更新日:2025年12月11日

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令和7年12月9日臨時知事記者会見

発表項目の前に、ひと言申し上げます。

昨日午後11時15分頃に青森県東方沖を震源としたマグニチュード7.5の地震が発生し、青森県三八上北で最大震度6強を記録しました。

負傷された方々をはじめ、被災された全ての方々に、心からお見舞いを申し上げます。

京都府といたしましては、今後、要請があった場合には迅速に支援活動が行えるよう、備えてまいりたいと考えています。

令和7年度12月補正予算案(追加提案)の概要について

令和7年度12月補正予算案の追加提案分が概ね取りまとまりましたので、その概要をご説明いたします。なお、議会への提案につきましては、12月10日を予定しています。

予算編成の基本方針

まず、予算編成の基本方針です。

物価高騰等の影響が長期化して、府民生活や中小企業、農林水産業等は大変厳しい状況です。そのような中で、国の総合経済対策を最大限に活用して、府民や事業者の皆様に支援が少しでも早く行き渡るよう、緊急対策を講じるために必要な予算を編成しました。

3つの柱に分かれてまして、「府民生活を守るための取組」、「事業活動を守るための取組」、「人・物・情報・日々の生活の基盤づくり」です。

なお、この他にも国の総合経済対策を活用した施策がありますが、それにつきましては、現在更に検討を進めておりまして、令和8年度当初予算と一体となった切れ目のない14ヶ月予算として編成していくことになると考えています。

府民生活を守るための取組

まず、「府民生活を守るための取組」ですが、(資料2ページ)上段が「LPガス価格高騰対策費」2.9億円規模です。これは従来から取り組んでいるもので、国が電気・都市ガスに対する支援をされますが、国の支援対象とならないLPガスの消費者負担を軽減するために、1契約あたり1,000円を上限として支援します。

(資料2ページ)2つ目は、「私立学校物価高騰対策緊急運営支援事業費」1,000万円規模です。これは物価高騰の中で、施設整備費等の値上げに伴う保護者負担の増加を回避するために、1,000万円規模の支援を行うものです。

(資料2ページ)一番下は、「生活困窮者等物価高騰対策緊急生活支援事業」ということで、これは年末年始に生活不安を抱えておられるような生活困窮世帯の方に対し、地域の支援団体を通じて、食料品や生活必需品を提供するものです。

3ページ目上段が「保育所等活動継続支援事業費」8,000万円規模です。これは物価高騰の中で、演奏会やお遊戯会など、いわゆる子どもたちにとって非常に大切な経験の機会が失われないようにということで、そうした取組への支援を実施するものです。

それから、下の段は、「きょうとこどもの城等特別支援事業費」1,000万円規模です。これは厳しい状況にある子ども食堂や児童養護施設等を緊急的に支援するもので、食材費等の負担が非常に増加している子ども食堂や児童養護施設に対して、これまでと変わらず食事が提供できるように支援を強化するものです。

事業活動を守るための取組

次は「事業活動を守るための取組」についてです。(資料4ページ)上段、「賃上げ実現緊急支援事業費」10億円規模です。これは、持続的な賃上げの実現に取り組む中小企業者を緊急的に幅広く支援するということで、補助要件としては、京都市内の平均消費者物価指数の上昇率を上回る賃金の引き上げ等を補助要件として、高収益ビジネスモデルへの転換や、価格転嫁に向けたコンサル料、照明設備やエアコン導入など、設備投資に限らず幅広く支援をしていきたいと考えています。なお、小規模企業や障害福祉サービス事業所等につきましては、補助率をかさ上げしたいと考えています。

それから(資料4ページ)下の段は、「社会福祉施設等省エネ推進緊急対策事業費」9億円規模です。これも非常に厳しい状況にある社会福祉施設等に、省エネに資する施設整備の導入を支援することで、生活環境空間を向上させることと合わせまして、利用者負担の増加を抑制するものです。

次は、「「京の酒」づくり緊急支援事業費」1.7億円規模です。これは、「京の米で京の酒を」という合言葉のもと、京の酒のブランド戦略にこれまで取り組んできた訳ですが、米価とりわけ酒米が非常に高騰していますので、酒米の購入費の支援や、農家に対して酒米の収量や品質向上に資する取組を合わせて支援するものです。

それから(資料5ページ)下の段、「農林水産業経営基盤強化緊急支援事業費」3.4億円規模です。これからも非常に厳しい状況にある農林水産業ですが、来年の高温への備えや品質向上に早めから取り組めるように、ソフト・ハード両面から緊急支援するもので、機器の導入や新技術の実証、病害虫リスク低減の取組を支援するものです。

それから「事業活動を守るための取組」の3つ目、(資料6ページ)上の段は「医療機関・福祉施設等物価高騰対策事業費」41.3億円規模です。医療機関や福祉施設等に関しては、収入となる診療報酬や介護報酬が法令等により定められており、光熱費等が上がっていても利用者への転嫁が難しいことから、支援金を支給するものです。光熱費と食材費、医療材料費とガソリン代等をそれぞれ支援するものです。

それから(資料6ページ)下の段は「医療機関・福祉施設職員処遇改善等推進事業費」54.7億円規模です。それぞれの機関の人材確保、職場定策を図るために、処遇改善を支援するものです。いずれも次期の報酬改定は来年6月ですが、それを待たずに前倒しで緊急支援を行うものです。

人・物・情報・日々の生活の基盤づくり

それから3つ目のカテゴリー、「人・物・情報・日々の生活の基盤づくり」ですが、「国土強靭化に資する道路整備や治水対策の推進」ということで、227.9億円規模です。

これは、国の「第1次国土強靱化実施中期計画」を活用した早期の効果発現を図るものです。例示を3つ挙げていますが、総合経済対策を活用して、防災・減災対策、成長・交流・暮らしの基盤づくりに資する事業効果の早期発現を図るものでして、経済対策に伴う予算額としては、前年度と比較すると122.2%の伸びを確保しています。

予算案の規模

全体の予算規模は、令和7年度の現計予算が1兆384億円でして、既に提案しています12月補正予算案が5億円、今回の追加提案は352億円台です。また、このほか、(資料9ページ)下に小さい字で書いてありますが、人事委員会勧告によります職員の給与改定等があり、それが68億円台です。全部合計しますと、令和7年度12月補正後の予算額は1兆810億円台となります。この1兆810億円という数字には、令和6年度12月補正後との比較では、104.1%となります。

私からの説明は以上です。

質疑応答

記者

12月補正予算案の追加提案について伺いたい。国会での動き等々を踏まえてのことだと思うがこのタイミングになった理由と、今後も経済対策について予算化していくという話だったが、今回の補正予算案において、どういう視点でこういった支援メニューを選んだのかについて、ポイントを伺いたい。

知事

幅広い質問なので、まとめてお答えしたいと思います。

まずは、もともと私自身が11月6日に政府提案をした時にも、国に対して総合経済対策の早期策定について緊急要望を行っておりました。その背景には、物価高騰等の影響が長期化しているので、府民生活や府内企業、農林水産業等が非常に厳しい状況にあるといったことがあります。

そうした中で、国は総合経済対策を策定されて、昨日、その総合経済対策に関する補正予算案が国会に提出されたところです。その補正予算の内容を踏まえて、私どもとしては、少しでも早くそうした厳しい状況にあります府民や事業者の皆さまに効果が行き渡るようにするため、今の時点でできる限りの緊急対策を実施するための予算を追加で計上することといたしました。ポイントは、できる限り早く効果を皆さまに伝えるということです。様々な情報がある中で、できる限りの予算を組ませていただいたということです。

どういったところに支援をするのかと言うと、一つは今説明いたしましたが、物価高騰等から府民生活を守るための取組ということでは、やはり生活に困窮されている方に安心して年末年始を過ごしていただくための緊急的な食料費の支援、LPガスについては国の支援対象にならないことから(利用料金への)支援、食材費の高騰の影響を受けておられる子ども食堂や児童養護施設への支援、それから子どもたちの貴重な体験の機会ということで保育施設等における行事や発表会等を継続実施するための支援。そうしたところが主なものです。

あとは、事業活動を守るための取組ということでは、中小企業者に対して持続的な賃上げに向けた取組への支援、社会福祉施設等の空調設備導入等の支援。それから、酒米の急激な価格高騰がございますので、非常に厳しい状況にある京の酒造りが途絶えないようにするための支援。また、診療報酬や介護報酬は公定価格で決まっているということで、利用者への価格転嫁が困難な医療機関や社会福祉施設等に対する光熱費や食材費、医療材料費、ガソリン代等への支援です。

それから、最後のインフラ整備については、国としても第1次国土強靱化実施中期計画を活用するということですので、これもできる限り事業効果の早期発現を図るため、我々が国に対して要望している中で、前倒しができるものについて計上させていただいたということです。

国の予算が審議に入っているところではありますが、12月定例会が開会中でもありますので、できる限りの情報と創意工夫で予算案をとりまとめ、今回追加で提案させていただくものです。

記者

今回の予算ではどういったところを意識されたのか。知事としての思いやねらいを伺いたい。

知事

今の物価高騰の影響は非常に長期化していて、それが府民生活や府内の企業、農林水産業等に影響を与えて非常に厳しい状況にあるという認識です。しかも、国でも我々が要望したことを受けて総合経済対策を決められて、その裏打ちとなる補正予算案を国会に提出されているという状況です。

国の総合経済対策の中には様々な要素が含まれていますが、生活の安全保障や物価高への対応が第一の柱とされています。(物価高騰の)影響があるということであれば、それに対してできる限り迅速に、国の経済対策も踏まえて、京都府としても予算化することが必要ではないかということで、物価高騰の影響に対して緊急的な対応をするために(補正予算を)編成したと考えていただければと思います。

記者

今後についても発言があったが、改めてどういった方針をとるのか。

知事

国での予算審議を通じて様々な議論が出てきますし、今後の経済状況なども見た上でということになります。また、我々としては、令和8年度当初予算の編成作業にも入っていかないといけないという中で、昨年同様切れ目のない14ヶ月予算を編成していくという中では、国の総合経済対策は様々な要素があり、今回の補正予算には国の施策を全て盛り込んだわけではなく、あくまで緊急的な支援施策を計上しましたので、それ以外の国施策の活用も含めて、次の段階に検討を進めたいと考えています。

内容について今の段階ではお示しできませんが、今日お示ししたものは緊急的に実施可能な最大限のものだと考えています。

記者

補正予算の中で、重点支援地方交付金はどのように活用するのか。

知事

国の経済対策が閣議決定された時に、国から交付金についての通知が来ておりまして、その中に都道府県は令和6年度の補正予算の概ね240%以上、市町村は概ね330%という目安が示されていますので規模感は承知しています。

ただ、国の予算が成立していないので、限度額の正式な通知は来ていませんが、大体の規模感は承知しているので、必要な財源構成との兼ね合いにはなりますが、今回の補正予算では重点支援地方交付金を53.5億円活用しています。

記者

重点支援地方交付金を活用している事業の一例があれば伺いたい。

知事

詳細は別途取材いただければと思いますが、一つの事業に交付金全てを投入しているわけではなく、事業ごとに異なります。国から直接国庫補助が来ている事業もありますし、重点支援交付金を使っている事業もあります。国が目安を示していますので、それに準拠した形にはしています。

記者

先日の記者会見で、知事選挙と補正予算について言及されたが、考えに変わりはないか。

知事

変わりはないです。

記者

日本維新の会が北陸新幹線の敦賀・新大阪間のルートについて、現行の小浜・京都ルートを含め8パターンのルートを出し、今後自民党との与党PTに提案する考えを示した。

この8パターンには過去のルート検討で浮上して消えていったルートも含まれていると思うが、8パターンのルートを日本維新の会が示したことについて、内容も含めた受け止めはどうか。また、8パターンのルートの中には、かつて京都府が推していた舞鶴ルートも入っているが、府として今後の与党におけるルートの協議に対して働きかけをすることはあるのか。

知事

これまでも北陸新幹線の敦賀以西への延伸については、様々な方が様々な立場でそれぞれのルートについての意見を表明されていますが、我々は一貫して、府民の皆様の理解と沿線関係自治体の協力がない限り進まないと言ってきていますので、その立場においては様々な提案があるからといって、これまでとスタンスは変わりません。

与党の枠組みの中で再検証することだけが決まっていて、与党の枠組みが自民党と日本維新の会という形になり、その一つの主体である日本維新の会がルート案を示されたという意味においては、京都府がというより、も国や与党内での議論が少し進むのかなという気はしますが、いずれにしても、どういう枠組みで国が検証するのか、またどういう範囲で検証されるのかということもよくわからないので、今回8パターンのルートが示されたからといって京都府のスタンスについて変更はありませんし、今、我々からルートについて言及するつもりもありません。

記者

一方で、小浜・京都ルートが決定された後、環境アセスメントも含めて時間と予算をかけて準備を進めてきたものが一旦リセットされたような形になる。北陸や関西経済界が早期着工の実現を求めている中で時間がかかってしまうことになりかねない。その点についてはどう考えるか。

知事

もともと我々はスケジュールありきで取り組んだわけではありません。時間と手間をかけて進めてきたということですが、その時間と手間を評価して我々が北陸新幹線に臨んでいるわけではなく、あくまで、府民の皆様の意見など総合判断の元で取り組んでいますので、そこは関係ないです。

ただし、現行の小浜・京都ルートについては、施工上の課題ということを我々も言っていますので、その意味においては全体のルートの中では(小浜・京都ルートが)各論としての検討が一番進んでいるということになります。それを大前提として、国や与党が(ルートを)再検証するとおっしゃっていますので、それも踏まえた上での検討をされるのではないかと思います。

記者

北陸新幹線について、前原議員が日本維新の会のPTで「京都府民の民意は小浜・京都ルートに反対だ」とおっしゃっていたが、知事の受け止めはどうか。

また、ルートのスタンスについて言及するつもりはないということだが、一方で、沿線自治体の長としてルートについてスタンスを示すべきでないかという声もあると思うが、今後自民党と日本維新の会のPTでB/C(費用便益比)などが出た場合に何らかのルートについて言及する予定はあるか。

知事

「民意はない」との発言は根拠が分からないので、なかなかコメントのしようがありませんが、ルートについては様々な観点があります。平成28年に当時の山田知事が舞鶴ルートについて与党PTで発言されていて、それが当時の民意かどうかは別にしても、京都府はその立場でした。

一方で、今示されているルートについては、様々な団体や地方議会からも懸念や心配の声があります。やめてほしいとは言わないまでも、そのような声があるということ全てが民意の表れの一つだと思います。

「小浜・京都ルートに民意がない」と言われていることの根拠は私には分からないですが、いろいろな声があることは間違いないです。

ルートについてどういう声を上げるかですが、これからどういう枠組みで、どういう範囲でルートの再検証が行われるかによります。平成28年の時も皆さんのいろいろな意見を聞いた上で京都府が表明していますので、ルートについて私の考えを表明する機会があれば当然表明しますが、今はまだ混沌としていて、今決まっているルートは法律に基づくアセスメントを行っている小浜・京都ルート1ルートです。それを再検証しようと言っておられるので、どういった範囲や枠組みで再検証を行うのかが決まった上で私が判断することになると思いますので、今のこの段階では特定のルートについて言及するつもりはありません。

記者

自民党と日本維新の会が衆議院の定数削減の法案を提出したが、どのように受け止めているか。

知事

これは自民党と日本維新の会が連立する際の一つの条件ということで提案されていますが、国会は国権の最高機関で、国全体の舵取りをされますので、国民の代表たる国会議員の定数については、まさに国会自らが時代の要請や様々な状況を踏まえて考えられることです。制度ですので永久に変わらないという事ではなく、要請に合わせて改革されていくことは当然あり得るべきことです。

ただ、国会は国民の声を反映する非常に貴重な場で、民主主義の根幹でもあるので、国民の声をよく聞いていただきたいです。もう一つは、国会議員は地域を基盤に選出されておられますので、地方の声が国会にきちんと届くようにしていただきたいです。しかも日本は議院内閣制ですから、(地方の声が)ひいては国にも届くようにという観点で丁寧に議論していただきたいという思いが強いです。

記者

自民党の試算によると、京都府も選挙区が1減少するようだが、知事の受け止めはどうか。

知事

あくまで自民党の試算で示されたと承知していますし、2020年度の国勢調査を元にしたもので、その通りになるかどうかはわかりませんが、京都府の選挙区が1減ることだけについて私が言及することは地域の声が強くなりすぎてしまいます。それも含めてですが、地方の声がどれだけ的確に国政に反映されるかという観点で考えていただくことが重要だと考えています。

記者

あわせて選挙制度の見直しも行われる。衆議院では現在は小選挙区比例代表並立制が採用されているが、制度の見直しについて所見があれば伺いたい。

知事

選挙制度には様々な仕組みがあります。海外でも様々な仕組みがあり、どの制度がいいのかは、私自身は言及できませんが、地方の声もありますし少数政党に投票された国民の皆さんの声をどれだけきちんと拾い上げるかという、まさに国会が果たすべき機能を前提にして選挙制度は構築すべきだと考えています。

中選挙区制度が採用されていた時には、選挙にお金が掛かりすぎるなど様々な議論がありました。選挙制度によってどのように代表が選ばれるかということで決めていかなければいけないので、私にはどの制度がいいというものはありませんが、できる限り幅広く国民の声が吸い上げられるような制度がいいのではないかと考えています。

記者

昨日、知事選挙の日程が決まったが、現時点で知事選挙についてはどのように考えているか。

知事

今、様々な団体から出馬の要請をいただいていますが、その皆さんに対しては、今日も補正予算を発表しましたが、物価高騰への対応や経済の好循環の実現という喫緊の課題に合わせて、「あたたかい京都づくり」の仕上げに向けて前に進めることに全力を傾けているので、気持ちはしっかりと受け止めますが、もう少し時間をいただきたいと答えています。

今の気持ちはそういうことですが、知事選挙は4年に1度あるものですし、知事選挙の日程が決まったことによってスタンスに変わりはありません。

記者

選挙に出馬するかどうかは決められていないということだが、今後、ご自身で、一人で判断するのか、それとも周りに相談しながら、どうするかを決めるのか。また、時期はいつ頃までに決められるのか。

知事

今は選挙について考えていないので、時期については申し上げられませんが、全てを自分一人で決めているわけではありませんし、いずれ相談をしなければいけないこともあると思います。それも含めて今のところは白紙です。

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