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第10回木津川・桂川・宇治川圏域河川整備計画検討委員会

第10回木津川・桂川・宇治川圏域河川整備計画検討委員会の開催結果

開催日時

平成24年5月31日(木曜日) 午後2時から午後4時まで

場所

京都府公館 レセプションホール

出席者

【委員】6名(3名欠席)
井上 和也(京都大学名誉教授)
上原 真人(京都大学大学院文化研究科教授)
川島 茂人(京都大学大学院農学研究科教授)
羽倉 睦人(公募委員)
本郷 弥香(公募委員)
吉村 真由美(森林総合研究所主任研究員)
(欠席委員)
出口 晶子(甲南大学文学部歴史文化学科教授)
林 博之(京都府立嵯峨野高校教諭)
町田 玲子(京都府立大学名誉教授)

【一般傍聴】 なし
【行政関係者】 18名
【報道関係】 1名

議事

結果

府民意見聴取の結果を踏まえとりまとめた宇治川圏域河川整備計画(案)及び桂川上流圏域の河川利用と河川環境に係る現状と課題について説明し、概ね了解された。

主な発言内容

  • 宇治川圏域
    【委員】
     1.1.5.生物環境の現状に、志津川ではオイカワ、ドンコ、カワヨシノボリ、カワムツなどの魚類が確認されており「配慮すべき野生生物の分布図」を参照とあるが、参照図に淡水魚類の分布状況が示されていないのは適切な表現ではない。
    【委員】
     同じく、野生生物の分布図で、両生類と植物の分布状況の色の違いが判別しづらい。
    【委員】
     同じく、希少生物の写真の掲載位置を、本文の順に合わせてはどうか。
    【事務局】
     本文と、参照図の内容の整合を図り、表現を工夫する。
    【委員】
     2.1.3.河川の局部的な改良工事についての項目で、局部的な改良工事によって被災をするような意味の文章になっているので、修正が必要。
    【事務局】
     誤解のないよう文章を修正する。
    【委員】
     3.1.出水時における情報提供と連携体制の強化の項目に係り、ポンプで内水排除を行っている宇治川の支川などでは、大水害で宇治川の水位が高くなった時にポンプを停止する必要があるなど水害リスクを抱えている。それらポンプ操作上の現実の課題を本整備計画にも記載し、一般の府民にも周知する必要があると思う。
    【事務局】
     河川管理者と国、府、市町村の防災担当者とは、リアルタイムに情報伝達を行うネットワークが組まれた防災体制により出水に対応しているが、実際、府や市町の職員、地域の方々がポンプ操作上の規則等をどれだけ認識をしているかということは分からない。調べて別の機会にでも報告させていただきたい。
    【委員】
     洪水調整機能を持っていた巨椋池を干拓したのだから、内水排除施設を設置したくらいでは大きな水害に対し必ずしも万全とは言い切れない。そこが、南山城地域の一番大きな課題でもある。
    【委員】
     旧巨椋池の地域には、ニュータウンが建設され新しい住民もおられるので、水質の問題や河川愛護の問題などとも合わせ、こういう治水の問題に関する情報も地域住民の方々に知っていただくよう、啓発の取り組みを進めていただきたい。
    【委員】
     関係部局からの意見で、既存の農業水利に影響がないように配慮されたいというのがあるが、河川整備計画【案】の中ではどういう対応をしているのか。
    【事務局】
     農業水利については実施の段階で必ず関係者と調整を図り、固定堰等が支障となる場合は改築するなど機能の補償を行っている。河川整備計画に係る意見照会では農林部局から常に同様の意見をいただいているが、実施にあたっての要望ととらまえ計画本文中には特別記載しないことで了解を得ている。
    【委員】
     「既存の農業水利への影響」という意見に対し、「水利施設が支障となる場合」と限定的な回答をしているところが気になる。
    【事務局】
     慣行水利権の場合、河川管理者がは水利量の全てを補償できるものではなく、現況施設の機能までを補償することとなるので、このような表現をしている。
    【委員】
     費用対効果の計算結果による率がこうだから、どういう判定をしたかとうのは、本文中で説明されているのか。
    【事務局】
     費用対効果が1を切ると事業費用に対し経済効果が少ないということで、非効率な事業ということになる。本整備計画で今後30年間で行う河川整備を定めるにあたり、非効率な事業がないかという判断材料の一つとして現時点での費用対効果を示すもので、評価時点で数値が変動する性質のため本文中では記載していない。
  • 桂川上流圏域
    【委員】
     日吉ダムは、向日市・長岡京市・大山崎町へ府営水道水を給水しているとあるが、これはダムから直接給水されているのか。
    【事務局】
     そうです。
    【委員】
     それらの水量はいくらぐらいか。
    【事務局】
     日吉ダムで確保している水利権量は毎秒1.16トン、そのうち乙訓浄水場への給水が毎秒0.86トンである。一方、資料-3には、乙訓浄水場の施設能力として日あたり4万6000トンと記述されているが、これがそのまま全日量に相当するがどうかまでは確認できていない。
    【委員】
     毎秒0.86トンと考えた場合、全日量で、4万6000トンは少ないように思う。
    もう一点、水の受給側の水需要はどの程度か。季節によって変わると思われるが。
    【事務局】
     手元に具体の数字を記した資料はないが、基本的には水道用水供給事業の担当部局で整理している。傾向としては、需要予測は下方修正にあり、順次、見直しを図っているが、現状で具体的にどの程度下がっているかまでは把握できていない。
    【委員】
     水利用について、日吉ダムでの水面利用はないのか。以前、灯りを浮かべて、ダムに水没した村を再現させるようなことをやっていると聞いたことがある。
    【事務局】
     そのような話は聞いたことがない。日吉ダムでは、ダム直下流において温泉や食事が行えるスプリングひよしや公園、ダム上流では湖面利用やボートが行われている。また、日吉ダムでは、ダム内の回廊を見学できるように、見学者がいる時間帯は、一部ダム内を開放している。
    【委員】
     私が以前どこかで聞いた話では、日吉ダムに水没した村を偲ぶことを目的に、お盆の頃に村の人が帰郷し、電球のような光るものを浮かべて水の中に昔の村を再現するといったことがされていると聞いたことがある。ダムの問題として水没地に対する手当てが不十分であることも挙げられるなか、こうした非常に先進的な取り組みが行われているなら、記述した方が良いのではと感じた。
    【事務局】
     今後、日吉ダムの水面利用について事実関係を確認する。
    【委員】
     6ページの参考資料「アユモドキの保全に向けた取り組み」で、「アユモドキがどこの川でも普通に見られることを目標に」とあるが、「どこの川」とは桂川上流圏域全域の川を指すのか。また、4ページにおいて「一部の堰等において、分断解消のため、魚道が設置された」とあるが、将来的に全ての堰において魚道のようなものを設置する予定か。
    【事務局】
     アユモドキは、圏域全ての河川というよりは、今まで限定された場所でしか確認されていないのが現状である。魚道の設置は、以前では縦断的な連続性確保の観点から積極的に実施していたが、一方で、堰による分断は外来種の侵入を妨げる役目を担っているとも聞いており、近年では、あまり実施していない。このため、整備内容に関する表記方法等は、次回以降の委員会で、相談させていただきながら慎重に検討していきたいと考えている。
    【委員】
     アユモドキは相当商品価値が高いのか。
    【事務局】
     一般論であることを前提に、マニアがいるので乱獲の危険性はある。過去に、昆虫類の貴重種を委員会で示したことがある。その時は、生物の先生から地域ぐるみでの監視体制等が十分でないので、生息場所等の情報は出さないようにお願いされていた。本圏域のアユモドキは、地域ぐるみで保全の取り組みが行われているが、生息場所等の開示については慎重にいきたいと考えている。
    【委員】
     木津川では、どこかにイタセンパラが生息しているかもしれないという話があるものの、密漁の恐れがあるため、具体の生息場所は伏せられており、アユモドキも同様の状況といえる。一方、外来種についても資料に挙げられているが、例えば、オオクチバスの生息状況はどのようになっているのか。猖獗を極めているのか、あるいはピークを過ぎたか、などの傾向を把握しているか。
    【事務局】
     どういう状態で推移しているか、具体の数字までは把握していないが、傾向としては、横ばいの状態である。
    【委員】
     前回までの委員会から良く取り上げられている図面であるが、整備後の横断は、三面張りに近いような形状であるが、環境面のオプションはもう少しあるように思う。例えば、川の側面の素材やその工法などでオプションがあると思うので、委員会時にこうしたオプションを比較検討できる形で議論できないか。委員会では、治水面や防災面、環境面、利水面でそれぞれ特化した幾つかのオプションを提示して頂いた上で、議論したい。
    【事務局】
     今回、桂川のように川幅が広く、広大な高水敷を持つ河川では、少しオプションが考えられるかもしれないが、基本的には川幅の狭い河川が多く、治水の確保を前提とした場合、オプションが限定される。
    【委員】
     川幅が狭くても、素材や工法等でオプションを検討いただきたいと考えている。
    【事務局】
     今後の予定としては、次回8月ごろを目標に、治水全般や利水・環境の目標等について行いたいと考えている。また、6月後半より日程調整をさせていただく。

お問い合わせ

建設交通部河川課

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