大きな障害がないと思っておられるかどうかは分かりません。元々、障害ではなく、きちんと説明すべきだということを言っています。
北陸新幹線の延伸に関して、吉村大阪府知事が「米原ルートを再検討すべきだ」と言っていて、これについて関西広域連合でも議論する必要があると思うが、知事の考えはどうか。
歴史を遡れば、今のルートが決まる前は、関西財界も含め関西広域連合全体として米原ルートを推していこうと一旦決めた経緯があり、その後、今のルートを政府が決めたというのが現在までの状況です。関西広域連合で議論するかしないかはまだ一回も俎上に上ったことはありません。
関西広域連合全体としては、一日も早い全線開業を要望しているということに尽きるので、関西広域連合で議論するかしないかという話は、今のところは俎上には出ていないと思います。
関西広域連合で議論する必要性を感じているか。
京都府知事の立場と関西広域連合の副広域連合長の立場の両方がありますが、小浜・京都ルートは(沿線都道府県の中で)京都府内の延長が一番長いルートでもあって、京都府知事としての立場を主張するしかないので、もし関西広域連合で何か議論が行われるとすれば、京都府としては今の置かれている立場を説明するということです。
すぐに関西広域連合で再びルートが議論の俎上に上ることは、私自身は想定していません。
来春の知事選挙について、現時点ではどう考えているか。
今まで何回も言っていますが、私としては、今年度は二期目の最終年度で、「あたたかい京都づくり実感予算」と銘打っている今年度の当初予算の執行、それから6月定例会で成立させていただいた6月補正予算、これも物価高騰対策をはじめ必要な予算なので、まずはその当初予算や6月補正予算の執行を含めた現行の政策運営に全力を挙げたいと考えており、現時点では知事選挙については何も考えていません。
大体いつ頃までに考えるのか。
今の段階では目途も立てていません。
いつ頃までという目途も考えていないのか。
今は知事選挙については目途も含めて何も考えていません。
先程、京都市南区にある片岡製作所が、EV需要の冷え込みにより民事再生法の適用の申請に入ったというニュースがあった。同社の創業者は京都府のスポーツ行政にも関わりが深く、「かたおかアリーナ京都」(京都市体育館)のネーミングライツも持っている。府とも関わりが深い会社が破綻したことへの受け止めを伺いたい。
報道は知っていますが、私自身事実関係を確認しておらず、非常に微妙な問題なので、それが事実という前提ではお答えできないですが、もし仮に報道の通りであれば、すばらしい技術やノウハウを持っておられるので、是非とも法的な仕組みの中で、できる限り早期に形良く再生していただきたいという思いはあります。
間もなく各地の最低賃金が示されるが、知事は今の京都府の1,058円という最低賃金の水準をどう捉えているか。
実際の最低賃金の水準をどう決めるかは、元々審議会の意見を聞いて労働局長が決めるという枠組みがあり、様々なデータに基づいて国が目安を決め、それを受けて労働局長が決めるので、額の水準について私はコメントできる立場にありません。
ただ、政府も1,500円を目途にすると言っていますし、今回発表された5月の実質賃金が5か月連続マイナスで、その幅もマイナス2.9パーセントでした。物価上昇を上回る賃金引き上げがないと、経済の好循環に持っていけませんし、デフレ脱却もできないということであれば、一定の賃上げが必要だということは間違いありません。その基準としての最低賃金ということであれば、適正な水準で引き上げていくことはあるべき姿だと思います。
けれども、最低賃金を引き上げるということは、引き上げる中小企業や小規模事業者にとってみれば、それだけの経営体力が必要です。ただ最低賃金を上げるだけではなくて、中小企業に対しての賃上げができやすい環境整備とセットでやらないと、結局は雇用自体が失われてしまうかもしれないので、政府は総合的な賃上げを含む経済対策を早急に進めるべきだと考えています。
もう一つだけ言うと、今は人手不足なので、都道府県間の労働移動が(都道府県ごとの)最低賃金水準の違いによって起こっているという話をよく聞きます。この辺りも仕組み自体の課題もあるのではないかと私自身は考えています。最低賃金水準が高い方に(労働者が)行くとなると、都市部に雇用が吸収されてしまって、地方部での今後の人手不足に拍車がかかるということを指摘する人もいます。
そういうことも含めて、より良い仕組みにしてもらいたいという希望を持っています。
他府県では、知事自身が労働局に要請を出すようなケースも出ているが、それに関してはどう思うか。
これは後藤田ショックとも言われていますが、徳島県の最低賃金水準が特に低かったので、後藤田徳島県知事が審議会に出られて意見を述べられたということがありました。
京都府では、労働経済活力会議という、京都府・京都市・経済界・労働局・労働組合とが一緒になって膝を突き合わせて議論を行う会議を開催していて、その中で私も直接労働局長に常に申し上げています。
そういう意味においては、私としては労働局長には働きかけているつもりですので、どういう場面を想定されているか分からないですが、私の気持ちは十分お伝えしているつもりです。
7月22日に、関西電力が美浜町で原発の新設に向けて調査を実施することを発表したが、その点について受け止めはどうか。
原子力を含め、エネルギー問題というのは、もともと国全体で考えなければいけないことですので、国が責任を持って対応すべきであるというスタンスは変わりませんし、我々も既に、原子力発電所の運転については、安全性が何よりも優先されるという基本的な認識の下で、国や関西電力に対して、安全対策に万全を期すように求めてきましたので、これについては、引き続き、安全対策に万全を期すよう求めてまいります。
それから東日本大震災以降では、原子力発電所の新設に向けた動きというのは、おそらく今回が初めてだと思います。一方で、国の第7次エネルギー基本計画では、原子力を脱炭素電源として最大限活用していくことは既に決められていることなので、国がそういうふうに決めたということであれば、より安全性について、国が責任を持って対応すべきだと考えていますので、そこについては、これからも強く求めていきたいと考えています。
美浜原発について、今回京都府はUPZに入っていないために(関西電力からの)説明がなかったが、それはやむを得ないことだと考えているか。京都府として何か発言することはできないのか。
それは難しいところで、原発は複数あってそれぞれで関与の形がある訳ですが、その中で一つUPZという線が引かれています。私自身は、それを全く無視して要望をするのは若干ルールに反するのではないかと考えています。
関西電力から説明したいということであれば、それを拒絶するものではないですが、(美浜原発の)UPZ外という立場に立てば、説明がないことをことさら問題にするつもりはなく、そういうことをするとキリがないと考えています。
先日、アメリカとの相互関税が15パーセントと決まったが、これについて国に求めることはあるか。
これも論点はかなり多岐にわたっていますが、少なくとも、まずは総理も何回も仰っておられますが、政府が全力を挙げて国益を守ることに最大限努力された結果として交渉が合意されたということは、私は歓迎すべきことだと考えていますし、経済界も歓迎されています。
これは、まずは決まってないという極めて不安定な状況に皆さんは結構困っておられたということだと思いますので、それがある程度何とかなるのではないかという数字で収まったということだと考えています。
ただし、ベッセント財務長官が、四半期ごとに合意事項が守られているかを検証して守れていなければまた(関税を)25%にするといったことも言われていますし、合意がされたということをただ単に喜ぶだけではなく、合意事項の遵守も必要です。
15%といえども影響は必ずありますし、政府も相談窓口や金融による支援措置などについても言われているので、ここはもう少し状況を見ないといけませんが、合意事項がいずれ実行される時には、国の施策の方向性と合わせて、京都府でも改めて中小企業対策をどうしていこうかということになると考えています。
全体としては、例えば経済安全保障上必要な分野についても日米ともに利益を得られるようなサプライチェーンを構築していくことで緊密に連携していくといった合意も含まれているので、日米双方の国益にとってプラスになることで合意しようという政府の意図を、ある程度今回の合意に反映されたのではないかと考えています。
ただ、合意事項を進めていこうと思うと、国内の様々な産業などの合意も必要になってきますので、そういうことも含めて、先程言ったように国政の枠組みをきちんとして、合意したからには遵守していくことは当然のことですので、そのためにも安定した国政の枠組みが必要ではないかと考えています。
来週予定されているFCバルセロナによる表敬訪問について伺いたい。
FCバルセロナについては、(日本に)来るのか来ないのか、最新の情報は分かっていないです。
元々はヴィッセル神戸との親善試合のために来日されて、京都府は(FCバルセロナの本拠地がある)カタルーニャ州と関係が深いので表敬したいという要望がありました。試合に来られるのに合わせて表敬したいということですで、その試合が実現するのであれば表敬は当然受けるという前提ですが、二転三転していて最新の情報を聞いていませんし、下駄を履くまで分からないのではないかとも思っていますので、確定的なことは申し上げられませんが、来られる場合は当然歓迎させていただきたいと考えています。
お問い合わせ