更新日:2025年12月19日

ここから本文です。

令和7年12月19日定例知事記者会見

2025年を振り返って

本日の発表項目は、年末の恒例の話題として、今年1年の振り返りでございます。

お配りしている資料は、優先順位を付けているわけではないですが、特別編としてピックアップさせていただいた3点と、ダイジェストとして、所管部局の建制順に出来事を並べています。

まずは、特別編です。「大阪・関西万博」についてです。

関西では55年ぶりとなる大阪・関西万博が開催され、非常に盛り上がりました。その中で、京都府では、関西パビリオンの中に京都ゾーンを設けまして、京都の様々な魅力を発信し、累計で53万人の方にお越しいただきました。

万博を通じて、多くの方に京都の伝統から革新まで様々な魅力に触れていただけたことは大変嬉しく思いますし、万博の取組を通じてできた枠組みやネットワークは、レガシーとして残していきたいと考えています。

次に、「坂口志文氏・北川進氏のノーベル賞受賞」についてです。

京都大学名誉教授で大阪大学特別栄誉教授の坂口志文氏がノーベル生理学・医学賞を、京都大学理事・副学長で特別教授の北川進氏がノーベル化学賞を受賞されました。

お二人の研究は、いずれも人類の未来に希望をもたらすものであり、改めて敬意を表したいと思います。

京都ゆかりのお二人の同時受賞は、京都府にとりましても、京都府民にとりましても大きな喜びであり、京都府では、今回の受賞を受けて、お二人に京都府特別栄誉賞を授与することとしております。

次に、「MUSIC AWARDS JAPANの開催」についてです。

日本をはじめアジアの音楽を世界に発信する国内最大規模の国際音楽賞「MUSIC AWARDS JAPAN」の記念すべき第1回が京都で開催され、京都から広く世界へ音楽文化の創造・発信が行われました。

私も2日間に渡りまして授賞式などに参加をいたしましたが、オープニングショーで平安神宮も会場とするなど、京都らしさを感じることができる演出も素晴らしかったですし、人を惹きつける音楽の力や素晴らしさを改めて実感いたしました。

次に、ダイジェストの中から、印象に残っている項目について、2つだけ挙げさせていただきます。

一つは、「ドナルド・マクドナルド・ハウス京都 開設資金の寄附募集目標額の達成」についてです。

病気と向き合う子どもとそのご家族のための滞在施設「ドナルド・マクドナルド・ハウス京都」の開設に向け、昨年2月に設立されたオール京都の募金委員会に私も参画し、募金活動に取り組んでまいりましたところ、今年3月に寄附額が目標の4億円に到達いたしました。

趣旨にご賛同いただき、ご寄附いただきました多くの皆様に、改めて感謝を申し上げます。目標達成後も寄附のお申し出をいただいておりまして、先月には5億円を突破いたしました。現在、建物の設計が進められているところです。

もう一つは、「『きょうとプレコン』高校生教育プログラムの完成」についてです。

「きょうとプレコン」は、性別を問わず、適切な時期に、性や健康に関する正しい知識を身に付け、健康管理を行うよう促す「プレコンセプションケア」について、幼児期から社会人に至るまで切れ目なく推進する京都府独自の取組で、その一環として、高校生教育プログラムを作成しました。

プレコンについては、国も本年5月に新たに5か年計画を策定し、集中的に取組を進めることとしている中で、こうした京都府の取組が全国からも先進的な取組として注目されており、これからのひとつの柱になる政策だと考えています。

最後に、この1年を振り返って、私自身が考える今年の漢字を発表させていただきます。

今年の漢字は、「博」です。

人気を「博」した大阪・関西万博の「博」、ノーベル賞を受賞された二人の博士の「博」から選ばせていただきました。「博」という字には、「広くさまざまな事柄に通ずる」や、

「広く行き渡る」という意味があります。

一年を振り返ると、今年の京都は、京都が広く世界とつながり、伝統から革新まで様々な京都の魅力を広く行き渡る形で発信もできたのではないかということで、これらを象徴する漢字として「博」という字が当てはまるのではないかと思い、この字を選ばせていただきました。

本日の発表項目は以上となります。

本年最後の記者会見でございますので、府民の皆様に、御挨拶申し上げます。

年末を迎え寒さも厳しくなり、体調を崩しやすい時期になりました。京都府では、年末年始期間中の受診可能な医療機関等についてホームページに掲載しております。

インフルエンザが引き続き警報レベルで流行しております。帰省等で人と会う機会や、大勢で集まる機会が増えますので、府民の皆さまにおかれましては、手洗いやこまめな換気などの基本的な感染予防対策をお願いします。

府民の皆さまにおかれましては、健やかに新年を迎えられますことを心から願っております。また、記者の皆さまにおかれましても、今年1年、本当にお世話になりました。どうか良い年をお迎えください。

私からは以上です。

質疑応答(抜粋)

記者

一年の最後ということで、この一年の様々な施策を一覧で発表されたが、この一年振り返っての課題や、さらに進めていくべき施策について伺いたい。

知事

一年の振り返りはもうご説明したので、そこは省きますが、やはり大きな課題は、年末になって(国の)総合経済対策が出きまして、我々も12月定例会に追加で補助予算を提案しましたが、物価高騰等が、また資材価格の高騰が続いていることについて、様々なところに影響が出ています。

これを乗り越えて経済の好循環に持っていくためには、緊急的な課題として、国が大きな役割を担っていますが、我々もその緊急課題については対応をしなければいけません。ただ、物価高騰の影響についてみると、やはり一番大きく効いているのは、少子高齢化・人口減少に伴う担い手不足・人手不足にあると思います。これについては中長期的な課題かもしれませんが、しっかり対応していかないといけないということを改めて感じました。

特に賃金については、例えば最低賃金の上げ幅が最大だといっても、それを実現するために、中小企業にとっては当然、経営への影響が大きいですけれども、結局、防衛的賃上げ等をしているのは、賃金を上げないと人が確保できないためであり、かなり無理してでも賃金を上げるなどされています。

また、時給によって大都市部と地方部で労働の移動が行われていることによって、より賃金が高いところに労働力が吸い寄せられているという問題意識が、地方でかなり強く出ています。

そうしたことのベースとなる人口減少という非常に大きな課題の中で、どうやって社会経済を回していくのかということは、私自身としては改めて強く認識すべき政策課題だと感じました。

それから、防災について言うと、今年、京都はたまたま、自衛隊に災害派遣を要請するような災害はありませんでしたが、全国的で見ると林野火災があり、先日も大分市の佐賀関の火災がありました。もちろん地震や風水害もありますが、そういう意味では、やはり自然災害に対する脅威があります。

先日、北海道三陸沖後発地震注意報が出ましたが、昨年には南海トラフ地震臨時情報が出ています。両方とも制度ができて初めての運用でしたが、こうしたことを通じて、改めて地震の脅威に対する認識を新たにしました。

そうしたことからも、府民の安心安全を守るということについて、京都で(災害派遣を要請するような災害が)なかったということではなく、全国の状況を見て改めて強く認識したところです。

記者

クマ対策について伺いたい。先日、木津川市議会で京都府に対して府南部におけるクマ対策の強化を求める意見書が可決されたが、これについて府として受け止めはどうか

知事

12月16日に木津川市議会で府南部地域におけるツキノワグマ対策強化を府に求める意見書が採択され、本日その意見書を受け取らせていただきました。府南部地域、特に木津川市では、これまでに約60件のクマの出没情報があり、人身被害は発生していないものの、市民の不安の高まりを受けて意見書を採択されたものだと考えています。京都府としては、当然意見書はしっかりと受け止めなければならないと考えています。

11月5日に府として初めて「ツキノワグマ対策連絡会議」を開催して、緊急銃猟制度の体制整備や、各広域振興局単位で市町村や猟友会、警察と一緒になって対策会議を開催することについて指示をし、それに沿って山城地域では11月7日に会議が開かれました。

10月、11月に比べると出没情報は減ってきてはいますが、引き続き注意が必要ですし、今後の対策強化は極めて重要だと考えています。

特に南部地域は、第二種特定鳥獣管理計画の対象区域ではあるものの、今まで熊の生息を前提としない計画でしたが、やはり北部地域と同様に熊の目撃情報があるわけですから、生息範囲や生息数のような実態を把握した上で、これは専門家の方の意見も聞かないといけませんが、熊の保護と捕獲のあり方について、来年度、第二種特定鳥獣管理計画の中に南部地域についても盛り込んでいく必要があるのではないかと考えています。

これは緊急的な対策ではありませんが、是非検討しなければいけないと考えています。

記者

京都府としては第二種特定鳥獣管理計画(のクマ対策地域)に南部地域を入れるということだが、自治体への支援や、計画における空白地への施策についてはどういったものを考えているか。

知事

クマ対策としては、例えばクマが近寄らないようにクマの生息地域と人間が生活する所を分けるためにきちんと草を刈ることや、柿などの誘引物についてはなるべくクマを招かないように注意するということがあります。

個人では、出かける時にはホームページで熊情報を確認したり、物音がしてもすぐに家から出ると偶然クマに遭遇することもあるので注意するなど、そういうことは南部地域でも北部地域でも変わらずにやっていただかなければいけないと考えています。

ただ、(府南部地域における)第二種特定鳥獣管理計画にクマが含まれていないので、捕獲する根拠がありません。それについてはやはり生息の状況を調べた上で計画を作らないといけませんので、来年度になりますが対応していきます。

危害が加えられそうになれば、当然安全確保のために対応するというのは、どこでもやらないといけないことですので、両面からやっていくということです。

記者

本日、日銀が金利の引き上げを決定したが、(影響は)これからかもしれないが、受け止めと制度融資や負債の償還への影響について所見はどうか。

知事

最終的には日銀総裁が、会見で利上げの趣旨などをきちんと説明されると思うのですが、景気を抑え込むということではなくて、今まで非常に低金利で経済を加速させていたものについて、加速の仕方を少し緩めるというようなことが報道では解説されていたと思います。どちらにしても、金利が上がるということは、産業政策で言えば、中小企業の借入の返済負担に係る影響がありますので、当然、経済への影響がどうなるのかということについては、今後の話にはなりますが、見極めていかないといけません。

これまでも「金融・経営一体型支援体制強化事業」として、金融機関と我々のような経営支援団体が一体となって、様々なきめ細かな相談対応をしてきておりますので、今回の金利の引き上げによる影響についても同様の対応をしていきたいと考えています。

また、我々が実際に行っています制度融資については、地元金融機関の協力も得ながら、直ちに金利を引き上げるということはないように努力をしてまいりたいと考えています。

もう一つは府財政への影響ですが、我々も地方債を発行しておりますので、やはり長期金利の上昇というのは、今後発行する地方債の利率にも影響を与えることなので、当然利払いの増加に伴って、影響はかなりその長期に渡りますので、そこはきちんと見ながら持続可能な財政運営に繋げるように努力をしていきたいと考えています。

お問い合わせ

知事直轄組織広報課

京都市上京区下立売通新町西入薮ノ内町

ファックス:075-414-4075

koho@pref.kyoto.lg.jp