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平成18年度第5回京都府公共事業評価審査委員会の開催概要

1 日時

平成19年3月13日(火曜)午後1時30分から午後4時15分まで

2 場所

平安会館「平安の間」

3 出席者

「京都府公共事業評価審査委員会」委員

吉川和広委員長、青山咸康委員、佐藤紀子委員、芝池義一委員、中西たえ子委員、深町加津枝委員(佐藤博之委員は欠席)

事務局

(農林水産部)技監、担当課長ほか

(土木建築部)部長、技監、理事、担当室長ほか

【傍聴者】なし

4 議事内容

(1)公共事業再評価の個別審査

 

事業種別 事業主体 対象事業 事業箇所
林道整備 京都府 丹後縦貫林道リフレッシュ事業 第2期工事 宮津市、京丹後市、伊根町、与謝野町
河川改修 京都府 雑水川(ぞうずがわ)広域基幹河川改修事業 亀岡市
河川改修 京都府 千々川(ちちがわ)広域基幹河川改修事業 亀岡市

 

 

ア 審査の結果

 今回審査した事業の再評価は、委員会に提出された資料、説明の範囲において、その手続きがおおむね適切に進められており、各事業主体から提出された対応方針案(丹後縦貫林道は「見直し継続」、他は「継続」)のとおりでよいと判断される。

イ 審査の状況

 各事業について、必要性や進ちょく状況、事業を巡る社会情勢の変化、費用対効果分析の結果、コスト縮減施策、良好な環境形成・保全の検討等をもとに、事業主体の対応方針案について審査された。

(2)公共事業事後評価の個別審査

 

事業種別 事業主体 対象事業 事業箇所
ほ場整備 京都府 経営体育成基盤整備事業 竹野沖田(たかのおきた)地区 京丹後市
河川環境整備 京都府 小畑川(おばたがわ) みやこの川づくり事業 京都市

 

 

ア 審査の結果

 今回審査した各事業の事後評価は、委員会に提出された資料、説明の範囲において、その手続きがおおむね適切に進められており、京都府から提出された評価案(「事業目的は達成」)のとおりでよいと判断される。

イ 審査の状況

 各事業について、事業の効果、事業により整備された施設の管理状況、事業を巡る社会経済情勢等の変化、良好な環境の形成・保全・変化、改善措置の必要性、今後の課題等の検討等をもとに、事業主体の評価案について審査された。

5 主な意見

(1)丹後縦貫林道リフレッシュ事業 第2期工事

  • (森林保全課)環境保全と工事費縮減のため、全線2車線整備から、部分的な拡幅等へ方針変更した。また、事業効果の早期発現を考え、区間別に優先順位を定めた。
  • (委員)『環』の公共事業構想ガイドライン評価シートについては、地域の環境像についても把握され、工法だけでなく地域性や取組についても具体的に検討されており、効果や考え方もしっかり示されていると思う。
  • (委員)審査表に一元的な維持管理体制の構築とあるが、整備後の日常管理をしっかりしていく必要があると考えられるところで、どう実現していくか教えてほしい。
    (森林保全課)現状では開設中は京都府が管理し、完成後は市町村に移管している。関係市町は4市町あり、それぞれが独自に管理を実施している。市町によって管理レベルに濃淡があり、林道管理組合の設立を京都府として提案してきたがまだ実現していない。引き続き関係市町と協議し積極的に働きかけていく。
  • (委員)モニタリング調査は具体的に何を行っているのか。
    (森林保全課)沿線にクマタカの生息が確認されている箇所が何箇所かあり、モニタリング調査を行い、繁殖期間には工事を避ける等の配慮をしている。この地域には、国定公園も含めて豊かな自然が残っており、今後も資源が有効に利用されると共に、貴重な自然は保全されるようにしていきたい。
  • (委員)林道の土地の権利関係はどうなっているのか。
    (森林保全課)林道の敷地は、所有権を所有者に残したまま林道としての使用承諾をいただき、一般供用させてもらっている。
  • (委員)森林所有者に管理の負担はあるのか。
    (森林保全課)所有者の負担はない。
  • (委員)一般的に林道というものは、京都府が工事をして、出来上がったら市町村が管理をするというものなのか。
    (森林保全課)この林道は、4市町が関係している広域的な林道であるため、京都府が工事をしているが、一般的には市町村が開設を行い、京都府が補助金を出すこととなっている。
  • (委員)林道で観光目的の利用がされても、林道の目的が達成できるのか。一般的に林道がこういう形で建設・確保されていて問題がないのであればよいが。
    (森林保全課)法的な位置づけとして、林道は道路法には基づかないが、道路交通法では「一般交通の用に供するその他の場所」とされており、利用に関しては制限はない。
  • (委員)説明のあった、区間の優先順位付けについて、もう少し詳しく説明して欲しい。
    (森林保全課)これまでいくつかの工区で工事を行っているが、重点的に予算を投入して完成させ、できるだけ早く効果を発現させていくという判断に基づいて、優先順位をつけている。区間4と区間3については、工事の進捗が進んでいるため、1位、2位としている。区間1、区間2については残事業が多いため優先順位を低くした。まず区間4を重点的に行い、完成間近になれば区間3に着手することとしている。
  • (委員)優先というのは投資する金額か、完成か。
    (森林保全課)完成を優先させる。
  • (委員)区間3と区間4ではなぜ区間4の優先順位が高いのか。
    (森林保全課)区間4とつながる、昨年再評価を審査いただいた、奥寄線の完成が平成22年の予定であり、引き続き区間4を完成させ、その先の区間3につなげていくこととしている。
  • (委員)現地確認の際、通りかかった車は2台だけで、施設も閉鎖されていたりという状況であったが、地元にとっては重要な林道ということであり、それは理解する。観光バスを入れることも考えているようだが、観光開発についてどれくらい比重を置いているのか。また、現在、宮津市は観光誘致に力を入れているようだが、宮津市が観光開発のために林道に力を入れるということはあるのか。現地を見て確かにすばらしい景色のところだと感じたが、どういう観光ルートがあるのか。
    (森林保全課)費用対効果の便益66億円のほぼ半分約29億円が、観光等による森林の利用による便益となっており、これくらいの比重と認識している。
      丹後縦貫林道の整備は、京丹後市丹後町から大宮町に至るが、宮津市においては、世屋高原家族旅行村、成相寺あたりの施設の整備につながると考えている。
      観光利用のルートとして、北側は、丹後あじわいの郷から丹後縦貫林道を通り、スイス村、風のがっこう、世屋高原家族旅行村を通じて、府道浜丹後線へ抜けるルート、また、南側は、鳥取豊岡宮津自動車道の大宮森本インターチェンジ建設予定地から、大内峠を経て成相までの区間の、天橋立の眺望の利用ということを考えている。
  • (委員)スイス村、家族旅行村はどのくらいの利用があるか。
    (森林保全課)スイス村についてはここ数年は年間2万人くらい。世屋高原家族旅行村については年間1万人程度。風力発電所、一字観公園が1万5千人から2万人程度。丹後縦貫林道沿線の施設全体で、年間10万人から15万人の利用がある。
  • (委員長)整備の優先順位について、観光便益が非常に大きいことを考えると、区間1を先にやり、国道178号と先に結んだ方がよいのではないかとも考えられるが、先行する他の事業との関連性、工区の進ちょく状況から区間3と区間4を優先したいという事情はわかった。始めの説明ではこの考えがあまり伝わってこなかったので、委員会の議論を十分想定の上、説明をするようにしていただきたい。

 (2)雑水川 広域基幹河川改修事業

  • (委員)氾濫しやすい箇所、市街地として適していない箇所に人家があることについて、都市計画と河川改修の関係はどうなっているのか。
    (河川整備管理室)洪水の危険のある地域に多くの人が住んでおり、過去よりそういうところで、河川改修を行ってきた。 ある地域を都市計画の市街地区域に編入するにあたっては、調整池、河道改修等の手法を検討している。
  • (委員)『環』の公共事業評価シートに記載のある、植生及び水生生物について、対象としている具体的な動植物名はなにか。 
    (河川整備管理室)具体的な動植物を特定しているわけではない。在来種等、現地にあるものの保護、回復を目的としている。
  • (委員)治水対策への池の利用とはどういうことか。
    (河川整備管理室)出水時に、一気に河川内で水を流すのではなく、一部の水を隣接する安町大池に流入させることにより、洪水の緩和を図る計画になっている。調整池としての機能を、期待している。
  • (委員)常時、安町大池に水が流入しているのか。
    (河川整備管理室)一部の流域の水が流れ込む計画となっており、本川の水が全て、安町大池に流れ込むわけではない。
  • (委員)当面計画断面での施工区間はどこか。資料18ページの改修履歴図の当面実施区間との関係は。
    (河川整備管理室)当面計画断面での施工区間は、事業実施区間である1.9キロメートル間すべてが対象で、下流域である桂川支川処理区間の施工完了後に、将来計画断面になるよう、河床掘削を実施する。
  • (委員長)前回の再評価審査時から進捗していない。
    (河川整備管理室)本年より、用地取得推進プロジェクトチームの対象案件としても採択しており、積極的に事業を進めるべく鋭意努力していく。

(3)千々川 広域基幹河川改修事業

  • (委員)宅地化が進んでいるとの説明だが、田畑が多いのではないか。
    (河川整備管理室)上流域は市街化されておらず、水田が多いが、下流域のJR山陰線付近は宅地化されている。
  • (委員)井堰の統廃合が難航しているとあるが、相手は個人か。
    (河川整備管理室)水利組合や農家組合と協議を行っている。
  • (委員)井堰の統廃合について何が難航しているのか。
    (河川整備管理室)河川管理者としては、経済性や治水の観点から井堰のような横断構造物は数を減らしたい。しかし、利用者は、利便性の観点から井堰の数はそのままにしたい。このような中で調整が難航している。
  • (委員)交渉が解決したのはどの井堰か。
    (河川整備管理室)最下流の国主ヶ森堰。残り3箇所の井堰を1箇所に統合したいと考えている。
  • (委員)土地改良事業との連携は考えられないか。
    (河川整備管理室)今のところ計画はない。
  • (委員)1箇所になっても、従前と同じ量の水が取れればいいのではないか。不満の理由はどこにあるのか。
    (河川整備管理室)井堰を1箇所にすると、「1箇所当たりの堰の利用者が増え、使い勝手が悪くなる」などの不満があると思われる。
  • (委員)水利権を持っている人と、井堰の管理者との関係は。
    (河川整備管理室)水利権を持っている人が井堰の管理者でもある。

(4)経営体育成基盤整備事業 竹野沖田地区

  • (委員)「担い手」とは何か。
    (耕地課)農業経営基盤強化促進法により認定された農家などであり、この地区では、同法で認定された農業者2名とそれに準ずる市認定者3名を担い手としている。 また、2,3反程度の農家は小規模農家と分類した。
  • (委員)この事例は有意義な取組と思う。丹波大納言の生産が多い丹波でもこうした取組を推進していただきたい。
    (耕地課)大納言は和菓子の原材料として農家の所得向上につながっている。
     丹波地域では、既にほ場整備はかなり進んでいるが、平成18年度には小豆の農作業の機械化をモデル的に行うなど増産対策を予算化した。
  • (委員)担い手や後継者の育成につながったとあるが、5名の担い手では、少なすぎるようことはないか。一人欠けると大変なのではないかと思う。そうしたことからも後継者はどのような状況か聞きたい。
    (耕地課)法認定の方の高校生の御子息が後を継がれると聞いている。
  • (委員)『環』の公共事業ガイドラインに書かれている、生態系の保全に努めるとは、具体的にどういうことか。
    (耕地課)事業完了後であるが、減農薬や低農薬の営農に取り組んでいる。
  • (委員)労働時間が43パーセント程度短縮されたとの説明であったが、個々の農家にとってはどういうことになるのか。
    (耕地課)短縮された労働時間を使い、経営規模を拡大されたり、余力を使い収益性の高い野菜作に取り組めるなど、収益性、経営力の向上に繋げることができる。
  • (委員長)今回の事後評価の事例は大変うまくいった事例であるが、本来の事後評価の趣旨から、当初の計画との差異について検証いただき、今後の事業に活かすといった視点で御説明いただきたい。

(5)小畑川 みやこの川づくり事業

  • (委員)河川環境の事業というが、コンクリートで固めた整備という印象が強いが、その点はどうか。
    (河川整備管理室)水辺のオープンスペースをつくるという整備なので、コンクリート構造物が中心となっている。今後、このような整備を行う場合、自然環境についても、検討していきたい。
  • (委員)この事業を進める上で、当初の考え方はどのようであったのか。
    (河川整備管理室)河川を通じた交流の場の整備をキーワードに散策路等を中心として、水辺に親しめる施設をつくることを目的として事業を実施した。
  • (委員)アンケート調査については、やはりその場所を利用している方々に聞く方が良いのではないか。
    (河川整備管理室)アンケート調査については、今回河川の環境整備事業の事後調査ということで初めての試みであった。今後、アンケート調査を実施する際は、委員ご指摘のことも踏まえて研究したい。
  • (委員)事前評価はやっているのか。
    (河川整備管理室)着手当時、制度を整備しておらず、この事業については実施していない。
  • (委員)イベントの実施状況はどうか。
    (河川整備管理室) イベントについては、4月上旬に地元で洛西桜まつりを数百人規模で実施しており、年間を通じて利用されている。
  • (委員)一般の人が利用する時は、許可等の申請がいるのか。
    (河川整備管理室) 河川は自由使用が原則であり、特に許可等はいらない。
  • (委員)都市公園の指定等はされているのか。
    (河川整備管理室) 都市公園としての指定はされていない。通常の河川である。
  • (委員長)上下流で自然に配慮した取り組みを実施されており、評価出来ると思う。今回の事後評価を踏まえ、今後同種事業において、より適切な事業計画の立案が行われるよう努められたい。

6 その他

 今年度の審査はすべて終了した。

 

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