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京都府環境影響評価専門委員会の結果概要(平成30年4月23日(月曜日))

1日時

平成30年4月23日(月曜日)午前10時から正午まで

2場所

御所西京都平安ホテル「羽衣の間」

(京都市上京区烏丸上長者町上ル)

3出席者

【委員】
渡邉委員長、荒川委員、磯辺委員、上田委員、大下委員、黒坂委員、清水委員、田中委員、德地委員、中尾委員、布野委員

【事務局】
環境技術専門監、環境管理課長、その他関係職員

【関係機関】
京田辺市、大阪府、枚方市

【事業者】
枚方京田辺環境施設組合、八千代エンジニアリング株式会社

【傍聴者】
2名

4公開・非公開の別

公開

5議題

枚方京田辺環境施設組合可燃ごみ広域処理施設整備事業に係る環境影響評価方法書について

6主な意見及び質疑応答

  • 説明会で「工事を行う中で地下水がなくなる等の問題が出てくれば検討する」と回答されているが、地下水への影響は枯渇に限ったものではない。関連する地下水位の変動についても長期的に観測する必要はないのか。

【事業者】
説明会での質問は農業用井戸への影響を心配するものであったため、万一下流で影響があれば、補償も視野に入れて検討しなければならないという意味で回答した。事業により長期的な地下水の変動が生じるとは考えていないので、長期的な地下水のモニタリングは考えていない。

  • 住民の方は、最悪の状況、いろいろな気象条件が重なったときに何が起こるのかを気にされている。評価をするときに、どういった基準で最悪なときを選ぶのかが問題となる。例えば大気のサンプリングをするときに、場合によっては最悪な状況を捉えられないこともありえる。最悪な条件を評価する方法について具体的に説明をいただきたい。また、それを住民の方に分かりやすくどのように説明されるのか。

【事業者】
煙突排出ガスでは、二酸化硫黄、二酸化窒素、浮遊粒子状物質について、年間の平均的な濃度と特殊な気象条件として1時間値を予測する。また、大気質への影響が大きくなる条件として、上層逆転層出現時とダウンウォッシュ時、接地逆転層崩壊時を基本にして短期の予測を行う計画としている。評価については、年平均値は環境基準で長期的な評価を、項目によっては1時間値の基準も設定されているので、そういう評価基準と照らし合わせながら、今回の予測結果について評価をしていく。

  • 環境基準というのは全体としての目標であり、高感受性集団といわれる健康影響が出やすい方に対して、環境基準より低いから大丈夫だということでは説明がつかないと思う。環境基準だけではなくて、今のレベルと比べてどれくらいなのかということも含めて説明が必要だと思う。

【事業者】
そのとおりだと考える。基準との比較と併せて現状からどう変わるのかも検討する。今回は甘南備園の既存の施設を停止して新しい施設が稼働するという状況であるため、そういったことも踏まえながら評価について考えていきたい。

  • 最悪の状況を想定して検討を行うときに、前回の委員会で、「現況調査の結果をバックグラウンドとして、それに新しい施設の上乗せ分を加えて予測するという方法と、全体の排出量を示すことによって最悪の状況を併せて整理するという2種類の方法で予測していきたい。」と説明されているので、最終的には2種類の方法で行うことをどこかに示す必要があると思うが、その理解でよいのか。 

【事業者】
そのような趣旨で進めていく。

  • 現在の甘南備園の焼却炉の撤去計画が未定であれば、煙突は合計で3本並ぶ形になると思うが、その点をどう考えているのか。

【事業者】
甘南備園の現焼却施設は新たな広域処理施設にかわるので、煙突はいずれなくなる予定だが、京田辺市が撤去を行うため、当組合では答えられない。
景観に関しては、現状2本見える地点がいくつかあり、それに対して、3本目がどう加わるかということでフォトモンタージュなどを作成する。
大気質については、重複して稼働する期間もあるので、甘南備園も東部清掃工場も稼働している状況で現地の測定を行い、それをバックグラウンドとし、将来施設をオンした場合にどうなるかを見ていく。

  • 市街化も進んでいるため新田辺駅周辺からは煙突は見えないということだが、新田辺駅のホームからはどうか。景観の場合、樹木が茂っているから見えないとか、剪定したら見えるようになったというようなことがよくあるが、相手は生きものでどう変化するか分からないので、調べた時点が、成長が著しい夏場であれば見えないのは当然だし、いずれ樹木も更新していくわけなので、そのときにどうなるかということもきちんと予想されるべきだと思う。

【事業者】
駅のホームから見えるということはないが、念のため、改めて確認しておきたい。

  • 住民説明会で、ため池の底質に関する指摘があるが、底質については、排水を放流しないという理由で評価項目から排除されている。底質汚染は排水経由だけではなく、大気経由もある。底質は、結構汚れていることが多いと思うが、今の時点で、データをとっておくというのは、現状の状態を把握しておくという意味でも重要であるので、検討していただきたい。

【事業者】
施設からの排水については、基本的には流さないので、排水由来の汚染は考慮しなくてよいと思う。造成に伴う土壌由来は、評価項目としており、資料等調査により、計画地について汚染が懸念されるかどうかを検討することになっている。ダイオキシンその他の有害物質等が懸念されるのであれば、水質や底質についても検討する必要があると考える。煙突からの大気由来については、最大着地点での濃度の状況などを見ながら、一般環境の大気に対してどのくらいの負荷があるかを考え、その中で土壌汚染を考える必要があれば、検討したいと思う。

  • 1970年くらいまで、農薬として撒かれていた塩素系化合物の中に非意図的にダイオキシン類がかなり入っていることが知られている。大気中の濃度は小さくなっているが、ため池が作られた時期によっては、農地にまかれたものがノンポイントソースとして入ってきて、ため池等の底質にたまることも考えられる。異性体によっては長期間たまっているということになる。したがって、いつ作られたため池なのかにも留意して調査をしないと、本来の結果が得られないかもしれない。

【事業者】
京奈和道の横の調整池での底質の調査は予定していないが、様々な物質に由来するものがダイオキシン類だと思うので、ノンポイントソースという農地に非意図的にまかれたダイオキシン類については、分析の際には考慮した上で、検討したいと思う。

  • 水銀に関する新施設の計画目標値は決定しているのか。決定していなければ、将来的にどういうスケジュールで決定していくのか。

【事業者】
水銀については、今後2年間で学識経験者4名と行政2名と組合の7名で構成される事業者選定委員会で、要求水準書といういわゆる施設の仕様書を作成していく中で、基準を決定していただく。

    周辺の地下水への影響については、京都府の常時監視のデータ等を活用して、地下水のフォローアップを考えていくとよいのではないか。将来の変化も確認できるのではないか。

【事業者】
既存資料としての周辺民家等の情報や、現地ボーリング調査の結果等を踏まえて、検討していきたい。

  • 事業予定地は雑木林だったと思うが、下の方が湿地というかジュクジュクした状態になっていると伺った。そういった場所の生物に、希少な生物が生息していることが多く、そういう場所の多様性を担保していただきたい。単にため池があるからいいということでは、生物の多様性を守ることができないので、事業開始後も敷地内に残る調整池のあり方も考えていただいて、この部分がなくなることの代替案をきちんと出していただきたい。生物の多様性が失われてしまう原因は色々あると思うが、やはり土地利用改変の影響はとても大きいので、最近進んでいる色々なビオトープを参考に、良い案を提案いただいたら、住民の方も安心いただけるのではないかと思う。

【事業者】
水の溜まりやすいようなところは、様々な種が確認されやすいという指摘だと思う。、京奈和道の横の調整池での魚類や底生動物の調査を予定しているが、一番勾配が低くて、水が溜まりやすいような環境にもなっている斜路をあがるところの手前も、動植物の調査を行い、保全すべき種がいるかどうかを、確認していきたい。

  • 市民の方から甘南備山周辺にオオタカが生息しているという情報が寄せられている。これに対応するためには、やはり甘南備山に生息しているというオオタカを対象にしてしっかり春夏秋冬と調査して、営巣地がどこにあるのか、行動圏がどれくらい広がっているのかをデータとして示すべきである。影響がないというのであれば、行動圏の中から事業地が外れているので影響がないというように、住民に示すべきだと思う。
  • 現地調査の際、鳥類の調査は繁殖期に集中して行うと伺ったが、既存の施設では、鳥類の調査は春夏秋冬、4シーズン通じて行われているので、今回もこの方法に従って変更していただいた方がよいと思う。方法書に記載のデータでは、冬期の非繁殖期にくる鳥が事業地内に少ないので、それを踏まえて繁殖期に集中して調査を行うとされているのかもしれないが、やはり、今回は環境アセスメントの一環として行われるので、冬に鳥がきていない、重要種がいないということをデータとして提示することが大事だと思う。したがって、鳥類の調査は基本的には一年通じて行うということで調整していただけたらと思う。

【事業者】
動物の調査については、方法書の6-45ページに示しており、鳥類については、ラインセンサス法と定点記録法について、春夏秋冬の4季行うことにしている。一方で猛禽類については、繁殖期である2月から8月に毎月3日間連続で実施するとしており、現地調査の際に、「1月から実施する」ということも説明させていただいた。そのような形で、まずは一繁殖期に行い、必要に応じて二繁殖期目、2年目の調査も行う方向で考えている。
また、住民の方からオオタカがいるという話があるので、甘南備山の周辺も飛翔や繁殖行動などがないかということを確認して、事業等の影響についても今後整理していきたいと思う。
猛禽類については、環境省の緑本(猛禽類保護の進め方(環境省自然環境局))に従って、標準的な調査を行うことを考えている。繁殖期以外の調査は重点化ということになると思うので、現時点でそこまでは想定していない。

  • オオタカの場合は非繁殖期にも国内に残って、特にオスが営巣地に居残って1年間その周辺を使うという特性も明らかになっているので、そういったことを踏まえると、やはり繁殖期だけでは不十分になってしまう可能性がある。1年間通じて、行動圏が非繁殖期に広がったときにも事業地が含まれないのかという点について、しっかりと提示するべきである。

【事業者】
検討する。

  • 住民意見等への見解書で、「関係機関に伝える」という回答をしているところは、ここでのアセスの検討の範囲外だという認識でよいか。どういう関係機関にどのように伝えたのかということは、委員にお伝えいただけるのか。

【事務局】
住民の方からは、多種多様な意見をいただいており、京都府としても、他分野に関する部分については、関係機関への意見照会の際に伝える。京田辺市に対しては、そのまま文書で伝わっているので、市の中で共有する中で、担当部署に伝わっていると考えている。

  • 住民の方の意見書に「民主主義の国ですか、住民ははじかれた」ということまで書いてあるが、事業者とは組合であり、これから選ぶ事業者とはまた別物であるとここにきちんと書いていただいているが、こういった説明が先にあれば、ここまで誤解を生じることもなかったと思う。住民の方への説明を、今後もしっかりしていただきたい。

【事業者】今後とも、住民に対してホームページや広報誌等を通じて十分に説明していく予定である。

  • 環境改変をするので、影響を回避するのはできないにしても、低減するために、代償なども総合的に評価に含めることによって、影響の大小が変わると思うので、留意するべきである。

8配付資料

次第(PDF:67KB)

資料1委員名簿(PDF:78KB)

資料2委員会規則(PDF:66KB)

資料3-1委員会公開の取扱い(PDF:62KB)

資料3-2傍聴要領(PDF:90KB)

資料4諮問(PDF:31KB)

資料5(表)条例手続(PDF:175KB)

資料5(裏)方法書手続(PDF:230KB)

資料6方法書概要等(PDF:124KB)

資料7-1説明会実施状況報告書(PDF:296KB)

資料7-2見解書(PDF:468KB)

資料8住民等意見の概要(PDF:368KB)

お問い合わせ

総合政策環境部環境管理課

京都市上京区下立売通新町西入薮ノ内町

ファックス:075-414-4705

kankyoka@pref.kyoto.lg.jp