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第15回京都府住宅審議会開催結果

1.開催日時

平成30年3月19日(月曜日)午前10時から11時45分まで

2.場所

御所西京都平安ホテル 2階 朱雀

3.出席者

【委員】14名うち代理出席1名(欠席6名)ほか事務局及び関係課出席

【傍聴者】なし

【報道関係者】1名

4.議事概要

(1)中間答申案について

・少子化対策を含む府営住宅等のコミュニティミックスについて
・府営住宅等の入居者資格等について

資料1-1から1-3及び参考資料1-1から1-2について事務局から説明

(2)報告事項について

京都府住生活基本計画のフォローアップについて

資料2-1及び参考資料2について事務局から説明

(3)その他

参考資料3について事務局から説明

 <中間答申案について>

資料1-1から1-2及び参考資料1-1から1-2について主な質疑

・ 応募倍率のバラツキについて、人気のないところの説明はあったが、逆に最高47倍といった人気の高いところの条件がわかれば説明していただきたい。

→ 人気の高いところについて、28年6月の募集では、京都市左京区の田中関田団地は市内でも立地条件の良い中心部に位置しており、42倍である。小栗栖西団地は38倍だが、低倍率の住戸もある。例えば大規模団地の場合だとエレベーターがないが2階であったり、よく倍率が高くなるのは単身入居可能住戸。倍率の高い団地は傾向として単身可という条件がついているところが多いと感じている。

→ 補足的に説明すると、資料1-1に平成28年6月の住戸ごとの応募倍率等について絵に表したものがあるが、今回の議論においては左側の応募倍率が高いものをいかにならしていくのか、右側の応募がない若しくは1倍程度のものをいかに人が手を挙げてくれるようにするのか、そういった議論になるが、上位の高倍率のグループは、単身入居可能住戸が応募倍率が高い状態であることがわかった。槇島大川原団地等についても、もともと立地・設備等が良いので人気団地になるのは仕方ないにしても、大規模団地において片方は高倍率、もう片方は応募なしであるという状況もわかったので、まず今回の対策としては、単身入居可能住戸は広げる余地があるので広げるべきでないか、これによって応募倍率をよりならすべきでないか、大規模団地において高倍率・低倍率・応募なしと分かれているものについては募集方法を工夫して倍率がならされるように考えるべきでないか。そういった高倍率グループをいかに通常の倍率に戻していくのかといった議論をお願いした。

・ 今の趣旨は、募集したが応募のない団地をどうすればいいかという議論だけではなく倍率が高すぎるところも議論するべき。

・ 高倍率の人気の条件を人気のないところに適応させることが必要ではないかということ。

・ 事務局説明の趣旨は、立地上の高倍率化は操作に限界があるが、単独世帯が増加しており少数の単身入居可能住戸に集中していくことについては、それを改善することによってもう少し単独世帯のニーズに応えることができるのではないかということ。

・ 長期空家の原因別分類結果を見ると、住戸の内部が悪化したものについて、通常の修繕費用が85万円でその倍以上かかるから手をつけていないようだが、長期空家は非常にロスであり費用対効果という形でこれを解消しようという考えはあるのか。

→ こちらについては実態の住戸要因別分析として、どうしても予算は限られているので、限られた予算の中でどの住戸を修繕して応募に出していくのかということになると、大規模団地で片方は80万円程度の修繕で済み、片方は150万円程度必要となると、どうしても安い方を修繕して募集にかけていくため今まで手がつけられていなかった。これをいかに改善していくのかということだが、引き続き予算は限られた状態であり、今回議論をお願いしたのが、状態の悪化した住戸については、国で公営住宅の空家や応募がない住戸について目的外使用をした上でそれを福祉施設とかコミュニティ活性化のための施設に改善するための補助事業が新たに30年度からできたところ。国でそのような予算ができたということは全国的に共通の課題になっているということなので、そういった国の補助制度等の外部資金を活用して新たに状態が悪化した住戸等の長期空家について、目的外使用も含めて有効活用していこうといった形で必要な方策をおまとめいただいている。

・ 今の説明は長期空家の要因によるが、そもそも住宅需要自体があまり高くないことについては、費用対効果上改修することが必ずしも適当ではないので、府営住宅の土地を活用して府民の福祉に適合した土地利用に代えていくことにしてはどうかという選択肢を考えているということか。

→ そのとおり。

・ 応募倍率のバラツキについて説明があったが、民間の賃貸住宅であれば、倍率の高いところは家賃が高くなり、倍率が低いところは家賃を下げるということもあると思うが、今回の調査の中で家賃に関連することは出てきていないか。

→ ご指摘のとおり、民間の場合には市場の中で倍率が高ければ家賃も高くなると思うが、公営住宅の場合は、公営住宅法に基づいて低額所得者に対して低廉な家賃で提供するということで、家賃設定自体は法律に基づく計算式で立地の便利さや設備の便利さ等で自ずと決まってくることになる。倍率との傾向の関係でいうと、高倍率のところは主には立地が良いところもあるがエレベーターがついていたり平成26年供用開始の新しい団地が、単身入居可能住戸を除くと比較的倍率が高い。新しい団地やエレベーター付きの住棟は法に基づく計算式で他の老朽化した住戸に比べて家賃は高くなる傾向にある。そういった意味で高倍率と家賃は、間に挟まる設備や立地等による計算式でリンクしている状態。

・ 例えば同じ建物の中でエレベーターなしの1、2階と4、5階では、4、5階は人気がないという話だったが、同じ建物ではその家賃の計算式では4、5階というのは今は反映されていないということか。

→ エレベーターなしで1、2階と5階等上層階は、間取り等が同じであれば、エレベーターなしの住棟ということで家賃は変わらない。

・ 今のご指摘は、応益係数をもっときっちりと住戸ごとに差をつけてはどうかということではないか。

・ 民間であれば、エレベーターがなければ1階と5階で家賃をだいぶ変えるだろう。府営住宅では変えていないのなら今後の検討課題かという気はする。

→ 制度上エレベーターのあるなしで単純に計算されるので難しいところではあるが、ご指摘はごもっともで、エレベーターなしの4、5階で且つ家賃が1階と変わらないことが原因となって長期空家になっているものについては、今回の報告の中に書いているが目的外使用若しくは入居資格の緩和でもって若年単身者等も含めて活用してもらうようにということでとりまとめていただいた。

・ 制度上というか、応能応益の原理からすると変えられないということはないと思う。かなりさかのぼらないといけないが。

→ 応能応益の考えでいくと若干の差はつくが、一般的な感覚でいう適切な家賃算定は難しい。

・ いろいろな背景があると思うが、エレベーターのついていない住棟に関してはエレベーターをつける可能性を前提に議論が進んでいるが、では実際にバリアフリーがどんどん進むかというとそうでもないという状況の中で今のようなことも起こっているのだと思うが、一方で家賃の難しいハードルを越えるよりは目的外使用にしてしまって4、5階をもう少し自由に使うという可能性を探るということ。

・ エレベーターについて管理部会でも言ったが、費用対効果が十分にあれば一戸あたりの負担額はそんなに大きなコストではなかった気がするので、それを家賃に全額付け替えてもそんなにコストはかからないので半分は補助するとかしてはどうか。

 また別の質問になるが、現状での応募のミスマッチについて管理部会で議論になっていたが、ひとつの住戸しか応募ができずたまたま今月はこの住戸が空きでこの住戸が高倍率になるという事例があり、資料1-2の3ページ目の『3.必要な方策 ① 1)』で応募倍率の平準化、応募無し住戸への誘導や多様な応募方法の導入など管理部会で議論が出た解決策が多少具体化されているようにも思うが、一方で果たして何をやるのかもう少し具体化して説明していただきたい。おそらくこれをやることで抜本的な解決ではないが目先の倍率の平準化につながるのだと思うが。

→ 募集改善について必要な方策に管理部会の議論で出たものをいくつか列挙しているが、何をやるかについては、この答申をいただいてから、簡単に言えばできるところから始めていくということになる。まず募集方法の見直し、多様な募集方法を取り入れるという点については、政治的な面もあるが京都市と同じ方式をとるべきでないか。京都市は郵送方式を導入しているので単に郵送方式に移るのか、それとも京都府の対面方式も併用するのかは知事と市長も含めて議論になっているので、これをまず郵送も含めて多様な募集方法について進めていく。他の情勢も鑑みて取り入れるところから進めていくことになるかと考えている。

→ 府営住宅の募集方法は長期空家が出ることを想定しないやり方、非常に倍率が高く申し込んでも入れない前提で組み立てられている部分があるので、まずウィンドウとして第2・第3希望やタイプ別に募集をするとかして、尚且つどうしても運用の仕方では倍率が上がらない又は応募者がないというところはちょっとお金をかけて若しくは目的外使用をというふうに柔軟に考えている。

・ 趣旨としては募集方法について柔軟な方法を多面的に検討してはどうかということ。やってみなければわからない面もあるので、考えてやってみて結果を見て改善していくという柔軟なやり方で募集の見直しをするということだと思うが、その余地はあると考えてよいということ。

・ 単身入居可能住戸が高倍率だという話があり、それに関して参考資料1-1の6ページにある基準というのはどういう根拠で定められたのか。また、その基準に基づく指定というのはどの程度の頻度で見直しをしているのか。

→ 単身入居可能住戸の基準として北部と南部でそれぞれ55平方メートルと40平方メートルと定めているが、国の住生活基本計画に定めている誘導居住面積水準で単身者の場合は都市型で40平方メートル、郊外型で55平方メートルであるのでそこから引用している。どの程度指定しているかだが、北部地域においては過疎地域ということもあるので面積基準に該当する住戸は全て指定している。南部地域においては、2000戸クラスの大規模団地もあるため、特定の住棟に単身者が集中するのを避けるために、たとえば基準に該当しても1フロアでは最大4割までを指定することで、コミュニティミックスを考慮して単身入居可能住戸を指定している。全て指定しきっているわけではない。

・ 南部地域について確認だが、特定の住棟に単身者が集中するのを避けるためというのはわかるし、どの程度入れば集中したことになるのかはその状況によって変わると思うが、もう少し柔軟にやれば単身入居可能住戸も増えて高倍率の住戸も減るのではないか。

→ もう少し柔軟にというのはご指摘のとおりであるし、単身入居が偏ると言っても現在は高齢者や障害者等に限定しているが、これを若年層まで対象を広げればコミュニティ活性化等につながるのではという議論もある。また、単身入居可能住戸を制限することによって、本来は単身入居可能住戸を指定できる住戸であっても長期空家のまま放置されている場合もあるので、より一層柔軟に対応すべしというのはご指摘のとおりであり、報告を踏まえて今後対応していきたい。

・ 国や自治体は一般的に公共施設について長寿命化が言われており、公営住宅についても効率的な管理を意識して取り組んでいると思うが、方向性というか原則のレベルでもう一歩考えることが必要なのではということで、問題提起する。公営住宅は環境の変化があると思う。老朽施設が増えており、空家が増えることもある。人気があって次々と埋まるというわけでもない状況が報告されている。それを長寿命化して有効に効率的に活用していくことをここで議論していて大きな方向についてはもちろん賛成しているが、次に言いたいのが、利用においても費用対効果を意識するという原則も考えるべき。空家も増加している一方で老朽施設に空家状態になって募集しても埋まらない住戸がぽつぽつある中で入居者がいらっしゃると、強制的に新しい団地へ集約することはできないが、施設の長寿命化をしている一方で施設の利用においても費用対効果を意識しなければならないのではないか。

 ペットのガイドライン改訂について紹介があったが、このことも大変重要な問題である。ガイドラインがあるということは重要であるし、今それが改訂されることも大事なことだと思うが、次のことも考えた方がよい。参考資料1-2の8ページにある改訂版ガイドラインの改訂のポイント①「2、災害時の対応は飼い主による『自助』が基本」と書かれており、そのとおりだと思うが、この点についてどの程度周知がなされているのか。災害が起きて避難したときに初めて京都府は自助が基本だと伝えても「知らなかった」と言われるのが容易に想像できるので、事前にガイドラインがあることを講演会やパンフレット等で知らせるなど、ペットを飼っている方へ普段からはたらきかける必要がある。対象者がこれを知って準備するためにどんな取組をしているのか。十分しているなら問題ないが、していないならこれからすることで実が上がるのではないか。

→ 1点目については、長寿命化を進めている一方で非効率な管理を行っている団地もあるのではないかというご指摘かと思うが、資料1-1の【必要な方策】の3②について、管理部会でも議論があったが、空家がぽつぽつある団地については長期空家の多い住棟から少ない住棟へ団地内集約を進めることを検討ということでまとめていただいた。具体的なアクションとしては、今までこういった取組を進めていなかったところで、後ほど報告事項で報告する参考資料3の長寿命化計画の一番最後のページに28年度からの長寿命化の取組について表中の「維持管理予定」の「うち改善予定」の中に「低層集約型改善100戸」という記載があるが、舞鶴市の朝来西団地(190戸のうち半分程度が空家の団地)について、団地内集約を進め、半分は用途廃止を行って半分は改善を行う。これはご指摘のあったような費用対効果・効率的な管理という観点からも新たな取組をモデル的に進めていこうというもの。このモデル的な取組を進め、今後さらなる展開を考えていきたい。

 2点目のペットについては、自助が基本であるとかガイドラインの趣旨を普段から周知すべきといっても、住宅課だけでは難しいので関連部局と連携してということになると思う。少なくとも府営住宅において被災者の受け入れは行っているが、現在ペットを抱えている方については、府営住宅団地は一律ペットを禁止しているため、熊本地震においてもお断りをし、それが議会質問につながったこともある。かといってペットについては、このようなガイドラインが出るように現在は高齢化の中で従来のペットではなく心の支えになっているといったこともあるので、ペットの取扱いについて災害時、さらには日常時において府営住宅団地でどう取り扱うのかといったことについてはまた議論をお願いしたい。

資料1-3について主な質疑

・ 「コミュニティミックス」という言葉を「世代間交流」など広辞苑に載っているような言葉にしていただきたい。

・ 「コミュニティミックス」というのは施策側の言葉だと思うので、公営住宅の居住者から見た言葉として「世代間交流」とするのは理解できる。答申に立ち戻って言葉を変えるというのは可能か。

→ 当課の諮問の中で「コミュニティミックス」という用語を裸で使っているが、答申案をご審議いただいているところなので、答申の本文の中身において「コミュニティミックス」を括弧書きで今ご指摘のあったような文言等を追記するという形は可能かと考える。

・ 括弧書きにするか注としてコミュニティミックスの説明をするということか。実際には世代間だけではなくさまざまな交流を指しているのでカタカナにしているところもあるかと思う。

・ 山田知事が見てもよくわからないのではないか。

・ さまざまな世帯の属性を混合するという日本語の説明をどこかに注書きのような形で書いてはいかがか。一言で書くとそれと同じ意味かということが問題になるので注を入れる方がよい。

今審議いただいた内容も含めて中間答申としては「コミュニティミックス」という言葉の注記をつけるということで、この文章をベースにしてとりまとめて知事に提出するということでよろしいか。注記の文章の修正については会長預かりとさせていただきたい。

 → (全委員賛成)

<報告事項について>

資料2-1から参考資料2-3について主な質疑

特になし

5.配付資料

資料1-1(PDF:430KB)

資料1-2(PDF:308KB)

資料1-3(PDF:190KB)

資料1-4(PDF:143KB)

資料2-1(PDF:438KB)

参考資料1-1(PDF:1,585KB)

参考資料1-2(PDF:1,162KB)

参考資料2(PDF:3,308KB)

参考資料3(PDF:1,691KB)

 

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