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「京都の出版社に聞く」開催報告(第6回)

京都府立京都学・歴彩館では、今年度、京都の出版社の方に、自社のことや刊行している出版物のこと、ご自身の日々の仕事内容等についてご講演いただく、「京都の出版社に聞く」を開催しています。第6回目として、日本華道社の方をお招きして開催しました。

  • 日時
    平成30年12月21日(金曜日)18時30分~20時00分
  • 場所
    京都府立京都学・歴彩館1階 小ホール
  • 参加者数
    22名
  • 内容
    (1)講演 日本華道社 編集部編集長代理 橋本武尚氏
    池坊の出版の歴史、日本華道社の歩みをお話いただいたあと、刊行している『華道』、『ざ・いけのぼう』の誌面製作の話などをしていただきました。
    日本華道社は、昭和19(1944)年、華道家元池坊華務課編集部発行の『華道』と、華乃栞社発行の『華乃栞』が統合され、新生『華道』を発行するにあたり組織されました。その後、株式会社となり、現在は、出版業務のほか、華道具、花器の仕入れ・販売等も行っています。
    主な出版物として、雑誌の『華道』『ざ・いけのぼう』があります。前者は上級者向け、後者は初心者向けとなっており、どちらも主に門弟向けの雑誌です。
    華道雑誌ならではの誌面づくりの特色として、冬に夏の花は入手できるが、夏に冬の花は手に入らないため、1年前の同時期に作品を撮影し、翌年掲載することにしたことなどを話してくださいました。
    掲載しているいけばなの写真は、大判カメラで撮影し、デジタル画像ではなくフィルムで色を確認したり調整することで、誌面でできるだけ忠実に作品を再現できるよう工夫しているとのお話もありました。
     雑誌全般の特徴として、製本・裁断の都合上、誌面は16の倍数または8の倍数になっていることなど、裁断前の現物を見せながら話してくださいました。
    また、池坊のいけばなには「立花(りっか)」「生花(しょうか)」「自由花(じゆうか)」の3つの型があり、それぞれの特徴を説明いただくとともに、それぞれの型で生けていただいた作品を、館内3カ所に展示していただきました。

    (2)展示資料自由閲覧
    『華道』『ざ・いけのぼう』の節目の号等を展示しました。また、華道に関する出版図書を展示して、閲覧していただきました。
    日本華道社様が持参された、大判カメラで撮影した写真やフィルム原板、裁断前の紙面も展示し、参加者が興味深く閲覧されていました。
  • 当日の様子
    「いけばなの展示や雑誌を拝見しながら、華道専門の出版社ならではのお話をお聞きできてよかった」、「華道のことは全くわからなかったのですが、先生の説明が分かりやすくて理解しやすかった」などご好評いただきました。

 

講演の様子
展示資料閲覧の様子

 

館内に展示したいけばな作品
  

お問い合わせ

文化生活部文化政策室 京都学・歴彩館

京都市左京区下鴨半木町1-29

ファックス:075-791-9466

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