更新日:2018年3月28日

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平成30年3月16日知事記者会見

  今日は学研都市へ、三菱東京UFJ銀行の関西ビジネスセンターの竣工式に行って参りました。立派なものができました。誘致にあたっては他地域と大競争になりましたが、京都府は総力を挙げて取り組み、誘致に成功したもので、その後の日本郵政の事務センター、そして、日本電産の研究所の誘致に繋がり、立地可能な土地はだいたい売り切るに至った、そのようなエポックになる企業誘致でしたので、竣工を嬉しく思います。

  その前には、伏見の商店街にある福島からの自主避難の方が作り上げた「みんなのカフェ」の5周年の記念式典に行ってきました。5年間経って、これからは福島からの避難者でなくて京都府民として出発していくんだ、店名も「京わっぱ」という名前にして、京都で生きていくんだという力強いお話をいただきました。本来、5周年は5月なのですが、私が退任するのでこの3月にやりましたと聞いたときは、胸が熱くなりました。苦しい年月を乗り越えて来られて、福島への思いがあったと思いますが、京都府民として出発していくという話を聞いて大変勇気づけられました。

「京都認知症総合センター」の開設について
~全国初!認知症の”ワンストップ”サービス提供拠点~

   本日の発表項目は2つあります。最初は、私にとって4期目の大きなマニュフェストの一つである京都認知症総合センターの竣工式が3月21日(祝・水)に行われます。武田隆久悠仁福祉会理事長の主催です。私がオランダに行った際に見せていただいた施設が認知症の総合施設でして、日本では役割分担と言えば聞こえはいいですが、認知症カフェに行き、グループホームに行き、最後は特別養護老人ホームへ各施設を転々としなければいけない。オランダの施設は一箇所で患者に寄り添った形で最後の看取りまでできる施設でした。日本に全然ないのでモデルを作ろうではないかということで、ようやくできました。
  1階にはもの忘れ外来や認知症対応型のデイサービス、ショートステイ、2階には常設の認知症カフェ、訪問看護ステーションと特別養護老人ホーム。3・4階には認知症のグループホームになります。初期の段階からずっとここでケアが受けられる、全国初となるワンストップ提供拠点が出来上がるわけです。初めてのことなので手直しなど色々なことをやらないといけないのですが、これを出発点として、このモデルを京都にしっかりと圏域ごとにこしらえていく。将来は、この形が当たり前になる。認知症700万人時代が来るわけですから。そうしたときにいち早く対応できる備えをする出発点が出来上がったということでして、私にとって嬉しい思い入れのある施設でもあります。

 「京都認知症総合センター」の開設について~全国初!認知症の”ワンストップ”サービス提供拠点~(PDF:638KB)

 春の府立植物園「桜ライトアップ2018」の開催について

 いよいよ春が来て急に暖かくなりました。府立植物園の「桜のライトアップ2018」を3月25日、来週の日曜から行います。土曜からの方がいいと思うのですが、色々と都合もありますので25日(日)から4月8日(日)となります。ライトアップは、日没後の午後6時頃~9時まで。入園は、午後8時までとなります。ここの特徴としては、桜が雲のごとく見える、そういった点では、京都でもここがナンバーワンではないでしょうか。アルコールは飲めませんので、家族連れも含めてゆっくりと楽しめると思います。
職員が園内の桜を説明して回る「桜散歩」も行います。4月13日(金)からなので、咲いている桜が限定されているかもしれません。サトザクラ展や、観覧温室の夜の開室も行いますし、球根ベゴニアなどを見ていただければと思います。

春の府立植物園「桜ライトアップ2018」の開催について(PDF:1,850KB)

主な質疑応答

記者

認知症センターについて、「圏域ごと」という発言があった。宇治にオープンして山城地域の全てをカバーできるわけではないが、圏域にどれくらい作るのか。

 知事

民間の協力も得なければならないので、全てバッとできるわけではない。一つ圏域に作っていき、皆さんに見ていただいて、そこから広げていただくのが筋ではないかと思います。将来の認知症の方の数を考えると、それだけでは足りないのは間違いないですから。特別養護老人ホームもありますから入り口のところを作り、ネットワーク化することでうまくやっていかないといけないと思います。

これを作るにも宇治市と話をさせていただき、事業者を募集し、建設してきました。急がなければいけないと思いますが、一歩一歩広げていくのが先だと思います。そうした中で、今後の認知症の増え方など、状況を見ながらやっていかなければいけない。少なくとも、圏域に一つは欲しいという思いはあります。

 記者

今回は施設整備費を補助しているが、圏域に一つは補助をしていくのか。

知事

それは財政との問題でしょうね。利益ベースできちんとできるのか、今回はモデルですので、こういったことをやると便利ですよ、患者さんにとっても、介助者にとってもいいことを示さないといけないので、まずは補助を入れて、これは医療の基金を入れたわけですが、採算状況を見ながら次をやっていかなければならないと思います。

記者

ソフト面でネットワーク化のサポートをどのように取り組むのか。

知事

京都地域包括推進ケアの推進機構において、地域のネットワークを作っておりますので、そこに総合センターを加えていきたい。地域包括ケアの中でも認知症に特化した形の全く新しいシステムですから、うまく組み入れていきたいと思います。

記者

総合センターでワンストップにするとのことだが、早期発見に絡むもの忘れ外来を認知症に特化したところに組み込まれると、敷居が高くなるのではないか。

知事

かつては認知症というと隠したいとか、嫌がる感じがあったのですが、運転免許の書き換えでは、75歳以上は全員試験を受ける。そこで兆候があれば、どんどんスクリーニングされる時代になりました。認知症自体も特別なものではなくて、年を取れば誰でも出てくる、将来は高齢者の5人に1人が認知症になると言われています。年齢の問題で、90歳を過ぎると非常に高い確率で出るものになっているわけだから、その点、こうしたワンストップの拠点に対する抵抗感は薄れてくると思います。モデルとして作ってやりましたが、先進国を見た感想として、時代の流れの中では、非常にスムーズにいけるものになるのではないでしょうか今は色んなところにもの忘れ外来もありますが、これからのタイプとしてこんなものがあるだろうというので、先進的なものとして作ったのです。時代の変化を経て当たり前になり、そうした懸念がなくなってきて、「ちょっと行くか」みたいな話になって、薬なども服用して「抑えようじゃないか」という形になっていくのではないでしょうか。

記者

検診や人間ドックの中でやるとか、こうした早期発見の部分についてはどうか。

知事

今後は当たり前になってきますね。まず運転免許は75歳以上になると厳しくなりますよね。スクリーニングが現実に出来つつあるのです。その点では、今までとは違う局面になってくると思います。

記者

スクリーニングの体制の構築と府の行政の関わりについてはどうなるか。

知事

運転免許は大きいです。それと、もの忘れ外来はかなり整備しました。本当に意識が変わってきたと思います。長生きする時代になって、90歳以上生きることが珍しいことではなくなって、100歳も超える人も毎年どんどん増えてきましたから、認知症に対する理解は急速に進んできたと思います。しかし、これを作るにも時間がかかりました。担当課長をおいてやりましたが、こんなものだというのがわかるとスピードアップ出来るといいなと思います。

記者

文化庁移転について。知事は、京都に大きな効果があると言っていたが、先行移転が始まって1年経つタイミングで、府民が今の時点で感じている効果を知事はどのように感じているのか。

知事

これから250人程度以上でやろうとしている全面的な移転のうち、先行移転している文化庁職員は、まだ10人ではあるのですが、いくつか効果が出ています。私たちが国民文化祭のレガシーとして作った全国高校生の「伝統文化フェスティバル」が文化庁との共催になりました。それによって全国から高校生を集めることができるようになりました。国主催ですからね。選抜大会の位置づけになっていると思います。これから大きな形に発展する一歩を踏み出したと思います。そうした事業は出てくると思っていて、次は「古典の日」も色々なところで飛び火しはじめておりますので、文化庁を中心にやっていこうと思っています。

文化庁の予算も来年度から増えますので、予算を使って事業をやっていけるだろうと思っています。まず、1年目の準備段階は順調にいったと思います。ここから増えてきた予算を使ってさらに文化行政をやっていきたい。特に東京オリンピックやパラリンピックに向けて関西・京都で文化力の事業をやっていきますので、うまく文化庁に加わっていただいてしっかりとしたフォローアップをしたいと思います。

地域文化創生本部は、あくまでショールームみたいなもので、一番のメインは文化庁の全面的な移転ですので、ここからです。今年が正念場になっていくと思います。新しい知事に引き継がなければなりませんが、具体的な建物を設計し、移転準備に入っていく。この作業は非常に大変なものだと思います。

また、文部科学省設置法の一部を改正する法律案が国会に提出されました。文化庁は単なる文化財の維持・保存だけではなくて、観光や伝統など様々な分野の統括をする位置づけを与えられることになります。これも文化庁の移転の効果で、こうして全体がまとまって、全面的移転の時に効果を発揮する流れですので、そういった点も頑張っていただけたらと思います。

記者

「正念場」というのは建物の設計がということか。

知事

建物をどう作り、その負担の割合をどうやり、職員のみなさんにどこに移っていただくのかという、具体的な引っ越し作業がいよいよ始まるということです。それを今年中に早めに決めてしまわなければいけない。建物も建て、府警本部本館も改修しないといけないので、今日までずっとやっています。事務作業の本番は来年度ですね。これは大変。駆け引きも要ります。

記者

森友関連で財務省が決裁文書を書き換えていたことが明らかになった問題について、知事会長として問題が発覚してからの政府の対応を見てどう感じているか。

知事

知事会長としての意見ではありませんが、元霞ヶ関にいた人間からすると考えられない話が起きたなと感じます。私は法制局にいましたが、法制局で問題になるのは、決まってから条文の文字が間違っているとか、条ずれがわかることがあるんです。その時には各省庁では修正ができません。唯一法制局だけが職権修正できます。法制局の持つ大変な力です。職権修正でももちろん政策的なことはできません。本当にミスの部分です。ミスに赤を入れて公表する。そんなことが続くと国会に怒られますから、我々も慎重にやらなければならない。それくらい、決裁文書といったものをこっそり直すというのはあり得ない世界で生きてきましたから、何なんだろうと思います。霞ヶ関に何が起こっているのかと思います。証人喚問に呼ばれた方は、何があったのか正直に話していただきたいと思います。今は予断で議論するのは差し控えたいですが、あり得ないです。

これほどの問題で書き換えるなんてことは、まさに犯罪行為になりかねない話ですからね。私には信じられないです。何でこんなことが起こったのかは知りたいですね。

記者

観光について。海・森・お茶の京都のキャンペーンの成果と課題について総括を。

知事

いつも誤解されるのは、これは観光のためのイベントだと思われてしまう。そうではなくて、海の京都は、海を中心にあの地域を六次産業・十次産業の拠点として作り上げていこうと、地域を一体にする試みなんですね。そのためには、きちっとしたいくつかスタートのための団結式をやらないといけない。それを海の京都としてやろうではないかということです。海の京都エリアでは、ここずっと入込客数は増えていて、昨年また最高を記録しているんです。海の京都DMOを作り一体となって戦略拠点を作り、ようやく3年目にして伊根に外国人の方がたくさん入っていただけるようになった。地域の結束を固めていく中での新しい地域作りをやってきている。海の京都が終わったわけではなくて、オンザウェイで成果を上げつつあることに、ご理解いただきたいと思います。森の京都もこの3月にビジターセンターのオープンを記者発表しましたが、森の京都博という団結式をやって一つ一つ積み上げてきて、そこから京大の芦生の原生林をどうするか、CLTの工場をどうするのか、こうしたことを積み上げてやっていく。だから、一過性のものとして見ている方には、そうではないですよと言っています。

一過性であれば、何で今年ビジターセンターができあがるのか。お茶の京都も茶業研究所がようやく出来上がった。星野リゾートもここにやってくる。あの地域には、アウトレットが出来上がるので、そこにお茶の販売の拠点も持って行きたい。お茶を中心として地域振興をやろうという試みをずっとやっている。その点では、いいスタートを切れたと思っています。これだけ順調に観光客も伸びているし、お茶の出荷も順調にいっている。森の京都もCLTの工場も順調だし、そうした一つ一つは順調という評価ですが、私どもがやっているのは、1年2年で成果を得てというものでなくて、5年10年先にすっかり定着して地域ブランドがしっかりと確立されることを目指しておりますので、今は順調なスタートを切ったなというのが私の思いですね。

記者

北部・南部で交流人口を受け入れるためのインフラがまだあると思うが、どう考えるか 

知事

まだ発表できないですが、いろんな話が来ていて、この前、星野リゾートを発表しましたが、そのレベルまできているものがいくつかあります。その点、いい形になって引き継げるかなと思っています。海の京都、森の京都、お茶の京都をやっていく中で、地域全体がその意識を持ってくれた。このエリアで泊まるところあんまりないよね、とか、土産物や特産物売るところないよね、とか。そうしたものがどんどんと出てきました。海の京都では、去年、伊根の「舟屋日和」ができて、宮津にはイートインの「おさかなキッチンみやづ」が出来たんですよ。どちらも、お茶の京都のターゲットイヤーに入ってからできているんです。イベント中はどこか一生懸命宣伝しているところがあるのですが、全然違うのですよ。そこに人がきちっと入っているという形になっています。

インフラの整備についても我々はここからだと思います。今日も学研に行ってきましたけれど、学研の大きなメリットの部分はそこですから、力をいれてやっているところです。そうしたところも含めて動きは出ています。正直心配していたのが、東京オリンピック・パラリンピックでパタッと止まるのではないかと思っておりましたが、大阪万博の誘致が成功すれば、さらにスパンを持って誘致が掘り起こせるのではという期待感を持って、この間も京都迎賓館で精一杯のおもてなしをやったところなのです。

 

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