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平成20年度第7回京都府公共事業評価審査委員会の開催概要について

平成21年2月17日 
京都府建設交通部 
指導検査課 
075-414-5221

平成21年1月27日に開催された平成20年度第7回京都府公共事業評価審査委員会の概要は、下記のとおりでした。

1 日時

 平成21年1月27日(火曜)午後1時30分から午後4時30分まで

2 場所

平安会館「平安の間」 

3 出席者

 「京都府公共事業評価審査委員会」委員

委員長

吉川 和広(よしかわ かずひろ) 京都大学名誉教授

委員

河地 利彦(かわち としひこ) 京都大学農学研究科教授
芝池 義一(しばいけ よしかず) 京都大学法学研究科教授
福本 桂子(ふくもと けいこ) 公募委員
松井 悦子(まつい えつこ)京都商工会議所女性会副会長
森田 宏明(もりた ひろあき) NHK京都放送局副局長
(深町委員)

(五十音順、敬称略)

事務局

(建設交通部)部長、技監(土木担当)、理事、担当課長ほか

4 議事内容

以下の審査対象事業について審査予定

再評価

  • 重要港湾舞鶴港和田地区多目的国際ターミナル整備事業(事業主体:京都府、事業箇所:舞鶴市)
  • 伊佐津川 総合流域防災事業(事業主体:京都府、事業箇所:舞鶴市)
  • 後ヶ浜海岸侵食対策事業(事業主体:京都府、事業箇所:京丹後市)

審査の結果

 今回審査した事業の再評価は、委員会に提出された資料、説明の範囲において、おおむね適切に進められており、京都府から提出された対応方針案(4件とも「継続」)のとおりでよいと判断される。

事前評価

  • 東中央線 街路整備事業(事業主体:京都府、事業箇所:木津川市)

審査の結果

 今回審査した事業の事前評価は、委員会に提出された資料、説明の範囲において、新規着手の必要性が認められることから、京都府の方針案のとおりでよいと判断される。

事業の審査における主な質疑及び意見

 重要港湾舞鶴港和田地区多目的国際ターミナル整備事業について

  • (委員)ふ頭やターミナルとは、どこの場所を指すのか。
    (港湾課)ふ頭とは岸壁、ふ頭用地、港湾関連用地等を含む施設全体を指しており、ターミナルとは海上輸送貨物を船舶から荷揚げ、仕分け、陸上輸送への受渡しの一連の作業又はその逆の作業を行う場所や機能を指す。
  • (委員長)今回の資料では、専門用語が使用されているためわかりにくい箇所があった。河川の再評価資料では、用語解説が丁寧にされているので、今後の資料作成の際には参考にすること。
  • (委員)全体事業費は466.2億円で、費用便益分析における総費用は522億円となっているが相互の関連はどうか。
    (港湾課)費用便益分析における総費用は、総事業費から港湾関連用地の造成費用を除いた額を、社会的割引率を用いて現在価値化した額であるため。
    (委員)港湾関連用地の造成費をなぜ省くのか。
    (港湾課)造成費用は基本的に将来売却又は賃借することにより、回収するという考え方のため。
    (委員)得するか損するかは分からないが、総費用に算入しないことは妥当なのか。
    (港湾課)「港湾整備事業の費用対効果分析マニュアル」において、港湾関連用地については、便益計算の対象とされていないため、総便益及び総費用の両方とも算入していない。
  • (委員)そういう考え方を資料の本文の中で説明されているか。
    (港湾課)本文中には記載していない。
  • (委員)私は、本文の中で説明する方がよいと思う。
      また、便益計算において、コンテナと中古車の予測取扱量について、年度により幅があるが、どのようにして便益を算定したのか。
    (港湾課)各年度毎に取扱量を設定して便益を計算し、集計している。
  • (委員)今後、取扱い貨物量が伸びるシナリオを想定して算定しているのか。 
      最近ロシアで中古車に対する関税を上げた影響で、日本からの輸出量が減っている等厳しい状況があるが、どう考えているか。 
    (港湾課)ロシアでも関税引き上げに対して激しい反対があるなど、日本からの中古車輸出に対する社会的要請は非常に高い。長期的な傾向としては伸びていくと考えている。
      ただ、厳しい状況であることは事実であり、積極的なポートセールスを行い、取扱貨物量の増大に努めたい。
  • (委員)PR活動を積極的に行っていただきたい。
    (委員長)舞鶴港の事業に関して京都府の施策にも参画している関係で聞いた話だが、コンテナ取扱量の伸びの推計については、府の港湾建設部局と商工部局が連携して、各社をヒアリングされた結果を用いて算出したものであると聞いている。
  • (委員)舞鶴港の中長期的な位置付けはどのように考えているか。
    (港湾課)舞鶴港は近畿圏における日本海側の門戸港と位置付けられており、経済発展の著しい中国を始めとする北東アジアとの地理的な優位性を活かして貿易を伸ばし、地域の振興・活性化を図っていきたいと考えている。また、関西経済連合会が中心となって、環日本海における港湾振興の勉強会も行っており、こういう動きの中で集荷を積極的に進め舞鶴港の位置付けを高めていきたい。 
  • (委員)舞鶴港の貿易実績額の推移グラフにおける相手国の内、「その他」に分類されているのはどこの国か。
    (港湾課)東南アジアおよび欧米の国々である。
  • (委員)舞鶴港は、大阪港や神戸港と比べて、荷主がメリットを感じるような整備を行っていただきたい。
  • (委員)第3ふ頭で取り扱っている中古車及び第4ふ頭で取り扱っているけい砂を、新ふ頭で取り扱うことになった後の、それぞれのふ頭の有効活用は考えているのか。
    (港湾課)第2ふ頭は鉱産品等のバラ荷、第3ふ頭は官公庁船、海上保安庁の船及び旅客船、第4ふ頭は国際フェリーを取り扱うこと等での活用を検討している。
  • (委員)資料に実績が記載されている他に、舞鶴港近郊で工業団地に企業が誘致される予定はあるか。
    (港湾課)喜多工業団地や北部中核工業団地を含め、今後も誘致を進めていくと聞いている。
  • (委員)残工事の進ちょく状況はどうか。
    (港湾課)橋梁2、上安久線を除き、平成22年春に供用開始できる見込みである。
  • (委員長)一般の府民がホームページなどを見て、用語の意味などがをわかるようにしていただきたい。
      また、各委員から出された重要なコメントについても気を付けていただきたい。環日本海における舞鶴港の位置付けについては、現在策定中の近畿広域地方計画に、舞鶴港の重要性を説明する文言を入れるよう努力すること。

伊佐津川 総合流域防災事業について

  • (委員)費用便益分析の便益計算において、年平均被害軽減期待額が記載されているが、これはどのように算出されたものか。
    (河川課)算出方法は国の定めたマニュアルに基づき算定している。具体的には、一年間に降る降雨を統計的手法により算出し、それらが整備前の河川に降った場合に発生する洪水による被害額に、それぞれの発生確率を乗じたものの総和を年平均被害軽減期待額としている。
    なお、本事業の場合、伊佐津川及び支川天清川の年平均被害軽減期待額を足し合わせている。
  • (委員)設定されている治水安全度は、伊佐津川が50分の1、支川の天清川は10分の1と異なるが、これは、現計画で完成した場合でも、50年に一度降るおそれのある規模の降雨があった場合、伊佐津川においては洪水が発生しないが、天清川では発生するということか。
    (河川課)御指摘のとおりである。
    (委員)計画対象雨量が、治水安全度50分の1の伊佐津川は71mm、10分の1の天清川は53mmであり、治水安全度の差の割には雨量差が少ないように思えるがなぜか。
    (河川課)計画対象降雨は統計に基づき算出しているため、治水安全度の差とは正比例しない。

後ヶ浜海岸 侵食対策事業について

  • (委員)事業着手は昭和56年、工事に着手したのは昭和57年となっているが、その間の一年間は何をしていたのか。
    (河川課)測量、設計等工事に着手するための準備を行っていた。
  • (委員)当事業では人工リーフを築造しているが、リーフとはどういった意味か。
    (河川課)サンゴ礁、岩礁等で用いられる、「礁」という意味である。
  • (委員)当事業では、事業の「暫定完了」を検討することとしているが、暫定完了とはどういった状態を指すのか。
    (河川課)当海岸では3.4号人工リーフを施工せずに、1・2号人工リーフのみにより、当初想定していた侵食防止効果が得られると見込んでおり、当初計画を一部残して完了する予定であり、これを「暫定完了」と呼んでいる。なお、海岸工学は学問としての歴史が浅く、海岸侵食のメカニズムについても解明されていない点があるため2年間の監視期間をとり、その間に海岸が侵食しなければ、「暫定完了」することとしている。
  • (委員)海岸侵食が発生した要因の一つとして、竹野川からの土砂流出の減少が挙げられているが、その原因はなにか。
    (河川課)竹野川の流域全体で砂防工事などの整備が行われたことが原因の一つと考えられる。
    (委員)砂浜の回復のため、養浜を行っているか。また、現在も竹野川からの土砂流出はあるのか。
    (河川課)これまで、養浜は行っていない。また、竹野川からの土砂流出は現在もある。
  • (委員)費用便益分析において、どのような便益を算定しているのか。
    (河川課)侵食防止便益として侵食により消失する資産額、浸水防止便益として越波等により浸水被害を受ける資産額及び環境利用便益として海岸環境を保全するために地元住民が支払う意思がある費用を算定している。
    (委員)事業により砂浜が回復した場合に、そこをレジャー利用等できる便益は計上されているのか。
    (河川課)環境利用便益に含まれている。
  • (委員)海岸保全施設の種類はどのようなものがあるか。またそれらの経済性はどうか。
    (河川課)一般的な対策施設としては、突堤、人工リーフ、離岸堤がある。
    経済性を比較すると、突堤、離岸堤、人工リーフの順に安価である。ただし、突堤は正面からの波に対しては、侵食防止効果が弱く当海岸には適さない。また、人工リーフは材料となる石材に安価なものを使うなどの工夫をすることにより、安くなることもある。
  • (委員)当海岸に人工リーフを採用した理由は何か。
    (河川課)当海岸は海水浴場として多くの人々に利用されるほか、冬場も観光地となっていることから、景観面での配慮が必要であったため、水面上に構造物が見えない人工リーフが有利と判断した。また、経済性においても離岸堤に比べて大きな差が無かったため、総合的に判断して人工リーフを採用した。

東中央線 街路整備事業について

  • (委員)東中央線の供用済み区間の工事主体は独立行政法人都市再生機構(「都市機構」という。以下同じ。)か。
    (道路計画課)御指摘のとおり、都市機構が整備した。
  • (委員)本事業は、都市機構が関西文化学術研究都市(「学研」という。以下同じ。)木津中央地区の整備に着手したため、その北側の延伸部分を京都府が着手することになったということか。
    (道路計画課)本路線は両者で分担して整備することとしているためである。
  • (委員)資料によると、現在木津中央地区は、未だ住宅が建っていない状況のようだが、そのとおりか。
    (道路計画課)現在造成工事の実施中であり、進ちょく率は30%である。
    (委員)この路線は、木津中央地区の開発促進のためのものであると思われるが、現下の経済情勢においては、木津中央地区の開発が今後順調に進むか疑問に感じるが、どう考えているか。
    (道路計画課)京都大学の農場が木津中央地区に移転するとの新聞報道もなされており、これに関連する同地区の需要はあると見込んでいるが、住宅地等の販売状況についても、経済情勢をふまえながら注視していきたい。
    (委員)木津中央地区の開発計画は、すべて都市機構が行っているのか。それともある程度府が関与しているのか。
    (道路計画課)府では資料の18ページに掲載されている土地利用計画図を定めている。
    (部長)都市機構は土地利用計画に基づき土地区画整理事業を行っており、土地利用計画は、京都府、大阪府及び奈良県の承認した建設計画に基づいており、同建設計画は、学研建設促進法に基づいている。
  • (委員)学研構想が作られた時点で、この道路も位置付けられていたということか。そうであれば、このルートで道路を造ることに大きな意義があるのであって、資料のように、並行している国道24号のバイパスルートをこの路線の代替案として比較するのはおかしいのではないか。
    (委員長)当該部分は公表資料から削除してはどうか。
    (道路計画課)削除する。
  • (委員)当区間と南側の都市機構が整備している区間の供用は、同時期になるのか。
    (道路計画課)当区間は平成28年度に供用を予定しているが、都市機構が建設している区間は平成25年に供用予定である。
    (委員)都市機構整備区間供用後の3年間は、当区間の担う交通量を他の路線で負担することになり、交通渋滞の発生が懸念される。
  • (委員)地元をよく知っているが、この地域の南北方向の主要幹線道路である国道24号は、非常に混雑している。また、国道24号の木津川に架かる泉大橋は、大型車が通行するとガタガタ揺れる状況である。地元としてはもう一本橋があればと願っていたところであり、本事業の着手は歓迎したい。しかし、1.1キロメートルの道路を整備するのに、8年間も要するのは、時間をかけすぎではないのか。
    (道路計画課)木津川渡河部分は延長365mの橋梁を架ける必要があり、JR線を橋梁で跨ぐ部分もある。また、用地取得や河川管理者との協議も必要となるため、早く事業を進めても8年を要すると考えている。また、総事業費が約61億円と大きく、府の負担の面からも妥当な期間と考えている。
  • (委員長)今見込んでいる期間より、努力して短縮しようという意思はあるか。
    (部長)用地買収等、事業期間を左右する要因は様々あるが、早期完成に努めたい。
    (※事務局注 以下は委員同士のやり取りが含まれるため、発言者を委員A、委員B、委員Cと記載する)
  • (委員A)木津中央地区の開発が順調に進むかわからない状況で、事業に着手するのは危険ではないか。橋梁の必要性はあると思うが、開発が進まなかった場合、山の中を通る道路を作ることになるのではないか。
    (部長)都市機構は平成25年に同地区の事業を完成させると約束しており、同地区の都市としての機能が整備されるのに合わせて、交通アクセス整備を進めていきたい。
    (委員A)都市機構の目論見どおり、住宅建設が進む見通しはついているのか。
    (部長)住宅建設や研究施設誘致等が計画どおり進む確証はないが、学研建設計画に基づいて、地元である京都府としてしっかり進めていきたい。
    (委員長)現状では学研の計画や構想のとおり、道路も計画通り進めていくが、状況が変わり問題が起こった場合には、計画変更を行う必要がある。また、その際には当委員会に諮られるものと考えている。
    (委員A)現下の社会情勢の中で、事業に着手するのが妥当なのか。
    (部長)木津川市に4つあるクラスタの内、木津南は既にまち開きしており、木津北及び木津東は中止している。このような状況の中、木津中央については都市機構が責任をもって開発を進めると聞いており、進ちょく率も30%ある。
    (委員B)慎重な御意見が出るのは理解できるが、周辺道路の整備状況を考慮すると、本事業によるアクセス道路整備は必要と判断せざるを得ないのではないか。また、アクセス道路が無いと住宅建設等も進まないという一面もあり、住宅建設が進まないという理由で、事業着手すべきでないという判断は妥当でないと思う。
    (委員長)少なくとも、この道路が完成すれば、並行している国道24号の渋滞が緩和されるという効果はある。
    (委員A)現下の社会情勢から判断すると、本事業の着手には慎重にならざるを得ないと考えている。事業進ちょくの速度を抑える等の調整や着手を見送る等の対応を検討すべきではないか。
    (部長)木津北地区及び木津東地区の事業は中止しているが、木津南、木津中央は都市機構で継続するかどうか検討し、戦略上できると判断されたものである。学研建設計画を進める京都府としても、学研関連道路であることから、責任をもって進めていきたい。
    (委員長)委員会からの意見に「都市機構の事業の進捗を十分に勘案されたい。」と附帯したらどうか。
    (委員C)府としては、新規事業箇所選定において、この箇所の優先度が一位と評価しているのか。また、評価において事業費も考慮しているのか。
    (道路計画課)優先度が高い箇所の中から選定しており、選定にあたっては、重点施策への合致や、地元熟度等も考慮し総合的に判断している。また、事業費についても予算枠の中で継続して執行できるという判断をしている。
    (委員C)都市機構が責任を持って事業を完成させると表明している以上、それを信用せざるを得ないのではないか。
    (委員長)先程の附帯意見をつけて、委員会の意見とすることでよいか。
    (委員A)委員会全体の意見とはならないようなので、附帯意見とせず、審議記録に残ればよい。
    (委員長)府は委員Aの意見を議事録に残すと共に、本委員会での議論をふまえて、今後の社会、経済状況への適切な対応に留意しながら、本事業を実施すること。

 

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