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「京都の出版社に聞く」開催報告(第7回)

京都府立京都学・歴彩館では、今年度、京都の出版社の方に、自社のことや刊行している出版物のこと、ご自身の日々の仕事内容等についてご講演いただく、「京都の出版社に聞く」を開催しています。第7回目として、ミネルヴァ書房の方をお招きして開催しましたので、下記のとおり報告します。

  • 日時
    平成31年2月22日(金曜)18時30分~20時00分
  • 場所
    京都府立京都学・歴彩館1階 小ホール
  • 参加者数
    46名
  • 内容
    (1)講演 ミネルヴァ書房 代表取締役 杉田啓三氏
    ミネルヴァ書房では、人文社会科学全般にわたる資料を年間300点ほど出版しています。
    ミネルヴァ書房としての新刊と重版の出版の割合の理想は、1:2ですが、現在は新刊点数が多いため半々になっています。
    編集とは無から形有るものを生み出すことでありとても面白いです。出したいものが売れれば問題ないですが、いいものだから売れるものでもなく、真理がどこにあるかは分からないですが、誇りを持っていいものを作ろうというエネルギーと情熱を持っています。ただし、編集とは特別なものではなく、全ての人は編集者で、日々の生活の中で選択したり編集したりしているとも言えます。
    出版業のルーツは京都です。江戸初期、業としての出版業は上方で始まりました。現在、日本書籍出版協会に所属する出版社は、東京が352社なのに対し、京都は40社です。
    東京にはあらゆるものがあり、京都は離れていることによるマイナス点はありますが、めまぐるしい情報の渦から一定の距離をとることができ、いいものをつくることができるというプラス面もあります。
    ミネルヴァ書房では、自社の得手を徹底して追求して出版をしています。大学等での教科書に加えて専門書や一般書を刊行しています。教科書が安定することで専門書が出せるという、両輪になっています。
    現在教科書と専門書の出版点数割合は半々となっていますが、6:4にしたいと考えています。専門書は若手研究者を育てたり、成果を発表する受け皿として重要なので、今後もどちらも点数はしっかりと出版していきたいと考えています。
  • 当日の様子
    『ミネルヴァ日本人物評伝選』、『石川九楊著作集』など当館所蔵資料を展示するとともに、ミネルヴァ書房様からお借りした社会福祉の資料や児童書等も展示し、参加者は熱心に閲覧していました。
講演の様子
出版社に聞くミネルヴァ1  出版社に聞くミネルヴァ2
 展示資料閲覧の様子
出版社に聞くミネルヴァ3

 

お問い合わせ

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