トップページ > 府政情報 > 附属機関及び懇談会等の会議の公開について > 平成15年度第1回京都府公共事業評価審査委員会の議事要旨

ここから本文です。

平成15年度第1回京都府公共事業評価審査委員会の議事要旨

1 開催日時

平成15年9月10日(水曜日)午後2時から午後4時30分

2 場所

平安会館「平安の間」

3 出席者

【委員】
吉川和広委員長、青山咸康委員、西園寺周三委員、芝池義一委員(酒井公子委員、瀧静子委員は欠席)

【事務局】(土木建築部)部長、技監(土木担当)、理事ほか

(農林水産部)技監ほか

【傍聴者】なし

4 審査概要

(1)審査事業

事業種別:農林事業
事業主体:京都府
対象事業:海部(かいべ)北部地区、ほ場整備事業丹後地区、農村整備事業、
市町村名:久美浜町・網野町・弥栄町・久美浜町

事業種別:土木事業
事業主体:京都府
対象事業:府道上狛(かみこま)城陽線、道路改良事業、小谷(こだに) 地すべり対策事業
都市計画道路京都宇治線(第1工区)、街路事業
都市計画道路岩滝海岸線、街路事業
市町村名:山城町・大江町・宇治市・岩滝町

(2)審査の結果

  • 今回審査した府の農林2事業、土木4事業の再評価は、いずれも、委員会に提出された資料、説明の範囲において、その手続きがおおむね適切に進められており、府から提出された対応方針案(「継続」)のとおりでよいと判断される。
  • ただし、今後の事業の実施に当たっては、次の点に留意されたい。
    ・海部北部地区及び丹後地区については、事業効果の早期発現のため、計画工期内に事業完了するよう、予算の確保と円滑な事業実施に努められたい。

(3)審査の状況

海部北部地区ほ場整備事業の審査について

久美浜町の低地に位置する対象農地の現状と課題、事業の目的と必要性、耕作物の変化や周辺の基盤整備の進捗等の変化、費用対効果の変化等、受益者の意向等を参考に京都府の対応方針案について審議された。

丹後地区農村整備事業の審査について

丹後地区の農業振興と地域活性化を図るために農道、公園等を整備する本事業について、地区の現況、現在までに発現している効果、関係者の意向、環境への配慮等を参考に、京都府の対応方針案について審議された。

府道上狛城陽線道路事業の審査について

道路の現状、要望状況などを踏まえた必要性、用地補償の状況、コスト縮減の可能性や事業を巡る社会状況等の変化及び費用対効果分析の結果などを参考に、京都府の対応方針案について審査された。

小谷地すべり対策事業の審査について

小谷地区の地すべり災害の状況や、地域住民の防災施設整備に対する要望状況などを踏まえた必要性、用地補償の状況、コスト縮減の可能性や事業を巡る社会状況等の変化及び費用対効果分析の結果などを参考に、京都府の対応方針案について審査された。

都市計画道路京都宇治線(第1工区)街路事業の審査について

宇治市の道路状況や、京滋バイパスへのアクセス強化、渋滞解消、自転車・歩行者の安全確保及び良好な都市空間の形成としての街路事業の必要性、用地補償の状況、コスト縮減の可能性や事業を巡る社会状況等の変化及び費用対効果分析の結果などを参考に、京都府の対応方針案について審査された。

都市計画道路岩滝海岸線街路事業の審査について

岩滝町の道路状況や、鳥取豊岡宮津自動車道へのアクセス強化、渋滞解消、良好な都市空間の形成及び丹後地域の観光振興を支援する道路としての街路事業の必要性、用地補償の状況、コスト縮減の可能性や事業を巡る社会状況等の変化及び費用対効果分析の結果などを参考に、京都府の対応方針案について審査された。

5 審議内容(結果及び主な意見)

(1)委員会運営関係

(ア)委員の交替について(事務局報告)

・(事務局)現委員の任期は平成16年3月までだが、高橋委員長職務代理が、京都大学農学部長に就任され、公務が多忙となるため辞任を申し出られた。後任として、高橋委員の御推薦もあり、京都大学大学院農学研究科の青山咸康教授に委員就任を依頼しところ、御承諾いただいたので、御就任いただいた。

また、NHK京都放送局副局長であった岸委員が本年6月人事異動で京都放送局から大阪放送局へ転任された。後任の西園寺京都放送局副局長に委員就任を依頼したところ、御承諾いただいたので、御就任いただいた。

(イ)委員長職務代理の選任について

→(事務局)高橋委員長職務代理が辞任されたため、委員長職務代理を改めて選任していただく必要がある。

・(委員長)事務局で案はないか。

→(事務局)青山委員は新任ではあるが、近畿農政局の再評価委員会の委員長を務めておられ、再評価の経験が豊富であるため適任ではないかと考えている。

→(委員長)事務局の案について意見は。

→(各委員)異議なし。

→(委員長)青山委員を委員長職務代理とする。

(ウ)今年度の委員会の進め方、現地調査について

・(事務局)今年度から再評価後5年の再評価、いわゆる再々評価が加わることから、審査対象案件が41件と多く、うち河川事業が20件ある。審議方法を工夫しても、4回から5回程度の委員会が必要と考える。また、審議案件が多いことから、現地調査は当初からは予定せず、審議の過程でどうしても必要となった場合に行っていただくこととしたい。

→(各委員)特に意見なし。

→(委員長)委員会を4回ないし5回、現地調査は審議状況により必要であれば実施することとする。

(2)個別事業の審議

(ア)海部北部地区ほ場整備事業

・(委員)農地の嵩上げの土量はどれくらいか。どのあたりのどのような土質のものを使用しているか。また、転圧は行っているか。

→(耕地課)平均45cmの嵩上げで、土量は10万から14万m3。主に府道の道路改修などの公共事業で出た残土を利用している。久美浜町は砂丘地帯なので、砂に近い土質。転圧は行っている。

・(委員)基盤整備とともに「紫ずきん」や「水菜」への転作が進んでいるとの説明があったが、全体的に依然として水田が多い。今、米生産組織を大きく見直し、米作りの生産体制とか米作りについて、国がビジョンを示し、JAも動き出している。それらとの関係を聞かせていただきたい。

→(耕地課)米政策改革大綱が、昨年12月に示され、来年度から新しい政策がスタートする。政策の改革に併せて、それぞれの地域で水田の農業を今後どうしていくか、という地域水田農業ビジョンを今年度に策定していく。久美浜町の詳しい状況は聞いていないが、京都府ではこれから策定作業に入る。農業者、行政、JAで地域農業をどうしていくかを検討し、担い手や生産調整などのビジョンを作っていく。京都府では、専門家を招き米政策の研究会を6回開催し、農地を荒らさず農業生産を続けていくための対応策の研究を続けており、その内容を市町村にも示していきながら、策定していきたい。

本地域は水稲が中心となっているため、他作物への転作を考えていく必要がある。稲作からの転換を行っていくには、基盤整備はぜひ必要。本事業のような総合的な整備のほか、部分的で細かな整備も実施していきたい。

・(委員)当該地区周辺は、丹後梨や桃など果樹の生産地であるが、果樹生産と基盤整備した後の稲作や野菜生産など地域全体の見通しや関係について、聞かせていただきたい。

→(耕地課)海岸沿いの砂丘地帯で、梨、桃、メロン等が地域特産物となっている。技術が必要なため、大きな拡大はまだないが、国営農地開発事業で造成した優良農地で、梨を中心にして果樹栽培が行われている。水田を持ちながら果樹栽培を行うのが、農家の一つのパターンとしてあり、そのような生産を手助けできる基盤の整備が必要である。

今後も、水田農業については、他作物への転換の方向で進むと考えられることから、地域の技術力に見合った農業を導入し、進めていく必要がある。

・(委員)計画の赤色エリア(客土区域)は、湿田が乾田化され、水田転換も容易になると理解してよいか。

→(耕地課)はい。

・(委員)前回の平成10年の再評価後の事業進捗は順調か。

→(耕地課)この5カ年で33haの区画整理を行い、事業費で11億7千万円を実施。平均で年間6ha、事業費で2億円を実施。他のほ場整備地区と比較しても概ね順調な進捗である。

・(委員)前回評価時から、全体事業費が5億増えているが。

→(耕地課)幹線排水路の施工に当たり現地調査したところ、予想外に地質が悪かったことから、当初、コンクリートのL型という自立式の予定を矢板に変更した。また、久美浜湾の潮位が上がった場合も排水可能となるよう排水ポンプ等を設置した。これらにより、事業費が上がった。

・(委員)(事業費の増加は)平成14年の計画確定の内容か

→(耕地課)はい。

・(委員)こういった事業の場合、受益農家の負担はどうなっているか。

→(耕地課)国の補助50%。残り50%のうち府が27.5%、町等も負担するので、地元負担は多いところで20%程度。

負担については資金の手当てがあり、一旦、資金を借り受けて納め、15年間で返済していく。

・(委員)それは事業費に含まれているものか。

→(耕地課)地元負担分も含めての総事業費。全体事業費を先ほどの比率で分担する。

・(委員)15年かけて先ほどの%分の負担をするのか。

→(耕地課)はい。例えば、今年1億4千万円の事業費をかけると、約20%の額を一旦地元が借りて負担し、翌年度から15年かけて返していくこととなる。

(イ)丹後地区農村整備事業

・(委員)事業は3種類で、道路整備、緑化施設、公園・緑地整備に分かれており、このうち道路整備について9ページの図の西部地区にオレンジの点線で示されている2箇所、合わせて7,785mで、現在1,100m残っているということか。

→(耕地課)そのとおり。

・(委員)この道路の意義だが、四季型・滞在型観光を目的とした農道と考えて良いか。本来の農道としての意義も兼ねているか。

→(耕地課)果樹団地等があり、それらの生産振興や販売促進、集出荷の利便性の向上と、加えて中には観光果樹園もあるので、そういうものへの利便性の向上のための集落道整備である。

・(委員)東部地区には、そういう計画はないのか。

→(耕地課)東部地区には既存の道路等があり、また、丹後広域農道が団地を縦断する形で整備されている。西部地区には、そういう道路がないので、集落道で補っている。

・(委員)東西地区がちょっと離れているような感じがするが、この連関というものは、既存の道路で十分つくものか。

→(耕地課)両地区は中央部の山で分断されているが、312号、178号という海側と内陸部を連絡する国道があるので、ネットワーク化が図られていると考えている。

・(委員)観光型農業を目指す場合、こういう道路で連関がとれるということか。

→(耕地課)いろんな施設があるので、これらをしっかりネットワークすることが重要で、必要な場合には拠点的な施設整備も行っていく。

・(委員)滞在型観光というからには、宿泊施設はあるのか。

→(耕地課)もともと海水浴の民宿等が海岸沿いにあり、丹後あじわいの郷にホテルも新たに整備されている。

・(委員)一部、海部地区とも重なっているようだが、事業の関連はあるか。

→(耕地課)川上谷川沿いに広がっている農地を海部地区また海部北部地区としてほ場整備を実施したところだが、中央の道路沿いを緑化することにより、地域の景観的な変化も見込まれるし、一つのシンボルになってほしいと考えている。

・(委員)京丹後市として来年4月に合併するが、不都合とか何か変えなければならないことか生じるか。

→(耕地課)合併により地域間の連絡が重要となり、既存道路を補完するかたちで道路を整備するので、地域全体が一つの市として機能していくためにも、交通網整備は、新しい市の基盤づくりとして必要と考えている。

負担金についてはこれまでの町負担の考え方が維持される。この丹後地区の事業では、広域的な環境整備ということで地元負担をかけず、全て町で負担して実施することとして採択している。

・(委員)来年で完了ということで問題ないと思う。集落道の幅員は決まっているのか。土木事業と異なり、農林水産事業の資料には幅員が書いていないが。

→(耕地課)農道についても農業用の交通量の推測を行って幅員を決定している。今後整備する集落道では、2車線5.5mの幅員で実施している。もう一つの集落道、10ページの図の路線番号Aは3.5m。交通量に合わせて幅員構成を変えている。

・(委員)3.5mではすれ違いができないが。

→(耕地課)所々に待避所等を設けている。

(ウ)府道上狛城陽線道路改良事業

・(委員)暫定施工とは、両側に歩道の用地を確保しながらも、施工は片側だけ行うことか。

→(道路建設課)そのとおり。学校側を優先し施工する。反対側は路肩とし、将来需要が生じたときに歩道を施工する。

・(委員)棚倉小学校の前も暫定施工とするのか。また、棚倉小学校前の未買収地についてはどうか。

→(道路建設課)小学校の児童数など考慮し、当面は片側でも良いと考えている。本年度から工事を施工して事業の有効性を実感していただき、用地買収の促進につなげていきたい。

・(委員)工事中の学童の通学はどうするのか。

→(道路建設課)仮歩道など学童の通学の安全を第一に考えて工事を実施する。

・(委員)歩道の幅員は何mか。

→(道路建設課)路上施設帯50cmを含め3.5m。

・(委員)今後の事業実施の年次予定は。

→(道路建設課)今年度から工事着手し、平成21年度目途に完成したい。

・(委員)国道24号の抜け道で、学童も多いので早急に整備を行う必要がある。

(エ)小谷地すべり対策事業

・(委員)事業の目的は、人家の保全、蓼原川への土砂流出防止の両方か。

→(砂防課)人家11戸と生活道路である町道の保全及び普通河川蓼原川への土砂流出防止を目的としている。

・(委員)明治の頃から災害があるのか。

→(砂防課)そのとおり。明治の災害の被害者は地区外へ移転している。

・(委員)家屋倒壊は明治以降は無いようだが、本当に危険であると判断されるなら、移転をして頂くという考えもあるのではないか。

→(砂防課)ここに住まわれている方々にとっては、地域に根ざした生活の拠点がここにある。また、人家保全のみでなく、普通河川の埋塞による下流域への大きな被害も想定される。

これらの全体を考慮して最良の方法と判断している。

・(委員)付け焼き刃的あるいは対症療法的な対策を行っているように感じる。移転を促す、川を補強する等の全体的、根本的な対策を考えた方がよいのではないか。

→(砂防課)例えば大阪の「亀の瀬地区」での地すべり対策事業のように大和川の埋塞対策も考えた全体的な対策を行っている例もあるが、莫大なコストがかかる。

地すべりは比較的ゆっくりした現象なので、この地区では、変状がある場所から順次対策を行う方法が最も有効であると考えている。

・(委員)災害に対する国の補助はないのか。

→(砂防課)地すべりの対策事業に対しては、一定の要件を満たす箇所は補助の対象となる。また、大規模な災害があれば、緊急の災害対策の事業制度もある。

・(委員)今回の事業はこれで完了か。

→(砂防課)残り6工区を含めた20工区が完了すれば概成である。

・(委員)全戸の移転は、あらゆる面で困難と思われる。この地域の歴史・文化を踏まえた今回の対策がよいのではと考える。

(オ)都市計画道路京都宇治線(第1工区)街路事業

・(委員)コスト縮減で建設発生土の他事業への有効利用等を図るとはどういうことか。

→(都市計画課)例えば残土が発生すると通常処分費がかかるが、他事業へ流用し有効利用することで処分費を抑えることでき、コスト縮減を図れることである。

・(委員)施工方法等の検討を行うとは。

→(都市計画課)本事業に限ったことではないが、例えばコンクリートの2次製品のような既製品を利用することによりコスト縮減を図ることなどである。

・(委員)緑が少ないと思うので、何か検討してほしい。

→(都市計画課)周辺には観光地が多いため、宇治橋側については、これまでから景観に配慮した整備を行っているが、本区間においても植樹帯を設置するなど一定景観に配慮することとしている。

・(委員)交通渋滞のひどい箇所であるため、事業の進捗を望む。

(カ)都市計画道路岩滝海岸線街路事業

・(委員)本事業箇所は、埋め立てた海岸に沿ったルートか。また、阿蘇シーサイドパークとは何か。

→(都市計画課)阿蘇シーサイドパークとは50ページに示してある、岩滝町が施工する都市公園である。海岸事業、街路事業、公園事業が一体となって、埋立事業を行ったものであり、本事業箇所は海沿いになる。

・(委員)公園からは、すぐ海に出られないのか。

→(都市計画課)44ページの埋立部横断図のとおり、公園と海岸の間を岩滝海岸線が通っているので、公園のすぐ横が海ではないが、岩滝海岸線の海岸側に散策スペースを確保している。

・(委員)44ページの図に塗りつぶしていない赤い路線が何本もあるが、全て計画路線か。

→(都市計画課)その路線は都市計画決定されている道路である。南側の国道178号から平和通までの区間の道路が歩道付きの幅員約10mで整備されていることから、今回の整備区間は、平和通を経て、北側の国道178号を結ぶバイパス区間となるものである。

・(委員)路線名の後の( )内の数字は。

→(都市計画課)都市計画決定されている標準幅員である。

・(委員)岩滝海岸線と平和通は、何年度供用の予定か

→(都市計画課)平成19年度供用を目標に進めている。

(3)昨年度審査事業の知事の対応方針の決定について(事務局報告)

昨年度審査いただいた事業について、委員会でとりまとめていただいた意見どおりに対応方針として決定した旨、各事業者から報告を受けた。

お問い合わせ

建設交通部指導検査課

京都市上京区下立売通新町西入薮ノ内町

ファックス:075-414-5183

shido@pref.kyoto.lg.jp