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平成17年度第1回京都府公共事業評価審査委員会の議事要旨

1 開催日時

平成17年10月11日(火曜日)午後1時30分から午後4時15分まで

2 場所

平安会館「平安の間」

3 出席者

「京都府公共事業評価審査委員会」委員
吉川委員長、青山委員、加賀山委員、佐藤委員、瀧委員、深町委員(芝池委員は欠席)

【事務局】
(企画環境部)自然・環境保全室長ほか
(農林水産部)技監、担当課長ほか
(土木建築部)部長、技監、理事、治水総括室長、担当室長ほか
(亀岡市)まちづくり推進部長ほか
(城陽市)都市整備部長ほか

【傍聴者】1名

4 議事内容

 (1)今年度の委員会の進め方について

 今年度の審査案件とその数を考慮し、委員会を3回、現地調査を1回開催することとなった。

 (2)『環(わ)』の公共事業ガイドラインの運用について

 今年9月より運用を開始した、公共事業を環境の側面から評価する、『環』の公共事業ガイドラインについて概要を報告した。

 (3)公共事業事前評価の個別審査

事業種別 事業主体 対象事業 市町村名
農林事業 京都府 榧(かや)地区経営体育成基盤整備事業 亀岡市

 ア 審査の結果

 榧地区経営体育成基盤整備事業の事前評価は、委員会に提出された資料、説明の範囲において、新規着手の必要性が認められることから、府から提出された対応方針案のとおりでよいと判断される。

 イ 審査の状況

 農林水産部所管事業の新規事業評価の考え方及び事業概要について説明した上で、整備後の担い手等地域農業の見通しをふまえた事業の必要性、事業主体の自然環境や景観への配慮の取り組みに対する考え方等をもとに、新規着手の是非について審査された。

 (4)公共事業再評価の個別審査

事業種別 事業主体 対象事業 市町村名
土木事業 京都府 国道178号(養老伊根バイパス)道路新設改良事業 宮津市、伊根町
土木事業 亀岡市 千代川(ちよかわ)駅前線外1線街路事業 亀岡市
土木事業 城陽市 今池川 総合流域防災事業(準用河川改修) 城陽市

 ア 審査の結果

 今回審査した府の土木1事業、亀岡市及び城陽市の土木2事業の再評価は、いずれも、委員会に提出された資料、説明の範囲において、その手続きがおおむね適切に進められており、各事業主体から提出された対応方針案(国道178号(養老伊根バイパス)は「見直し継続」、その他は「継続」)のとおりでよいと判断される。

 なお、今池川総合流域防災事業については、近年は集中的な豪雨が多く、特に昨年は台風21号や台風23号に伴い、甚大な被害が発生しているところであり、当該河川の想定氾濫区域にも人家が多いことから、一層の進捗に努められたいとの意見が付帯された。

 イ 審査の状況

 再評価については、各事業について、必要性や進捗状況、また、事業を巡る社会情勢の変化、費用対効果分析の結果、コスト縮減施策、周辺環境に与える影響の予測などをもとに、事業主体の対応方針案について審査された。

◆ 千代川駅前線外1線街路事業の審査について
 駅の利用者増予測に対する駅前の駐車・駐輪場の広さの妥当性、植裁以外の駅前広場整備の環境整備計画、未買収用地の取得見通し、暫定供用により道路幅員が急激に変化する地点での交通安全確保手法等について審査された。

◆ 今池川 総合流域防災事業(準用河川改修)の審査について
 過去の浸水時の溢水地点の改修状況、暫定改修済み箇所での改修後の状況、周辺の他河川の整備状況について審査された。

◆ 国道178号(養老伊根バイパス)道路新設改良事業の審査について
 事業コスト縮減として歩道幅を狭くした計画についての安全面の配慮、降雪時の対応、『環』の公共事業構想ガイドライン評価シートの記載内容、公図の混乱に伴う事業の遅れ等について審査された。

5 議事の内容と主な意見

 (1)榧(かや)地区 経営体育成基盤整備事業 

・(委員)現在、大堰(おおい)川左岸で行われている国営のほ場整備事業との関連性は意識しているのか。
→(耕地課)先行事例であり、国営事業で行われている環境調査や専門家の意見、環境に配慮した施工事例等を参考にしていく。

・(委員)この地区を選定した根拠は。
→(耕地課)ほ場整備は、地元要望、地域振興のための事業であり、実施を望む声が地元からあり、事業要件から府営で対応することとしている。

・(委員)国営事業の経営体の状況及び当地区での計画は。
→(耕地課)国営4区の内、1工区では既に法人組織ができている。当地区では、77戸の農家が参加しての組織経営体を予定している。

・(委員)環境配慮の観点から、最近では棚田(景観)を残すべきだといわれているが、当地区では残すべき景観というものがあるのか。
→(耕地課)中心部は平坦地であり、谷部においてはできる限り地形条件に配慮しており、従前のたたずまいが残せるのではないかと考えている。

・(委員)莫大な事業費を投資し基盤整備を実施するが、高齢化社会の中でリーダーの育成をどのようにしようと考えているのか。
→(耕地課)現在、市認定の農家が1戸存在しているが、今後は集落営農組織を育成していく予定である。これは、現段階で133戸の内77戸の農家が参加する組織となっており、これだけの話し合いができたということ自体、リーダーの存在が想像できる。今後とも関係機関と連携を図りながらサポートできる体制をとっていきたい。

・(委員)景観・生態系の保全・配慮は土木学的見地からだけでは難しいのではないか。将来この地域に住むかもしれない子供や教育委員会など地域と一緒になってやっていくことが大切ではないかと思うが。
→(耕地課)環境に配慮した取組を地域住民と一緒に実施するなど、今後はワークショップ手法も取り入れながら検討していく。

・(委員)構想ガイドライン中に表記されている絶滅危惧種以外にも、畦畔植生一つをとってみても普通種が存在していると思うが、どういう対策をとるのか。
→(耕地課)工事は地域内での土の移動であり、工事直後には従前の植生にはならないと思うが、将来的にはよみがえるのではないかと考える。

・(委員)昔ながらの農村景観にはいろいろな構成要素があると思うが、調査を実施したのか。また、今後景観をどうしていくのか。
→(耕地課)細かな調査は実施していないが、全体的な地形の大きな改変とならないように計画しており、大きな景観の変化はないだろうと考えている。
→(委員)調査はされていないということだが、景観の共通認識の形成は必要と思う。今後の方向はいかがか。
→(耕地課)工事は再来年以降となるので、詳細は実施する段階で検討していきたい。

・(委員)貴重な植物の移植に係る経費などは事業費に含まれているのか。
→(耕地課)作業については、地元参加も呼びかけるなどの方法も考えたい。その他工事の中で行う必要なものについては、事業費に含まれている。

 (2)千代川駅前線外1線 街路事業

・(委員)今後人口増加が続いた場合、駐車場及び駐輪場の不足は生じないか。
→(亀岡市)駐車場は、周辺に民間駐車場がある程度営業されていること、自動車利用の多くが送迎目的であることから不足はないと考えている。市営駐輪場は、駅前広場に隣接して既に整備、供用しており充分に確保している。

・(委員)地元にはどのように説明し、合意形成を行っているのか。
→(亀岡市)都市計画決定をする前及び事業認可時に沿道住民に説明会等を行っている。また、着工前にも必要に応じてその都度説明している。この道路は地域の主要な道路として拡幅が望まれており、地元も協力的である。

・(委員)事業進捗率が約90%で用地未取得箇所が存在しているが、取得の見込みは立っているのか。
→(亀岡市)用地の未取得箇所については、現に居住されている方であり、代替地について継続的に交渉しており、平成18年度に用地取得を完了し、平成20年度には全面供用開始を目指している。

・(委員)良好な都市環境の形成とあるが、写真を見ると単に植栽をするだけのように見える。
→(亀岡市)JR千代川駅そのものが古く、この整備をする前は駅前広場が全くなかった。また、バリアフリー法の基準では、日利用者数の点で対象外となるが、市としては将来の利用者増を見越し、バリアフリー対応の駅前広場としている。また、植栽の他にも車道の排水性舗装・歩道の透水性舗装を行い、雨天であっても水たまり、水はねがなく快適に歩行できる等の有形無形の整備効果がある。

・(委員)現況6メートル、計画20メートルと幅員に大きな差があるところで部分的に供用されているとのことだが、現在幅員が急に替わる地点では安全に車が誘導されているのか。
→(亀岡市)部分供用にあたっては、白線・ゼブラ帯、仮設ガードレールにより、安全な誘導を図っている。

 (3)今池川 総合流域防災事業

・(委員長)資料中の農地冠水写真の場所は、どのあたりか。
→(城陽市)(位置図を図示しながら)管理橋梁のあたりである。
→(委員)現在でも年1回程度の浸水被害が発生しているとあるが、その表現はこの地域のことなのか。
→(城陽市)この地域である。平成7年から12年までは、ほぼ毎年道路冠水や農地冠水が起こっていたが、近年は幸いにもこの地域に豪雨がなく、そういう状況にはなっていない。

・(委員)最近は異常気象だと言われるが、この地域の過去の最大降水量はいくらか。また、改修後はどのくらいの降水量まで大丈夫になったのか。
→(城陽市)この地域の最大雨量は日当たりで103ミリ、時間当たりでは20ミリ程度である。これが改修により時間当たり36ミリまで耐えられることになる。
→(委員)ということは、改修すればどんな雨にでも耐えられるのか。
→(委員長)土木の世界では超過確率と言っているが、この場合は3年に1回発生する規模の雨に耐えられる改修である。最近多く発生している異常気象の雨には耐えられない。

・(委員)私が過去に住んでいた所では護岸工事をした所が2度にわたって崩れたのを見た事がある。同じ事を2回もするのは税金の無駄遣いだと思った。過去、城陽市では改修済区間で補修した箇所はあるのか、あればどのような補修をせざるを得なかったのか教えてほしい。
→(城陽市)今までに改修済区間で補修した箇所はない。

・(委員)今池川周辺の河川の整備状況はどうなっているか。ほとんどが3年に1回というのを満たしているのか。また、上流部の森林の状況や、周辺の土地利用は流入する水量に影響すると思うが、河川改修だけではなく、洪水被害の軽減について広域的な対策はされているのか。
→(城陽市)今池川はこの地域のメインの排水路で、周辺は農業用の排水路があり、ほとんどが整備済の状況である。また、上流部で開発行為がされる場合は調整池等の設置を義務付けることで流出抑制を図り、改修工事をするまでの間の対策と位置付けている。3年確率というのは治水安全度として大きい数値ではなく、流末である古川の改修状況に合わせて将来的には見直しも検討していきたいと思っている。

・(委員)ここ以外が整備が終わっているにもかかわらず毎年氾濫してしまうのは、今池川の改修が終わっていないからか。
→(城陽市)河川の改修は下流から行っており、それが終わっている地域は改修の効果が出てきている。先ほどの農地冠水箇所は、その当時未改修であったが、改修することで効果が出るので、一日も早く完成させることが城陽市の考えである。

・(委員)改修事業は平成3年から始めているが、事業の期間はこんなものなのか。あるいは、地図を見ると近くに見える第二名神高速道路関連の計画の影響で長引いているのか。
→(城陽市)第二名神との関係であるが、建設予定地の一部は今池川の流域であるが、ほとんどが他の河川に雨が流入する地形になっており、第二名神との関係で遅れたものではない。あくまで、補助事業でもあり、予算に応じて年次的に進めているためである。また、簡単に地権者の理解も得られないことから現在まで時間がかかっている次第である。

・(委員長)近年は集中的な豪雨が多く、特に昨年は台風21号、23号に伴い甚大な被害が発生しており、当該河川の想定氾濫区域にも人家が多いことから一層の進捗に努められたいとの委員会からの付帯意見をつけさせていただく。

 (4)国道178号養老伊根バイパス 道路新設改良事業

・(委員)コスト縮減の施策として、第2工区の歩道幅員を4メートルから2.5メートルに見直しているが、第1工区と第2工区との差は問題ないか。また、歩道幅員が縮小され、交通弱者にしわよせがいかないか、安全面で問題はないか。
→(道路建設室)歩道幅員を1.5メートル縮小しているが、植樹帯(1.0メートル)をなくしているので実際の歩道縮小は0.5メートルのみである。「京都府のみちづくりガイドライン」に基づき歩行者数を考慮の上、見直しを行っており、このバイパスは歩行者が少ないという予測に基づいて、車椅子と歩行者とのすれ違いが可能である2.5メートルが確保できれば、安全上問題はないと考えている。

・(委員)この事業には直接関係ないかもしれないが、冬期の除雪作業の対応はどう考えているか。
→(道路建設室)昨年度は26回の除雪作業を行った。1回当り50センチメートル程度の積雪量であったと思う。除雪作業の際には除雪車で道路の両端に雪を寄せる作業を行うが、今回計画の道路に関しては堆雪帯を設けており除雪作業に考慮している。

・(委員)資料にある建設中の高架橋の写真から見て相当立派なバイパスができあがるように見受けられるが、折角できるのだから、このバイパスの意味を地域の人々が把握して利用できるようにしていただきたいと願っている。
→(道路建設室)伊根町においてはこの道しかないと言って良いほどの重要な道路であり、地元要望も強い箇所である。今後も地元の意向をふまえて事業をすすめてまいりたい。

・(委員)ガイドラインに基づく評価シートに出ているのが二酸化炭素など偏った項目のみに思うが、地形や植生など、もっと細かい観点についても評価できないのか。
→(道路建設室)事業着手が古く、スタートの時点ではそういった観点での調査をしていなかった。今回の評価シートでは評価項目が偏っているかもしれないが、今振り返ってみると、大規模な盛土等はなくトンネルや橋梁などで地形や自然の改変を回避できていると考えている。

・(委員長)平成19年度に部分供用する場所は。
→(道路建設室)(図示)

・(委員)事業長期化の理由に公図混乱とあるが、こういうことはよくあることなのか。
→(道路建設室)公図の地番と現地の所有者、地番が合わないことは、山林ではよくある。この場合、大規模な境界立会、確定をした上で周辺全体の公図を修正する必要があり、時間を要する。

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