第3回自転車安全利用促進計画検討委員会の開催結果
開催日時
平成22年11月4日(木曜)午前10時~正午
場所
ホテルルビノ京都堀川 アムールの間
出席者
小川委員長、蓮花委員、佐藤委員、廣野委員、古川委員、井原委員、卯瀧委員、山本委員、樋掛委員(欠席:小谷委員、中村委員)
関係課担当者
概要
「自転車安全利用促進計画」中間案について
意見交換(主な意見)
- 自転車の安全の促進という面と利用の促進という面のうち、利用の促進を意識したような文章になっている気がするが、その当たりを増やした意図というのはあるのか。
- 自転車の安全利用の促進という観点と自転車の事故の抑止という観点について、基本的な部分での変更はない。若年者の割合が高いということ、高齢者の死亡事故の割合が高いということを踏まえて、これらに対する対策を講じることで、交通事故を抑止していくものである。(事務局)
- 中間案の「8自転車乗用中の高齢者の事故発生状況」のところで、表現をわかりやすく修正して欲しい。
- 自転車乗用中の事故で負傷された方の割合である。いったん事故に遭った場合は、重傷になったり死に至る割合が非常に高いということである。(事務局)
- 全国平均に比べ、京都府の自転車事故の占める割合は結構高い方だと思う。文章でも結構なので、事故件数が多いとか、高齢者の占める割合が高いとか、若い人が多いとか、そういう京都府の特徴を示して欲しい。
- 計画の目標で、事故の件数以外に、死者数とか負傷者数とかいろんな指標はあると思うが、事故件数に絞った意図は何か。
- 自転車の死者数は極めて小さい数字であり、負傷者数は発生件数とほぼ近い数値で推移しているため、今回も前回同様、発生件数を目標とした。(事務局)
- 発生件数の考え方についての根拠はあるのか。
- 現行計画が発生件数で作成しているので、いろんな視点での目標設定も可能かと思うが、現行に合わせる形としており、警察との協議も事故の発生件数として検討している。新たな目標の設定については、警察と協議して検討していく。(事務局)
- 高齢者の自転車交通安全教育については、技能の習得が書かれており、非常に大事なことである。高齢者で自動車免許を持っていない人は、持っている人に比べ事故に遭う率が高い。中学生に対する交通安全教育には、知識の習得を目的とした参加・体験型の交通安全教育というものを入れてもよいのではないか。中学生の事故が非常に多く、放っておくとこのまま高校生・大学生になるので、重視すべきではないか。
- 自転車運転免許証の数値目標については、累積の数字なのか、あるいは、今後5年間の人数なのか。
- 累積ではなく、今後の5年間での数値目標である。(事務局)
- 京都市においては、議会で、議員提案による京都市自転車安心安全条例が制定されており、今後、条例に基づき、取組を進めていく。今回の計画案には、大学生に対する交通安全教育等、市の条例の中身も取り入れられており、十分連携して進めていきたい。条例には入っているがこの計画にないものとして、就学前の児童を養育する保護者への交通安全教育がある。小学生以下の保護者から教育してはどうかという趣旨で入っており、その当たりも検討して欲しい。
- 「早めの前照灯の推奨」は、ハブダイナモなど新しいタイプの照明を推奨すれば良いのではないか。
また、「自転車損害保険の促進」については、損害保険会社が自転車保険から全部撤退し、TSマーク保険が重要になっており、例えば、自動車免許証を持っている人であれば、自動車保険に付帯できるのではないか。それを推奨するというように書いてもよいのではないか。
- ハブダイナモは暗くなれば自動点灯するもので、これについては前照灯といえる。一方、点滅式ライト「ブリンクライト」は、自分の存在を示すだけのものであり、明るさを満たさないため、前照灯とはみなされない。
TSマークに関しては、新車を購入した場合、販売店で付ける人は増えているが、年間販売台数からすると、非常に少ない。
- 古い折りたたみの自転車のように、前照灯のない自転車が結構走っている。折りたたみ自転車には前照灯はないのではないか。折りたたみ自転車のための対応策を考える必要がある。
また、TSマークについては、特に女性は存在を知らない人が多い。
- 前照灯が付いていない自転車は、折りたたみだけでなく、スポーツタイプは8割方そうである。あくまでも購入者がオプションで付けるようになっている。
自転車の年間販売台数は約22万台であり、計画目標がTSマーク5万件というと販売台数の4分の1であるため、やり方を考えないと計画達成は非常に難しい。
- マナーと教育の中で何が一番大事か、どこに注意を払わなければいけないか、重点的にピックアップして示してもらえれば良い。
TSマークについては、1年間の保険であり普及が難しい。高校では、子ども総合保険を3年間の期間で実施しているが、自転車に対するセーフティネット意識を持ってもらうため、自転車に特化した保険を新たに取り込もうとしている。
- なぜそのルールができたのか、できなったのか教える必要がある。
鈴鹿市では、中学校と協力して危ない行動をビデオで撮って示したり、自転車シミュレーターを使って教育したり、生徒会活動でヒヤリマップを作ろうと思っている。
また、鈴鹿の交通教育センターで安全コンテストをしている。職業ドライバーのドライバー教育用のものを自転車に応用して使うものであり、これを使うことにより、運転の何が良くて、なぜだめなのかがわかってもらえる。
- 交通安全教育については、参加・体験・実践型のものが望ましい。子どもについては、小学生を対象に「交通安全子ども自転車大会」を実施し、京都府大会では毎年12、13校の出場があり、交通ルールのテスト、自転車の安全走行も学んでもらっている。
高齢者についても、「高齢者交通安全大会」を南部と北部で実施している。特に、免許を持っていない方には交通ルールを知らないことがあるので、あらかじめ各地域で勉強して、大会に出ているということで、自転車の安全走行について地域で取り組んでもらっている。
TSマークについては、今後とも周知徹底していくことが必要である。
- 大学生や高校生は、自転車の運転で、何が危ないかわかっていないからやっているところがある。免許を持ってる人と持ってない人の違いがある。自分の運転が車の側から見たらどう見えるかわからないので、そういった視点の映像を見せる教育をすれば良いのではないか。
- マナーの啓発でいちばんいいのは、「現場主義」である。その場で「危ない」という声を発し、どう伝えるかが大事である。推進員の人も一人では声が出ないと思うが、そういう活動ができるように、府や府警が支援をして欲しい。
- 自転車安全利用推進員の人数を平成27年までに1,500人という目標であるが、これは累積ではなく、27年の段階での数字ということでよいか。
- そのとおりである。
1,500人のうち500人程度を見込んでいるが、中・高・大学生等の学生にも委嘱をしていき、生徒たちのモチベーションを上げていきたい。(事務局)
- JAF京都支部では、9月以降週2回程度、小・中・高校に職員を派遣し、自転車教育を実施している。4名1チームでワゴン車と普通乗用車をグラウンドに持ち込み、運転席からの死角の体験、自転車からの死角の体験、自転車の急停止の際の制動距離体験、携帯電話をかけながらの自転車運転体験など、「交通安全実験教室」と名前を変えて実施している。
現在は、授業のカリキュラムとして取り組んでもらっており、全ての要望に応えきれないので、地域の推進員さんと一緒に活動していきたい。
また、地域の青パト防犯をやっている方との協力をいただければ、地域ぐるみでの教育ができると思う。
- 道路ネットワークの整備について、通学路の経路が狭いので大変だという声をよく聞く。京都市内であれば1,000人規模の学校もあり、集中して狭い道を通ることになる。通学道路を点検し、可能な限り整備いただければありがたい。
- 事故の情報や危険な実態を府民に提供できるシステムが大事である。府民に危険をわかってもらわないと施策をバックアップしてもらえない。最近は、自転車の問題については、マスコミも関心が高まっているようだが、府民がどれだけ理解しているかが大事である。例えば、免許更新時講習などで自転車に関するリスクを知らせる手立てがあるのではないか。
- 「自転車通行環境モデル地区」や「あんしん歩行エリア」について、地域住民により多く知ってもらうことが最初かと思う。現状、どれぐらいに地域住民に周知されているのか。知ってもらうための方策があるのか。
- これらモデル地区についての個別の広報はなかなかできていない。今回は、ソフト事業も含めいろんな施策を盛り込み、総体として自転車事故を減らしていきたい。今後、ハード整備と併せてソフト対策をやっていくということを広報していきたい。(事務局)
- 京都府の交通事故の地理情報がなかなかない。奈良県は、全ての交差点が、市道も含めどこで事故が何年に起こったとか全て出てくるが、現在、京都府ではどうなっているか。
- 京都府警察のホームページで、地図に全ての事故を、自転車事故や高齢者事故に分類して、表示している。(事務局)
- 地区の中から2箇所程度を選んで取り組み、この先はモデル地区2箇所の状況を見て、他の地域にも広げていくということで良いか。
- その通りである。2箇所程度重点的に取り組み、そこでの取組を踏まえて、その他の地域にも広げていきたい。(事務局)
- 安全な自転車の普及促進というところであるが、スポーツ自転車や電動自転車など自転車が多様化しており、昔のような形での整備ではうまくいかない。そこをどういう別な形でつくっていくかが大きな問題である。また、自転車の機能そのものが非常に良くなっているが、リスクが多様化しており、うまく考えないといけない。取締り強化のところで、中間案に法令違反の実績が出ているが、京都府は多いのか、高校生が含まれているのか。
- 自転車の街頭指導は、年々増加傾向にある。本年8月に指導報告書の様式を改め、自転車専用のものを作成、今年に入り10万件の街頭指導を実施した。データには、中学生・高校生も入っている。(事務局)
- 安全教育は誰がするのか。警察だけでは手薄であり、ボランティアだけでやるのも不安定な要素がいっぱいある。どのようにやるか具体的な考えはあるのか。
- 基本的には、学校でやっていただく。一部指導者が必要であれば、府、警察、ボランティアが支援していく形で進めていく。(事務局)
- 市町村による自転車等駐車対策協議会の設置というものがある。京都市には駐車対策協議会はあるが、府内には駐車対策協議会はいくつあり、府と市町村との連携はどう考えているか。
- 現在、京都市以外のデータを持ち合わせていない。(事務局)
- 積極的に設置をしていくということか。
- その方向で検討している。(事務局)
- 声かけの注意のやり方は、大変難しいもの。ちょっとしたいくつかのマニュアルがあっても良いのではないか。
また、出会い頭でぶつかりそうになった時、危険な思いをした。そういう時の対応の仕方についても同様にマニュアルがあっても良いのではないか。
- 学校の先生は大変忙しく、カリキュラム作りなど時間をとるのは難しい。PTAの立場でも、何に取り組めばいいのかわからないので、一定のカリキュラムを示してもらえればわかりやすい。また、まちまちに取り組んでいても実行が上がらないので、促進計画の中には、安全教育の一定のプランニングが必要ではないかと思う。
- 自転車安全利用推進員の組織化は、どこが音頭をとって進めるのか。
また、自転車安全利用推進員の講習会とは、現状登録されている方のブラッシュアップのための講習会の開催という意味なのか。
自転車交通安全教育を推進員が中心となって実施するということについて、具体的な施策を計画されているのか。
- 自転車安全利用推進員の活動単位については、現在検討中である。警察署単位、学区単位、行政区単位など、最も効果的な組織化が図れたらと考えている。
自転車交通安全教育を推進員が中心となって実施するという点について、自転車運転免許事業について積極的に関与していただきたいと考えている。それ以外の自転車教育にも参画していただけるよう推進員自身の知識・技能のレベルアップを図っていくため、推進員の講習を前提としている。(事務局)