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平成25年6月6日(木曜日) 午前10時から午前11時30分まで
御所西 京都平安ホテル 「平安の間」
【委員】7名
井上 和也(京都大学名誉教授)
上原 真人(京都大学大学院文学研究科教授)
川島 茂人(京都大学大学院農学研究科教授)
中村 久美(京都ノートルダム女子大学生活福祉文化学部教授)
羽倉 睦人(公募委員)
本郷 弥香(公募委員)
吉村 真由美(森林総合研究所主任研究員)
(敬称略、五十音順)
【一般傍聴】 なし
【行政関係者】 10名
【報道関係】 5名
平成24年8月京都府南部豪雨災害への対策を踏まえた宇治川圏域河川整備計画の見直しに係る原案の修正について説明し、概ね了解された。
【委員】
弥陀次郎川について、今回、緊急整備する天井川区間はどこからどこまでか。また、緊急整備が完了すれば、目標の50分の1まで疎通能力が向上するのか。
【事務局】
概ね0.18k付近から0.8k市道橋(上出橋)付近までが天井川の切下げ区間。緊急整備により50分の1の疎通能力を確保する。
【委員】
弥陀次郎川の水路橋部の河床を切り下げ矢板護岸とすると、交差する仁良川と市道(通学路)はどうなるか。
【事務局】
仁良川は横断部に函形の管渠を設置し自然流下させる。この区間の弥陀次郎川に矢板は打ち込まない。市道は堤防の上を橋梁で横断することになる。
【委員】
仁良川交差付近の弥陀次郎川の河床はどれくらい切り下げとなるか。
【事務局】
現況より3~4mの切り下げとなる。
【委員】
昨年の豪雨災害があったことで、国の予算は別枠で増えたか。
【事務局】
昨年度の大型補正や予備費なども受けて、現在の事業を進めている。
【委員】
そうすると、今回の整備計画の見直しは優先順位だけでなく、それら予算措置への対応を付加したものとなっているのか。
【事務局】
本整備計画は今後30年間の中期計画であるが、昨年の洪水災害を踏まえ当面実施すべき工事の内容についても整理し書き入れている。
【委員】
今回、被害の少なかったその他の河川についても同じような水害リスクがないかどうかの検討をしたうえで整備河川を抽出しているか。
【事務局】
全ての河川を対象に、近年水害の発生状況とか今後の可能投資額などを踏まえて整理する必要があると考える。
【委員】
中長期的な計画を検討してきたところに突発的に発生した水害への対策を加えようとした分、計画としては多少アンバランスなところはある。ベースには、治水安全度の低い河川、氾濫による影響の大きい河川は優先的に整備を進めるということがあるんだろうけれども、客観的な比較をしている資料がないので住民サイドにはわかりにくいと思う。
【事務局】
基本的には、河川の想定氾濫区域内の人口資産、現況流下能力、近年水害の発生状況、被害の規模、あるいは河川の特徴などを踏まえ、優先順位を検討してきた。これらのもう少しわかりやすい表現方法など今後も工夫していきたい。
【委員】
河川によって河川の安全度は違うけれども、多くの方々が、どのくらいの雨が降れば浸水するのかということを知らずにそこに住んでおられることは問題だと思う。
【事務局】
これまで浸水想定図などの情報提供はしているものの、十分に理解されていない面について改善の必要はある。引き続き、災害に関する情報、知識を地域の方にご理解いただく取り組みを進めていきたい。
【委員】
洪水被害を踏まえた見直しということで、治水対策が前面に出てきているが、従来から検討している利水や環境への配慮ということについての取り組みについても優先順位を下げないように。
【事務局】
整備河川について順次事業化し具体に実施していく段階において、いろいろとご意見をいただきながら利水や環境面についても配慮し進めていきたい。
【委員】
戦川、新田川、弥陀次郎川は、宇治川合流から上流の丘陵地までが約2km弱で、今回の豪雨では流木が発生して橋梁部を堰き止め溢れた水が被害を大きくした。新田川などでは砂防堰堤が流木や水の勢いを抑える機能を発揮したかどうか疑問に思う。弥陀次郎川の沿川ではここ20年で宅地化が進んできたが、今回、災害が発生して初めて天井川の怖さがよく分かった。切り下げて再度災害を防止されることはありがたい。
【委員】
出水時の流木発生の問題は、山林をどう管理するかという点において河川部局だけではなく農林部局とも連携して取り組まなければならない難しい問題である。
【事務局】
流域の砂防ダムは土砂や流木を捕捉するなど一定の効果は発揮したと思われるが、今回災害のように斜面崩壊を伴い発生した土砂・流木は全てを捕捉しきれない。流木を捕捉する砂防ダムの改良、あるいは治山対策については関係部局と連携を図り検討したい。
【委員】
各河川の整備区間の中での着手の優先順位についてもメリハリをつけて検討をされているのか疑問に思った。例えば、上流で浸水被害が発生したネック区間の改良を急ぎ整備するとか。
【事務局】
河川改修の難しい面ではあるが、上流にネック箇所があるからといって先に広げると下流に影響が生じる。このため、時間はかかっても基本的に河川改修は下流から実施する必要がある。このことについても、地域の理解が得られるよう事業実施の際にはしっかりと説明していきたい。
【委員】
下流から整備を順次進めるとなると、上流の改修が終わるまでに数年かかることになる。その間も未改修区間では水害発生リスクは抱えたままとなるので、関係地域には河川整備の予定や注意喚起などきちんとした説明が必要である。
【事務局】
改修が完了するまで災害は待ってくれないので、浸水想定図や雨量水位情報などの情報伝達に努めるとともに、地域の方々が自らのこととして理解いただけるような取り組みを心がけたい。
【委員】
昨今の異常気象を考えると昨年のような豪雨が続けて発生することも十分考えられる。ハード整備が完成するまでのタイムラグを埋めるのがソフト対策であるので、もう少し緊急性や具体性が記載されていれば良かったと思う。例えば、観測機器の増設について設置の考え方や設置の場所を具体化したり、情報共有や意識の啓発、防災教育などにおいて地域連携を図る具体的な仕組みなど。
【事務局】
情報の迅速な伝達という観点から、情報機器の整備について現在取り組んでいる内容を具体的に示したい。また、市町村を通じそういった情報を避難活動に活用する取り組みについて改善点等あれば反映したい。
【委員】
志津川は、現在よりどのくらい河川の幅が広がるか。また、改修により下流へはどう影響するか。
【事務局】
上流ネック箇所で、水面幅6.5mが8.7mに広がる。今回整備区間より下流が概ね10分の1規模の疎通能力を有するため、災害復旧により今回被災箇所から下流集落まで概ね10分の1の安全度で洪水を流下させる。
【委員】
ソフト対策の項目に「防災」とあるが、「防災」と「減災」を合わせた取り組みという方が府民にとってわかりやすい。
【事務局】
「防災」の中に「減災」の意味合いも含んでいるつもりであるが、政府の動き等も踏まえ「防災・減災」と記述すべきところは修正したい。
【委員】
随所に「関係機関」と出てくるが、特定した表記ができないか。
【事務局】
テーマや内容によって関係者が異なるため、煩雑とならないよう「関係機関」としている。
【委員】
外来生物が入ってくると「悪影響」を及ぼすとあるが、必ずしも「悪い」影響とは言い切れない。
【事務局】
「影響」を及ぼすに修正したい。
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