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(令和8年7月8日 産業振興課 関西)


令和6年度起業支援事業費補助金を活用された龍岡さんが、株式会社トライウインドを起業され、オンライン診療アプリを開発されました。
―龍岡さんは現役の医師として病院で勤務されているそうですが、なぜ今回起業されることになったのですか?
龍岡)私は内科全般と糖尿病の医師として総合病院等で診察していますが、新型コロナウイルス感染症への対策として電話や情報通信機器を用いた診療や服薬指導が特例で可能になり、その利便性に気が付いたことがきっかけです。電話診療は発熱時にあまり外出したくない患者のニーズに合っていたほか、遠隔で治療を行えたために医療崩壊を防ぐことができました。このような経験から、デジタルを活用し、患者によって診療方法を分けることで、患者・医療機関の双方にメリットのある診療体制が構築できるのではないかと考えました。
コロナ禍の特例措置は令和6年3月末で終了しましたが、その前後から厚生労働省はオンライン診療等の遠隔医療を推進しています。医師として従事する中で、周囲の医師からのニーズが高いこともあり、オンライン診療サービスを提供するために起業することにしたのです。
―医師として医療現場で働かれているからこその課題ですね。どのような方が主にオンライン診療の対象となるのですか?
龍岡)私が現在、大きく分けて2種類の患者さんを想定しています。
まずは、仕事が忙しく、病院に行く時間がなかなか取れない世代です。例えば、生活習慣病のため継続的に受診する必要があるものの、仕事のためそれが難しい方には、オンライン診療を活用いただくことで効果的な医療を受けていただけます。
また、医師や診療科が偏在しており、十分な医療が受けられない地方に住む患者さんにもご活用いただけると考えています。京都府は南北に長く、また人口の多くが京都市周辺に集中していること等から、地方において医師や診療科の種類が少ない現状があります。そこで、地域の住民や自治体と連携し、オンライン診療を普及させることで、過疎地域に不足している医療を提供することができるのです。
このような診療体制を構築することで、患者さんだけではなく医療従事者の働き方改革にも繋がると考えています。
―「医療従事者の働き方改革」とは具体的にどのようなことでしょうか。
龍岡)医師や看護師等の資格や従事経験はあるものの、育児や介護等、家庭の事情で「働きたくても働けない」方々が一定数いらっしゃいます。一般的な外来診療では対応する時間が決まっているため、働くことが難しいのです。一方、オンライン診療であれば、患者さんの希望する時間帯に対応可能な医療従事者が診療をするなど、柔軟な働き方が可能になります。
全ての病気や患者さんをオンラインで診療するのではなく、必ず受診しなければならない方以外は必要に応じてオンライン診療を活用いただくことにより、患者・医療従事者双方にとって良い医療体制を作れると考えたのです。
―今回開発されたオンライン診療アプリの特徴を教えてください。
龍岡)今回開発したサービスでは、オンラインでありながらも「顔の見える関係」を重視しています。これは、特に遠隔地医療をオンラインで対応する場合、サービスの提供者が地域現場に密着し、サポートを行えるようにすることが重要であり、質の高い医療を提供するためには不可欠だからです。
私は、地域間の診療の格差をなくしていきたいと考えており、自分・サービスの顧客・社会の3者全てが幸せになるような、「三方よし」の経営を目指しています。
―最後に、今後の展望を教えてください。
龍岡)まずは、知人の病院での導入から始め、対象とする診療科や医療機関を拡大していく予定です。
現在は診療をオンライン化するサービスを開発していますが、将来的には診療から薬局まで繋げることで、オンラインでの受診後、薬をコンビニや薬局で受け取れる体制を作りたいと考えています。また、オンライン受診とはやや異なりますが、タクシー配車アプリのように、受診したいときに近くで診療を行っている病院を調べられるようなシステムを作ることが理想です。
―今後の展開が楽しみです!
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