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鴨川河川整備計画検討委員会 第2回委員会(平成20年8月8日)の開催結果

日時

 平成20年8月8日(金曜日)午前9時30分~12時

場所

 京都府公館 レセプションホール

出席者

  • 委員 9名(欠席はなし)
    中川 博次(委員長)(京都大学名誉教授)
    丘 眞奈美(歴史ジャーナリスト、放送作家)
    勝矢 淳雄(京都産業大学教授)
    川﨑 雅史(京都大学大学院教授)
    金田 章裕(京都大学名誉教授)
    戸田 圭一(京都大学防災研究所教授)
    水野 歌夕(写真家)
    町田 玲子(京都府立大学名誉教授)
    吉村 真由美(森林総合研究所主任研究員) 
  • 一般傍聴 4名
  • 報道機関 3社

議題

審議結果

治水の基本的考え方について、了承を得た。

  • 当面の整備目標は、概ね30年に1回の洪水(毎秒1,000立方メートル)を安全に流下
  • 被災リスクの大きな七条大橋より下流の築堤区間から段階的に整備
  • 七条大橋より上流の堀込区間では、溢水対策やソフト対策を併せて実施

課題について、意見をいただいた。

  • 都市の地下利用で被害が発生しても、鴨川のせいにするのはおかしい。無理に使用しているのだから、リスク対応は使用者で行わなければならない。
  • 特に堀込区間での護岸高(堤防高)、堤内地盤高、橋梁の桁下高などの関係がわかりにくい。(次回委員会までに整理)



主な発言内容

治水の課題整理と鴨川の治水の基本的考え方(事務局から説明)

【委員】 

  • 住民の水害に対する意識が低下しているという意見と、まちづくりとセットにして鴨川を考えるべきだという意見に同感である。
    住民の水害に対する意識に関する資料5ページの写真は、例として不適切であり世論をミスリードする事例となりうる。この写真は、水害ではなく河川敷の中で増水しただけの話でしかない。
  • 表現は悪いかもしれないが、無理に地下空間を利用するのであれば、一定のリスクに対応しておかなければならない。
    水害は鴨川でなくてもありうる話であり、水害を無視したまちづくりをしていることにこそ問題がある。地下空間を利用することによる洪水被害を鴨川のせいにするのはおかしい。むしろ、まちづくりで対応を進めていくよう注意を喚起するような政策をとるべきである。そのような対策をとらないと、住民の意識は変わらないし、鴨川本流だけで対応できる話ではない。

【委員】

  •  ドイツのケルンでは、ライン川が氾濫した際に地下資産に大きな被害が発生したが、地下に大事なものをおかないような意識をもつことで、次の年に発生した洪水では、地下資産の被害額が軽減できたという事例がある。

【委員】

  •  掘込区間において、堤防満杯という考え方は非常に不安である。橋梁と洪水時の流下物との関係を考えると満杯から少し余裕高が必要ではないか。
  •  中州は川の流れの阻害要因となり治水上問題があり、また、バーベキュー等で利用されていることもあり、集中豪雨などが起こった場合に非常に危険であるため、治水上、不安である。

【委員】

  • 資料5ページの水害に対する意識低下の話は、防災の中の限定的な話であり河川整備とは別の議論が必要である。
  •  掘込区間の最大流量が毎秒1,100立方メートルという説明があるが、資料10ページの図では御池大橋と三条大橋の間で水位が現況の堤防高を上回っていることから、実際の流下能力は毎秒1,000立方メートル程度ではないかと思われるので、再度、現状を調べてほしい。

【事務局】

  • 三条から御池の間の堤防高を考慮した計算水位の評価高に係る表現についてわかりにくい部分がある。今日の資料で説明しきれていない箇所があるので、次回捕捉説明をさせていただきたい。

【委員】

  • 中州の取扱いについては難しい問題があるが、残すべき所は残し、安全性を重視した方がよい部分は除去してしまった方がよいと思う。

【委員】

  • 鴨川は大きな自然というよりも、都市と関わり合いが深く、人為的に洗練された自然というイメージがある。中州が発達することによりサギ類が飛来する等のよい面もあるが、一方で、特に下流部では、地域の住民が不安を感じないように安全性と生態系とのバランスを考えていかなければならない。

利水・河川環境の課題整理(事務局から説明)

【委員】

  • 河川のグランドデザインを考える上で、周辺の土地利用が住宅地であるのか、商業地であるのかが重要であり、それらによって防災対策も変わってくるため、流域の土地利用がわかる資料を収集して欲しい。
  • 例えば、商業地であれば、地下利用もやむを得ないため、そのための防災対策が必要である。

【委員】

  • 鴨川下流域は景観の形成区域となっていないので、JRの交差点付近等では設計者が京都の景観に対して配慮していないと思われる。そのため、委員会等を通じて景観配慮をしてもらうようにJRに要請していくことが重要である。
  • クーラーの室外機に関しては、設置場所が狭いため薄い柵等を設置するのが難しい箇所もある。
  • 鴨川の景観として良い部分で特徴的なのは、フジタホテルの周辺などの街の緑と川の緑がつながっているところである。これらも踏まえ、今後、景観の指針などを考える必要がある。

【委員】

  • 築堤区間では川が全く見えない状態で歩くのは非常に味気ないため、堤防の上部分を活用することを原則としてハード面の整備を考えていただきたい。
  • 現地見学会の解散場所付近のマンションでは、住民が養豚場に対してカラスの発生を抑えるように運動を起こしたという話を聞いた。住民が自らの行動により解決に至った一つの例であり、行政側が手を尽くすよりも住民が自ら行動を起こすように仕掛けていくことも必要だと実例を聞いて思った。

【委員】

  • 移入種を全て排除するのは不可能であり、住民の意識変化を促していくような仕掛けが重要である。
  • 在来種を保全保護することが最優先であるが、外来種も生物として捉え、外来種をなるべく減らしていくような啓発的な働きかけを住民に行っていくのが良いのではないかと思う。

【委員】

  • チュウゴクサンショウウオと日本のサンショウウオの生態は同様であり、通常では違いが分からないため、DNAを調べる等の必要がある。

【委員】

  • 府民会議では、移入種としてヌートリアやアライグマがいると聞いて驚いた。府民会議の議論の中で、捕獲して故郷へ返してはどうかとの意見もあった。

【委員】

  • 故郷へ返す方法もあるかもしれないが、市民全員がそういう意見ではないと思うので、啓発していくことが重要であると思われる。
  • 小笠原では、外来種の増加によって固有種のトンボが減少した。外来種捕獲の妥当性を説明するパンフレット配布等を通して住民を啓発することで、住民からの反対意見がないように実行に移していった実例があるので、住民との意思形成が重要である。

【委員】

  • 先月、起きた集中豪雨によって、都賀川(神戸市)では急激な水位上昇による死亡事故があった。このことを踏まえると、鴨川においても、豪雨時には水位上昇や速い流れが起こるため、河川管理者がどこまで対応するかにもよるが、河川利用者(ホームレス者を含む)に、川の危険性を警告していくことが必要である。

【委員】

  • 河川整備計画策定に向けて、治水・利水・環境以外の鴨川としての特徴的な意見をどうやって反映させていくのか。

【事務局】

  • 既に流域管理まで広くカバーする組織として鴨川府民会議が発足しているので、河川整備計画では対応できないことに関しても、ある程度対応できると考えている。
  • また、公園計画・街づくりの計画に関しては、別途計画の枠組みがあるので、そこに反映してもらえるような整理をしていきたいと考えている。河川整備計画に反映する内容に関しても、従来に比べて幅広くなってきているので、意思表示はしていきたいと考えるが、河川区域外の意見に関しては、その取り扱いも含めて次回の委員会でご提示したい。

【委員】

  • 関係機関に対して流域への意識を喚起していくような文面を整備計画に入れていくような努力をしてほしい。

お問い合わせ

建設交通部河川課

京都市上京区下立売通新町西入薮ノ内町

ファックス:075-432-6312

kasen@pref.kyoto.lg.jp