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令和4年度住建築・リフォーム科トピック

 3月

模擬家屋完成!

今月は、自分たちがこれまでの訓練で学んできたことの集大成である模擬家屋が、ついに完成しました。

R壁を一から考えてみたり、反り屋根や廻り階段に挑戦するなど、加工が難しいところも多々ありましたが、苦心と工夫を重ねた分とても立派な家屋が完成しました。ぜひ一度、本校まで実物を見に来てください!

これから修了生たちは、この一年間の訓練で身に付けた技能と技術を武器に、社会に出ていくこととなりますが、模擬家屋を建てたことを自信にして頑張っていってほしいです。

修了生が建てた模擬家屋

外部
住建築1 住建築3 住建築2
全体像 修了生が作図した
パース

内部
住建築6 住建築4 住建築5
反り屋根 玄関 R壁
住建築8 住建築7  
廻り階段 2階床  

 2月

新模擬家屋建方

今月は、この1年の住建築・リフォーム科での訓練の集大成である模擬家屋を建てました。

自分たちで設計、材料の拾い出し、図面作成、墨付け、加工と一連の流れとなる工程に取り組み、いよいよ構造部材を組み立てる建方(たてかた)です。

模型で作成した家屋とはスケールが違い、とても大きく迫力があります。

土台施工 R土台施工 柱・胴差施工
 
軒桁施工 2階床下地施工  

 

訓練生たちの顔つきも皆、ものづくりのプロのようになりました。

来月完成予定ですので、ぜひ一度見学にお越しください。

全体像 入母屋屋根 屋根の谷部分

 

 1月

新模擬家屋材加工と技能検定2級

今月は、先月墨付けを行った模擬家屋材料の加工を行いました。

訓練生たちは、これまで習得してきた材料加工の技術・技能の応用に取り組む一方、これまで使用したことのない様々な機器の使い方を新たに習得していきました。

自分たちで考えた物が少しずつ形になっていき、訓練生たちも、完成へと向かう充実感に浸りながら楽しんで実習に取り組んでいたのではないかと思います。

追掛大栓継ぎ手作成 通し柱加工
ほぞ切り作業 R土台作成

 


大工を目指している一部の訓練生は、今月末に行われる2級建築大工技能士の検定試験に挑戦しました。

夏に挑戦した3級と比べると難易度がとても高く、また、今回から出題内容が変更されるということもあり、挑戦した訓練生たちは3か月前から時間を割いて練習を重ね対策してきました。

試験当日には、練習成果を存分に発揮し合格してほしいと思います。

展開図作図 材料加工 2級建築大工技能士の検定課題

 12月

丸太材と新模擬家屋墨付け

今月は、先月解体した旧模擬家屋の丸太材を再利用した、墨付けと加工の訓練を行いました。

これまで取り扱っていた木材は、断面が正方形や長方形の真っ直ぐな材だったのに対し、丸太材は断面の形が八角形で木材も湾曲しています。
そのため、材料の中心に線を描く作業である芯済みでさえ、これまでの訓練で経験してきた内容と大きく変わります。

丸太材への墨付け加工 芯出し作業

 

また、電動かんなや釿(ちょうな)、丸太を受ける材には大入れルーターなど、工具の使い方も習得しました。

電動かんな作業 ちょうな作業
大入れルーター作業 大入れルーター後

 


 

丸太材の練習が終了すると、いよいよ新模擬家屋の材料へ墨付け作業が始まりました。

今回の墨付け作業は、訓練生一人ひとりに担当を割り振り、各訓練生個人が自分の担当材を責任をもって墨付けていきました。

これまでの訓練の集大成ともなる課題ですので、皆で協力しないと期日までに模擬家屋が建てられない可能性もあります。そのため、どの訓練生も積極的に課題に取り組んでいました。

図面確認 墨付け作業1 墨付け作業2

 11月

新旧模擬家屋

今月は、9月に訓練生たちが考えた新しい模擬家屋の10分の1スケールの模型作製を行いました。

これまで計画や図面作成をおこなってきた模擬家屋を、いざ模型として形にするとなるとわからないことも多く出て来て、常に図面で確かめながらチームで話し合いを重ね作製していきました。

数か月後には実物大で建てる家屋ということで、模型として形が完成に近づくにつれて訓練生たちの理解が深まっていきました。

1階床作成 2階床作成
小屋(屋根)作成 完成


実物大の模擬家屋(2階建て)では、去年の訓練生が作成した和室の床を洋室の床にするリフォーム実習を行いました。
既存の床の上に新しい床を作成する実習で、現場の大工さんが実際に行う技も習得しました。

床リフォーム フローリング施工


その後は模擬家屋の解体を行うこととなり、初めて作業用足場に上がる訓練生も多く、慣れない高さでの作業でしたが、大工になりたいという志を胸に訓練生は積極的に作業に没頭していました。
一連の解体過程を通して、部材同士の組み方や自分たちが建てる模擬家屋との違いを学びました。

足場組立 屋根解体 解体作業


解体後の材料は、この後墨付けの練習や別の課題の練習に活用していきます。

解体後の材料

 10月

測量実習と廻り階段

今月は、外部から講師をお呼びして測量実習を行いました。
現場でも使用される測量機器を使用し、距離や高さ、角度などを測定しました。

まずは実習場にて、測量機器の据付方法や使用方法を習得しました。

距離測量 レベル(高さの測量)


これまで使用した大工用工具などとは使い方が全く違うため、1から勉強しながら指定された範囲を測量し、その後誤差を算出し、自分たちが正確に測れていたかどうかを確認しました。

その後の実習のまとめでは、測量機器を使用し校内の敷地にて「遣り方」の実習を行いました。

セオドライト(角度の測量) 遣り方実習

「遣り方」とは

建築物を建てる前に敷地に建築物の中心や壁の位置を出すために行う工程のことを言います。
 


大工実習では、廻り階段の作成を行いました。

階段の展開図を作図しパーツの割出し方を習得し、材料を加工しました。帯のこや溝切カッターなど新しい木工機械の使用方法を、廻り階段の実習を通して習得しました。

階段の展開図と材料 溝切カッター加工 帯鋸加工


木工機械を使用する際は、手工具以上に安全には充分注意して作業を行っており、訓練生も訓練を通して安全な使い方を習得しています。

今回の実習では小型の廻り階段を作成しましたが、訓練生たちは次の課題となる模擬家屋実習で本格的な廻り階段を作成するため、今回習得した基本を存分に活かしてほしいと思います。

完成品

 9月

模擬家屋と大工技能士2級

今月からは、いよいよ模擬家屋に関しての訓練がスタートしました。

まずは訓練生たちが皆で話し合い、自分たちが学びたいことについて意見を出し合います。
間取りや屋根について自分たちが実際に作って学んでみたいと思う理想形へと、訓練生が主体となって形にしていきます。
過去の訓練生が作った家屋模型を参考にしながら家屋の構造なども考えていきます。

イメージが構築できたらCADで図面を作成し、その後は必要な木材の数などを拾い出ししました。模擬家屋の訓練を通して、設計から施工までの一連の流れを習得してもらいます。

訓練生主体で家屋設計 指導員と一緒に材料の確認 過去の模型と図面を比較
過去の模型を参考に理解を
深める
プランを元に図面作成 図面作成中も意見を出し合う


実習では、大工の技能検定2級の過去の課題に挑戦しました。

7月の3級挑戦から数ヶ月でワンランク上の課題に挑戦することで、自分たちの技術が向上していることを実感してもらいます。
2級の課題は、これまでのどの課題より難易度が高く訓練生たちも苦戦していましたが、一人一個ずつ材料の展開図作図から材料の下ごしらえ、加工組立までを体験し改めて大工技術の大変さ、奥深さを実感しました。

希望者は1月に技能検定試験2級を受験できますが、今年は課題が変更されるということで、尚一層の訓練が必要になります。チャレンジする訓練生には、何度も練習を重ねて資格を取得し、今後の就労へと活かしていってもらいたいです。

材料の展開図の作図 材料への墨付け 鉋を使用し斜めに削る
材料を指定の大きさまで削る 組立て 仕上げ

 8月

隅木課題、電動工具、品質管理

今月の実習では、寄棟屋根に使われる隅木の加工と組立てがメインとなります。

先月習得した、技能検定での知識や技術・技能を応用して取り組む課題になっており難易度も高く、訓練生たちは一つひとつ悩みながらも何度も講師に質問したり、訓練生間で教えあったりして、自分のものにしようと切磋琢磨していました。

かんな削りやのこぎりでの切断もこれまでと違い斜めに加工するものが多くなっており、訓練生たちもコツを見つけることに苦労していましたが、手工具の使い方に次第に慣れてきて自分なりのコツをつかんで加工していました。

隅木課題 訓練生同士で教えあって
理解を深めている
理解できるまで質問
のこぎり加工 かんな削り加工


8月は2週間夏休みがあり、休み明けにはまず「品質管理」に関するオンライン訓練がありました。
これまで就労経験のない訓練生もいるため、働きはじめたら「品質管理」の訓練で学んだことをぜひとも常に心がけていってもらいたいです。

実習ではこれまでは全て手加工で行ってましたが、夏休み明けからは電動工具を使い始めました。

初めて触れる電動工具に怯える訓練生もいましたが、安全な使用方法や危険行為などの注意説明を聞き、少しずつ電動工具に触れる時間を増やし慣れていってもらいます。

手工具も電動工具もまずは、安全な使用方法を身につけることが何よりも大切ですので、訓練生には完璧に習得してもらいます。

2
オンライン訓練
3 4
インパクトドリルでの穴あけ 電動丸鋸での切断

 7月

技能検定に向けて

今月は、いよいよ国家資格の大工の技能検定3級があります。

月の初めに学科試験そして月末に実技試験があり、訓練生にとっては日頃の訓練の成果を試すことのできる大切な試験です。

実技試験課題


学科試験前には、みな過去問を何度も解いては間違えたところを復習して、建築の知識を身につけていきました。
学科試験後は実技試験にむけて毎日実習をがんばりました。

最初は、1日かかっていた課題も何度も何度も練習することで試験時間内(2時間45分)に完成できる訓練生が、日に日に増えていきました。

図面を見ながら何度も
作成
外部講師(大工の棟梁)
からアドバイス
指導員も含めて2人
からアドバイス


練習の中で訓練生一人一人が、カンやコツを身につけていったり他の訓練生と相談しあって1秒でも早くかつ綺麗に課題を完成させられるように毎日がんばりました。
また、これまで習った道具の手入れの仕方をもとに実技試験当日は、道具たちも万全の状態で迎えました。

道具の状況の確認 道具のメンテナンス

 

 6月

本格的な加工と3DCAD

今月からは、木材に加工の線などを書く「墨付け」、のこやのみを使用した「加工」、玄能や釘を使用した「組立」の練習を始めました。

目標としては、7月末に行われる技能検定3級建築大工(大工工事作業)の合格を目指しています。


まずは「墨付け作業」からです。
試験問題の図面を読み取って木材に加工用の線を書く作業ですが、初めての本格的な墨付けに訓練生たちは悩みながら取り組んでいました。

試験問題には全ての寸法(長さ)が記入されているわけではないため、この訓練を通して図面を読み取る能力も身につけてもらっています。

図面を見ながらの墨付け作業


墨付け作業が終わると大工用工具を使用した「加工」作業が始まります。
先月練習したほぞ穴加工だけではなく、他にも様々な加工があるため訓練生たちは常に手を動かしながら、毎日実習を頑張っています。

鉋掛け作業 のこ引き作業 のみ加工作業


全ての加工が終了するといよいよ組立ての工程です。
自分で加工したものを組み立てることで自分の加工の精度を確認することができ、次回やるときはどこに注意したらいいのかも自分の目で確認することができます。

また実習では、完成したあとは解体してすぐ廃棄するのではなく、材料の余っているスペースを使って何度も加工の練習をしてもらっています。

組立て作業 完成後の確認作業


訓練は、実習だけではなくPCの訓練も同時進行しています。

入校して2か月間はCAD訓練を行って一通りの図面を作成していきました。

今月は3Dソフトであるマイホームデザイナーを使用しデザイン設計の訓練を行っていきました。部屋を配置すると自動的に3Dを作成し、さらに壁紙や外壁などもボタン一つで簡単に変更してくれるソフトです。

訓練生にはソフトの使い方はもちろん、デザイン設計の楽しさや立体的にものを見る能力を身につけていってもらっています。

間取り作成作業 内装作業
和室編集作業 外観作業

 5月

一人前の職人になるために

先月の鉋(かんな)の刃研ぎに引き続き、今月もまずは大工道具を自分で手入れできるようになるための実習を行ってきました。

どんな道具も準備をしっかりとおこなっていないと、道具の良さを100%発揮することができません。

また刃物類は使用していると切れ味がどんどん落ちてきてしまいます。そのため訓練生たちには、自分たちの道具を今後1年間使用していくことになるため、自分たちで手入れができるようになってもらいます。

まずは、鉋の台の調整です。鉋台は、木製であり気温や気候、湿度の影響を受けて常に変形してしまいます。どれだけきれいに砥いだ鉋の刃を使用したとしても鉋台が狂っていては、木をまともに削ることができません。
そこで訓練生たちには、自分たちの鉋台一つ一つを確認しながら手入れ方法を習得してもらいました。

鉋の刃研ぎも終わり、鉋台の修正も終了したらいよいよ鉋削りの練習です。
鉋削りでは、刃の出し加減がとても重要です。どれだけ薄く鉋削りできるかを競う大会が毎年開かれており、その記録を聞いた訓練生たちも誰よりも薄く削ろうと切磋琢磨していました。

鉋台の確認 鉋台修正作業
鉋削り作業 鉋屑の厚み確認


他にも大工の筆記用具になる墨さしの作成や墨壺の修正、のみ研ぎなども習得し常に自分が使用する道具は自分たちで手入れができるようになってもらいます。

一通りの手入れ方法を学んだらいよいよメンテナンスした工具を使用しての加工訓練です。
今回はのみと呼ばれる手工具を使用し、柱材などを差し込むほぞ穴の加工に挑戦しています。

加工の練習の時には、カンコツだけではなく安全に関しても徹底的に周知しながら習得してもらいました。

生徒の中には、作業が終わると自ら進んでのみとぎを行う生徒もおり、常に向上心をもって一人前の職人を目指してもらいたいと思います。

すみさし作成 のみ研ぎ作業
指導員による実演(ほぞ穴の加工) ほぞ穴の加工

 4月

訓練開始【砥ぎもんとCAD】

4月15日に入校式が行われ、住建築・リフォーム科では20名が入校しました。
訓練生のみなさん、ご家族の皆様、また企業の皆様方、リニューアルされて2年目の住建築・リフォーム科をどうぞよろしくお願いいたします。

4月から行っている訓練は主に2つ。
1つ目の訓練は、実習実技の「刃物研ぎ(鉋等)」です。

業界では「研ぎもん」と呼ばれる重要な過程です。練習用の鉋(かんな)の刃を、使えるような形状に仕上げる訓練です。ほとんどの訓練生が大工道具を初めて触るため安全第一で取り組んでいきました。

訓練生の中には、わからないことや難しいことなどで壁に突き当たる訓練生もいたと思いますが、指導員に積極的にアドバイスを求めにきたり訓練生同士でコミュニケーションを図りながら切磋琢磨し、少しずつ腕を磨いています。

「砥ぎもん」は建築業界では基礎であり、就職後に集中して練習する時間はなかなかとれないので、訓練の中でしっかりと練習し即戦力の「砥ぎもん」を目指して欲しいと思います。

刃物研ぎ作業(鉋刃) 砥石修正作業
鉋(木の表面を削る大工用道具) 指導員による刃の出し具合のチェック


2つ目の訓練は、パソコンによるCADの訓練です。

今年度からCADや3Dを得意とする指導員が配属となりましたので、訓練生には早くからCADに触れることでより多くの図面を作成し即戦力のCADの能力を身につけてもらいます。

まず4月は、様々なコマンドの使い方を習得します。

図面を作成するときにすべてのコマンドを使用しないといけないわけではないのですが、多くのコマンドを知っていることにより、より早く図面を作成することができるようになるために訓練生は一つ一つのコマンドの使い方や応用方法などを習得しています。

今後は、木造住宅の図面や建築CAD検定にむけた図面などにも挑戦していってもらおうと思います。

パソコン室でのCAD訓練

 

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商工労働観光部京都高等技術専門校

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