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平成25年度京都府「明日の京都」第三者委員会(第2回府民安心の再構築部会)の開催結果について

日時

平成25年7月18日(木曜日)午前9時30分から午前11時30分まで

場所

京都府庁西別館 会議室301

出席者

委員

真山部会長、木本委員、吉良委員、中川委員、中村委員、藤野委員、藤本委員、向井仲委員、山本委員

事務局(政策企画部)

畑村政策企画部企画監、柴田計画推進課長、栗山明日の京都担当課長

 議事内容

主なやりとりは、次のとおり。

1 子育て・子育ちの安心 について  

・刑法犯少年検挙人員に関する分析について、他の箇所と記載の傾向が異なっており、数値が好転している中で、原因が強調されすぎた記述になっている。少年非行の原因はさまざまであり社会にも原因があるとされるなか、「家庭が原因」と断定しているように受け取れる記述になっており、偏りがありすぎる。

(事務局)
御指摘を踏まえ、書きぶりを修正する。

・発達障害が重点課題という指摘に異論はない。しかしながら、親御さんとすれば、スクリーニング検査を受けて発達障害があるとわかったとき、一番気になるのは「教職員、社会等の受け入れ側の状況がどうなっているのか」ということ。スクリーニングの受検者の数が増えても、その後の対応状況が見えなければ、親も教職員も困るだけ。教職員が学びあう場も必要と考える。

・重点課題は、「課題が見つかった」だけでよいのか「解決の道筋までを示す」のか。また「子育て」と「子育ち」の違いは、何か。

(事務局)
解決のための具体的な施策を考えるのは所管部局であり、このベンチマークレポートの役割は、課題解決の方向性として必要な部分があれば、それを重点課題として指摘することにある。「子育て」と「子育ち」の違いは主体の違いで、親の立場から言えば「子育て」、子の立場からみると「子育ち」、である。

・その説明を踏まえると「子育て・子育ちの安心の実現に向けた総合的な支援対策の充実が必要」では、全く具体性がない。記載に、教える側(教員等)の苦労が見えず、「子育ち」を支援・教育する側の視点がないため、教える側への取組はしなくてよいと判断しているように見える。

・教員等の教える側に向けた施策を行っていることがこの記述からは、読み取れない。子育ての仕方が悪いから発達障害になる訳ではない。学校の先生方も対応の仕方が分からず本当に苦労しておられるし、そのストレスから休職される人も増えている。

(事務局)
教育現場についての実態を確認した上で、修文を検討する。

・発達障害かどうかのボーダー上の方が多くおられると感じる。

・発達障害の診断をつけるのも難しい。

・発達障害は、周囲の理解がないことも対応の難しさの一因。府民全体の理解を高める必要があり、それが見える数値があれば課題の指摘の記載がしやすいかもしれない。

・ベンチマークレポートという手法を徹底すると、どうしても「穴」が出てくる。発達障害は、それ自体定義が難しくさまざまな状態を含む広いものであり、これについて課題を特定して具体的に指摘することに非常に難しさと無理を感じる。

・基本目標では「子育て家庭の精神的負担が軽減されること」としながらも、重点課題では発達障害児への支援に3項目を割いて記載している。整合していないのではないか。

・推測だが、「計画を立てた時の目標」と「その目標に対する指標」が必ずしも一致している訳ではないために、御指摘のような状況が起こってくると思う。

・発達障害児が重点課題だと指摘すると、「子育て・子育ちの安心」の分野でだけ取り組めばよい課題という印象を与えるが、それで解決する問題なのかという疑問を覚える。例えば就労の面での難しさもある。そういった疑問が、委員の皆さんの御意見の背景にあるように思う。

(事務局)
まさにそういった御意見をいただきたい。その御意見は、来年度事業や次期計画を検討するに当たって、担当部局に伝えていきたい。

・皆さんの御指摘を総合すると「定義も難しく診断もつけがたい発達障害に関する問題は、さまざまの分野で総合的にとらえる必要があるところ、子育て・子育ちの安心の分野に限定している点においていかがなものか」ということだと思う。

2 学びの安心 について  

・進学率が「改善」とあるが、大学等への進学が増えることがよいこととは限らない。遊んでいる学生もいるし、高卒で働く者が増えることは悪いのか。違和感を覚える。

・その点については、この計画の策定当時に議論があり、「やはり、高い知識を得るため、大学等への進学が増えることはよいことだ」というコンセンサスに達したもの。

・個人的には同意しかねる。さまざまな事情があって進学したくてもできない、本人の能力の問題だけではない状況もある中、行政が、進学しないのは悪いこととするのはおかしい。せめて「改善」ではなく「増加」とすべき。

・現在、いじめや体罰が大きな問題である中、体力づくりが学びの分野の大きな課題とは思えない。

・50メートル走やボール投げの距離等の記録の善し悪し(コンマ何秒、何センチ)で体力の有無が判断されているが、記録の計測自体にも誤差がある中、果たして指標の立て方としてこれがよかったのかという気がする。それよりも、さまざまな事情によって十分な学びの状況にない人の状況が改善されることがより重要だと思う。

・近年は、親の経済力を補うため、学費のためにアルバイトをする高校生も増えている。そういった人の数を拾えないか。それを支援策につなげることができるとよい。

・「生きる力」の重要性は広く認識されているところ。重点課題の記述の最初にこれを書くべき。

・この「学びの安心」の分野は、学校での学びだけではなく、生涯学習等を含めて広く「学び」を対象とする分野であり、そういった点にも目を向ける必要がある。一方で、(学校の場面に関わる)いじめは「子育て・子育ちの安心」の分野にあり、学びの安心の分野からは排除される関係にある。

・重点課題の指摘は、社会の動きや関心と連動しているとわかりやすい。しかしながら、ベンチマークレポートの利点として、社会の動きの中では見えてこない、気付かれないけれど密かに進行している問題を指摘するという点がある。この場合、課題の指摘は、説得性のある記載でなければならないし、その書き方には注意が必要である。文章を読んだ人が違和感を持たないよう、誤解を生まないように表現する必要がある。

・教育の現場で、府立高校の先生方の意識はどこにあるのか。特に、工業系や商業系等の専門分野の府立高校の先生方は、必ずしも進学を指導しておられる訳ではないのではないか。「進学が増えることがよいこと」となると先生方が混乱されはしないか心配する。

・確かに、府が、進学率が「改善」と記載するのは、問題。

・重点課題の記載について、体育の時間が15時間増えた云々ではなく、(例えば府民全体が何かしら身体を動かす機会を持つといったような)府民への還元が見えるような書き方にされた方がよいのでは。ベンチマークに縛られなくてもよいのならば、情緒面やコミュニケーション能力に着目してはどうか。

・学校教育の記載に偏りすぎている感がある。地域スポーツ等も盛んにされているので記述を工夫された方がよい。

(事務局)
検討する。

3 働きの安心 について 

・厳しい就職活動を前にして、何もしないで諦めたり、逆に、周囲にいろいろやって貰って当たり前という大学生が増えていると実感する。

・「若年層」の定義は何か。

・ 厚生労働省の定義では、以前は35歳までとしていたが、今は40歳になっている。しかし、企業側の認識では「若年層」といえばおそらく20代のイメージだと思う。

・ちなみに新卒者についても、厚生労働省は卒業後3年までとしており、企業もこれに異論を唱えてはいないが、必ずしもそうは考えていないと思う。指標化するのは難しいが、「(お金を払って)学ぶこと」と「(お金を貰って)働くこと」の違いが分からない若い人が多いと感じる。このことさえ理解できれば見違えるようになる者もいる。

・期間雇用の若者が本当に多いことに驚く。

・雇用のミスマッチ解消については、京都府は既に取り組んでおり、今の問題は、企業の倫理観の問題と職業教育の機会の必要性だと思う。 

4 医療・福祉の安心 について 

・スポーツ、文化・芸術、レクリエーション活動への障害のある人の参画数等の指標が「主催団体等からの聞き取り」等というのは、客観性において劣るのではないか。イベント等への参加者が障害者か否か、といった区別はしていないはず。主催団体の申告を基にして障害のある人の社会参画云々をいうのは、おかしいのではないか。 

(事務局)
数値としては主催団体からの聞き取り等のほか把握できる手段がなく、事象を表すサンプルとして御理解いただきたい。

・主催者団体の申告がそのまま施策に直結することに違和感がある。

・聞き取り先の主催者団体等は、具体的にはどういうものか。そこに変動があれば、それだけで数値が変わってしまう。

(事務局)
具体的な聞き取り先について確認する。

・障害のある人にとって働き続けられることが大事になってきている。本当は離職率がわかるとよいのだが、国はデータがないと言っているので知る術がない。

・視点がソフトに偏っている印象を受ける。ハード面の整備も必要だということが、ハード整備を担当する部局に伝わるのか。

・障害にもさまざまな種類があり、例えば、外見上は全く分からなくても就労に支障があるような症状がある場合もある。この点を踏まえての記載になっているか。外見に現れない障害が一番大変だったりする。周囲が、(外見上分からない障害も含めて)障害がある人にも普通に接する社会に変えていくことが大切。さまざまな種類の障害をどれほど理解して書いているのか。

5 長寿の安心 について  

・府の施策は、福祉人材を集めることに熱心になっている印象を受ける。介護は誰にでもできるという誤解があるが、コミュニケーション能力がないと勤まらない仕事である。

・今、介護職に従事している人材がより働きやすいようにすることが大切。労働条件もそうだし、何でもかんでも介護職を頼る現実もある。人材育成に費用をかけているが、介護を補助する機材の購入等により、今働いている人の負担を軽減することが必要。

・全てを介護職の責任にして、責任追及する社会の風潮を変える必要がある。

・将来の介護職の育成のみに偏った感がある。今、介護職に従事している人のための対策が必要。

・「多死社会」とは、一般的な言葉か。初めて目にしてショッキングな言葉だった。

・業界用語ではあるが、高齢者は早く死ねばいいのかといったような誤解を与えるかもしれない。

・検討されたい。

6 暮らしの安心 について

特になし

 

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