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平成16年度第5回京都府公共事業評価審査委員会の議事要旨

1 開催日時

平成17年1月6日(木曜日) 午後1時30分から午後4時まで

2 場所

平安会館「平安の間」

3 出席者

「京都府公共事業評価審査委員会」委員
吉川委員長、青山委員、加賀山委員、西園寺委員(宇戸委員、芝池委員、瀧委員は欠席)

【事務局】
(土木建築部)部長、技監、担当課(室)長ほか
(企画環境部)企画総務課事業推進室長

【傍聴者】なし

4 委員会概要

(1)公共事業再評価の個別審査

事業種別 事業主体 対象事業 市町村名
土木事業 京都府 木津川右岸運動公園(仮称)都市公園施設整備事業 城陽市
土木事業 京都府 丹後海と星の見える丘公園 都市公園施設整備事業 宮津市
土木事業 京都府 川上谷川 統合河川整備事業 京丹後市
土木事業 京都府 村道大河原東和束線(府代行)地方道路交付金事業 南山城村

(2)審査の結果

○ 今回審査した府の土木4事業の再評価は、いずれも、委員会に提出された資料、説明の範囲において、その手続きがおおむね適切に進められており、各事業主体から提出された対応方針案(木津川右岸運動公園、丹後海と星の見える丘公園、村道大河原東和束線は「見直した事業計画で継続」、川上谷川は「継続」)のとおりでよいと判断される。

○ 木津川右岸運動公園(仮称)都市公園整備事業について、今後の事業実施にあたり、早期に山砂利採取跡地の自然再生を図るとともに、必要に応じて整備計画の見直しや段階的整備による部分供用など、効率的・効果的な事業進捗を図られたいとの意見が付帯された。

○ 丹後海と星の見える丘公園都市公園整備事業について、今後の事業実施にあたっては、議事を参考に、夢があり魅力のある公園となるようハード・ソフト両面で、効率的・効果的な整備を図られたいとの意見が付帯された。

○ 川上谷川統合河川整備事業について、昨年は台風21号や台風23号に伴い、府北部地域を中心に甚大な被害が発生しているところであり、当該河川はこれらの台風により被害を受けていることから、一層の進捗に努められたいとの意見が付帯された。

○ 大河原東和束線(府代行)地方道路交付金事業について、今後の用地取得や工事進捗に留意して、一層の事業推進に努められたいとの意見が付帯された。

(3)審査の状況

 各事業について、必要性や進捗状況、事業を巡る社会経済情勢等の変化、コスト縮減や代替案立案等の可能性、費用対効果分析の結果などをもとに、事業主体の対応方針案について審査された。なお、議事は欠席委員からの事前提出意見をふまえて進行された。

◆ 木津川右岸運動公園(仮称)都市公園施設整備事業の審査について
 本公園のコンセプト、スポーツによる地域振興との関係、山城総合運動公園との役割の違い、山砂利採取跡地の自然復元の考え方等について審査された。

◆ 丹後海と星の見える丘公園都市公園施設整備事業の審査について
 事業費を大幅に削減した見直し計画での整備施設の内容等の説明を受け、本公園のコンセプト、ハード・ソフト両面における魅力ある公園のあり方について審査された。

◆ 川上谷川統合河川整備事業の審査について
 平成16年台風23号での降雨・浸水状況と改修の計画規模の関係、事業進捗見通しについて審査された。

◆ 村道大河原東和束線(府代行)地方道路交付金事業の審査について
 ルート見直しに伴うコスト縮減施策、事業進捗見通しについて審査された。

5 議事の内容と主な意見

(1)木津川右岸運動公園(仮称)都市公園施設整備事業の審査について

・(委員)基本的な立場は反対ではないし、ワールドカップサッカーの会場から漏れたという事情もわかるが、計画を見ると、よくある跡地利用と感じてしまう。整備計画検討委員会の提言を受けての多様な整備計画は総花的で、整備の中心に据えた全体のビジョンが感じられない。
 折角立派なサッカースタジアムを作ろうと考えて始めた事業なら、大きなスタジアムができないにしても、サッカーによる地域興しの核となるような整備をすることが、うまくいくかどうかは別として、筋ではないかと思う。
 折角整備するなら、地域の人が来てそれでいい、という計画ではなくて、ここにしかない、というものを目指して欲しい。

→(土木建築部長)検討委員会の中で議論の中心は、山砂利採取跡地の自然再生とサッカーであり、プロチームの本拠地となる可能性を探ってみたが残念ながら非常に難しいとの結論を得た。それならばアマチュアの集まれる施設整備をしたいという考えがあり、この可能性は断念したわけではない。こういったものは、公園が完成すれば終わりというものではないので、この事業を継続し、進めていくなかで城陽市などと協力しながら組織作りなどに努力していきたい。

→(委員)そういったものができると、公園としての中身は非常に変わってくると思う。何でもあるという公園は確かに誰も反対しないかもしれないし、地元の人は集まると思うが、遠方からでも人の集まる、将来にわたってその土地が有効に使われるような整備をしなければ勿体ない。

・(委員)砂利採取跡地の醜い山肌を見ると、きれいな公園になるのは非常に良いと思うが、近くの宇治市に山城総合運動公園(太陽が丘)があるのに、似たような公園を作り、利用者が少なくなってしまうのではないか。

→(公園緑地課)立地の前提として、地理的に府南部の中心に位置し、交通利便性が良いことがある。太陽が丘から近いことを生かし連携・一体利用を図ることが可能である。また、太陽が丘はスポーツの大会等を行う有料の体育施設、木津川右岸は比較的自由に使える公園ということで機能分担を考えている。この連携と住み分けによる管理で相当の利用が見込めると考えている。

・(委員)費用対効果分析の効果の部分について詳しく説明して欲しい。

→(公園緑地課)便益の直接利用価値は旅行費用法、間接利用価値は代替法を使っている。旅行費用法は、利用者は費用を使って公園に来場することから、その移動費用、使用料等を貨幣価値換算して便益と計算する手法、代替法は公園整備によって都市公園の防災機能の向上、都市環境の維持改善が図られるということを費用換算している。

→(委員長)旅行費用法は経済学でよく使われる方法であるが、数字そのものよりもどういう傾向が見られるのか、ということに着目するものである。

・(委員)相互連携を図るのは少し難しいのではないか。委員会提言の第一は山砂利採取跡地の再生なので、スポーツ施設にこだわる必要はないように思う。また、計画は採取跡地全体400haのうち30haの整備にとどまっており、全体に対してどれだけの影響があるのか疑問に思う。

・(委員)多くの人に意見を聞いていろんなものが入ったものを作る時代は終わったのではないかと思う。先程はスポーツを例にとって話をしたが、自然再生そのものをメインテーマにするような市民参加型の公園にするのも良いと思う。何でもいいから同じ夢を持って利用できるテーマを公園に与えて欲しい。

・(委員)山砂利採取跡地を緑で美化した結果を府民に見せることが、本当に環境に対する意識を育てることになるのか再考すべきだ。山砂利採取跡地の自然回復のプロセスそのものや、破壊と修復の繰り返しを行い続けている人間の生活をテーマにしたような公園整備はできないか。

→(土木建築部長)計画の見直しを出発点として、自然再生とサッカーをキーワードとして今後この公園整備を行っていきたい。

・(委員長)事務局が強調しているのは山砂利跡地を自然復元するということで、この考え自体は問題ないが、利用のコンセプトづくりについてはまだ議論の余地があるのではないか。必要に応じて事業計画を見直すなど効果的な事業実施を図られたい。

(2)丹後海と星の見える丘公園 都市公園施設整備事業の審査について

・(委員)事業見直しで事業費を半分以下に減らしているようだが、当初の目的・理念は基本的には実現できているのか。

→(公園緑地課)環境との共生という基本コンセプトは変えていない。駐車場を小さくしたり、大型施設の建設を取りやめたりすることで事業費を減らしている。

・(委員)「大地の天文台」はどのような施設で構成されるのか。

→(公園緑地課)具体的な施設はなく、公園内で最も標高が高く360度見渡せる地点に登る園路等を建設する。

→(委員)「海と星の見える丘公園」の「大地の天文台」なら、本当にすばらしい星空が見えるようなものにすべきだ。何もなかったら来場者はがっかりするのではないか。事業費を減らせば良いというものではなく、魅力がなくなってしまっては人は集まらない。集客のためには、この地にしかない、一流のものを準備する必要があると考える。ネームバリューのある京大の研究施設との連携など考えられないのか。

→(公園緑地課)この公園の基本コンセプトの実践として「地球デザインスクール」を環境教育、ソフト事業の中心として位置づけ、大勢の人に来場いただきたいと考えている。

→(委員)一流の研究者ではないボランティア等では人が集まる動機にならないのではないか。人が集まらない施設の整備では43億円の事業費は勿体ない。子供が本当に喜ぶ施設を作って欲しい。

・(委員)海と山に恵まれた丹後地域の環境資源を掘り起こし活用するソフト重視の公園として、またそのネーミングも含めたイメージ戦略が功を奏し環境デザインの分野では知名度の高いプロジェクトである。今後もソフト重視の路線を期待するがソフト運営のための人的ネットワークをより強固にしていくために必要なところを見極め適切に予算配分していただきたい。丹後半島には自然や文化を体験できる同様の施設が多いため、他の施設と連携した新しい公園づくりを推進して欲しい。

・(委員)北部には公園が少ないので公園整備自体の必要性は感じるが何か目玉となる施設が欲しい。車での来場が中心となると想定しながら事業計画の見直しで駐車場を縮小するというのは矛盾ではないか。

→(公園緑地課)駐車場は現状の計画では百数十台分を準備している。基本テーマが環境なので、小中学校の環境教育の場としての利用時は団体バスになろうかと思う。来場者の多い時は、周回道路周辺に駐車させることを考えている。

・(委員長)国土庁がリゾート開発を推進していた頃とは社会経済情勢が変化している。丹後地域の開発の目標は理解できるが、時代の推移を見据えて見直したらどうかという結論を5年前に出した。施設を作ればいいというのではなく、どう管理・運営をしていくかということが現在では最も重要になっている。施設整備を縮小する計画は良いとして、コンセプトやそれを動かすソフトウェアをもう少し検討していただきたい。

(3)川上谷川 統合河川整備事業の審査について

・(委員)改修の規模を10年に1回の降雨を対象としているが、これで大丈夫なのか。今回の台風23号はどれくらいの確率規模だったのか。

→(河川課)10年に1回程度の降雨とは時間雨量で50mm程度のことであり、今回の台風23号による降雨については、確率評価はしていないが、川上谷川の流域の雨量計では最大時間雨量30mm程度であった。なお、他の流域では最大時間雨量50mm程度のところもあったが、改修済区間では越水などの甚大な被害は発生していないところである。

・(委員)完成は平成26年度となっているが、時間がかかり過ぎではないか。

→(河川課)これまでの予算措置状況等から考えて、平成26年度を完成年度としている。今回の台風で被害を受けていることもあり、できるだけ早く改修を実施していきたいところだが、上流に向けての改修前に橋梁等を架け替える必要があり、こういった構造物の工事に時間を要している。
・(委員)予算が限られているのは理解できるが、少しでも早く完成を図っていただきたい。被害が発生すれば復旧に費用が必要なのだから、被害を未然に防げるように予算を使ってほしい。

・(委員)たびたびの浸水被害を軽減するためにも一刻も早く工事を行う必要がある。

・(委員)写真から判断すると改修済区間は景観的に特に問題はないように見受けられる。農村地域を流れる川として今後とも生態系や景観に最大限配慮してもらいたい。

・(委員長)資料によれば台風23号の川上谷川流域の浸水は内水災害の要因もあり、本川の改修と並行して用排水路整備などの内水排除対策も農林水産部と連携して実施してほしい。

(4)村道大河原東和束線(府代行)地方道路交付金事業の審査について

・(委員)国道163号と村道の新設バイパスとの交差点が、現道の接続箇所より東側となり、役場や駅には遠くなるが、どの程度か。

→(道路建設室)交差点は約1kmほど東側となる。役場や駅への利用は現道を利用し、お茶の搬出などは新道を活用していただく。

・(委員)計画の見直しによりルート変更すれば、橋梁やトンネルがなくなるとの説明であったが、必要ない地形を通るということか。

→(道路建設室)山すそを利用した計画であり、山の中を貫通するトンネルや橋梁は不要となる。なお、この山すそ部のルートの一部は、国道163号のバイパス整備を想定したものである。

・(委員)国道163号をバイパス整備することになった場合、事業は京都府が行うのか。

→(道路建設室)国道163号は国道であるが府管理道路であるため、府の施工となる。

・(委員)(国道163号バイパスは)地元から期待されているのか。

→(道路建設室)はい。

・(委員)国道163号バイパスを施行する場合は、図を見るとすぐに川にぶつかる。橋梁が必要となるのか。

→(道路建設室)必要となる。

・(委員長)橋梁が必要なだけでなく、集落もある。それは別として、この村道は生活道路であり、お茶の生産もあるということでこの事業計画に反対の委員はないと思う。

・(委員)事業着手から10年経過し進捗率27%であり、今後の見通しとして本当に7年でできるのか疑問である。現道の問題点を解決するためにも早急に行う必要があり、無理なら代替案を考えるべきだ。

・(委員長)付帯意見として工事進捗に努められたいとしたい。


(欠席委員意見は議事録中に委員意見として記載。)

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