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平成14年度第3回京都府公共事業評価審査委員会の議事要旨

1 開催日時

平成14年11月28日(木曜日)午後1時30分から午後3時30分

2 場所

ルビノ京都堀川「比叡の間」

3 出席者

【委員】
吉川和広委員長、岸 俊和委員、芝池義一委員、高橋 強委員、瀧 静子委員(酒井公子委員は欠席)

【事務局】
(府)土屋土木建築部長、技監
(土木担当)理事ほか
(園部町)助役、都市計画課長ほか

【傍聴者】なし

4 委員会概要

(1)審査事業

事業種別 事業主体 対象事業
土木事業 京都府

園部町
向日町停車場線 道路改良事業
南丹ダム 河川総合開発事業
園部公園 都市公園事業

(2)審査の結果

○ 今回審査した府の土木2事業及び園部町の土木1事業の再評価は、いずれも委員会に提出された資料、説明の範囲において、その手続きがおおむね適切に進められており、府及び園部町から提出された対応方針案(南丹ダムについては「中止」、他の2事業については「継続」)のとおりでよいと判断される。

○ ただし次の点に留意されたい。

・南丹ダムの中止に関連しては、園部川流域の治水対策について、河川改修によ り緊急性の高いところから段階的に実施していくこととし、必要な対策を今後 も講じられたい。

(3)審査の状況

◆ 南丹ダム河川総合開発事業の審査について

園部町の水道用水の確保と園部川流域の洪水被害の軽減を目的として取り組んできた本事業について、整備の必要性、事業の進捗状況、社会経済情勢の変化、代替案との費用比較、代替案の進め方などを参考に府の対応方針について審査された。

◆ 向日町停車場線道路改良事業の審査について

向日市の都市軸を形成する本路線の改良を行うことにより、車両の円滑な運行、歩行者の安全確保、鉄道との乗り換えの利便性の向上を図る本事業について、当箇所について道路の現状、要望状況などを踏まえた必要性、用地補償の状況、コスト縮減の可能性や事業を巡る社会状況等の変化及び費用対効果分析の結果などを参考に、京都府の対応方針案について審査された。

◆ 園部公園都市公園事業の審査について

園部町の市街地中心部に位置し、総合公園として住民の健康増進、市街地の環境整備に寄与し、防災拠点でもある本公園の整備事業について、整備の必要性、事業の進捗状況、周辺施設の整備状況及び費用対効果分析の結果などを参考に、町の対応方針案について審査された。

5 議事の内容と主な意見

(1)審議会の公開について

(ア)委員会の公開・非公開について

・(委員長)今年度の第1回委員会で委員会は原則公開とし、個人情報を扱う等により非公開とする必要がある場合、委員会で協議を行い非公開とするという方針を定めていた。配付したとおり事務局で傍聴要領を作成したので、これをもって今回から原則公開としてよいか。

・(各委員から異議なし。)

(イ)今回の審査対象事業について

・(事務局)今回の審査対象事業のうち、南丹ダムについては府の方針を変更するため審査いただくもの、向日町停車場線については来年度に再評価後5年の再々評価にあたるものを前倒しして審査いただくもの、園部公園については、着手から23年を経過しているが、都市計画事業においては事業の開始時を都市計画の決定または変更時とすることができるという国土交通省の規定を適用していたが、このほどこの開始時が事業の予算化時に統一されたため、今回園部町から審査依頼があったものである。

(2)各案件の審査

(ア)南丹ダム河川総合開発事業

・(委員)前回評価時には、治水について「ダム+河川改修」と「河川改修単独」との比較考察をしていないのか。

→(河川課)前回も費用比較を長期的な治水安全度で行っており、「ダム+河川改修」が「河川改修単独」よりも有利であるとの結果だった。

・(委員)1/50(50年に1度程度の降雨で発生する洪水)対応の「ダム+河川改修」と「河川改修単独」の河川改修費の差に比べ、時間雨量50mm対応の「ダム+河川改修」と「河川改修単独」の河川改修費の差が小さいのはなぜか。

・(河川課)1/50の場合は、ダムの洪水調節効果が大きく、用地買収面積の差や橋梁の架け替えの差が大きい。50mm対応の場合は、ダムの洪水調整効果が少ないことから差が少なくなっている。

・(委員)河川改修規模は50mm対応で大丈夫か。京都府の治水対策は50mm対応を目標としているのか。

→(河川課)長期的な治水安全度は各河川毎に定めており、長期的にはそれを目指すが、全国的にも園部川のような中小河川の改修については、現状でまだ50mm対応にもなっていない箇所も多いことから、まずは50mmを目標に進めている。

・(委員)50mm対応の河川改修では、昭和28年水害時程度の雨量があるとどうなるか。

→(河川課)雨の降り方にもよるが、50mm対応では昭和28年程度の雨量だと必ずしも対応しきれない。限られた予算の中で段階的に治水安全度を上げていくこととしている。

・(委員)50mm対応で改修をした後、将来的に1/50で改修するのであれば、さらに拡幅することになるのか。

→(河川課)河川改修については、段階的に治水安全度を上げることとしており、将来時点についてはその時点で対応を判断していく。

・(委員)地下水は干ばつの影響を受けやすいと思うが、地下水の安定供給は保証されているのか。

→(河川課)京都府では最近3年間も降水量は少なく、渇水の状況であったが、園部町の水道については地下水源で十分対応が可能であったこともあり、安定供給のめどがついた。

・(委員)園部町内の下水道の計画はどうなっているのか。水需要の計画に含まれているのか。

→(園部町)農村地域内における農業集落排水事業、市街化調整区域、都市計画区域内における特定環境保全公共下水道事業については100%完成している。八木町と園部町で行っている桂川中流流域関連公共下水道事業については、市街地における2、3集落が一部未供用の状況であり、既に大半が公共下水道という形で供用している。

・(委員)水道事業の目標人口の22,000人は園部町のみの人口か、近隣の地域を含んだものか。

→(園部町)園部町のみの将来人口予測である。園部町の総合計画でも平成23年の推計人口を22,000人としている。

・(委員)この委員会では対応方針案について、大きな不合理があった場合のみチェック可能に過ぎない。事業実施主体に大きな裁量があるわけだから、委員会にはできるだけしっかりした方針を提出して欲しい。

→(事務局)府として継続してきた事業について、今回中止の方針案を提出するに至ったことについては、十分な検討をした結果ではあるが、この結果を重く受け止め今後の事業に活かしていきたい。

・(委員)事務局の対応方針は、前回の再評価で継続、今回は中止であるが、今後再度ダムを実施するという方針を出すことはないか。

→(事務局)本ダム事業は中止であり、再び実施することは考えていない。

・(委員)ダム事業を中止した結果、治水に影響が無いように十分対策をして欲しい。

・(委員)地下水の取水については、資料を見ると4年前の前回審議時には既に計画が進んでいた。めどが十分になかったにしても、そのような情報の提供は当時なかったように思う。再評価委員会で正確な判断ができるよう、事務局は決められた様式の調書を提出するだけでなく、事業を取り巻く情報等を十分提供いただきたい。また、資料の中には一般の方にはまだまだ十分にわかりにくい部分が多い。もっとわかりやすくする努力を続けて欲しい。

・(委員)事業計画などは時間の経過につれて自己矛盾を来し、陳腐化するという宿命を持っている。社会経済情勢の変化を踏まえ、陳腐化した計画については勇気を持って変更していくことが大事である。

・(委員)前回再評価から短期間で継続から中止に変わった原因は何か。事業に反対の地権者がいて調査に立ち入れない状況があるのも原因か。

→(事務局)平成13年度末に策定された園部町の総合計画で将来人口が確定したこと及び将来開発計画の動向に見極めがつき、利水の必要が無くなったことが見直しの大きな契機となった。事業反対者の存在は、事業の長期化の原因ではあるが、必要な事業は反対者がおられても説得をして事業を実施する。

・(委員)今後の河川改修のスケジュールはどう考えているのか。

→(河川課)当面は園部川下流の人家等資産が集中している地域の事業を進めていきたい。具体のスケジュールは現地の状況を見つつ今後策定していきたい。

(イ)向日町停車場線道路改良事業

・(委員)家屋が密集する箇所での事業は大変だと思うが、残事業の執行の見込みはどうか。具体的な物件の交渉状況はどうか。めどはないか。

→(道路建設課)駅前付近を最重点課題として進めており、平成16年度供用予定であるが、その他の区間についてはJR職員アパート等大型物件も残っており、具体的なめどが言える段階ではないが、予算とのにらみ合いの中で精力的に交渉していきたい。

・(委員)バス会社等との交渉に時間がかかったとあるが、相手は利益を受ける立場であるのに、なぜ時間がかかるのか。

→(道路建設課)駅前広場の各施設の配置、レイアウト調整に時間を要していたが、現在は調整もまとまり、この部分は平成16年度供用の目途がたったところである。

・(委員)移転先地の調整等が困難なのはわかるが、予算があれば出来るのか。

→(道路建設課)全体の計画の中で反対意見はない状況である。予算との関係もあり交渉の時期が来ていないのが現状である。

・(委員)京都府は都市計画決定の見直しが進んでいると聞いている。その中でここは重要性を認めて残った箇所と考えて良いか。

→(事務局)都市計画決定の見直しが進んでいるのは京都市域のことで、この場所は該当しない。京都府では広域幹線の整備が進んできたこともあり、今後必要に応じて都市計画の見直しを進めて参りたい。

・(委員)限られた予算の中で、適切に進められているということですね。

(ウ)園部公園都市公園事業

・(委員)供用部分において、いろいろな催し物が開催されており、うまく活用されている。進捗率が83.6%であり、また、ヘリポートや耐震性貯水槽などの防災施設が計画されているとのことだが、今後防災機能を併せ持った総合的な公園整備は大切なことであり、ぜひ早く完成させて欲しい。

・(委員)供用部分の利用状況について、年間の利用実績、利用日数、利用者数の推移について教えて欲しい。

→(園部町)年間の利用者は、施設利用が約6万5千人、イベント利用が約4万人、その他約5万5千人、合計約16万人であり、幅広い年齢層の方に年間を通じて利用されている。市街地に近接した公園であり、年々供用区域を拡大しているので、利用者も年々増加している。

・(委員)本公園は町民を対象にした公園だと思うが、広域的な利用を考えたとき、園部町以外で近隣にある類似の公園との相対的な関係はどうか。競合関係にはないか。

→(公園緑地課)近隣の公園としては、丹波町に広域公園である約50haの府立丹波自然運動公園がある。亀岡市では、平成12年度末のデータで一人あたり約7.2m2の都市公園が整備されている。

→(園部町)利用状況から、近隣の公園とは競合していないと考えている。

・(委員)費用対効果の便益計算上の利用者数と実際の利用者数は合っているのか。

→(園部町)費用対効果の計算では利用者は約4万人としている。

・(委員)実際の利用者数は16万人とのことだったが、この実際の数値で計算すれ費用対効果の数値はもっと上がるということになるのか。

→(園部町)実際の利用者数で計算すれば上がる。

・(委員)今後は利用者数の推移がわかる資料を添付されたい。

→(事務局)今後は添付する。

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