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第12回(第116回)京都府スポーツ推進審議会の議事要旨

1 開催日時

 平成29年3月23日(木曜)午後3時から同4時30分まで

2 場所

 ルビノ京都堀川「平安」の間

3 出席者

出席委員

武田暹会長、水野加余子副会長、岩崎万喜子、南享、大溝誠則、河合美香、木村祐子、松永敬子、小林千紗、堀忠雄、奥西康人、瀬川 彰 各委員

事務局

川村指導部長、角井保健体育課長 徳廣スポーツ振興課長 他事務局員15名

欠席委員

森洋一、藤井博志、中村正一、藤田信之、梅田陽子、荒賀知子、神﨑清一、稲垣勝彦 各委員

4 内容

(1)開会

武田会長 挨拶

(2)報告事項

  ア.京都府オリンピック・パラリンピック教育推進事業の概要について
  イ.オリンピック等国際大会開催に伴う京都府内の取組について
  ウ.府立運動公園等スポーツ施設の整備状況等について

(3)協議事項

 ア.「京都府スポーツ推進計画」の中間年改定に向けて
  (ア)国の第2期スポーツ基本計画の概要について
  (イ)京都府スポーツ推進計画の達成状況について
  (ウ)児童・生徒の体力の現状について
  (エ)改定に向けたスケジュールについて
  (オ)京都府民のスポーツに関する実態調査について
 イ.「中間年改定」検証検討小委員会(仮称)の設置について

(4)閉会

 川村指導部長挨拶

審議(報告・協議事項)内容(結果及び主な意見)

1 報告事項について(内容の要旨)

ア.京都府オリンピック・パラリンピック教育推進事業の概要について

○事務局説明
 本府では今年度も筑波大学からの委託を受け、オリンピック・パラリンピック教育の推進事業に取り組んだ。このオリンピック・パラリンピック教育の推進により、「スポーツの力」を実感させるとともに、豊かな「スポーツごころ」を育み、スポーツ文化の広がりに繋げたいと考えている。
 昨年度は31校、今年度は49校が推進校として指定を受け、そのうちの25校については昨年度からの継続実施である。来年度はさらに推進校を拡大し、府内全域での取組に繋げたいと考えている。
 本府での特徴的な取組としては、「共生社会の形成等を目指す取り組み」として、高校生と特別支援学校あるいは高齢者の方々とのスポーツ交流、世代間交流があげられる。また、「スポーツと文化の融合を図るオリンピック・パラリンピック讃歌」も本府の特徴的な取組である。スポーツをテーマとした讃歌を府内すべての高校から募集し、本年度は2,188人から3,444首の応募があり、2月に優秀作品の紹介・表彰等を行った。
 来年度スポーツ庁では、直接20程度の地域に事業が委託されるため、本府においても現在公募申請をしている。採択され次第、早い時期から各学校での取組を推進していきたいと考えている。

イ.オリンピック等国際大会開催に伴う京都府内の取組について

○事務局説明
 まず、「関西ワールドマスターズゲームズ2021」から「ワールドマスターズゲームズ2021関西」への名称が変更されたので報告する。
 本府では、京都市の総合開会式をはじめ、京都市内4競技、府内6競技、合計10競技の開催が昨年の10月26日に決定した。今後は、具体的な府県政令市ごとに実行委員会を設置し、オール京都体制で市町村・競技団体、経済界、スポーツ団体等と連携しながら準備を進めたい。来週早々には、京都府の実行委員会設立に向けての準備委員会を開催する予定である。
 続いて東京オリンピック・パラリンピックの国際大会誘致や合宿誘致等について説明する。国のホストタウン事業では、現在府内5市町村が決定し、登録されている。ホストタウンとは、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、全国の自治体と参加国、それぞれの地域との人的・経済的・文化的な相互交流を図り、スポーツ立国の実現、共生社会の実現、グローバル化の推進、地域の活性化、観光振興を目的とするものであり、今後も引き続き、1つでも多くの市町村が登録できるよう進めていきたいと考えている。
 島津アリーナ京都での国際大会の開催状況としては、体育館リニューアル後、さまざまな国際大会等の誘致を進めており、その結果、利用者数もリニューアル以前の2010年から比べ、20パーセント増となっている。また、利用率・稼働率についても、第1競技場で98パーセント前後、第2競技場で99パーセント前後と非常に高い利用率であり、来年度以降も引き続き、さまざまな国際大会を含めて誘致していきたいと考えている。
 昨年5月に、京都で初めて国際自転車のロードレース「ツアー・オブ・ジャパン京都ステージ」を開催し、平日開催にも関わらず、スタジアムに5万人の観客が集まった。自転車への関心の高さを感じており、今後は毎年開催していきたい。
 また、「お茶の京都」をPRするなど、京都や学研都市の情報を発信し、スポーツ振興や地域振興につなげていきたい。

ウ.府立運動公園等スポーツ施設の整備状況等について

○事務局説明 

 京都府においては、「スポーツ施設のあり方懇話会」での第一次提言を踏まえ、各種スポーツ施設の整備を計画的に推進しており、24年度から28年度までの5年間で、総額50億円の予算を確保して計画的に整備を進めている。島津アリーナ京都のリニューアルはもとより、丹波自然運動公園では、昨年、京都トレーニングセンターが宿泊棟・トレーニング棟合わせて完成した。また、現在は、クロスカントリーコース整備に取り組んでおり、来年度の完成を予定している。この間、テニスコートや補助競技場の夜間照明、陸上競技場の第2種化整備として、走路のウレタン全面塗装を実施するなど、この3月末日には第2種化が公認される予定である。
 山城総合運動公園では、利用環境の改善や機能向上につながる施設整備を進めており、弓道場、陸上競技場、スタンド屋根と夜間照明、クラブハウスの新設や既存クラブハウスの改修、テニスコート2面のクレーコートを全天候型に改修するとともに、4面分の屋根の整備を実施した。
 市町村設置のスポーツ施設では、京都市の西京極運動公園陸上競技場の大型映像装置やメインゲート整備、福知山市の三段池公園のテニスコートの人工芝化、大山崎町体育館の改修設計に財政支援を行っている。今後も公益的・準公益的なスポーツの施設に対し、可能な範囲で補助をしていきたいと考えている。
 京都スタジアムについては、昨年8月に建設予定地を変更し、アユモドキなどの自然と共生するスタジアムの建設を進めている。収容定員は21,500人で、全席覆う屋根の設置、観客席は最前列がフィールドと同じ高さのゼロタッチのスタンドを予定している。また、大型映像装置やクライミングウォールの設置、商業ゾーン併設など、賑わいのある施設整備を目指している。東京オリンピック前年の31年度に完成予定である。
 京都アイスアリーナは、通年型アイススケート場として、競技力の向上や愛好者の視野を広げるために、山城総合運動公園内での整備を進めている。国際規格のメインリンクとして、フィギュアスケート、ショートトラック、アイスホッケー、カーリングが可能で、観客席は設置しないが、90台程度の駐車場を整備予定である。29年度から造成・設計に着手し、30年度末の完成を目指している。

2 協議事項について(内容の要旨)

ア.「京都府スポーツ推進計画」の中間年改定に向けて

○事務局説明
 京都府スポーツ推進計画は、平成26年3月に策定し、平成35年までの10年間に渡り多くのスポーツ振興に関わる計画であるが、3年を経過し、現在の具体的計画の進捗状況等を精査したうえで、中間年に向けて、改善・見直すべきところを改定したいと考えている。
 この3月にスポーツ庁が策定した第2期スポーツ基本計画を踏まえながら、平成29年度に府民のスポーツに関する実態調査、いわゆるアンケート調査を実施し、その結果等をしっかりと分析したうえで、審議会での御意見等を頂戴し、中間年の改定に向けた見直しを進めていきたい。今後の予定は、29年度に、アンケート・調査内容を検討するための事務局で構成する「府民スポーツ調査等検討会議」、アンケート結果の分析・検証をすつための審議会委員から構成する「検討小委員会」を設置し、実態調査実施、平成30年度に改定案策定、平成31年3月末に改訂版策定を予定している。
 
(ア)国の第2期スポーツ基本計画の概要について

○事務局説明
 「第1期スポーツ基本計画」では,平成23年に制定されたスポーツ基本法に基づき、平成24年度から10年間の国のスポーツの推進施策として、7つの政策目標の具現化に向けてスポーツ振興施策が進められてきた。
 国による第1期計画の達成状況等の検証・評価では、子どもの体力の向上やリオデジャネイロオリンピック競技大会で過去最多の総メダル数の獲得など、一定の成果が認められる一方で、スポーツ実施率の伸び悩みや地域のスポーツ環境整備の遅れ、スポーツ選手による賭博やドーピング違反,指導者による体罰問題など、多くの課題が示された。
 これらの検証結果や評価と併せ、第1期計画の策定後に,2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催決定や、障害者スポーツの厚生労働省から文部科学省への移管、更にはスポーツ行政を一元化し、施策を総合的に推進するためにスポーツ庁が創設されるなど、スポーツに関する施策が大きく動き、スポーツに対する国民の関心が高まりをみせる中、「第2期スポーツ基本計画」が策定された。
 「第2期スポーツ基本計画」の基本方針では、「スポーツが変える。未来を創る。Enjoy Sports, Enjoy Life」をスローガンに、4つの政策目標が掲げられている。
・1つ目は「スポーツ参画人口の拡大と、そのための人材育成・場の充実」
・2つ目は「スポーツを通じた活力があり絆の強い社会の実現」
・3つ目は「国際競技力の向上に向けた強力で持続可能な人材育成や環境整備」
・4つ目は「クリーンでフェアなスポーツの推進によるスポーツの価値の向上」である。
 また、数値目標も第1期に比べ、8から20に大幅に増加しているのも大きな特徴であり、その他にも、スポーツ庁の創設に伴い、障害者スポーツの振興やスポーツの「成長産業化」などの重点施策が盛り込まれた。
 今回の中間年改定では、これらの 第2期計画の趣旨や視点を踏まえた上で、京都府の実状に合わせて見直しを図ることとする。

(イ)京都府スポーツ推進計画の達成状況について

○事務局説明
 京都府スポーツ推進計画では、「生涯スポーツ分野」、「子どもスポーツ分野」、「競技スポーツ分野」、「施設充実分野」の4分野をスポーツの推進における基本的視点とし、それらを「スマートスポーツ」、「エンジョイスポーツ」、「チャレンジスポーツ」、「『夢・未来』スポーツ拠点整備」と名付け、それぞれに具体的目標を掲げ、具現化に向けて取り組んできた。
 スマートスポーツでは、成人のスポーツ実施率の向上や総合型地域スポーツクラブの育成等を具体的目標としてあげている。
 平成24年度の成人のスポーツ実施率については、前回のスポーツ調査におけるデータがあるものの、現在の実施率については、来年度実施予定の「府民のスポーツに関する調査」により、その達成状況を確認することとしている。
 総合型地域スポーツクラブについては、この3年間で準備設立中のクラブを含めて、5つのクラブが増えており、現在、設置がない市町村は、伊根町、宇治田原町、笠置町の3町である。
 また、広域的な拠点となるクラブについては、現在のところまだ実現していない。
 チャレンジスポーツでは、京都ゆかりの選手の国際大会等でのメダル獲得や、国民体育大会における男女総合成績での入賞、公認スポーツ指導者の増員を具体的目標としてあげている。
 京都ゆかりの選手の国際大会等でのメダル獲得については、毎年、多数の選手が入賞を果たしているが、国民体育大会における男女総合成績については、推進計画策定後のここ3年間では、12位、10位、12位と二ケタ順位が続いており、目標は達成できていない。
 公認スポーツ指導者については、平成26年度の新制度導入に伴い、更新されなかった指導員が増えたことから163名減少したが、平成27年度には113名、28年度には56名と少しずつではあるが、着実に人数が増加している。
 『夢・未来』スポーツ拠点整備では、府立運動公園を中心に着実に整備が進んでおり、今年は、丹波自然運動公園内に京都トレーニングセンターが完成、平成30年には山城総合運動公園に通年型のスケート場が、平成31年にはJR亀岡駅北側に球技専用競技場「京都スタジアム」が完成予定となっている。


(ウ)児童・生徒の体力の現状について

○事務局説明
 今年度の全国調査結果を、体力・運動能力のピークとされる昭和60年と比較したところ、中学校男子「50m走」で、僅か0.01秒早くなっている以外は、全て下回っている状況である。特に「ボール投げ」においては、小学校男子で約6m、小学校女子で約3mの減少となっており、「握力」についても、小学校男子で約2Kg、中学校男子で約3Kgの減少となっている。このことについては、野球やドッジボールができる広場や公園の減少、握ったり、つかまったりする遊具の減少など、環境による遊びの変化が、「投げ」や「握力」の低下の一因ではないかと推測されている。
 一方、平成25年度との比較においては、ほぼ横ばいに推移している。
 中学校女子においては、全国的に右肩上がりの状況であり、本府においても調査が開始された平成20年度以降、体力合計点は最高点であった。スポーツ庁では、「ダンスなどの取り組みやすい体育の実技実践が結果を押し上げた」とは分析している。
 「運動(体を動かす遊びを含む)やスポーツすることは好きですか」の調査では、「好き」と「やや好き」を合わせた結果が、平成26年度調査より、小中学校男子・女子共に残念ながら減少している。
 「スポーツの実施状況」に関する調査では、小学校男子・女子共に増加している一方、中学校では、男子・女子共に減少傾向にある。
 以上のことから、本府の課題解決に向けては、幼児期から楽しく体を動かす機会を増やすことで、運動が好きな子どもを増やしていくことと、幼児期からの運動習慣の定着により、週単位のスポーツをしている子どもの割合の増加に繋げていく必要があると考えている。その手立ての一つとして、「運動遊びガイドブック」及び「まゆまろ体操」を作成しており、今年度末に完成する予定である。

○議長
 「エンジョイスポーツ」の説明で、体力テストと結果について説明があったが、この点について、指導者の方で感じていることがあれば御意見を頂戴したい。

○意見(委員)
 子どもの数は減少しているが、中学校で部活動をしている割合は、増加傾向または維持している状況である。また、「するスポーツ」だけではなくて、今回のWBCの子どもたちの関心の高さからもわかるように、最近よく言われている「みるスポーツ」や「応援」などについては、興味・関心を持っている子どもは増えている気がする。オリンピックを目指している子どもも実際近くにおり、中学校現場でいえば、運動やスポーツの情報を提供する中で、スポーツをすることが好きになる子どもは増加するのではないかと感じている。

○意見(委員)
 高校ではどの学校も毎年部活動加入率を調査しており、全体の運動部加入率は徐々には増えてはいるが、女子の加入率は低い状況にある。男子は、高校入学後も部活動・運動部活動を続ける傾向にあるが、女子は、高校入学を機に続けないという生徒がいるのではないかと感じる。高校の体育の授業では、今までは種目の技術指導やゲーム中心の授業が多かったと思うが、最近は、小学校、中学校のように、体を動かす楽しさを教えるというところから入る授業が増えてきている。それぐらいスポーツに興味を持っていない生徒が高校に入学してくるという状況が若干あり、能力的にもやはり昔と比べて幼児期に体を動かすことが少なくなっているせいか、それが体力テストの数字に現れているのではないか。体力を伸ばすには、やはり幼児期あるいは小学校前半ぐらいで運動の楽しさを教えて、自ら体を動かして遊ぶという経験を増やしてやるのが大切ではないかなということを、高校現場にいて感じる。

○意見(委員)
 実際に大学生を対象に授業を担当しているので、現状をお話しする。
 今さまざまな問題があると言われているのは、大学においても過去には体育が必修だったものが、1991年の大学設置基準の大綱化により、以降選択となり、現在では、基本的に体育をやりたいという学生しか授業を取らないという現状がある。
 本来であれば、必修であればやりたくない学生もやらざるを得ないので、定期的に教員の指導が入るが、選択となると、よほど健康や運動に関して意識が高いか、本当に運動が好きな学生しか授業を選択しないので、大学の中では、必修でなくなったのは非常に問題である。先ほど話があったように、女性は運動が好きでない傾向があり、選択なので本当に嫌いな学生は受講しないが、嫌いだけれどもやらなくてはいけないという学生には、常に授業の中で「無理しなくていい。がんばっているのは分かっているから」と声をかけたり、音楽をかけながら講義を進めたり、ダンス講師を招いての講義など、モチベーションを高めるように工夫をしている。ただ、現状としてはやはり小学校、中学校のときに体育が楽しいというイメージを持ってもらうと、もっと生涯スポーツに親しむことができるのではないかと感じている。

○意見(委員)
 幼児期からしっかりと推進していかないと、ここはもう変わらないと感じている。今、投力が落ちている原因の1つに、保育園、幼稚園の先生がそもそも投げられないという現実がある。ボール遊びというとドッジボールはやっているようだが、教員でもサッカーを好む傾向があり、投げるということが先生でも教えられないし、何かやるといってもボール蹴りとかサッカー的なことに流れてしまう。投げるという点においては、幼稚園や保育園の段階でも、指導者がそもそもそういう体育の指導を重点的に学んでいないということと、あと投げるということ自体ができないということが問題であると言われている。
 もう1つ、児童館あるいは学童保育では、たくさんの子どもが共稼ぎで預けられている状況があるにもかかわらず、そこで運動・スポーツをするには、場所や指導者の確保がかなり難しい現状がある。私たちが子どものころは勝手に外で遊んでいたのが、今は学童や児童館で遊ばなければいけないが、実はそこではなかなか運動やスポーツができないので、抜本的に他部署と連携して取り組まないと、スポーツの関係機関や団体だけでやるのは限界に来ているのではないかなと感じる。その辺りも含めて、次の計画では「幼児期」と一括りで言うのは簡単であるが、学童・児童館を含めて、運動・スポーツをやりたいけれどもできる状況にないということや、他部署との連携・協力について、今後できる限り課題解決に向けて検討していく必要があると感じる。

○議長
 今、学校現場で指導されている方々から御意見をいただいたが、他にどういったことでも結構なので、御意見を頂戴したい。

○意見(委員)
 先ほど、施設に関する御報告があったが、いろいろなところで問題になっているのが、障害者の運動・スポーツ環境の問題である。
 一般的に新聞等あるいは現場でよく聞くのは、障害者が体育館を使用するにあたっては、床に傷がつく、黒い跡がつく、など使用にかなり制限があると言われており、障害者スポーツの教育は進んで認知されているが、現場では対応できていないという現状がある。今後は、その施設の対応をどうしていくのかということと併せて、ユニバーサルデザインという点で障害者だけの問題ではないが、トイレ問題というのは非常に大きな問題である。
 現在、施設の改修や新設が進んでいるが、古い施設のトイレが和式であるというのは、切実な問題である。要は壊れてもいないし、何か特段問題があるわけでもないのに、トイレを和式から洋式に変えるというのは難しいことであり、スポーツ環境を整えるという意味でいうと、実はトイレ問題というのはじわじわ大きな問題になってきている。
 その辺りも含めて、中長期的にスポーツ施設の計画を立てるときに、見落としがちになるのがトイレの問題である。京都府の報告でトイレの改修が支援に入っていたので、その辺りの現状についてお聞かせいただきたい。

○回答(事務局)
 京都府においては、障害者スポーツ推進協議会を一昨年度立ち上げ、アクションプランを策定しているところだが、その中でも施設に対する期待度は大きい。
 京都府のベースでは、体育館の車椅子の利用制限はないが、利用が多いかというと、あまり多くないというのが現状である。ただ、施設のバリアフリー化だけではなく、やはり介護者や指導者が必要であるという声はたくさん上がっている。
 バリアフリー化の中でトイレの改修というのは大きなポイントで、市町村からの要望を聞く中でも、1つは冷暖房、もう1つがトイレの改修ということがあげられている。バリアフリー化を含めた洋式化については、府として援助できる部分は対応していきたいと考えている。

○意見(委員)
 第2期スポーツ基本計画に4つの施策目標の中の、「スポーツを『する』『みる』『ささえる』スポーツ参画人口の拡大と、そのための人材育成・場の充実」について、もう少し詳しくお聞きしたい。
 それから、総合型のスポーツクラブの現在の各市町における活動状況について、今どのようになっているか。
 聞くところによると、文科省の方針のもと、京都府の各市町で総合型を作ったものの、活動が停滞していたり、休止に追い込まれたりしているというところがあると聞いている。そういうところに対してどのような指導や援助をしているのか、お聞きしたい。

○回答(事務局)
 まず、一つ目の質問だが、国では、成人のスポーツ実施率の週1日以上の実施率の向上や、スポーツが嫌いであるという生徒の半減、また、総合型スポーツクラブの活性化や大学の有効活用等により、スポーツ参画人口の拡大や人材育成・場の充実につなげることとしている。
 京都府としては、中間年改定に向けて、これをみて塗り絵をするつもりはないので、京都府の実情において、どういう形で取り組めば、このスポーツ参画人口が広がるかというのも、具体的に御意見を伺えるのであればお聞きしたい。
 総合型地域スポーツクラブだが、京都府でも人口減少に伴う休止状態あるいは活動自体をしばらく休んでいるクラブが実態としてあり、現在、総合型地域スポーツクラブの育成・創設については、京都府体育協会の育成アドバイザー、また保健体育課の担当職員で、現在各市町、各クラブの方に、指導・助言という形で年間を通じて手立てをさせていただいている。
 また、京都府としては、ささやかではあるが、体育協会と連携しながら、1事業につき数万円程度の補助を出すための仕組みづくりに向けて努力をしている状況である。
 そのような現状の中、中間年改定に向けて、何か活性化が図れるような具体的な手立てなり方法を御指南いただきたい。

○意見(委員)
 第2期スポーツ基本計画のスローガンにあるように、スポーツは、人生が変わる、社会が変わる、すべてが変わる元だと感じている。
 私は行政の立場として、地域づくりを考えていく立場であり、和束町のお茶の景観を活かして「和束緑泉」として、農村の中で、歩いたり運動したりする場づくりという取組を行政の計画の中に入れていきたいと考えている。
 健康学だけではなくて総合学の基本的なところをみんなに理解してもらい、国の方針や目標についても、もっと私は大衆に繋げていくことが大事だと考えている。
 そういう意味で、それぞれの地域にはそれぞれいいところがあるわけだから、やはりその地域で取り組めるようなもの、例えば私のところでいえば、景観をどう利用するかとか、そういう取組をして、それがいいという人に来ていただき、観光振興につなげていく。この計画の中で取り組んでいる施設の充実というのは分かるが、地域効果・農村効果も大事だと思うので、町づくりの観点からこの辺りの視点がほしいと感じる。

○意見(委員)
 スポーツ・運動をすると脳も使い学力も上がるというデータがある。実際に時間の使い方のうまさであるとか、あれもこれもしないといけないという状況の中で、脳が活性化するというのがあるので、そういうこととも関連しながらスポーツがいかに必要なのかということを伝えていきたいと思う。
 また、これまでの京都府スポーツ推進計画に基づいた事業に関してもすばらしい取組がありながら、地域の方に伝えるのが難しい一面がある。この取組をどうやって地域の方に伝えるのかということが、今後の課題であると感じている。オリンピックやパラリンピックは非常に特別と思っている生徒や児童が多く、最初から私はできないとか、話を聞いただけで拒否してしまうという生徒や児童が多いと思う。このことは、先ほどの幼児期や小さいころから体育や運動が嫌いということとも関連するのではないか。また、指導者の面で、男性に対して女性の指導者の方が少ないという点であるとか、日本でも女性の指導者を育成するという取組があるようだが、やはり女性の場合、他の仕事や家事等を抱えていることも多いと思うので、それらの合間にどのように取り組めるか、今後考えていただきたい。
 最後に、アスリートの引退に関して、やはり高校卒業を機に引退するとか大学卒業後、就職を機に引退するという方が多く、アスリート支援事業というのは本当にありがたい話だが、そのこと自体を知らない選手が非常に多いので、例えば大学と連携するなど、具体的な就職先や支援体制について情報発信していただきたいと思う。

○意見(委員)
 京都府の女性指導者育成という取組というのは何かされているのかどうか、お伺いしたい。サッカー協会がこれからの女性指導者対策の一環として、女性指導者育成のための取組を推進されている。現状としては、97パーセントが男性指導者ということであるが、今後は女性指導者の数は多少は伸びていくものと思っている。
 そのときに男性側からすると、女性の指導者なんてというような外的要因と、女性自身が自分は家族もあるし無理という内的要因もあるという話を聞いたときに、私の専門である陸上はどうなのかと考えてしまう。私の周りには、結構陸上競技で活躍したアスリートがいるが、そういう選手たちは全くといっていいほど指導者にはなっていない。原因を考えたときに、やはり優先順もあるし、どうしても女性ならではの判断というのもあるので、女性のスポーツ嫌いという話を聞いたりすると、女性ならではの視点からの指導、別にトップアスリートに限らず一般の方たちへの指導に関して、これからの時代、女性が指導者として活躍していくことは大事であると思う。もし、女性の指導者育成についての取組をされていれば、紹介していただきたいし、今後のお考えがあるのであれば教えていただきたい。

○回答(事務局)
 2年ほど前から、女性の指導者育成というよりも、まずは女性アスリート特有の生理面や栄養面等の問題をどのようにサポートして育てていくか、という点に視点を置いた研修を始めさせていただいている。現在、たくさんの女性の方にスポーツ振興に向けた取組をしていただいているが、指導者としてはどうなのだと言われたときに、正直まだ京都府の方は女性指導者をいかに養成して増やしていくかという取組が、まだ一歩踏み出せていないというのが実感である。女性選手に対する指導のノウハウについて、みんなで考える取組を始めたところなので、なぜ女性は指導者として認知されないのか、結婚・出産に伴う課題など、中間年改定に向けて御意見をいただきたい。併せて、府民の実態調査も分析しながら、京都府として何か施策に盛り込めるものがあれば、ぜひとも取り入れていきたい。

(エ)改定に向けたスケジュールについて


○説明(事務局)
 改定作業を進めるにあたり、本審議会以外に、立案・協議等の役割を担う2つの専門組織の設置を予定している。
 1つ目はスポーツ推進計画の施策に関係する行政機関の担当者からなる検討会議の設置で、検討事項の原案づくりが主な役割である。次に京都府スポーツ推進審議会委員の中から6名を選出して組織する小委員会の設置で、主な役割は、検討会議から提案された原案を協議し、京都府スポーツ推進審議会への提案書作りである。最後に小委員会から出された提案書を審議会で審議いただき、改定に係るさまざまな取組の確認・承認を本審議会で行うこととしている。
 次に、これからの予定だが、これまでの3年間の京都府スポーツ推進計画の進捗状況等現状把握に努め、併せて第2期スポーツ基本計画の考え方について、京都府の計画にどのように盛り込んでいく必要があるのかということについて、検討を進めることとしている。
 来年度、4月に小委員会等を立ち上げ、検討会議の作成原案を元にし、6月には「スポーツに関する実態調査」に向けての調査案づくりを行い、次回の審議会で確認いただく予定である。8月に調査を開始、10月以降に調査結果の分析や公表内容の作成を行うこととしている。
 平成30年度には京都府スポーツ推進計画の進捗・達成状況の分析結果や、また国のスポーツ基本計画の施策及び京都府民のスポーツに関する実態調査の結果等を踏まえた上で後半5年間の計画の記述の見直しを行い、改定案の作成にとりかかる予定である。その後、パブリックコメントを経て、平成31年3月に改定版を策定することとしている。

(オ)京都府民のスポーツに関する実態調査について

○説明(事務局)
 府民のスポーツに関する実態調査については、これまでの平成15年、20年、24年の実態調査と同様に、スポーツ振興計画から中間年改定、推進計画策定の前に実施した内容を考えている。今回は8月に実施の予定である。
 調査方法については、無作為抽出法による調査を府内に在住する満20歳以上の日本国籍を有する男女3,000名を対象に行うこととしており、調査内容は、経年調査と併せて、第2期の国の計画の動向を踏まえた項目を新たに追加する予定である。他にも市町村体育団体、スポーツ関連団体へのヒアリング調査を前回同様に実施する予定である。

(2)「中間年改定」検証検討小委員会(仮称)の設置について

○説明(事務局)
 中間年改定にあたっては、在り方を建議するための必要な事項を検討するための「中間年改定」検証検討小委員会の設置を予定している。小委員会は京都府スポーツ推進審議会の委員の中から会長が6名を選任し、任期は小委員会の目的を達成するまでと考えている。
 設置時期は4月から5月の予定である。

○意見(委員)
 中間年改定の概要の中で、「本府のスポーツ推進の必要に見合った目標を設定し、具体的な施策をできる限り盛り込む」とうたわれているが、例えば健康寿命を延ばすという面を色濃く出すような内容にするのか、あるいは地域資質の関係や、いわゆるコミュニティの活性化、さらには観光面をどうするのか、そういう部分をどこまでスポーツが関わる施策として広げるのかということを先に押さえた方が議論がしやすいのではないかと思う。
 今回の第2期スポーツ基本計画では、国が定めた中の4つの施策目標の達成に「スポーツを通じた活力があり絆の強い社会の実現」とかなり大きな風呂敷を国の方が広げているので、それに対してどのように府として取り組むのか。独自に決めればいいことだとは思うが、押さえた方が分かり易いと思う。
 

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