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第1回京都府外国籍府民共生施策懇談会の結果概要

1.日時

平成31年4月10日(水曜日)午後2時から3時30分まで

2.場所

ザ・パレスサイドホテル会議室「レガート」

3.出席者等

委員5名、オブザーバー2名

座長:上子秋生立命館大学政策科学部教授

4.主な意見

【京都府多文化共生総合相談ワンストップセンター(仮称)について】

京都府多文化共生総合相談ワンストップセンター(仮称)は、外国人住民が生活等に関する様々なことについて、電話や来所で相談等があった際に、適切な支援を受けられるよう関係する各機関へつなぐという趣旨のもと京都府国際センター内に設置する予定。

  • 本当の意味でのワンストップとは、そこへ問い合わせれば相談事の解決が可能という形が多いと思う。本当の意味での「ワンストップ」を目指したほうが良いのではないか。
  • 目的別の窓口を沢山設けるタイプと1対1で相談に乗るタイプがあるが、京都府では相談にとことん付き合う形の方が良いのではないか。
  • 外国人住民が何に困っているかを把握し、ニーズは何かということを整理しておいた方が良い。
  • 相談にきた方が的確に指導してもらえるような環境をつくり、そこからニーズを把握していくのはどうか。
  • 在留資格の把握も役に立つのではないか。外国人留学生の相談内容については多様化してきており、精神的な不安などへのカウンセリングサービスが必要になってきている。家族のことや文化の違いなどについてもどの機関とどのように連携できるか整理した方がよい。
  • 京都市内にワンストップセンター(仮称)があると京都府北部の外国人住民はなかなか相談しづらいのではないか。外国人住民が増えるのは南部だけではないと思うので、相談員の増員や窓口を増やしていく必要があるのではないか。
  • ワンストップセンター(仮称)の周知についてもどのようにアピールしていくか考えた方がよい。日本人住民も気軽に相談できるという周知も必要ではないか。
  • 京都府多文化共生総合相談ワンストップセンター(仮称)の名称について、外国人住民のみを支援することを考えているのであれば、京都府外国人総合相談窓口といったものにしてはどうか。
  • ワンストップセンター(仮称)のような活動を行っているボランティア団体も既にあると思うので、そうしたところにもつなぐことが出来るようにしたほうが良い。相談内容については、家族のことや保育といったことも相談してくるのではないか。
  • 集住地域では、各機関の職員が常駐あるいは日を決めて出張窓口を設置したり、相談を受け付けたりする例があったと思う。結局たらい回しの最初の入口になるだけなら、「ワンストップ」とは言えない。せめて、ネットを活用してオンラインで各機関の職員がその場で質問に応えてくれるなど、可能になるとよい。
  • 相談員2名の業務は、単に英語が堪能なだけでなく、ソーシャルワーカーとしての知識や技能が求められる。いますぐにそういった人材を期待することはできないにしても、絶えざる職能向上が求められる。
  • とくに公立学校での受け入れについては、各市町村、学校の対応が遅れていると感じている。これは市町村の責任というよりも、府レベルで予算、人材確保も含めて、強化が求められる事柄。子どもの教育について、各市町村につなぐ限りは、行った先の学校で日本語指導や適応指導を含めたきちんとした受入れが行われるところまで、府として見ていくべきだと考える。
  • 学校教育以外の問題でも、うまく市町村行政に課題をつないでいけるかが、府の事業としては問われると思う。これも、市町村の外国人受入れ担当者の研修も含めて、今後取り組んで行くべきではないかと思う。

 

【府内における日本語教育の総合的な体制づくりについて】

日本語学習状況等を中心に、どのような支援を必要としているかなどを市町村等の協力を得ながら調査し、課題とニーズを把握。結果を生活、教育、災害などの外国人支援につなげることを目指す。

  • 実態調査アンケートについては、技能実習生等が増えているので、ベトナム語や希少言語での対応も必要ではないか。
  • 外国人住民への日本語教育については、日本の学校教育のように全員が同じ内容を同じ時間に学ぶのではなく、目的やレベル別に細かく学べる環境を考えてみてはどうか。
  • 日本語を指導する人の育成も今後必要になってくるのではないか。教育環境を整備するにあたっては、指導者の認識も見直す必要があるのではないか。
  • そろそろ外国人住民を日本語教育の指導者として活用する時がきたのではないか。日本語をどのように学んだらよいかということなどを経験に基づいて教えることが出来ると思う。
  • 日本語教育に係る実態調査アンケートについては、今回の調査で明らかにしたいのは、学習状況の把握なのかニーズの把握なのかをはっきりさせたほうが良い。
  • 日本語教室が設置されている市区町村は全体の3分の1で、文化庁の推計では、およそ50万人の外国人住民が日本語教育の機会を与えられていないとされている。地域日本語教室の取組については、日本語学校とは異なり、日常で使う日本語を中心に週1回のペースで教えている。日本語教師のおよそ6割がボランティアであることは大きな問題。専門家を活用した公的な教育機関とボランティアベースの地域日本語教室がつながり、日本語の初期教育を公的機関が担い、そこから先を地域日本語教室へつなぐというスキームで外国人住民の日本語教育支援の充実に取組むことが効果的ではないかと考えている。
  • 日本語教室については、ボランティアによる対応がなされているだけの状況を「日本語教育」と呼ばれてきたことに違和感があった。公的な体制整備に向けての調査がなされること、大変心強く思う。
  • 分析のときに府内の地域差を詳しく分析してほしい。
  • 外国人はデータ通信の契約をせず、フリーのWi-Fiのあるところでのみインターネットに接続している人も多い。どのようにネットにつないでいるかを尋ねる質問も項目に入れてほしい。
  • 使用言語については、場所によって言語を使い分けていると思われるので、どのような場所で何語を使うかまでわかると、日本語で何ができるようになる必要があるかというニーズが明らかになる。

 

【多文化共生施策の検討について】

今年度から、チーム体制を拡充し、庁内の関係各課で構成する連絡会議を外国籍府民共生施策懇談会のワーキンググループとして創設。

  • これまでこの懇談会では多くの論点を取り上げてきたが、けっして「困りごとの解決」だけを目指してきたわけではない。目的に書かれているように「外国籍府民と共に生きる京都府」をつくるために、日本国籍府民への啓発や、交流の場作りも含めて、さまざまな提言がなされてきている。また、これから京都府が多文化府民のエネルギーを強みに変えていけるような文化の醸成やそれを支える仕組み作りを行っていかなければ、いつまでも外国人は「お荷物」とみなされたままであるし、京都府が外国人に「選ばれる」都市となることも難しいと思う。そういった観点を連絡会議の検討課題にぜひ含めていただきたい。具体的には「第1条(目的)」の内容をもう少し広くとってほしい。

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知事直轄組織国際課

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