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青年海外緑と文化の大使レポート(セネガル)

新堀 春輔(出身:京都市) 平成19年度1次隊(職種:青少年活動)

セネガルにきて早1年が過ぎました。隊員としての任期は2年間ですので折り返し地点です。
今回はセネガルの伝統文化・生活・自然について、この1年間で見たり感じたりした範囲ですがお伝えしたいと思います。

 セネガルは1960年にフランスから独立した国です。ですので公用語はフランス語ですが、多くの民族があるため多くの民族語があります。僕も活動先ではウォロフ語という言葉を使っています。宗教はイスラム教がほとんどで9割以上、キリスト教は少数ですがいます。
 セネガル人は祭り好きです。結婚式や赤ちゃんの命名式など家族・親戚・友人のお祝い祭もそうですが、大きな祭としては、断食月(ラマダン)後の祭(コリテ)、正月、イスラム教の犠牲祭(タバスキ)などがあります。祭の時期は毎年変わりますが(太陰暦)、去年は犠牲祭・クリスマス(ノエル)・正月と短期間に集中していたので12月~1月はほとんど祭モードになっていました。祭の準備の為に何日も仕事を休む人もいるほどです。

「クリスマス?」と思われる方もいるかと思います。セネガルではクリスマスは祝日です。サンタクロース(パパ・ノエル)も子ども達はみんな知っています。このように、主にイスラム教の文化に他の国や宗教の影響が浸透してきているのがセネガルの文化ではないかと思います。

   写真左 コリテ、子ども達もきれいな格好をしています。
   写真中央・右 タバスキ、各家で羊をさばき家族集まって食べます。


また、最初に、セネガルには多くの民族がいると言いました。主な民族としてはフォロフ族、セレール族、プル族、ジョーラ族などでそれぞれの民族語があります。
昔は、民族毎にそれぞれ主な職業が決まっていたそうです。また同じ民族でも名字で「この人は元は木工職人の家系だ」とかが分かるそうです。


セネガルで活動している隊員はほぼ全員セネガル名があります。赴任してすぐ語学研修に入りその間ホームステイさせていただくセネガル人家庭から名前をもらいます。日本人の名前は発音が難しいのでだいたいみんなセネガル名で活動しています。セネガル人との挨拶の中で「その名字は金属細工の家系でしかも下級だ!」などの会話を聞いたりします。この「下級」とか「○○家はだめだ!」というのは実際昔はそうだったのかもしれませんが今は冗談の範囲で言われているようです。だからそれで喧嘩になるようなことはありません。多民族・多言語の国だからこそこうなったのではないかと思います。

 さて、セネガル人の生活ですが非常にのんびりしています。食後のお茶は3回(3杯飲みます)、家庭によりますが長いと2時間くらいかかります。そして食後の昼寝も忘れません。掃除や食事の準備などの家事は女性の仕事、お茶をいれ飲みながら何時間も話しているのは男性です。民族や名字で職業が分かれていたように、男女子どもの役割もだいたい決まっているようです。

    写真 お茶を入れている様子


食事は昼食に一番重点を置いていて、朝・夜は比較的簡単にすませます。
昼食として食べるのは多くはお米です。米と魚を組み合わせたチェブジェン(チェブ=米、ジェン=魚 の意味です)が人気があります。昼食時は学校も長い休憩があって子ども達も自分の家に帰って食べることが多いです。また食事を食べるときは家族で大きなお皿一枚を囲んで手で食べます。
また、日本人からしたら考えられないことかもしれないですが、暑い時間は仕事を極力しません。セネガル人はのんびりと無理のない範囲で生活をしています。

最後にセネガルの自然についてです。セネガルを地図で探していただくと西アフリカの海辺の国であることがおわかりいただけると思います。
海辺には漁港やヨーロッパの人がバカンスにくるようなリゾートやビーチがあります。
川も北部と南部にのみあります(どちらも国境沿)。ですので、川沿い・海沿いと内陸とでは景色は全然違います。
雨季と乾季があり、雨季になると内陸の地域も一面緑になりますが、乾季はどこまでいっても茶色です。セネガルには山という山もないので景色はどこまでいっても同じに見えます。また乾季の砂はすごくて、何度掃いても家が砂だらけになります。
セネガル人がのんびりと無理をしないのはこういった厳しい環境が理由かもしれません。
よく「アフリカといえば野生動物」、と言われますが残念ながらセネガルにはアフリカらしい野生動物はほとんどいません。
「セネガルといえば」を挙げるとしたら「バオバブの木」でしょうか。星の王子様にでてくる木です。変わった形をしていて最初に見たときは印象的でした。
乾燥した土地にしっかりと根をおろしている姿には圧倒されます。セネガルではこのバオバブの木の実をジュースにしたりして飲みます。
また、内海のあるところにいくとマングローブ林を見ることも出来ます。

以上、簡単ですがセネガルの伝統文化・生活・自然についてお伝えしました。
こうやって改めて書いてみることで国の文化・生活・自然は切っても切れないつながりがあるのだと感じます。
残りの1年でもっと深く知ることが出来たらと思います。

写真 バオバブの木

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