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青年海外緑と文化の大使レポート(セネガル)


新堀 春輔(出身:京都市) 平成19年度1次隊(職種:青少年活動)

 西アフリカの国セネガルに赴任して半年が経ちました。
セネガルは西アフリカの中ではもっとも発展している国で、日本でもワールドカップやパリ・ダカールラリー(ゴールのダカールはセネガルの首都です)で名前を知られている国です。


 しかしながら、裕福層と貧困層の差は大きく、教育や保健衛生、またエネルギーにおいて多くの問題を抱えています。
最初に首都のダカールを見たときの単純な感想は「想像以上に発展している」でしたが、ダカール郊外、他の町、そして農村を見ていく中で大きな格差のあることに気づきました。
例えば、首都ダカールでは学校も多くあり、セネガル全国に2つしかない大学もあります。電気や上下水道も完備されています。また、観光客(主にヨーロッパからの)も多いためホテルやレストランも近代的できれいなものが多くあります。
 これに対し他の町や農村では、学校まで何キロも歩いて通わなければならなかったり、家の手伝いや教育費などの問題で小学校に通えなかったり、中退したりする子どもが多くいます。電気も上下水道もない村もあれば、比較的大きな都市でも停電・断水が頻繁に起こります。また、近年都市部ではゴミの問題(きちんとしたゴミの回収・処理のシステムが整っていない都市が多い)や、残念なことに貧しさからの犯罪が増えてきています。


 セネガルの人々の印象は、最初はあまりよくありませんでした。すれ違うたびに「シノア(中国人)!!」「チンチョンチャンチョン!!(中国人のしゃべり方を真似している?)」「チュバップ(白人)!!」と叫ばれ、振り向けば「お金をくれ!」「物をくれ!」といわれる会話ばかりでした。そういうセネガル人に最初は少しいらいらしながらも、事情がわかるにつれて、また自分自身がそう呼ばれることに少し慣れて、あまり気にしなくなりました。
 セネガル人の多くは親切で話好きです。残念ながら、からかったりバカにしたりするために「中国人!」と声をかけてくる人もいますが、多くは“話をするためのきっかけとして”そう声をかけてくるようです。なぜ「中国人!」なのかというと、セネガルではアジア=中国映画(カンフー)のイメージが強いからのようです。


 こういったセネガル人とはじっくり話をしてみると、友好的で「中国人ではなく日本人だよ。ボランティアでセネガルの幼稚園で働いているんだ。」と説明すれば理解をしてくれます。また、少し話をしただけの関係でも、「昼食においでよ!」と声をかけてくれ、必ずしも裕福でなく家族みんなが十分に食べられるだけの食事がなくても、食事に招待してくれます。そして、ひとつのお皿の料理をみんなで囲んで仲良く食べます。セネガルではイスラム教の教えの中に、“あるものをみんなで分ける”という考えがあり、それをすることでその家族は満足するのだそうです。また、食後にはお茶の時間があり、長いと2時間以上かけてゆっくりお茶を入れながら、話をします。こういったゆっくりと話をする時間をセネガル人はとても大切にしているようです。

 このような国、セネガルで、今僕は幼稚園で活動をしています。
 小学校の教育でさえまだ満足のいかない国ですが、近年では就学前教育にも力を入れだしています。
日本人の僕からみれば、問題だらけ(体罰や授業放棄・子どもの放置など)ですが、これからあと1年半、のんびりしたセネガル人たちと一緒にあせらずに活動をしていくつもりです。

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