京都府環境審議会の議事要旨 平成24年4月20日
1 開催日時
平成24年4月20日(金曜日) 午前10時30分から12時まで
2 場所
京都ガーデンパレス 2階 葵の間 (京都市上京区)
3 出席者
【審議会委員】
青合委員、伊庭委員、上里委員、奥田委員、奥原委員、小田委員、笠原委員、栗田委員、黒坂委員、黒田委員、郡嶌委員、國領委員、酒井委員、須川委員、武田委員、塚本委員、寺島委員、内藤委員、長畑委員、本庄委員、牧委員、槇村委員、増田委員、松井惠子委員、松井裕之委員、村上興正委員、村松委員、矢部委員、山口委員、山田委員、横山委員、冷泉委員、渡邉委員、
小栗特別委員、上総特別委員、菊池特別委員、正野﨑特別委員、
徳丸特別委員、外山特別委員
(計 委員33名、特別委員6名)
※上記のうち、次の委員は代理出席
奥原委員(代理:外池 京都商工会議所まちづくり推進担当課長)
小田委員(代理:山下 京都府市長会事務局次長)
塚本委員(代理:田中 京都市環境政策局適正処理施設部技術担当部長)
小栗特別委員(代理:丹治 近畿農政局生産技術環境課課長補佐)
上総特別委員(代理:小山下 近畿地方整備局長環境調整官)
徳丸特別委員(代理:田中 近畿地方環境事務所環境対策課長)
【事務局】
中井文化環境部長、石野環境・エネルギー局長、中野環境・エネルギー局副局長、廣瀨環境技術専門監、平井エネルギー政策課長、山田循環型社会推進課長、木下自然環境保全課長、池田環境管理課長、森田地球温暖化対策課長、原田薬務課長、吉川森林保全課長、その他関係課員
【傍聴者】 なし
【報道関係】 1社
4 議事
報告事項
(1) 平成24年度環境施策の概要について
(2) 各部会の審議状況等について
総合政策部会
地球環境部会
資料1(PDF:289KB)
廃棄物・循環型社会形成部会
資料2(PDF:179KB)
環境管理部会
資料3(PDFファイル ,187KB)(PDF:187KB)
自然・鳥獣保護部会
資料4(PDF:347KB)
温泉部会
資料5(PDF:276KB)
(3) その他
東日本大震災で発生した災害廃棄物(がれき)の広域処理に係る京都府の対応について
災害廃棄物対応( PDFファイル ,3MB)(PDF:3,080KB)
5 報告事項及び委員からの主な意見
1 平成24年度環境施策の概要について
事務局から、文化環境部の組織改正及び平成24年度の主要な施策を説明した。
- モニタリングや食品の放射能検査をした結果について、どのように公表しているのか。
(事務局)環境放射線は、京都府のホームページにおいて10分ごとにリアルタイムで公表している。食品については、健康福祉部において流通食品、農林水産部において府内農産品について検査をしており、検査のたびにホームページで公表している。
- COP3の開催地として、CO2削減は重要な課題である。原子力発電がこれから縮小の方向にいくと、CO2・化石燃料の増加になると思うが、京都府のエネルギー政策の方向性はどうか。
- エネルギー戦略については、京都府という特徴を踏まえての議論が必要。各地域でその地域なりのエネルギー開発や、自然エネルギーで自給をはかっていくことも。
(事務局)地球温暖化対策と安心安全なエネルギー確保の両立は難しい問題。「創エネ・省エネ・既存エネルギーの増強」にどのように取り組んでいくのかを考えていきたい。また、地域にとってのベストミックスは、環境性・経済性・安定確保に加え、地域での地産地消・地域の活性化・地域産業の育成にもつなげていくことも大事と考えている。
- 森林整備の予算について、里山という資源が朽ち果てているという状況が見えてこない。京都府はかなりの部分が山林であり、民有林は所有者がほってあるという現実がある。
(事務局)森林資源はCO2を吸収するものとして重要であり、エネルギーとして利用することも森林整備を進めていくうえで欠かせない。文化環境部・農林水産部と共同でバイオマスの研究会を設けて検討している。今まで、ペレットやバイオマスの発電などの利用などの議論の中では、経済性の問題が指摘されている。今までの課題をクリアできるように、積極的に取りくんでいきたい。
- 森林資源は加工するほどにコストがかかる。加工せずその場で使うということにも配慮を。
- バイオマスの活用について、行き過ぎると資源の枯渇につながる。資源量との調整を充分に検討されたい。
2 各部会の審議状況等について
事務局から、平成23年度の部会の審議状況等について説明を行った。
なお、総合政策部会は開催がなかった。
- 生物多様性の保全ということは、世界的には社会問題になっているが、一般の人にとってはマイナーな意識。レッドデータブックは、絶命に瀕している生物をランク付けしており非常にわかりやすいが、京都府は、2002年に全国一の分厚さの本を作成したものの更新できていなかった。今回環境省の補助により、レッドデータブックのデータの更新を行うが、本としての作成までは出来ない。
シカ・クマ・サル・イノシシの被害は、中山間部地域では大きな問題になっており、離村問題にもなっている。水源問題や土壌問題にもなってきているという認識をもってほしい。
また、シカ対策はかろうじて爆発的な増加を防いでいる。猟友会が非常に協力的であるが、支援が薄く、高齢化も進み、人数も減っていっている。個体調整をしていく人がいなくなってしまう。こういう問題を議論し、審議会の位置づけも考えていってほしい。
- ものをつくって、廃棄するのにもかなりのエネルギーを使う。食品が手をつけられずに廃棄物になれば、食品を作るのにエネルギー・資源を使い、廃棄するのにもエネルギーを使っているということであり、電気を消す以上にエネルギー削減する効果があるはず。目に見えない「省エネ」がたくさんある。3Rの推進は「省エネ・創エネ」につながる。
3 その他
(東日本大震災で発生した災害廃棄物(ガレキ)の広域処理に係わる京都府の対応について)
- 京都府が岩手・宮城のガレキの受け入れを検討しているということであるが、消費者の皆さんはすごく敏感に感じている。農産物に対して風評被害が出た場合、国が全量買い上げるという気持ちでやってほしい。安易に受け入れて、「被害が出たら、国に言います」ということでは、農業をして府民に食べてもらっている生産者としては、そう簡単に「わかりました」というのは難しい。
(事務局)風評被害は安易に考えていない。きちんと対応する。これまでに知事が細野大臣に国が責任をもって対応してくださいと直接伝え、対応すると言っていただいている。この姿勢は貫いていきたい。
また、受け入れるガレキは、岩手・宮城のガレキであり、国よりもかなり低い基準を関西広域連合で決めており、新しい食品の基準と同等である。もし食べてしまっても、影響がでない数値である。これが基本である。府民にも充分理解してもらえるよう府民への啓発も努めていく。
- 放射能については、「リスクコミュニケーション」について話し合わないといけない。健康影響についても、いずれ発言をしてもらう必要があると思う。
- 廃棄物の処理で、食品レベル以下であるとのことであったが、放射性物質が濃縮されることはないのか。
(事務局)廃棄物の処理の中で、灰になったら濃縮されるおそれはある。この点も考慮して関西広域連合の中では厳しい基準で対応する。
- 放射線・放射能に関する問題はわかりにくく、国民の中に不信が生じている。冷静な議論ができない社会状況になっている。それに対してできうる限り、理解を深めてもらうように努力、「リスクコミュニケーション」を徹底してやっていく必要がある。不安・不信・感情的な中で、「賛成・反対」という議論をしている。いろんな計画の中でそういう観点をもってもらいたい。