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第27回由良川水系・二級水系河川整備計画検討委員会

第27回由良川水系・二級水系河川整備計画検討委員会の開催結果

 開催日時

平成29年8月30日(水曜日)10時50分~16時30分
高野川:10時50分~11時30分
佐濃谷川:現地調査 12時30分~15時30分、委員会 15時30分~16時30分

場所

京都府丹後土木事務所(宮津市吉原2586-2) 第2・3会議室

出席者

【委員】6名(3名欠席)
川合 茂(国立舞鶴工業高等専門学校名誉教授)
池上 甲一(近畿大学農学部教授) 
長谷川 達(元京都府立丹後郷土資料館学芸員)
藤本 英子(京都市立芸術大学教授)
槇村 久子(関西大学社会安全学部客員教授)
矢島 正枝(和歌山大学観光学研究所研究員、講師)
【その他(要綱第2条第2項に基づき、出席を求めた者】 
三輪 浩(国立舞鶴工業高等専門学校教授)

(欠席委員)
田中 俊文(公募委員)
東山 憲行(宮津市立吉津小学校教頭)
森田 愛子(公募委員)

【一般傍聴】 0名
【報道関係】 1名

議事

1.高野川水系河川整備計画(案)(資料1:整備計画(案)本文(PDF:2,608KB)資料2:パブリックコメントの結果等(PDF:142KB)資料3:代替案と事業投資効果(PDF:737KB)

2.佐濃谷川水系河川整備基本方針(原案)(資料4:基本方針(原案)本文(PDF:764KB)資料5:説明資料(PDF:4,312KB)

結果

1.高野川水系河川整備計画(案)について、了解された。

2.佐濃谷川水系河川整備基本方針(原案)について、了解された。

主な発言内容

1.高野川水系河川整備計画(案)

【委員】
 事業費について、二次選定で約82億円に対し、事業投資効果の説明では54.03億円とあるが、算出方法を説明してほしい。

【事務局】
 事業投資効果において示した事業費は、河川整備計画に基づく事業において、工事30年間に加え、その後の維持管理50年間を想定し、この間の投資額を年利4%相当で現在価値化した値である。

【委員】
 年利4%の割引率の一般的な妥当性もしくは基準等はあるのか。個人的には少し大きい印象がある。

【事務局】
 国土交通省の定める、治水経済調査マニュアルに従い設定している。

【委員】
 河川拡幅案については、左右どちらの側に拡幅するかは決めているのか。

【事務局】
 河川改修は掘削を基本としているため、拡幅は一部区間のみに限定され、左岸側へ若干の拡幅を考えている。

【委員】
 河床掘削案が想定している橋梁架替は、その拡幅のためか。

【事務局】
 掘削により一部の橋台部分が強度的に持たないため、橋梁架替が必要になると考えている。

 

 

2.佐濃谷川水系河川整備基本方針(原案)について

【委員】
 河川整備基本方針での目的は、平成10年洪水の浸水被害解消としているが、対象としているのは人家浸水か、それとも全ての浸水被害か。

【事務局】
 霞堤を全て閉めるには時間と費用がかかるため、基本方針では、人家浸水に関係する霞堤を閉め、人家浸水を解消することを最優先とし、農地がある程度浸水するが超過洪水の際にも人家への被害を小さくすることができると考えている。

【委員】
 その方が良いと思う。
 また、河道掘削については、一部だけという訳にはいかないので、計画区間全川に対して実施するということか。

【事務局】
 はい。

【事務局】
 平成10年の洪水が30年に1度の雨に相当する。
 平成16年の被害実績が平成10年と似ているように見えるが、平成16年の雨は5年に1度程度の規模であり、平成10年よりも小さい。平成16年の浸水被害が大きいのは、台風23号の前に台風21号があったことが原因かもしれない。
 なお、基本方針は平成10年対応として30年に1度の規模で、整備計画は平成16年台風23号対応としたいと考えている。

【委員】
 中流部付近が整備対象区間で、上流部は手つかずという理解で良いか。

【事務局】
 今後30年の計画である整備計画では中・下流部を対象とするが、本日審議の基本方針は河川全体を対象としており、下流から順次整備していく。

【委員】
 土砂の堆積は、定期的な浚渫で対応可能なのか。浚渫の判断基準はあるのか。また、湾曲部でどのように砂が堆積するのか等、土砂の流出について見通しを検討しているのかどうか。

【事務局】
 現況断面が狭いため掘削による河道改修は必要である。通常の維持管理では、断面積の1割程度を目安に浚渫を実施している。土砂流出については、砂防事業などで流出を止めていく必要はあると思っているが、その効果については不明な部分が多い。

【委員】
 生産土砂量は把握しにくい。掘削後は安定化に向かっていくと思われるが、検討が難しい部分である。

【委員】
 分派下流でも、川幅は現況とあまり変わらないのか。左派川には流れにくいように感じるが、川幅を変えて流すことはないのか。

【事務局】
 分派点の川幅は広げる予定になっている。葛野橋は将来形を想定して架けられており、現況と川幅は変わらないが、特に葛野橋の下流では、葛野橋と同じ断面を確保できるよう整備していく必要がある。

【委員】
 基本方針の中では述べられていないが、分派量は等配分となるようにコントロールを検討すると理解してよいのか。

【事務局】
 はい。

【委員】
 12箇所ある霞堤の内、人家の多い箇所を閉める。他の箇所は、人家への影響が少ないと考えられる、ということで良いか。

【事務局】
 はい。

【委員】
 人工的に分派量を等配分することは可能なのか。

【委員】
 等配分となるよう努力するということである。

【委員】
 分派のところは非常に難しいところがあるので少しお話を聞きたいが、分派点においては、土砂は左派川に堆積しやすいと考えられる。湾曲部でどのような土砂輸送形態となるのか、現況と絡めてコメントいただきたい。

【委員】
 分派点には砂州が多く交互に存在しており、流量が増加すると内岸側に土砂が堆積し、外岸側に流心が偏り、川底の形が変形して分派部の流量配分に影響すると考えられる。また、大きな洪水ではなくても、川底の状況が変化する可能性もある。このため、土砂の状況を考慮した流量配分・コントロールの方法も検討していただきたい。

【委員】
 土砂の堆積に偏りが生じると河床勾配が変化する。どの程度の時間スケールで変化するかは不明であるが、交互砂州の波長が移動するのは80年~100年、200年といわれている。また、どの程度の規模の流量が佐濃谷川の土砂移動に支配的に影響するのかを把握する必要がある。さらに、局所的な流れでの土砂移動によっても河床形状は変わる。こうした変化は数値計算で評価できるのか。

【委員】
 このような複雑なところでの河床変動計算では、少しの前提条件の違いで結果が変わる。計算結果は一つの可能性であり、様々な条件での計算結果から大まかな傾向をつかめる程度と考えるのが良い。

【委員】
 二次元河床変動解析でも正確な評価はできず、三次元河床変動解析でも正確な評価はできないと考えるが。結果を出すという意味では模型実験が一番だが、条件の設定が非常に難しい。

【委員】
 三次元河床変動解析でも正確な評価はできない。数値計算の結果を元に何かを考えるというのではなく、どういうことを知りたいかを明確にした上で検討することが重要である。土砂移動特性は、何を知りたいかを明確にした上で、数値計算や実験など複数の検討結果から判断を行うというのが間違った方向に行かない方法。

【委員】
 このような検討を行い整備したとしても、本当に計画どおりに機能するかはわからない。そのことは地域の方にも説明しておくべきである。後は維持管理の範疇で対応していくしかない。

【委員】
 河床掘削により生じる土砂は、一般的にはどのように処理するのか。

【事務局】
 土砂は、道路の盛土や河川の築堤盛土など、近隣で実施されている他の公共工事に用いることで経費節減を考えている。

【委員】
 土取場や土砂の処分地で、文化財が影響を受ける場合あるので、宜しくお願いしたい。

【委員】
 久美浜湾への影響として、例えば、かき養殖への影響、漁業への影響等についても検討をお願いしたい。15~16ページを見ると、久美浜町の人口比率は高齢化率が高く人口減少も大きい。また、平成27年度は第3次産業が62%、第1次産業は16%ということで、今後土地利用も大きく変わっていく可能性がある。農地浸水を許容し人家を守ることは理にかなっており、今後、農地が利用されなくなる可能性も考慮すると、このような考え方が非常に重要であり賛同する。農業用水など水利用を今後どのようにしていくべきかも、長期的なスパンでは変化していくので、そのようなことも念頭に入れて基本方針を検討していくことも重要である。

【委員】
 砂防との関連、連携を図ることなども基本方針に盛り込めると良いと思うがいかがなものか。

【事務局】
 現在の砂防事業は、土砂災害から人家を守ることを最優先にしている。本来は、先ほどの議論にあったような流域全体のトータルでの土砂供給量のコントロールができれば良いが、保全対象人家が無ければ砂防事業を実施できないのが現状であり、長期的な課題と考えている。

【委員】
 佐濃谷川水系河川整備基本方針(原案)はこれで良いか。

【委員(全員)】
 異議なし。

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建設交通部河川課

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