ここから本文です。
令和8年7月27日(月曜日)午後3時から同4時30分まで
京都府医師会館会議室「212・213」※WEBも併用
(出席委員)
松井道宣、山田香、髙月裕子、谷口浩之、柏木佳久、水野加余子、坂野晴男、河合美香、木村祐子、中西純司、藤林真美、松永敬子、福田千紗、城野瑞穂、小国久美、小南直美、萩原孝一、野村宗平18名
(欠席委員)
野川晋司、馬場正実2名
(事務局)
相馬指導部長、井上保健体育課長他事務局19名
(1)開会
(2)あいさつ(会長)
(3)報告事項
今年度の事業報告について
第2期京都府スポーツ推進計画の取組状況について
主な取組事業
情報提供(ワールドマスターズゲームズ2027関西)
(4)協議事項
「第2期京都府スポーツ推進計画」の具現化に向けて
各分野でのスポーツの現状と目指すべき方向性について
(5)閉会あいさつ(相馬指導部長)
【説明(事務局:井上保健体育課長)】
第2期京都府スポーツ推進計画の取組状況、主な取組事業について説明
【質疑応答】
特になし
【情報提供(事務局:佐々木スポーツ振興課長)】
ワールドマスターズゲームズ2027関西について説明
【質疑応答】
特になし
【説明(事務局:金見総括指導主事兼係長)】
中間年改定を見据え、各分野でのスポーツの現状と目指す方向性について説明
【質疑応答】
〇委員
スポーツの振興を図るためには、多くの方々に参加していただくことが重要である。そのためには、口腔の健康や口腔機能の維持が欠かせない。口腔機能が低下すると全身の健康にも影響を及ぼすことから、その重要性について広く周知していく必要があると考えている。また、スポーツ活動においてパフォーマンスを維持するためには、けがの予防が重要である。歯科医師会の取組の一つとして、スポーツ用マウスピースの活用が有効であると考えており、中学生や高校生をはじめとする若い世代に対して、その必要性や効果について啓発していきたいと考えている。さらに、子どもの運動能力と噛み合わせや咀嚼力には関連があるとされていることから、幼児期から適切な口腔環境を整えることが重要である。保護者や幼児教育・保育に関わる関係者に対して、噛み合わせの重要性について積極的に情報発信していきたいと考えている。
委員
スポーツ推進協議会の一員として、生涯スポーツの推進を中心に活動している。子どもから高齢者まで、誰もが参加できるスポーツの普及を目指し、新たに考案されるスポーツやレクリエーション活動について研究大会等を開催し、その内容を地域住民の皆様に広く周知している。高齢者の間では、グラウンド・ゴルフやボッチャなどのスポーツが広く親しまれており、参加者も多く見られる。一方で、子どもたちについては、運動やスポーツに積極的に取り組む子どもとそうでない子どもの二極化が進んでいるように感じている。スポーツ協会関係者からも、サッカーや野球などのスポーツ少年団に所属する子どもの数が減少しているとの話を聞いている。地域によっては、小学校を卒業し、中学校で部活動に加入する際に、「日焼けをしたくない」という理由から、屋外競技の部活動を選択しない生徒がいると聞いている。さらに、中学校に空調設備が整備されたこともあり、生徒の関心が屋内競技に向かう傾向が見受けられている。こうした状況を踏まえ、今後のスポーツ活動がどのように変化していくのかについて懸念している。
委員
小学校においても、スポーツに対する子どもたちの意識の二極化が顕著に見られる。スポーツが好きな子どもは熱心に活動に取り組んでいる一方で、そうでない子どもとの差が広がっているように感じている。学校であいさつ運動を行っているが、朝、元気がなく下を向いて登校してくる子どもの中には、週末も含めてスポーツ活動に熱心に取り組み、疲労が蓄積していると思われる子どもが少なくない。そのような子どもたちが過度な負担によってスポーツを嫌いになったり、けがにつながったりすることがないよう願っている。一方で、スクリーンタイムの増加をはじめ、子どもたちを取り巻く環境は大きく変化しており、暑さの問題なども加わって、子どもたちが運動に親しむ機会の確保が難しくなっている現状がある。そのような中で、すべての子どもたちに平等に与えられているスポーツとの接点は、体育の授業や学校行事、休み時間の活動など、学校教育の場が中心になっていると考えている。こうした機会を充実させるためには、教員の指導力向上が不可欠である。しかしながら、学校現場では学力向上を目的として国語科や算数科の研究は盛んに行われている一方、体育科については、研究指定を受けた場合を除き、学校全体の研究テーマとして取り組まれることが少ないのが現状である。そのため、小学校体育連盟では陸上記録会などの事業を推進するとともに、日々の体育授業の充実にも力を入れている。特に若手教員に対して研修への積極的な参加を促し、陸上記録会などを通じて体を動かすことの楽しさや、スポーツに真剣に取り組む子どもたちの姿に触れてもらうことで、「体育は良いものだ」と実感し、日常の授業改善につなげていただきたいと考えている。
委員
第2期スポーツ推進計画の具現化に向けて、さまざまな事業を展開いただいていることに感謝申し上げる。その中で、私は「アスたまプロジェクト」に注目している。これまで、幼児期や小学校低学年の子どもたちを対象とした取組はあまり多くなかったように感じている。子どもの成長過程においては、その年代でしか育成しにくい能力もあると考えられるため、子どもたちの持つ可能性や能力を伸ばす機会として、積極的に事業を展開していただきたいと思う。また、事業を通じて得られた知見や成果については、府内全域へ広く普及できるような取組も進めていただきたいと考えている。一方で、高体連の立場から申し上げると、中学校部活動の地域展開については大きな関心とともに課題も感じている。地域展開が円滑に進めば、学校に部活動のない競技種目であっても活動機会を確保できることや、専門的な指導者から質の高い指導を受けられることなどの利点がある。しかしながら、現状では指導者の確保や活動場所への移動手段、さらには学校部活動とは異なり会費等の費用負担が生じることによる経済的格差の問題など、さまざまな課題があると認識している。こうした課題を一つ一つ解決しながら、すべての子どもたちが継続してスポーツに親しむことのできる環境を整備していくことが、私たちに求められていると考えている。今後の地域展開の状況について、引き続きしっかりと見守っていきたいと思う。
委員
近年の猛暑の影響により、屋外競技の競技人口の減少が懸念されている。特に、日焼けを避けたいという意識が若い世代を中心に広がっており、屋外で活動する部活動への入部者が減少している状況が見られる。また、京都府は全国的に見てもスポーツ施設が十分とは言えない状況にあると認識している。そのような環境の中にあっても、国民スポーツ大会等で上位の成績を収めてきたことは、選手や指導者をはじめとする関係者の大変な努力によるものと考えている。今後は、競技スポーツの振興やスポーツ参加人口の拡大を図るためにも、こうした関係者の努力を支える基盤として、スポーツ施設のさらなる整備・充実についても検討していただければありがたいと考えている。
委員
昨年度、日本パラスポーツ協会の助成事業の採択を受け、障害のある方々を対象に、水泳を楽しみながらスポーツに親しむ機会を提供する取組を開始した。事業の実施に当たっては、公的な施設等を活用し、様々な地域にて「みんなでプールを楽しもう」という趣旨のもと活動を行った。また、陸上競技については、北部地域の活性化を目的として、北部地域の陸上競技場において事業を実施しており、今年で3年目を迎えた。今年度についても助成申請が採択され、事業規模を拡充して実施することとなった。新たな取組として、スポーツクラブのプールを活用した事業を計画している。このように北部地域でのパラスポーツの普及・活性化に取り組んでいるが、現在は京都市を拠点とする関係団体のスタッフが中心となって運営を担っている状況である。そのため、現地までの移動に係る交通費や人的負担が大きな課題となっている。今後は、北部地域において指導者やスタッフを育成・確保し、地域の方々が中心となって継続的に活動を展開できる体制づくりを進めていきたい。
委員
まず、競技力の向上についてだが、他の委員からも発言があったように、少子化による子どもの人口減少が進んでいる。加えて、近年進められている部活動の地域展開が競技力向上にどのような影響を及ぼすのかについて注視している。一般的に、競技力の向上には競技人口の拡大が重要であり、運動やスポーツに取り組む人が増えることで競技の裾野が広がり、結果として競技レベルの向上にもつながると考えられる。そのため、少子化と部活動の地域展開が今後の競技力向上に与える影響については危惧しているところである。次に、健康づくりの観点についてだが、健康増進のためには運動が重要であり、これまで肥満予防を中心に啓発が行われてきた。しかし近年では、肥満だけでなく「やせ」の問題も社会的な課題となっている。やせていることが健康であるといった誤った認識が一部で見受けられるが、実際には過度なやせも健康リスクを伴う。特に若年層においては、体重減少を目的として医薬品を安易に使用するような事例も報告されており、健康上大きな問題となっている。こうした状況を踏まえ、肥満予防だけでなく、やせの危険性や適正な健康管理に関する啓発についても取り組んでいく必要があると考えている。最後に、先ほど報告のあった京都府民総合体育大会についてだが、これまで参加者が固定化する傾向があったとの説明だったが、今後、全世代型スポーツイベントとして新たな展開を図られることについて、大いに期待している。私自身、これまで本大会に深く関わる機会は無かったが、今後どのような形で発展していくのか関心を持っている。また、市町村や競技団体、それぞれの立場からどのように参画し、協力できるのかについても期待を寄せており、今後の展開を楽しみにしている。
委員
私は、小学生から中学生までのスポーツ選手を対象とした栄養管理に16年間継続して携わっており、高校生への指導も行っている。その立場から、「子どもを育むエンジョイスポーツ」に関連して意見を申し上げる。資料11ページに地域クラブ活動推進事業の具体的な内容が示されているが、これまで子どもたちの体力や運動能力については、学校の部活動の大会結果や新体力テストなどを通じて評価されてきたと認識している。今後、部活動の地域展開が進む中で、子どもたちの体力水準や運動能力がどのように維持・向上されていくのか、また、その成果や影響をどのように調査・評価していくのかについて大変関心を持っている。競技団体においては、少子化が進む中でも小学生・中学生年代の育成に力を注いでおられる。競技力の向上は競技人口の拡大にもつながるし、大会やイベントが開催されることで、子どもたち自身が目標に対する達成度を確認し、さらなる意欲につなげることができる。また、向日市に新たなアリーナが整備されることも踏まえ、子どもたちが自らの成長や成果を確認できるような大会やイベントを可能な限り開催していただきたいと思う。そのような機会を通じて、スポーツへの参加意欲の向上や競技人口の拡大につながるのではないかと考えている。京都府としての取組全体について申し上げるのは難しい面もあるが、中学生期は心身ともに大きく成長する重要な時期であり、この時期のスポーツ経験や適切な支援は、その後の競技力向上にも大きく影響すると考えている。このような観点からも、地域クラブ活動推進事業の成果や、中学生期の体力・運動能力の評価を今後どのように行っていくのかについて、大変興味深く注目している。
委員
まず、京都府の今後の方向性についてだが、現在、国では第4期スポーツ基本計画の策定が進められており、今後パブリックコメントも実施される予定と承知している。スポーツ基本法には、都道府県の計画策定に当たって国の基本計画を参酌する旨の規定があるが、京都府としてどの程度その内容を反映していくのかについて十分な検討が必要であると考える。特に、スポーツ庁は第3期スポーツ基本計画以降、「スポーツを通じた社会課題の解決」を重視する方向へ政策の軸足を移している。京都府としても同様の方向性を重視するのかどうかを含め、今後の計画策定において検討していただきたい。次に、部活動の地域展開・地域連携についてだが、令和8年度から令和10年度までが改革実行期間前期、令和11年度から令和13年度までが改革実行期間後期とされているが、現在は地域クラブの認定や整備に注目が集まっている一方で、学校における部活動改革そのものの議論が十分ではないように感じている。地域展開に移行する前に、学校経営の中で部活動改革をどのように位置付けるのかが重要である。校長や部活動担当者が、現在の部活動の課題を整理し、将来を見据えた改革を計画的に進めているのかを把握する必要がある。部活動の課題を解決しないまま地域へ展開した場合、同様の問題が地域クラブに引き継がれる恐れがある。そのため、市町村だけでなく京都府としても、学校における部活動改革の方向性を明確に示し、支援していくべきではないかと考えている。また、部活動の指導に意欲を持つ教員も少なくない。そのような教員を組織化し、必要に応じて法人化や兼業兼職制度を活用することで、地域スポーツの指導者として活動できる仕組みを構築することも検討すべきと考える。地域クラブの整備だけでなく、指導者の育成や派遣システムの構築についても併せて検討していく必要があるのではないか。最後に、気候変動とスポーツの関係についてだが、近年の猛暑はスポーツ活動に大きな影響を与えており、熱中症対策をはじめとする安全管理の重要性が一層高まっている。今後は、競技運営や施設環境の整備を含め、気候変動にスポーツがどのように対応していくのかという視点が不可欠であると考える。特に子どものスポーツ活動においては、安全に活動できる環境づくりが重要であり、暑熱対策を含めた気候変動への対応をスポーツ環境整備の重要な課題として位置付けていただきたい。
⇒●事務局
子どもたちのスポーツ実施状況の二極化については、体力面にも影響が表れていると認識している。ただし、京都府の体力・運動能力の状況を見ると、中学校女子では低下傾向が見られる一方で、小学校男女及び中学校男子については回復傾向が見られる。特に中学校男子については、近年、体力水準が着実に向上しており、これまでの小学校段階での取組や各種施策の成果が一定程度表れているのではないかと考えている。一方で、女子の運動・スポーツ実施率の向上が課題となっている。その要因の一つとして、中学女子がスポーツに関わらない理由には、思春期特有の身体変化による自己意識の高まりや、友人との関係性の中で「みんなと同じ」という同調圧力も影響しているのではと推察する。各種意識調査からも、そのような傾向がうかがえる。しかしながら、部活動の地域展開が進む中で、ダンスやヨガ、レクリエーション活動など、新たなスポーツ活動の選択肢も広がりつつあり、アンケート結果からも、従来の競技スポーツ以外であれば参加してみたいという意見も見られることから、今後は子どもたちの声を施策に反映していくことが重要であると考えている。特に地域クラブ活動については、子どもたちの意見を取り入れる仕組みづくりが必要であり、その一環として今年度初めて「子どもミーティング」を実施するところである。こうした取組を通じて、新たな施策につなげていきたい。
次に、京都府民総合体育大会についてだが、今後は「KYOTOGAMES」として新たな形で展開していきたいと考えている。この名称や考え方は、日本スポーツ協会が提唱する「JAPANGAMES」の理念を参考にしており、子どもから高齢者まで、さまざまな世代の方々がスポーツを通じて交流し、楽しむことを目的としている。国民スポーツ大会や日本スポーツマスターズ、スポーツ少年団活動など、多様な世代・競技を包含する考え方を踏まえ、京都ならではのスポーツイベントとして発展させていきたいと考えている。また、「する」スポーツだけでなく、「みる」「ささえる」スポーツにも焦点を当てたいと考えている。著名なアスリートやスポーツ関係者を招き、スポーツを支えることの意義に触れていただく機会を設けるほか、アーバンスポーツなど注目度の高い競技を実施することで、参加者がスポーツへの興味・関心を高め、自らも関わってみたいと思えるようなきっかけづくりを目指している。現在、11月の開催に向けて具体的なプログラムを検討しているところであり、詳細については今後広く周知していきたい。
次に、子どものスポーツに関する評価や地域クラブ活動の評価についてだが、重要な課題であると認識している。現在の第2期京都府スポーツ推進計画では、従来の昭和60年代の体力水準への回復といった目標から、新体力テストにおいて中位以上に当たるC評価以上の児童生徒の割合を増やしていくことを指標の一つとして設定している。これは国が示している方向性とも整合するものであり、計画の中にも反映しているところである。今後、国の動向も踏まえながら、こうした指標をどのように評価し、その結果を次の施策へどのように生かしていくかについて検討を深めていきたい。
また、第4期スポーツ基本計画において示されている「スポーツを通じた社会課題の解決」という方向性についても、京都府としてどのように受け止め、計画へ反映していくのかが重要な課題であると認識している。次期計画や中間見直しの検討に当たっては、これまでの取組の評価と検証を行うとともに、国の施策や方向性をしっかりと把握しながら研究していきたい。
さらに、地域クラブ活動における指導者の確保については、教員の兼業兼職を含めた仕組みづくりも重要であると考えている。現在、人材バンクのような制度は十分に整備されていないが、地域クラブ活動のさらなる充実に向けて、スポーツ指導に意欲を持つ教員が地域で活躍できる仕組みについても、引き続き研究・検討を進めていきたい。
委員
第2期京都府スポーツ推進計画に基づき、各種施策の成果が現れ、競技力の向上につながっていることは大変評価できると考えている。一方で、「する・みる・ささえる」というスポーツの関わり方のうち、「みる」「ささえる」層がどのように増加しているのか、あるいはどのように推移しているのかについては、性別や年代別などの視点から、より丁寧に把握・分析していく必要があると考えている。特に女性のスポーツ参画については、依然として課題があるのではないかと感じている。例えば、資料にある府立学校体育施設の開放事業についても、単に利用者数だけでなく、どのような目的で利用されているのか、どのような年代や属性の方々が利用しているのかといった実態を把握することが重要ではないか。また、子育て世代の女性がスポーツに関わりやすい環境づくりも必要であると考える。例えば、大学生ボランティアなどが子どもを見守ったり、一緒に活動したりすることで、その間に保護者がヨガや軽運動などのスポーツに参加できるような仕組みを設けることも有効ではないか。こうした取組は、単にスポーツを「する」機会を増やすだけでなく、「みる」「ささえる」といった多様な関わり方を促進し、家庭におけるスポーツ環境の充実にもつながると考えている。子どもたち、特に女子の体力向上を考える上でも、家庭環境が果たす役割は大きく、保護者を含めたスポーツ参画の促進は重要な視点ではないかと思う。
また、来年度開催されるワールドマスターズゲームズ関西については、京都府が開会式会場となることから、大きな機会であると考えている。参加者の募集だけでなく、観戦や応援を通じてスポーツに関わる人を増やしていくことも重要である。例えば、トライアスロン競技などでは、多くの観客が沿道から声援を送り続けることで、世界各国から参加する選手にとっても大きな励みとなる。この大会を契機として、スポーツを「みる」「ささえる」人々の裾野を広げ、スポーツへの関心と参加の機会を創出していくことで、京都府のスポーツ環境をさらに豊かなものにしていけるのではないかと考える。
委員
計画策定時からの成果という観点では、アスリートの育成や競技力向上については、国民スポーツ大会における上位成績にも表れているように、一定の成果が上がっていると評価している。その一方で、今後の計画を検討するに当たっては、国のスポーツ基本計画において示されている「ハイパフォーマンスからライフパフォーマンスへ」という考え方も参考にしていただきたいと思う。京都府は競技スポーツの分野では全国トップレベルの成果を上げているが、その成果や知見をいかに府民全体の健康づくりやスポーツ実践につなげていくのかが重要な課題ではないか。例えば、タレント発掘事業などを経てトップアスリートとして活躍している選手や、現在も競技を継続している学生に話を聞くと、小学生の頃に受けた栄養指導が強く印象に残っており、現在もその学びを実践しているという声が多く聞かれる。このように、競技力向上の過程で蓄積された知見を、子どもたちや一般府民の健康づくりに還元していくことが重要であり、現在進められている幼児期からの取組ともつなげながら、今後さらに発展させていく必要があると考えている。
また、計画策定時にも議論の余地があった点として、スポーツ分野と経済界・産業界との連携である。本審議会においても、医師会や歯科医師会など医療分野の関係者が積極的に参画されていることは京都府の特徴であり、大きな強みであると考えている。一方で、他府県では経済界や産業界の関係者が審議会委員に参画している事例も見られることから、この分野との連携については今後の課題の一つではないかと感じている。特に、スポーツ実施率の低下という課題を考えた場合、高校卒業後から社会人期にかけての世代へのアプローチが重要であり、大学生や若年社会人は、学校体育や部活動など、これまでのスポーツ参加の機会が大きく減少する時期である。この段階でスポーツとの接点が途切れると、その後のライフステージにおいてもスポーツから離れてしまう傾向がある。そして、そのことが家庭環境や次世代のスポーツ参加にも影響を及ぼす可能性がある。こうした課題に対応するためには、健康経営やスポーツエールカンパニーといった企業スポーツ、スポーツを通じた地域・企業連携など、産業界との協働が重要になってくると考える。今後、「KYOTOGAMES」をはじめとした各種施策を推進していく上でも、財源確保や参加機会の拡大という観点から、経済界・産業界との連携をさらに強化していくことが必要ではないかと考えている。
委員
本日の議論で挙げられた少子化の問題や、成長期におけるスポーツ離れの問題は、競技現場にも非常によく当てはまると感じながら聞かせていただいた。アーティスティックスイミングは学校部活動として実施されている例が少なく、フィギュアスケートや新体操などと同様に、競技に取り組む機会の確保や選手の育成に苦労している競技の一つある。そのような中で、先ほど紹介のあった「アスたまプロジェクト」の取組は大変意義深いものだと感じている。可能であれば年に数回という規模にとどまらず、より多くの機会を設けていただければありがたい。競技団体として、積極的に協力していきたいと考える。別の観点になるが、アーティスティックスイミングでは今年度、選手を応援することを目的としたクラウドファンディングを実施し、多くの方々から支援をいただくことができた。この取組を通じて、競技を支えたい、応援したいという方々が数多く存在することを実感した。こうした活動は、「する・みる・ささえる」というスポーツの多様な関わり方のうち、とりわけ「みる」「ささえる」層の拡大につながるものであり、スポーツファンの裾野を広げる上でも大きな意義があったと考えている。今後、京都府が実施するイベントやスポーツ施策においても、競技に参加する人だけでなく、スポーツを応援する人や支える人を増やしていくという視点を重視していただきたいと思う。特に、子どもたちを支える環境づくりや、スポーツへの関心を高める機会の創出を通じて、「みる」「ささえる」スポーツの裾野をさらに広げていくことを期待している。
委員
近年、レクリエーションスポーツの体験機会の提供に関する依頼が増えてきていると感じている。
レクリエーションスポーツは、運動やスポーツが得意な人だけでなく、苦手な人や障害のある人も含め、誰もが気軽に参加できる特徴がある。さまざまな人が一緒に体を動かし、ときには遊びの要素を取り入れながら楽しむことで、身体的な健康だけでなく、心のリフレッシュにもつながっている。また、その活動を通じて新たな交流が生まれ、友人関係が広がるなどの効果についても、現場から多くの声を聞いている。国が策定を進めている第4期スポーツ基本計画においても、レクリエーションスポーツの普及が重視される方向であると聞いている。京都府においても、こうした視点をスポーツ施策の中に取り入れていただきたいと考えている。また、部活動の地域展開においても、競技スポーツだけでなく、レクリエーションスポーツを選択肢の一つとして位置付け、多様な子どもたちや地域住民が参加しやすい環境づくりを進めていただきたいと思う。そのことが、スポーツ実施率の向上や、生涯にわたってスポーツに親しむ人材の育成にもつながるのではないかと考えている。
委員
競技団体としては、国民スポーツ大会において少しでも多くの得点を獲得し、競技力向上につなげていくことが大きな役割であると考えている。一方で、生涯スポーツとして、年齢を重ねても多くの方々にバドミントンを継続して楽しんでいただくことも重要な使命であると認識している。現在、シニア世代を対象とした大会には非常に多くの参加者があり、全日本大会への推薦枠を上回る応募があるほど盛況な状況である。そのような中、京都府民総合体育大会におけるマスターズ部門については、さらなる充実を検討していただきたい。現在もマスターズ部門は実施されており、優勝者には立派な表彰が行われているが、市町村対抗の総合成績には反映されない仕組みとなっている。そのため、市町村にとって参加の動機づけが十分ではなく、参加数の伸び悩みにつながっているように感じている。実際に一般部門では多くの市町村が参加している一方、マスターズ部門への参加は限られている。生涯スポーツの推進という観点からも、マスターズ部門の位置付けや評価のあり方について検討していただければありがたい。また、人材確保についても大きな課題を抱えている。中学校部活動の地域展開への対応も含め、ジュニア世代の育成体制の充実が求められているが、競技団体の役員自身が本業を持ちながら活動しているため、新たな体制整備を進めることが容易ではない状況である。さらに、大会運営を支える役員やスタッフの確保も年々難しくなっている。これまでのようにボランティアに依存した運営には限界が見え始めており、競技団体としても運営体制を維持するため、会費の見直しなどを行いながら対応しているところである。ワールドマスターズゲームズ関西については、京都市でバドミントン競技が開催される予定であり、当初予定していた日程を延長するほど多くの参加者が見込まれている。そのため、大会運営には多数の審判員やスタッフが必要となり、日本全国の関係者に協力を呼びかけながら準備を進めている。特に、平日の運営については女性の協力が大きな支えとなり、日本レディースバドミントン連盟にも協力を依頼しながら人材確保に努めている。しかし、全体としては運営を担う人材の確保が大きな課題であり、今後、競技団体だけでなくスポーツ界全体としても、持続可能な運営体制や人材確保の仕組みづくりについて検討していく必要があると考えている。
委員
部活動の地域展開については、北部地域と京都市内では状況が大きく異なっている。北部地域では、大学や専門学校が少ないことから、18歳以上の若年層人口が限られており、地域クラブ活動を支える指導者の確保が大きな課題となっている。また、過疎化が進んでいるため、活動拠点を集約すると移動に時間と費用がかかる一方、地域ごとに活動を維持しようとすると参加者数が少なくなり、多様なスポーツ種目を選択できる環境を整えることが難しい状況である。少子高齢化や人口減少が進む地域ならではの課題について、日々関係者で対応を検討しているところである。また、近年の猛暑への対応も大きな課題となっている。体育館への空調設備の整備が十分でない施設も多く、屋外での活動に加え、プールについても高水温の影響により活用が難しい場合がある。特に小規模校では、空調の効いた教室の机を移動させて活動スペースを確保し、縄跳びやダンスなど比較的実施しやすい運動を行うことで、体育活動の機会を確保している状況である。このように、安全に運動できる場所の確保そのものが課題となっている。さらに、家庭の経済状況によるスポーツ機会の格差も懸念している。習い事に参加できる子どもがいる一方で、経済的な理由からスポーツに触れる機会を十分に得られない子どもも増えていると感じている。子どもたちが家庭の経済状況に左右されることなくスポーツに親しむことができる環境づくりについて、引き続き関係機関と連携しながら取り組んでいく必要があると考えている。
委員
京都市においては現在、次期京都市スポーツ振興計画の策定を進めているところである。関係団体の皆様とともに、6月29日に第1回会議を開催した。会議では、この場でも議論されているように、若年層のスポーツ離れやスポーツ活動の担い手不足、施設の老朽化、施設予約の困難さや利用率の問題、さらには部活動の地域展開などを重要な課題として取り上げている。特に京都市では、部活動の地域展開について令和10年9月を一つの目標時期としており、対応を急ぐ必要がある状況である。こうした課題を踏まえながら、今後どのようにスポーツ施策を推進していくかについて検討を進めている。京都市では、「新京都戦略」の中で、「スポーツによる人づくり・健康づくり・地域づくりを通じた心豊かな社会の実現」を掲げている。次期計画においても、この考え方を基本とし、スポーツによる人づくり、健康づくり、地域づくりを柱として施策を構築していきたいと考えている。また、施策体系については、これまでの「する・みる・ささえる」に加え、「集う」という視点も取り入れ、それらを通じて人や地域が「つながる」ことを目指した計画とする方向で検討を進めている。現在は審議の途中段階ではあるが、国が策定を進める第4期スポーツ基本計画の内容も踏まえながら、京都市としてのスポーツ振興施策の方向性を整理していきたいと考えている。一方で、スポーツ施設の老朽化への対応は大きな課題となっている。先日、京都アクアリーナのサブプールを供用停止としたところだが、施設の維持管理や更新に要する費用は年々大きくなっており、対応が難しくなっている。先ほども意見があったが、今後のスポーツ施策を持続的に推進していくためには、経済界や産業界との連携が重要であると認識している。スポーツ施策や施設整備を行政予算のみで支えていくことには限界があり、スポーツ施設の持続可能な運営やスポーツ環境の維持・充実を図るためにも、多様な主体との連携が必要である。京都市としても、独自に実施している各種スポーツ事業の継続や発展に向けて課題を抱えているところであり、本日皆様からいただいたご意見も参考にしながら、持続可能なスポーツ環境の実現に向けて真剣に検討を進めていきたいと考えている。
委員
平素より、京都府のスポーツ施策の推進に御協力いただき、感謝申し上げる。本日の議論を通じて、子どもたちのスポーツ参加や競技人口の裾野拡大などについて多くのご意見をいただいた。京都府としても、トップアスリートやプロスポーツチーム等の協力を得ながら、子どもたちを対象としたスポーツ体験事業や授業支援などに取り組んでいるところである。本日のご意見を伺う中で、多くの委員の皆様がスポーツの持つ魅力や力、その価値を強く意識されていることを改めて感じた。スポーツには、競技力の向上だけでなく、人を育て、地域をつなぎ、社会を活性化する力があると考えている。現在、国においては第4期スポーツ基本計画の策定が進められており、また国民スポーツ大会改革の議論も進展しているが、これらにおいてもスポーツを通じた地域活性化や社会課題の解決といった観点が重視されていると認識している。京都府としても、こうした方向性を十分に踏まえながら施策を推進していく必要があると考えている。また、本日ご紹介したワールドマスターズゲームズ関西についても、トップアスリートだけでなく、一般のスポーツ愛好者が国内外から参加する国際的なスポーツ大会であり、多くの人々が集い、交流する機会となるものである。このような大会は、スポーツが持つ集客力や交流促進効果、地域活性化への貢献といった価値を改めて認識する機会になるものと考えている。大会の成功に向けては、行政機関だけでなく、市町村、スポーツ団体、競技関係者、ボランティア、応援してくださる地域の皆様など、多くの方々の協力が不可欠である。引き続き皆様のお力添えをお願いするとともに、本日いただいた貴重なご意見を今後の施策検討に活かしてまいりたい。
⇒●事務局
家庭環境がスポーツ参加に与える影響については、今後さらに重要な視点になると考えている。
前回実施した府民アンケートにおいて、運動・スポーツを実施しなかった理由として最も多かった回答は「忙しいから」であり、次いで「面倒だから」、「機会がなかったから」という結果であった。一方、平成29年度に実施したアンケートでは、「年をとったから」が最も多く、「忙しいから」、「機会がなかったから」と続いていた。前回調査では「年をとったから」という回答が上位に見られなかったことから、高齢者の方々がスポーツに親しむ機会は以前より増えているのではないかと捉えている。今後予定している中間年改定に向けたアンケート調査においては、「忙しい」「面倒」「機会がない」といった理由がどのように変化しているのかを把握するとともに、その背景について多面的に分析していく必要があると考えている。また、現行の計画では、新たな指標として「スポーツ関連率」を設定している。これは、週1回以上、「する」「みる」「ささえる」のいずれかの形でスポーツに関わった人の割合を示すものであり、前回調査では70.8%という結果であった。今後、この割合をできる限り100%に近づけていくことを目標としている。スポーツは必ずしも「する」だけではなく、「みる」「ささえる」といった多様な関わり方にも大きな価値がある。まずはどのような形であってもスポーツに関わる人を増やし、そのことが将来的にスポーツを実践する人の増加にもつながることを期待している。そのため、次回の調査ではスポーツ関連率の推移についても継続的に把握していきたいと考えている。
次に、「アスたまプロジェクト」についてだが、派遣事業自体は年間2回の実施となっている。しかし、この事業は単発的な体験機会を提供することが目的ではなく、各学校において継続的な取組につなげていただくことを重視している。1回目と2回目の派遣の間についても、学校現場で継続的に運動プログラムに取り組んでいただき、子どもたちの変化や成長を見取っていただくことを期待している。体力の向上は短期間で成果が現れるものではないため、点として実施するのではなく、年間を通した取組として継続することが重要であると考えている。また、この事業は幼稚園、保育所等の年長児から小学校3年生までを対象としており、子どもたちの将来的な成長も見据えている。現在の参加者が10年後には高校生や大学生となり、国民スポーツ大会や国際大会等で活躍する年代になる。そのため、この取組は子どもの体力向上だけでなく、将来的な競技力向上の土台づくりという側面も有している。競技力向上の成果は短期間で表れるものではないが、参加した子どもたちの成長を長期的に追跡しながら、体力や運動能力の変化を把握していくことが、今後の評価や指標の検証にもつながると考えている。
また、「KYOTOGAMES」については、多様な方々が参加できるスポーツイベントとして展開していきたいと考えている。その中で、参加の仕方に応じたポイント制度や表彰制度の導入についても、今後の検討課題の一つであると認識している。子どもから高齢者まで、それぞれの立場や関わり方で参加し、その参加が評価される仕組みを構築することによって、多くの府民が「KYOTOGAMES」を身近なものとして感じられるようになるのではないかと考えている。
本日いただいた多くのご意見やご提案については、今後十分に分析・検討を行い、スポーツ推進計画の中間改定や今後の施策の充実につなげてまいりたいと考えている。
会長
本日は第2期京都府スポーツ推進計画の具現化に向けて、委員の皆様にはたくさんのご意見いただいた。この意見は、具現化に向けての提言であり、問題提起でもあるので、事務局におかれては、皆様のご意見をしっかりと踏まえていただき、具体的にどうするのか、具体的に行ったことにより、どういう結果になったのか、何を目指すのかということを我々にお示しいただくと、委員の意見も尊重されたということで我々のやる気も増し、この審議会が意味のあるものになると思うので、よろしくお願いをしたい。
お問い合わせ