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1点目は、京都府特別栄誉賞の授与についてです。
今年のノーベル生理学・医学賞の受賞が決定されました坂口志文様と、ノーベル化学賞の受賞が決定されました北川進様に対しまして、先週の会見では、お二人ともに京都府特別栄誉賞を授与する方向で調整していると申し上げたところですが、その後、お二人から受賞についてご快諾をいただきましたことから、京都府として、同賞を授与することを決定いたしました。
また、お二人にゆかりのある京都大学に対しまして、自由な学問研究環境や教育環境などを生み出し、多数のノーベル賞受賞者を育成され、京都の先端的学術研究の発展に貢献されたことについて、感謝状を授与することといたしました。
後日、授与式を開催する予定にしておりますが、お二人とも今大変お忙しい時ですから、日程につきましては別途調整させていただき、決まり次第、改めてお知らせさせていただきます。
2点目は「商店街創生センター10周年記念フォーラム」の開催についてです。
京都府では、府内の商店街の実情に応じた、よりきめ細やかな支援を行うため、平成27年10月に京都商店連盟とともに、商店街創生センターを開設いたしました。
各商店街の皆様のご理解・ご協力もありまして、センターはこの10月に設立10周年を迎えました。
これを記念して、11月30日(日曜日)に京都経済センターにおいて「商店街創生センター10周年記念フォーラム」を開催します。
フォーラムでは、商店街創生センターの伴走支援を活用し、商店街の賑わいづくりや地域コミュニティの核として活動されている商店街のリーダー4名の皆様と私で、「商店街のこれまでとこれから」をテーマとした対談を行いたいと考えています。
また、参加者同士による交流会も開催する予定です。
参加者は本日から11月14日(金曜日)17時までWEBフォームにて受け付けます。
多くの皆様に参加いただけますよう、周知についてご協力をお願いいたしますとともに、当日の取材につきましてもよろしくお願いいたします。
3点目は「京都府生涯現役クリエイティブセンター利用者10万人突破記念特別講座」の実施についてです。
京都府では、人生100年時代を見据え、誰もが学び、働き続けることのできる生涯現役・共生の京都づくりに向けまして、令和3年8月に京都府生涯現役クリエイティブセンターを開設し、“リカレント教育”の推進に取り組んでおり、今年の8月末に利用者が延べ10万人を突破いたしました。
これまでの利用者の皆様へ感謝の意を伝えますとともに、これを機により多くの府民の皆様に“学び直し”の重要性を知っていただくための取組として「“利用者10万人ありがとう記念”未来デザイン特別講座」を12月14日(日曜日)に京都学・歴彩館で開催いたします。
当日は、テレビ番組でもおなじみの、国際日本文化研究センター教授磯田道史様をお招きし、「信長の最新研究を京都で学ぶ」をテーマとした講座を実施いたします。
最新の研究で明らかになった信長の知られざる姿を学んでいただくことを通して、「学ぶ」ことの面白さや楽しさを実感していただける講座になっています。
本日から参加者の募集を開始しますので、多くの府民の皆様に参加いただけるよう、周知についてご協力をお願いいたしますとともに、当日の取材につきましてもよろしくお願いいたします。
私からは以上です。
商店街創生センターの10周年について、資料ではこれまでの(商店街創生センターの)訪問実績は3,940回とあるが、改めて10年間の成果と評価について伺いたい。
元々、商店街創生センターを作る時に、それまでの商店街施策は補助金を中心として活性化を図ってきましたが、当時専任の事務局を持つ商店街が少ないことや、会費収入が減少しているなど、十分な体力がない商店街(への支援)はどうしようかということで、もう一度商店街施策を見直して、現状の把握ということで全商店街にアンケート調査などを実施して、商店街ごとに現状、課題、支援実績を記載したカルテを作成し、それに合わせてオーダーメイド型の支援を行うこととして取り組んでまいりました。
実績は、今ご紹介いただきましたとおり訪問回数については3,940回ですが、それ以外にも、例えば伴走支援によって商店街の活動を再開したり活発化した商店街は61団体ありまして、京都府としてはそれなりの成果が出てきていると考えています。
私もかなりの数の商店街を回っていますが、人口減少や、(近隣に)大型店舗やロードサイド店舗が存在するなど、商店街を取り巻く環境は厳しかったのですが、コロナ禍において対面や、近くに買い物できる場所やコミュニティ機能があることが見直されてたりしたということもあり、それがちょうど京都府が取り組んでる商店街政策ともマッチしたのではないかと考えています。
また、一つの地域コミュニティの核としての役割も復活しつつあるのではないかと思っていますので、私としては、いろいろな商店街があるので、その商店街の性格に合わせたオーダーメイド型の支援が、商店街施策としては非常に向いてるのではないかと考えています。
京都府特別栄誉賞について、先週も話が出たが、改めて(授与される)お二人の功績に対する所見と、京都府特別栄誉賞を授与することによる府民に与えるメリットや効果を伺いたい。
まずは、坂口志文様がノーベル生理学・医学賞を、北川進様がノーベル化学賞を受賞されたことに対して、京都府民を代表して心からお祝い申し上げます。
京都ゆかりの方お二人が、しかも同年にノーベル賞を受賞されることは京都府にとっても、京都府民にとっても大きな喜びですし、改めて京都の学術水準の高さや多様性が世界に示されたのではないかと考えています。
坂口さんは制御性T細胞という新たな治療法を開かれましたし、北川さんは環境や資源問題に革新をもたらすような新たな素材を開発されたということで、両方とも未来の人類に希望をもたらす内容で、研究の業績に対しても改めて敬意を表したいです。
それから、お二人の研究成果の実用化に向けて設立されたスタートアップ企業に対して、これまでも京都府がそれぞれ支援させていただいていたという経緯もあります。特に北川様につきましては、今年1月に京都府文化賞特別功労賞を授与させていただいており、京都府はもともとお二人に一定関わりがあったという意味でも非常に喜んでいます。
お二人とも受賞後の記者会見やインタビューでお話されていますが、ノーベル賞の受賞が当然、若手研究者や研究に従事されている方にとっての励みになりますし、子ども達にとって将来の夢のきっかけになるようなことなので、子ども達全員が研究者になるという訳ではないですが、学びや研究などに興味を持つきっかけになれば、京都という土地柄からすれば非常にありがたいと考えています。ぜひともそうしたことにつながることになればいいと考えています。
特別栄誉賞にあわせて京都大学に感謝状を贈呈するのは初めてか。
初めてではありません。これまでも、京都府にゆかりのある受賞者が在籍されていた大学や企業、例えば田中耕一さんであれば、在籍されていた島津製作所に対して感謝状を贈呈しています。これまでの慣例に従ったということです。
国政について、先日公明党が自民党との連立から離脱することとなり、政権の枠組みが大きく変わることが予想されるが、知事としてはどのように考えているか。
自民党と公明党は、政党が違う訳ですから、主張や政策に違いがあるのは当たり前です。その中でも、野党時代も含めて26年間連携されてきましたので、私の正直な気持ちで言えば、今回の連立解消という結果については、まず驚いています。私は国土交通省で公明党出身の大臣とも一緒に仕事をしてきた経緯もありますので、驚いています。
ただ、参議院議員選挙が終わり衆参共に与党が少数になった中、連立解消という前に、いずれにしても政策を進めるためには野党との連携は不可欠なので、その中で政党間の様々な協議や話し合いが行われてきたという意味では、公明党も一つの政党としてそうした流れの中で様々な要素を勘案して総合判断されたのではないかと考えています。
いずれにしても、政治的空白はなるべく短い方がいいと考えています。臨時国会が始まる10月21日に向けて協議されていますので、一刻も早く政治的空白を短くしていただきたいと考えています。
府政への影響という意味においては、自民党・公明党ともこれまでから私が進めている「あたたかい京都づくり」にご協力いただいてきた政党なので、直ちに影響が出るとは考えていません。
国と違い、これまでから二元代表制の下で進めているので、丁寧な説明と意思疎通をきちんとするという姿勢を今までと変わりなくやっていくということについては、我々もきちんと政策に理解を求めて、支援を求めていくことに変わりはありません。
自民党と政策協議をしている日本維新の会は、連立の条件となる12項目の中で副首都構想を主張されている。大阪での副首都構想となると、話が進んでいくと京都にも影響があると思うが知事はどのように考えるか。
以前から会見でお答えしていますが、副首都構想が実際に権限や予算などどういう仕組みになるのかはこれからの議論ですが、我々は関西広域連合として、双眼構造を東京一極集中是正や、災害時のリダンダンシーやバックアップ機能、経済圏の分散の観点から進めていますので、それと基本的には方向が一致していると考えています。
それが大阪府だけの問題ではなく、関西圏の問題として捉えるべきではないかというのは関西広域連合を中心とした首長の思いだと思うので、そういう方向としては基本的には一致していると考えています。実際にどういう仕組みになるのかはこれからだと考えています。
現時点で分かっていることは少ないが、京都で言うと「双京構想」がある。それには影響するか。
「双京構想」は京都府と京都市と経済界も入ったオール京都での構想です。似ているといえば似ていますが、文化庁の京都移転が実現しましたが、文化においては京都が首都だと言っていることもありましたし、京都大宮御所の存在も前提としながら当時はその構想が語られました。
大きな枠組みで言えば、首都圏というよりも東京一極是正を図るということや、分散するという観点では趣旨は似ているといえば似ていますが、(「双京構想」が副首都構想の)実現に邪魔になるものではありません。
大阪都構想や副首都構想が具現化していったり、実現に近づいていくとなると、京都だけではなく関西圏全体としてどういう機能を持つのかといった議論は将来的には必要になると考えています。
その中で、「双京構想」をオール京都で考えたことが、その文脈の中で実現できるようにするという取組をしなければいけないのは確かだと思います。
日本維新の会が、自民党と連立協議をする絶対条件として国会議員の定数削減を求めており、もし実現すれば地方に大きな影響がある可能性があるが、国会議員の定数削減について所見を伺いたい。
地方に影響があるかはまだよく分かりません。それを除くと、日本維新の会は、党のもともとの基盤である大阪府議会で定数削減を最初に実施されていますし、「身を切る改革」が一つの党の看板ですので、国会議員についても定数削減を主張されるということは、日本維新の会の立場としては理解できます。
ただ、連立協議の中で、定数削減が行われないと連立に入らないと言われていますが、それがどれくらいのレベルでの実現を目指されているのかは分かりません。早ければ臨時国会にも(法案を提出する)と言われていますが、そこは私も分かりませんし、国会議員の定数の話なので、内閣の政策とは違い国会自らが決めないといけません。自民党と日本維新の会だけではなく、全ての政党に関わることですし、民主主義の根幹の部分なので自民党が本当に約束できるのかどうかも含めて、連立協議の項目としては担保の仕方が難しいのではないかというのが率直な私の感触です。
地方への影響については、直ちにどうなるかは分かりません。これまでも、例えば(参議院選挙の選挙区の)合区が導入された際は地方の声が半減するという声もありました。定数を削減すると言ってもどの部分を削減するかということによってもいろいろ変わるので、当然地方への影響が出るような具体的な改革に入ってくれば、当然声を上げなければいけないですが、今はそういう段階ではないと考えています。
連立協議についてはいろいろな政党がいろいろな枠組みで協議をされていますので、そこは注視していくということしかないと考えています。
自民党と日本維新の会の連立政権が誕生した場合、先日の会見でもお話があったが、北陸新幹線について日本維新の会の前原さんや新実さんが米原ルートや第三のルートについて言及されているが、北陸新幹線のルートについてはどのように進むと考えているか。
いろいろなことの予測がつかない中で、北陸新幹線についても予測がつかないですが、北陸新幹線について公式的な発言として残っているのは、西田参議院議員が(与党の整備委員会の)委員長の立場で「ルートについて再検証する」と言われていることが唯一、与党や政府の中で残っている言葉です。それをどうされるかということの枠組みや、(与党の整備委員会の)メンバー構成も含めて決めていただかないと次に進まないのではないかと考えています。
ただ、(北陸新幹線は)日本維新の会が連立協議の際に挙げている12項目に入っていませんでしたので、どういう立場でおられるのかということが、新実議員や前原議員が日本維新の会の政策立案の中でどういう役割を果たされるのかということとも関係します。一方で、日本維新の会にとってみても地元京都の議員の立場でお二人がおられるので、日本維新の会がどう判断されるのかということだと考えています。(前原議員や新実議員の考えが)一議員としての立場ということでないのであれば、日本維新の会としてどう判断するのかということは吉村代表がどう判断するかということになると考えていますので、私自身は今回の連立協議があるからといって何か新しいことが起こっているとは考えていません。
ただ、本当に連立が成立すれば、それは日本維新の会の主張がより政府の中で通りやすくなると言いますか、実現可能性が高まることは間違いないですので、それがどういう内容になるのかということは日本維新の会の中の話だと考えています。
大阪・関西万博が10月13日に閉幕した。前回の会見で知事は京都府の収穫としては、新しいコミュニティやネットワークができたことが大きかったと言われていたが、大阪・関西万博が京都にもたらした経済的な波及効果などを検証する機会を今後設ける予定はあるか。もしくは外部による検証を考えているのか。
事務方には指示しています。経済効果のように定量的に出るものもありますが、その前に、レガシーについてはいろいろな方が分類されていますが、大阪・関西万博が開催されたことによって京都府内にいろいろな局面でどういう形で影響が出ているのかということに加え、(万博開催中の)半年間の期間だけではなく、(関西パビリオンの)京都ゾーンに来られた方も京都の魅力を知って、「いずれ(京都に)行きたい」「年内には行きたい」と言われているように先のこともたくさんあります。
先日、発言しましたが、石黒浩さんの(パビリオンの)アンドロイド7台が、けいはんな学研都市に展示されることになっていますけれども、今後それをどう展開するかなど、いろんな局面がありますので、定量的なこと、定性的なことも含めて一度きちんと全体を俯瞰できるような整理をしなければいけないということは指示していますので、(検証は)やるつもりですけれども、全部を定量的に数値として表せるかどうかということについては、できる部分とできない部分もあると考えています。
府民が検証結果を見る機会はあると考えていいのか。
それは当然あります。この会見の場もありますし、大阪・関西万博きょうと推進委員会もまだ残っていて、いずれ委員会への報告も必要だと考えていますので、時間はかかるかもしれませんが、いずれ何らかの形を見せるようにしたいと考えています。
関西パビリオンに設けていた京都ゾーンの有効活用や、これまで取り組んできた万博の無料招待事業についての所見はどうか。
京都ゾーン全体を移設するには、パビリオンの中の一部分ですし、そのまま京都ゾーン全体を移設することは構造上難しいです。
一方で、かなり予約が取りにくい状況もあったので、来れなかった方にも、京都ゾーンの空間や出展内容をご覧いただけるような機会を提供するということは必要だと考えています。
現在、京都ゾーンの中の空間の様子や入れ替えてきた展示内容については、週ごとの写真と説明資料を作成してホームページで公表していますので、まずは、それを見ていただけるようにはなっています。
あとは、展示していたテーブルやキモノタイルなどの一部の備品は、なんとか府で保存したり展示することができないかを検討しているところです。場所や経費が必要ですが、何とか年内に展示できないかということで準備を進めていきたいと考えています。
それから、子ども達の無料招待については、いずれ最終の確定数値が出れば、またお知らせすることになると思いますが、ほぼ最終的な見込みで言うと、校数については308校で、人数については約6万人です。
昨年の9月から10月にかけて、予算編成上の必要性から意向調査を行い、その結果を参考に大体8万6千人ほどの来場を想定した予算を計上しましたので、そういう意味では、7割くらいであり、かなり見込みに近い人数の方にご利用いただけたのではないかと考えています。
あとは、実際に万博に行った子ども達からも「海外パビリオンで様々な国とか文化のことが分かり楽しかった」、「企業パビリオンでは最先端の技術に触れられた」といった声があり、先生の皆さんからも「実際に行ってみて生徒の反応も非常に良かったので、行って良かった」などといった声も聞いている。
利用した学校それぞれの報告はいずれ上がってくると思いますが、総体としては意図した事業実施ができたのではないかと考えています。
万博について、先ほど関西パビリオンの京都ゾーンについての質問もあったが、万博期間中の京都ゾーンの来場者数についてはどうか。
京都ゾーンについては、外にある多目的エリアも合わせると約53万人にご来場いただきました。京都ゾーンの中で約47万人、多目的エリアで春と秋にイベントをしましたので、それらを全て合わせると約53万人が京都ゾーンを利用していただいたところです。
途中からアンケート調査も実施していますので、属性なども抽出的には分かると思いますが、とりあえずは約53万人の方にご来場いただいたということです。
知事としては、その数字に関してどのように思っているか。
関西パビリオンの方で入口の来場者数を把握しており、最終日に148万人を突破したということで、私も当日セレモニーに出席しましたが、もともと目標は100万人だったので約1.5倍であり、関西パビリオン全体としては予想を上回る来場者数でした。
実際は予約がなかなか取れない状況だったという意味においては、キャパとしてどんどん詰め込むということは当然できないので、前半は少し空いている時もあったと聞いていますが、想定を超える方に来ていただいたのではないかなと私自身は考えています。
それから、(府県の)ゾーンごとにそれぞれ性格が違い、スルーでどんどん見ていけるゾーンもあれば、福井県や鳥取県のように、ゾーン内で一定の時間制限をして入れる人を限っているようなゾーンもありました。京都ゾーンでも、実演や体験などは予約制でやってきました。(関西パビリオンの)中の8つの府県のゾーンごとの性格によっても、入れるキャパは違ったと思うので、そのキャパの範囲で言えば、十分多くの方にご来場いただいたと考えています。
万博の閉幕当日は知事も現地に行っていたと思うが、閉幕時の賑わいや会期を通してどのように思われたか。
閉幕の日は、万博全体の閉会式に出た後、関西パビリオンの148万人目の来場者に記念品を渡しました。また、閉館時にスタッフをねぎらいました。
かなりたくさん人がいまして、特に最終日は大屋根リングの下を参加しておられる国や地域、国際機関のフラッグが行進するフラッグパレードが開催されていて、それを見るためにかなりの方が早い時間から何重にも並んでおられたために、歩くのがすごく大変でした。リングの下に入れない人が出たりしていて、ぱっと見た感じでもすごい人数で、大屋根リングの上を見てもかなりの人で、非常に熱気を感じました。
いろいろな方の話を聞いていても、閉幕日はパビリオンの中には早めに閉館してスタッフの打ち上げをやっているようなところもあったと聞いています。関西パビリオンもそうだと思いますが、参画されているスタッフの方によれば、非常に名残惜しいといいますか、前向きな気持ちのまま働いて、大変だったことは大変だったけれども、名残惜しいとおっしゃっていました。それだけ運営するスタッフにとっても心に残る万博だったのではないかと思います。来場者の方も「次の日からはなくなるので極めて名残惜しい」と言われていました。
そういう意味においては、非常に盛況裡のうちに終わったという感想は現場で持ちました。
先週の知事会見でも話題になったが、大阪での盛り上がりは京都に波及効果があったのか。また、今回の万博にオール京都で取り組んだが、そうした万博での経験を今後どのように生していきたいという思いはあるか。
成果の生かし方はいろいろあって、大阪・関西万博きょうと推進委員会が行ったアクションは約300、フラッグシップ・アクションは11でした。これらの取組それぞれにレガシーが残っています。
まずはオール京都で今まであまり一緒になってやっていなかった人が集まりました。例えば、福知山の漆のプロジェクトは、漆を復元するということでNPOをはじめ関係者が集まってネットワークができて、このネットワークでやっていこうという話が出ています。
「きょうとまるごとお茶の博覧会」では、「国際茶会」を京都府内の23の小中高校、支援学校でそれぞれ一つの国を選んで留学生やその国の方を呼んでお茶を振る舞って交流しましたが、その国と今後も交流を続けていこうという動きもあります。
全部を把握している訳ではありませんが、様々な取組のネットワークや交流が続いていくことは人材育成の観点からも非常に重要なので、それはずっとお願いしたいです。
石黒さんのアンドロイドは物理的に物があるので分かりやすいですが、これについても、「いのちの未来研究所」を石黒さんがATRに作られるので、それはまさに(万博の)「いのちの未来」パビリオンで展示した内容をATRでさらに進めていきたいというもので、まさにスタートラインに立って、特に石黒さんのパビリオンが人気で見られなかった人には、けいはんな学研都市で見ていただきたいです。
いろいろな取組の枠組みや人材が残っていっているということが、一番大きなレガシーだと考えていますので、そこは大いに期待したいと考えています。
それから、京都ゾーンで1週間ごとに展示を入れ替えるのは大変でしたが、その度にいろいろな方がチームを作ってやっておられたので、全部残るかどうかは別にしても、ネットワークができたと考えています。お客さん側ではなく、おもてなしする京都側としての取組の成果はこれからも続いていくと考えています。
これらは整理させていますので、いずれお話させていただきたいです。
三重県が罰則付きカスハラ防止条例を制定する方針だが、これについての受け止めと、京都府としてこうした条例を制定する考えはあるか伺いたい。
過去、議会でも聞かれていますが、今回、三重県は県議会の委員会に検討状況を報告された段階だと聞いています。長時間繰り返し大声を出して謝罪・面会を要求するなど、著しく対応困難な要求をすることを「特定カスタマーハラスメント」と定義した上で、当該行為について知事が禁止命令を発して、その命令に違反すれば罰金等の処分をする方向で検討しているという報告をされたということです。
抑止力は罰則があれば高まりますし、実効性を高めるための考えだと推察しています。ただ、6月に労働施策総合推進法が改正されて、国において事業主にカスハラを防止するための雇用管理上の必要な措置の義務付け、相談体制の整備、事案が発生した場合に迅速かつ適切な対応や抑止を求めるといった具体的な措置を明記した、法律施行のための指針が示されることになっています。
私としては、その指針や三重県の条例も含め、全国的には罰則がついていない条例の方が多いですが、それらもよく見て条例化することの適否も含めて検討は進めてまいりたいと考えています。
本日村山富市元首相がお亡くなりになった。村山内閣の時には、知事は建設省におられたと思うが、ご本人に関わるエピソードはあるか。
直接のエピソードはありません。(村山内閣が成立した)自社さ連立政権が誕生した時は、今の公明党の連立離脱の話ではありませんが、一定の衝撃が走りました。あの時もまさに国政の安定という立場でご努力された村山富市さんには慎んで哀悼の意を表し、ご冥福をお祈り申し上げます。
丁度村山内閣の時に霞ヶ関にいた立場で言えば、まさに社会党が政府の中に入るということで、いろいろな意味でどうやって内閣としての一つの意志を示すのかということがありました。(連立した)政党間で、自衛隊など様々な主張が異なっていた中で、政権運営としてまとめていかれたという意味においては、私は直接お話していませんが、村山首相の包容力、いわゆる「まとめていく力」、そして胆力はすごいなということは感じていました。そういう意味では非常に偉大な政治家でした。
一見温厚なのでそういう風には見えないのですが、やはり非常に芯のしっかりした方で、それがなければ色んな施策について自社さ政権の方針を1本にまとめていけなかったのではないかと考えています。本当にご冥福をお祈りします。
企業版ふるさと納税について所見を伺いたい。今日発表された「生涯現役クリエイティブセンター利用者10万人突破記念講座」の財源は企業版ふるさと納税だと思う。京都府では企業版ふるさと納税を財源に婚活イベントもされているが、知事にとって企業版ふるさと納税はどのようなものと考えているか。
企業版ふるさと納税もふるさと納税の一部なので、一般のふるさと納税と同じですが、企業として、もともとの税の納入先ではないところに資金を提供することによって、特に社会課題を解決する意図を示す手段としては非常に有効な手段ですし、我々自治体にとってみても厳しい財政状況の中で貴重な財源をいただけるということで、財源確保という意味ではありがたいです。
もう一つは、(納税した資金を)何にでもいいから使ってほしいということもあるかもしれませんが、基本的には意図や趣旨といった施策の中身と連動して、それであれば企業版ふるさと納税で支援したいという企業もおられます。ということは、京都府が考える施策がいかに社会課題の解決–につながるのかということが、企業版ふるさと納税をいただくことにつながっていると考えれば、施策を磨く極めて重要な場面だと私自身は考えています。
その意味では、今年度、企業版ふるさと納税は税制改正で延長されまして、京都府のためだけではありませんが、私も延長のためにいろいろな所にお願いに回りましたが、制度としては非常にありがたいと考えています。企業の側も様々な収益が上がっている中で、それを社会に還元したいという思いを示す一つのツールとしては非常に有効なものではないかと考えています。
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