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京都府環境影響評価専門委員会の結果概要(平成30年10月2日(火曜日))

1日時

平成30年10月2日(火曜日)午後2時から4時まで

2場所

御所西京都平安ホテル「羽衣の間」
(京都市上京区烏丸上長者町上ル)

3出席者

【委員会】
渡邉委員長、荒川委員、磯辺委員、上田委員、大下委員、清水委員、田中委員、徳地委員、中尾委員、布野委員

【事務局】
環境技術専門監、環境管理課長、その他関係職員

【関係機関】
京丹後市

【事業者】
株式会社市民風力発電、株式会社CSS、株式会社東洋設計

【傍聴者】
なし

4公開・非公開の別

公開

5議題

(仮称)太鼓山ウインドファームに係る計画段階環境配慮書について

  1. 事業者による事業概要及び配慮書の内容説明
  2. 質疑応答

6主な委員意見及び質疑応答

騒音及び超低周波音について

  • 事業実施想定区域から最寄りの住居に対しては大きな影響はないと思うが、港からの搬入ルート等について、搬入車両やミキサー車の交通に係る環境影響が小さいとした理由は何か。

(事業者)
港からの搬入ルートは風車部材の運搬車両が通る。風車1基あたり1日1~2台の特殊車両が、10日間、夜間に通行するだけであり、影響は大きくないという評価をした。ミキサー車は利用する生コン会社が決まらないとルートが決まらないため、確定しているルートのみ示している。車両の通行も1基当たり1日のみであり、示したルートには住居がないため、環境影響はあまりないと判断した。

  • 環境影響がないとのことだが、ミキサー車1日150台というのはほぼ数珠つなぎに近いため、それなりの影響があると思う。ルートが判明し沿道に住居がある場合は、何らかの配慮が必要だと考える。

(事業者)
御意見として承る。

  • 直近の住居までは1.8kmあるものの、近傍のスキー場やロッジの従業員や滞在者への騒音・振動の影響についても配慮いただきたい。

(事業者)
スキー場に関して配慮するのは最もだと考える。夏場は営業していないため人がおらず、また、冬場は積雪のため工事はできないと考えている。そういった点を踏まえ、配慮して計画していく。

  • 夏場でも近くに牧場やロッジ、レストランもあり、夏場でも観光客がいるので、住居以外にもそういった施設への影響にも配慮すること。
  • 運転時の騒音及び超低周波音は今より大きくなるのか。近傍にスキー場や鳥獣保護区もあり、特に超低周波音の影響が気になる。

(事業者)
今回設置する風車の騒音は今後シミュレーションし、お示しする。現在の施設の諸元は持ち合わせていないので比較はできていない。

  • 騒音の予測結果について、予測式を見ると騒音全体については評価されているが、超低周波音については評価されていないのではないか。

(事業者)
風車の機種が未定であるため超低周波音は、配慮書では整理していない。方法書以降で検討する。

  • 騒音予測を行う場合は、現施設による騒音で予測式の妥当性を検討してはどうか。

(事業者)
風車の運転条件は様々ではあるが検討したい。

動物について

  • 半径9km外ではあるが、太鼓山の北東には冠島があり、オオミズナギドリが集まってくる特殊な場所である。渡り鳥やオオミズナギドリへの影響が心配されるが、方針や見解等はあるか。

(事業者)
オオミズナギドリについては、平成27年度情報整備モデル事業においても専門家ヒアリングで言及されており、ライトアップを行わなければ誘引することはないとのことである。本事業ではライトアップを行わないため、影響はないと考える。
また、既存の太鼓山風力発電所の風車については、現在運営している京都府によると、過去10年間、月1回の点検や年2回の定期点検、毎日の巡視等においては、バードストライクによる死骸が確認されたことはないとのことである。既存の風車については、バードストライクのリスクは非常に低いのではないかと考える。

  • 丹後半島は半島という特殊な地形であり、海から来る鳥の玄関口となって集中しやすい場所である。配慮書には対象になっていないが、渡り時期には特殊な小鳥が通るだろうと考えられるので十分に調査いただきたい。また、主要な渡りルートではないかもしれないが、猛禽類についても十分調査、評価いただきたい。また、海鳥及び猛禽類についても、本地域が半島であり複雑で入り組んだ地形であることから、高密度で生息していると考えられるため、影響の有無を十分検討すべきである。
    観光資源である山陰海岸ジオパークの近傍での事業であるという点についても、ご配慮いただきたい。

(事業者)
ご意見として承る。鳥類については、既設の風車では少なくとも月1回の点検で死骸が確認されていないため、基本的には影響は小さいと考えている。今後は、モデル事業の整理や有識者へのヒアリングを実施し、鳥類に関しては慎重に進めていく。

  • 既存風車の見回り頻度が月1回では少ないのではないか。今後の検討にあたっては見回り頻度を増やし、確実にバードストライクが発生していないというデータを整えていただければと思う。(意見)

景観について

  • 視認エリアの予測が陸上のみを対象にしている。この地域は山陰海岸ジオパークや天橋立からの船もあることから、高場の眺望点だけではなく、海上からの見え方も検討に入れていただきたい。
    また、日影の予測については、フラットな場での予測だと思われる。この地域は複雑な地形をしており、谷間等では影も長くなるので、本地域の地形に合わせた検討が必要ではないか。

(事業者)
検討する。

  • 景観の評価について、「視認の可能性エリアはあるが、風力発電機は地域の見所とされているので、眺望景観に及ぼす影響は小さい」というのは誤解を与えるような書き方ではないか。
    伊根町としては、風力発電所を新たな名所とするなど、プラスの景観要因と考えているのではないか。事業者としては、見える場合の見え方を提案する立場ではないか。

(事業者)
丁寧さを欠いた表現であったことは恐縮である。景観法の景観行政団体である伊根町の条例を活用して丁寧に対応していきたい。

その他

  • 現在の風力発電の設備は風等で壊れたが、安全面などの観点からは、現設備に比べて今回設置する設備の強度はどうか。

(事業者)
既存風車が稼働開始した平成13年以降、太鼓山風力発電所を含めた様々な事故が反映され、電気事業法では工事計画届出の提出・審査が必要になったり、強度に関する審査基準が厳しくなったりしている。本事業の設備については、当該審査基準に適合するよう設計し、審査を受ける。

  • ミキサー車の交通ルートについては、人家がほとんどない、確実に通行する区間しか記載されていないが手続的に問題はないか。

(事業者)
まだ計画段階であり、生コン会社が決まっておらずミキサー車の交通ルートを示すことができないため、確実に通るルートのみ記載させていただいた。今後、計画熟度を高めていく中で、通るルートを示せないか検討する。

  • 技術革新の効果などもあると思うが、既存施設の風車よりも、風車1基当たりの規模が大きくなっている。どのような考え方で基数と出力を決めているのか。

(事業者)
年々各メーカーの1基当たりの風車の出力は大きくなっており、現在、10~20年前の規模の風車は製造されてない。購入可能なものから絞り込んだ結果、1基当たり2,000~3,200kWとなっている。全体の規模については、事業実施において総合的に判断した結果、7,490kWとなった。

  • 出力7,500kWを超える能力を持つ風車を設置するのであれば、法アセス手続を行うべきではないか。7,490kWとした理由は何か。環境影響を考えると、出力制御するよりは最初から設置基数が少ない方がよい。出力制限をする理由は何か。

(事業者)
7,490kWという規模は、法アセスの規模要件や事業実施区域に設置可能な基数から決めた。設置可能な基数は3基ないし4基と想定している。今のところ最小出力は6,300kW程度か、最大でも8,000kW程度となる。なお、事業の規模は縮小していくこともある。経済的な観点から、点検・故障時の稼働率や風向を踏まえて基数を検討していく。4基設置できるかは風向や風況の確認が必要である。環境影響については様々な要因を確認して進めていく。

  • 各基の配置と場所ごとの風向・風況を含めて、稼働率や発電量、さらには出力が7,490kWを超える確率を算定するシミュレーション等は行うのか。

(事業者)
出力自体は7,490kWを超えないようにする。風況を調べた上で事業者や風車メーカーが解析や検証を行い、配置を決める。

  • 計画段階配慮事項の選定に当たって、「影響が小さいため選定しない」という項目がいくつかある。配慮書では問題ないと思うが、方法書以降ではしっかり説明できるようにすること。

(事業者)
非選定とした項目は、あくまでも配慮書段階での評価である。

  • 自然公園の第1種特別地域の指定理由を確認し、必要があれば対応すべき。(意見)
  • 山陰海岸ジオパークの範囲を示してほしい。(要望)
  • 本事業を審議するに当たっては、京都府が把握していると思われる、現施設の設置前後や供用後の状況に関する情報を踏まえた方がよい。(意見)
  • 環境アセスでは現況に対して評価するということを確認しておきたい。(意見)
  • 事務局は企画提案募集要領や経緯を整理しておくことが重要だと考えるので、確認をお願いする。(要望)
  • 雷の被害状況について資料があれば提供していただきたい。(要望)
  • 風況データを集約したものを提供いただきたい。特に最大風力や風車が壊れた時の風況があれば示していただければ、施設の想定値との実際の風況との比較ができるのではないか。(要望)
  • 全体の出力だけではなく、出力の内訳(大きい風車少数や、小さい風車多数)を踏まえた評価が必要ではないか。(意見)

7配付資料

配付資料一式(PDF:406KB)

お問い合わせ

総合政策環境部環境管理課

京都市上京区下立売通新町西入薮ノ内町

ファックス:075-414-4705

kankyoka@pref.kyoto.lg.jp