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スマートフォンなどの情報端末の普及により、インターネット利用者の低年齢化が進んでいます。また、GIGAスクール構想により、小学生、中学生は一人に一台ずつ端末が貸与されました。学校の授業だけではなく、家で宿題に使ったり、連絡事項の伝達に使われたりするなど、子どもが家庭で端末を使うことが当たり前になりました。
このような時代を迎え、これからは子ども自身がインターネットの使い方を考え、選択し、困ったときには大人に相談できる能力を身につける必要がありますが、普段、子どもがインターネットを何にどのくらい使っているのか、保護者の方は家庭でどのように関わっているのかを調べるため本アンケート調査を行いました。
令和3年5月上旬から6月下旬にかけて府内の中学生、高校生とその保護者の方を対象にアンケートを行ったところ、合計9,565件(生徒の回答:5,883件、保護者の回答:3,682件)の回答をいただきました。
回答いただいた生徒の皆さん、保護者の皆さん大変ありがとうございました。
アンケート調査の結果、保護者と子どもでインターネットのルールの有無や、保護者のインターネット利用の心構えなどが子どものインターネットの利用に影響していると思われる結果となりました。
保護者がインターネットの適切な利用を心がけている場合と心がけていない場合の子どものインターネット利用時間を比較したところ、保護者が適切な利用を心がけている場合は、適切な利用を心がけていない場合と比べて長時間利用する子どもの割合が低いことが分かりました。
家庭でのインターネットのルールを作る際に話し合いがあった場合となかった場合で、子どもがルールを守っているのか比較したところ、ルールを一度も破ったことがない子は、話し合いがあった場合よりなかった場合の方が割合が高いという結果になりました。
このような結果になったのは、話し合いの中で子どもの意見を反映していない一方的なルールを押しつけられたためではないかと思われますが、推測の域を出ていません。
インターネットのルールがある家庭とない家庭の、子どもインターネット使用時間を比較したところ、ルールがない家庭の子どもは、ルールのある家庭の子どもより長時間使用の割合が高いことが分かりました。
子どもが、インターネットで知り合った人と会うことについて、インターネットのルールの有無がどう影響するのか比較したところ、ルールがない場合の方の割合が高くなっていることが分かりました。
ご覧いただいたとおり、保護者の姿勢や家庭でのルールの有無などが、子どものインターネットの使い方にもある程度影響を及ぼしていることがお分かりいただけたと思います。
この他にも、アンケートからは、子どものインターネットの使用状況を把握していない、スクリーンタイムやフィルタリングの機能を理解していない保護者の割合が4割を占めていることも分かりました。
また、子どもの半数はインターネットでトラブルになった場合は保護者に相談するとしていることが分かりました。
京都府では、青少年のメディアリテラシーと情報モラルの向上を目的として、毎年「青少年いいねット京フォーラム」を開催していますが、今年度のフォーラムでは、参加した生徒の皆さんやパネリストの皆さんの両方から、「大人と子どもが話し合ってルールを決めることが大切」という意見が多かったように思います。
また、「保護者も自分達の使い方を見直してほしい」とか、「保護者向けの講習をしてほしい」という意見もありました。
子どもは保護者の姿を見て育ちます。保護者の方は今一度ご自身のインターネットの使い方を見直して、お子さんの良い手本になっていただきたいと思います。
そして、これまでお子さんのインターネットの利用状況や、スクリーンタイムやフィルタリングなどの機能をご存じなかった保護者の方は、お子さんから相談を受けた時に一緒に考えてあげられるよう、お子さんが普段からよく使うアプリや、未成年者を狙った犯罪やトラブルなどについて関心を持っていただきたいと思います。
家庭でのルールづくりは保護者から一方的に押しつけるのではなく、お互い意見を出しながら話し合うと、お互いに理解が深まるのではないでしょうか。
令和3年度「青少年いいねット京フォーラム」の様子
令和3年度「青少年いいねット京フォーラム」の詳細はこちらから
本アンケートでは、ギガスクール構想によって小学生、中学生に端末が貸与されたことの良かった点、悪かった点についても回答してもらいました。
アンケートの時期が端末が貸与されて間がなかったこともあり、「まだ家に持って帰っていない」等の回答が多かったのですが、これらの回答を除いた主な回答についてまとめてみました。
回答いただいたアンケートは、校種別(中学、高校)、生徒、保護者別にまとめましたので、必要な方は下のリンクから自由にダウンロードしてください。
青少年のメディアリテラシーと情報モラルの向上を目的とした動画も制作しています。
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