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第18回京都府住宅審議会府営住宅管理部会開催結果

1.開催日時

令和元年7月12日(金曜日)午後2時から3時45分まで

2.場所

御所西京都平安ホテル 呉竹

3.出席者

【委員】8名

【傍聴者】なし

【報道関係者】なし

4.議事概要

(1)付議事項のうち当面の検討課題について

・府営住宅等の入居者資格等について(府営住宅等の連帯保証人制度の見直し)

(2)報告事項について

・京都府府営住宅入居者選考委員会について

・使用料・手数料の見直しについて

<付議事項のうち当面の検討課題について>

●資料1~3、参考資料1~22について主な質疑

・ 確認だが、本日はどこまで結論を出せばよいのか。また、資料2の最終ページが原案でも事務局案でもなく「試案」となっているのはどういった意図か。

・ 先に今後のスケジュールや進め方について事務局から説明いただいた方がよいと思うが、資料3を見る限り、本日の第18回管理部会で一定の方向性が決まれば、事務局にパブコメ案を作成してもらい、その案を次回管理部会で検討するという段取りで進めていくと理解しているが、事務局から補足はあるか。

→ 先ほど部会長も仰ったが、資料3のスケジュール案に沿って進めていきたいと考えている。来年の4月までに成案とする必要があり、それまでにパブコメや条例改正を行う場合、9月議会での報告を求められることもあるため、お示ししているスケジュール感でお願いしたいところ。パブコメ案は、本日の審議状況が事務局で整理できる内容であれば整理・作成し、もう一度審議する必要があれば次回部会を開催する方向で検討する。

 「試案」というのは言葉が適切ではなかったかもしれないが、「対応案」として考えていただきたい。

・ 「試案」となるとあくまで議論のきっかけであり、ここから方向性を探っていくような印象を受けるので、確認した。

・ 機関保証制度の導入に関して、家賃収入の減少が懸念事項として挙げられているが、債務保証会社は家賃滞納時の代位弁済や回収業務を行うので家賃収入は確保されるのではないか。

→ 京都府は全ての連帯保証人に同じ範囲の保証を求めているが、債務保証会社によって家賃何ヶ月分など保証範囲が決められており、そこで妥協して機関保証を利用すると収入は減る可能性があるのではないかと考えている。

・ 民間の債務保証会社のイメージだと、債権を回収しなければ会社がやっていけないこともあり、1,2か月の滞納で督促を行い3か月ほどで明渡を請求することもあるかと思う。そうなると行政も早急に明渡請求を行っていかなければいけなくなるのかと危惧しているところ。

→ 会社側の圧力により行政も早期から明渡請求等を行うよう求められるということであれば、あり得るかと思う。民法改正により連帯保証人へ滞納者の情報を提供しなければならなくなるので、保証会社でもしっかり状況把握を行い、滞納が続けば行政側に対応を求めることもあるだろう。

 ただ、公営住宅における明渡請求は家賃滞納3か月以上から行うこととなっており、民間賃貸住宅よりハードルが高めに設定されている。その要件以外にも、訴訟では裁判上の判断として信頼関係の破壊が必要とされているが、現在は原則6か月以上滞納の方を訴訟の対象としており、滞納している間にも指導は積み上がっているので信頼関係の破壊を主張できる部分もある。勝訴できる範囲でどの程度短縮が可能か、公営住宅としての判断が必要。

・ 保証会社がどこまで公営住宅の状況をわかった上で引き受けてくれるのかが難しい。会社は利益を追求するので入居者が支払う額が大きくなるなどのリスクもある。保証人に関する検討は全国的にもまだ進んでおらず、見通しが非常につきにくい部分があることと、自然人での連帯保証人の選任が困難になってきていることは共通認識かと思う。その中で民間の保証会社は選択肢の一つだが、まだその様相がわかりづらいと感じている。

・ 民間賃貸住宅では平成22年から28年の間に連帯保証人が半減したということで、この時期に社会変革が起こったのだと思う。京都府でも平成29年に連帯保証人を原則2名から1名に減らしており、これは民間ほどの変化ではないにしろ社会変革の流れに乗る形だったのではないかと思うが、それからまだ2年しか経っていない状況で更に制度を改正するというのはタイミングとしてどのように考えているのか。

→ 原則2名から1名に減らした際に民法改正があることは既にわかっていたが、入居できない方への対応が議会でも差し迫った問題として取り上げられたため、大きな改革をするまでのつなぎの施策としてすぐに対応できる原則2名から1名への変更を行ったと認識している。

・ 予想どおりの回答だったが、生活支援のあり方を考えなければならない一方、機関保証制度を適用することで入居者にとって追加の賃料(負担)が発生するかもしれないし、連帯保証人が支払っていた原状回復費用を府の税金から支出するかもしれない。ある意味いくつも障害があると思うがどのように考えているのか。

→ 入居者への追加負担は当然懸念している。具体的には保証料がいくらになるのかによると思うが読み切れない部分がある。入居者の生活レベルもそれぞれ異なるので一概に言えないが、公営住宅への入居を確保する代わりに少なからず追加負担が発生するのは懸念事項ではある。

 また、府が負担する費用についてだが、実際には連帯保証人からの原状回復費用の支払はほとんどない。連絡を取って残置物を片付けてもらうことなどはあるようだが、府がやらなければならないケースとなると費用が高額になることが多く連帯保証人には請求しにくい。敷金として家賃3か月分を預かっているのでこれを充当することも可能。現在、連帯保証人が大きく貢献いただいているかというと実態はそうでもない。共通の課題として挙げているように連帯保証人の存廃に関わらず原状回復費用等は問題であり、廃止したからといって府の不利になるようなことはないと思われる。

→ 納税者である府民との関係については懸念しているところ。どのような立場で提案するかということだが、公営住宅はセーフティネットとしての役割を強く求められるようになっていると感じる。住宅困窮者を手厚く支援していく一方で、それに対する府民の理解を得るためには、滞納家賃徴収・法的措置の強化など的確に実施していくべきだと考える。その両輪で対応していくために今回の提案をさせていただいた。

・ 連帯保証人の確保が難しいという状況は十分わかったが、連帯保証人を置くことで滞納額の通知など連帯保証人への対応も行っていると思う。それにも費用が発生しているということでよいか。

→ もちろん発生する。連帯保証人は入居時に選任してもらい、連帯保証人が変われば報告が必要であること、死亡した場合は代わりの連帯保証人を立てること等が制度上は規定されているが、十分機能していないこともあり、滞納が発生した場合は、連帯保証人がどこにいるのか調査するところから始めなければならないこともある。そういった意味で時間は必要。

・ そういった意味で、制度を存続する場合のデメリットとして事務的コストが記載されているが、それがどの程度なのかがわかれば廃止の案には非常に納得がいく。

・ セーフティネットや福祉の観点も重要だと考えてはいるが、連帯保証人制度を廃止するという案を出す過程で検討したいくつかの鍵になる部分の情報が示されていなかったり、見込であったりすることが多い。

 例えば、連帯保証人を要件としているが故に入居を諦めている人がたくさんいるから廃止するということであればまだわかるが、いるかもしれないがわからないとなると説得されない。また、京都市と歩調を合わせなければならないとしながら、先方は方針未定とのことであり、京都市が決まらなければ動けないのではないのかと思うところ。

 さらに、連帯保証人制度を廃止することによる府の負担がわからないとなると、「わからないけどやりましょう」とはならない。効果も費用もわからない、重要な事項がわからないのでは事務局案に賛成できない。その中で廃止する理由も断片的には見られるが、結局一番強調されているのが「自然人としての連帯保証人が確保できないから」という理由であり、それで効果・費用がわからない案に着手するというのは根拠が弱い。いっそ違う進め方で、何をどう言われても連帯保証人を立てられないから対策を考えたいということであれば仕方ないと思うが、実施上重要な部分がわからないまま意見を求められれば了承はできない。

・ 前回から廃止の方向に賛成していた。というのも、連帯保証人が確保しにくいという点以上になぜセーフティネットに連帯保証人という前提条件があったのか、最後の砦になぜ条件があったのかという点を常々疑問に思っていたので、廃止することで本当のセーフティネットになれるのではないかと思い賛成している。ただ、京都市の動向によって方向性がひっくり返されるかもしれないという点は危惧している。他の道府県・政令市の動向を見ると歩調を合わせているようであるので、京都市の動向についてはどれくらい把握しているか。

→ 申込前の動向については、数は明確になっていないが、参考資料9の行政評価・監査結果報告書で自立支援機関の意見がまとめられており、その中で「公営住宅は、原則保証人を確保する必要があり、…紹介する選択肢から除外している」との記載がある。具体的な声があがっているところまでしか把握していないが、こういった事例は公的な監査報告にも載っていることを紹介させていただく。

 京都市は「未定」としている。他府県については、政令市の動向とかなり重なっており、宮城県・仙台市以外で方向性が異なる自治体を把握していない。政令市はほとんど廃止の方向であるので、現在未定となっている道府県も混乱を避けるために廃止の方向に向かっているのではないかと考えている。

・ 仮に連帯保証人制度が廃止され、債務保証会社の活用等によりコスト増加となった場合、公営住宅の家賃額に影響する可能性はあるか。

→ 公営住宅の家賃については、応能応益家賃であり国の規定によって定められているので、事務的経費の上昇が家賃に反映されることはない。

・ 調査をしても明確に掴めない数字や効果があり、家賃の滞納が起こるかは予測できないことがあると思う。福祉の分野の委員からも発言があったが、単身高齢者が増加し、勤労者世帯でも連帯保証人が求めにくい状況は共通認識かと思うが、その中でどのような対応をしていくのか考えるのがこの部会かと思う。事務局では機関保証について検討し、難しい状況がありそうだとわかってこのような案を出したのだと理解している。小さな自治体では、NPO法人などに機関保証会社の役割を担わせることを検討していると聞いているが、他自治体でも民間の保証会社を利用するのは難しいようだ。異存なければ事務局案でパブコメ案を検討したいと思うがいかがか。

→ 委員の皆様が仰るとおり、資料については肝心なところが抜けている印象。6月定例会の本会議でも、連帯保証人が選任できない方がいることを問題視する意見があがるなど注目されている。また、民法改正により制度の存廃に関わらず4月1日には何らかのアクションを起こさないといけない。我々としては、社会情勢を鑑みこの対応案でいきたいと思う。セーフティネットを連帯保証人にするのではなく、京都府がセーフティネットになるのだと理解している。ただし、これには税金の支出が伴うこととなり、事務的な議論も進めているが、本日の資料では提示しきれなかったところもある。このままの案でよいという流れではないと思うので、予測できないこともあるが、連帯保証人の義務がなくなったときにそれを代替する方法等について検討しているので、お示しできることをまとめ近いうちに説明したい。

・ 事務局の提案は積極的に捉えたいが、時間の制約も考慮すべき。本日の議論では少数の反対意見と多数の賛成意見があったように見受けられた。私は反対意見を変えるつもりはないが、大勢は賛成であったということで、このまま進めていただいても結構です。

・ 本日いただいた意見をベースに事務局の方で適切に判断してもらって構わないが、可能であれば次回部会でパブコメ案の検討をできればと思っている。ただ、事務局の意見もあるので慎重にもう一度事実や対応策等を明確にした上で次回に方針を確定するということでまとめてよいか。

→ 議会等の関係もあるので、本日いただいた御意見を踏まえ、具体的な回答をできる限りお示しし、パブコメ案についても部会長と相談した上で次回に提示したい。なお、次回は8月中旬ごろを予定しているが、時期的にお集まりいただくのが厳しいということであれば、メール等で資料を提示し、御意見をいただいた上でパブコメ案を作成、それに対してまた御意見をいただくという形としたい。

(了承)

 <報告事項について>

●資料4について主な質疑

特になし

5.配付資料

資料1(PDF:2,730KB)

資料2(PDF:570KB)

資料3(PDF:157KB)

資料4(PDF:81KB)

参考資料1~22(PDF:1,982KB)

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