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平成17年度第3回京都府公共事業評価審査委員会の議事要旨

1 開催日時

平成17年11月22日(火曜日)午後2時30分から午後4時55分まで

2 場所

京都ガーデンパレス「鞍馬」

3 出席者

「京都府公共事業評価審査委員会」委員
吉川委員長、青山委員、加賀山委員、佐藤委員、芝池委員、中西委員、深町委員

【事務局】
(土木建築部)部長、技監、理事、治水総括室長、担当室長ほか
(綾部市)建設部次長ほか

【傍聴者】1名

4 議事内容

公共事業再評価の個別審査

事業種別 事業主体 対象事業 市町村名
土木事業 京都府 茨木亀岡線 幹線道路改良事業 亀岡市
土木事業 京都府 菰川(こもがわ)広域基幹河川改修事業 亀岡市
土木事業 京都府 坂川(さかがわ)通常砂防事業 長岡京市
土木事業 綾部市 紫水ヶ丘(しすいがおか)公園 都市公園事業 綾部市

 ア 審査の結果

 今回審査した府の土木3事業、綾部市の土木1事業の再評価は、いずれも、委員会に提出された資料、説明の範囲において、その手続きがおおむね適切に進められており、各事業主体から提出された対応方針案(茨木亀岡線、紫水ヶ丘公園は「見直し継続」、その他は「継続」)のとおりでよいと判断される。

 なお、紫水ヶ丘公園都市公園事業について、今後の事業実施にあたっては、議事を参考に、公園の利用価値を高める努力をされたいとの意見が付帯された。

 イ 審査の状況

 各事業について、必要性や進ちょく状況、事業を巡る社会情勢の変化、費用対効果分析の結果、コスト縮減施策、良好な環境形成・保全の検討等をもとに、事業主体の対応方針案について審査された。

◆ 茨木亀岡線 幹線道路改良事業について
 トンネル内の歩道を通学する子供への排気ガスの影響とその対策の有無、歩道と車道の分離構造と交通安全の関係、道路改良事業を行う場合の条件、開通後の旧道の処理等について審査された。

◆ 菰川 広域基幹河川改修事業について
 周辺地域の住民と川との関わりなどへの配慮、菰川改修と下流整備との整合について審査された。

◆ 坂川 通常砂防事業について
 自然環境保全と防災事業促進との兼ね合い、その合意形成の取り組みの経過、現在の流域の植生状況、今後の進ちょく見込みについて審査された。

◆ 紫水ヶ丘公園 都市公園事業について
 綾部市内の他の公園との役割分担、高齢化社会に対応した公園整備のあり方、供用済み部分の利用状況と全体整備完了後の利用見通し、公園の交通の便、整備計画立案における住民意見の反映方法、整備計画変更の内容について審査された。

 

5 議事の内容と主な意見

(1)茨木亀岡線 幹線道路改良事業

・(委員)トンネル内が通学路となるが、排気ガス等による歩行者への健康被害は問題ないか。
→(道路建設室)延長約180メートルであり、短いトンネルなので問題ない。
→(委員)何メートルなら送気等を考慮するのか。
→(道路建設室)トンネル延長と交通量によるが、示方書より概ね500メートル以下なら対策不要となっている。

・(委員)大型車が多く通るようだが、歩道と車道の間にガードレールは設置しないのか。
→(道路建設室)そういった施設のスペースとして歩車道間に50センチメートル幅の施設帯を確保している。

・(委員)トンネル完成後、現道は残るのか。
→(道路建設室)残し、市道などに移管する。

・(委員)ここを優先に事業する理由は。
→(道路建設室)平成15年度に「京都府の道づくりガイドライン」を策定し、2車線で改良する幹線道路と、1.5車線的な整備をする地域道路とを区分した。本箇所は、緊急輸送道路でもあり、幹線道路に位置づけ、2車線改良を行っていきたいと考えている。

・(委員)歩道と車道の段差の高さは決まっているのか。
→(道路建設室)以前は高さ約20センチメートルとしていたが、現在はバリアフリーの考え方を取り入れ、5センチメートルを標準としている。

(2)菰川 広域基幹河川改修事業

・(委員)川はひとたび氾濫すれば恐ろしい被害を発生させることは理解しているが、その反面、住民は普段の生活では川と慣れ親しんだり、川から恩恵を受けたりしている。改修計画では人と川との関わり合いにも配慮するべきであると考えるが、本計画ではどのような工夫をされているのか教えてほしい。
→(河川整備管理室)本計画では、護岸にコンクリートブロックを用いるのではなく、緩やかな土手の構造とすることにより、植生や親水性及び景観等に配慮している。
→(委員)一般的に人と川との関わり合いという意味で、昔はよく住民が川で大根等を洗ったりしていた事例を聞く。改修計画と住民の要望とがマッチしているのか気になるが、どのように住民の意見を取り入れているのか。
→(河川整備管理室)設計や施工をする段階で地元に説明し、地元の意向等があればなるべく汲み入れるように配慮している。当河川では、現況断面が小さいため、生活の中でそのような利用のされかたをしていたとは聞いていない。

・(委員)改修については、現地も見たが、早期改修の必要性が高いと考えているところである。当河川は山内川の支川であり3年確率で計画されているが、改修が進展した場合、必然的に下流の山内川に負荷がかかると考える。本改修により山内川へ影響を与えることはないのか。
→(河川整備管理室)一般的に河川改修は下流から行うものであり、上流や支川との改修計画と整合をとった形で、山内川は既に改修済である。改修された菰川の水を流すだけの受け皿は既にできている。

・(委員長)今後も改修を計画どおり進ちょくしていただくようお願いしたい。

(3)坂川 通常砂防事業

・(委員)人命に関わる工事にもかかわらず進ちょくが遅いのではないか。
→(土木建築部長)土砂災害の防止と環境保護の両面から施工計画を考えている。可能な限り早く完成させるよう取り組みたい。

・(委員)各ゾーンを同時に施工しないのは地元や環境保護団体との約束か。
→(砂防室)地元は早急な施工を要望しているが、地元と環境保護団体との合意形成によるものである。

・(委員長)前回再評価の際、当初、地元住民と環境保護団体の意見が異なっていたが、両者で話し合いをすることにより、環境を保全しながら事業を行っていくという合意形成が図られた経過がある。そういうことを踏まえて議論を行ってもらいたい。

・(委員)話し合いながらゾーン別施工を考えているとのことだが、人命に関わるので、Aゾーンの危険性が高まれば、再討議を行って考え直す必要があると思う。施工していないゾーンについても、常に状況をチェックをしてほしい。

・(委員)砂防堰堤はどれぐらいの期間で土砂が一杯になるのか、また、一杯になった場合にはどのような処置を取るのか。
→(砂防室)各渓流により様々であるが、30年程度を想定している。土砂が一杯になった場合には、取り除きポケットを確保する。

・(委員)Aゾーンの森林対策はどうか。
→(砂防室)森林の管理をする人が少なくなっていることもあり、山は全体的に荒れているが、Aゾーンは比較的荒れが少ない。治山事業による森林対策工が大々的に入っている形跡はない。

・(委員)進ちょく率の41%とは具体的にどの程度のものか。
→(砂防室)B・Cゾーンの用地買収、Bゾーンの堰堤が完了で、今年度はBゾーンの流路180メートルの内70メートルを施工する。
→(委員)残工事の施工順序を妥当とする理由を詳しく説明して欲しい。
→(砂防室)A・Bゾーンを比較すればBゾーンの方が荒廃しているため先行して整備し、Bゾーンの整備後にAゾーンに自生するミヤコアオイをBゾーンへ移植する。次に、渓岸侵食が著しく緊急度が高いCゾーンを施工し、移植植生の状況確認を行ったうえでAゾーンを施工する。

・(委員)Cゾーンの施工前にAゾーンからBゾーンへの移植を行うのか。
→(砂防室)移植とCゾーンの工事は同時である。

・(委員)人命に関わる工事であるが、地元・環境保全団体と協議を重ねたことは評価できる。最初の合意形成には時間がかかると思うが、今後の公共事業のモデルとして続けて欲しい。

(4)紫水ヶ丘公園 都市公園事業

・(委員)紫水ヶ丘公園と綾部市内にある丸山スポーツ公園や桜が丘団地内の公園との差別化についてどう考えているか。
→(綾部市)丸山スポーツ公園は、グランドゴルフを主体とした公園であり、桜が丘団地内の公園は、区画整理事業でつくられた、周辺住民の利用を中心とした街区公園である。紫水ヶ丘公園は、綾部市で唯一の総合公園であり、他の公園との差別化は図られている。

・(委員)将来の高齢化社会を見通し、高齢者や車椅子の人が散策できるコースや、子供と高齢者等が出会える場所やイベントは考えているか。
→(綾部市)特に子供と高齢者とのふれあいに限定した利用は想定していないが、交流イベント広場で市民同士のふれあいができると考えている。

・(委員)交流イベント広場でのイベントとはどんなものか。
→(綾部市)野外音楽祭、撮影会、写生会、自然観察教室、植木市などである。

・(委員)それらのイベントは紫水ヶ丘公園でなければならないのか。
→(綾部市)例えば、野外音楽祭は、現在、駅周辺の広場等で開催されているが、騒音等の問題が発生しており、この公園でスペースの提供をしていきたい。また、撮影会、写生会等はこれまでも開催されているが、更なる拡大・継続を考えていきたい。

・(委員長)今後、公園事業の審査の場合、都市公園と自然公園の違いや総合公園と街区公園の違いなどがわかるような資料をつけてほしい。専門家だけでなく、市民にわかりやすい資料の作成をお願いする。

・(委員)紫水ヶ丘公園は車でないと行けない場所にあるのか。
→(綾部市)中心市街地から1.8キロメートルの距離にあり、徒歩で約20分かかる。周辺の団地からは徒歩で数分の距離であるが、市の地域性から、車での来場がほとんどである。

・(委員)綾部市民以外にも開放していると考えてもよいのか。
→(綾部市)無料の公園であり、イベント等による独占使用は許可制だが、それ以外は立入り自由の状況としており、市外からの利用も歓迎する。

・(委員)Aゾーンの草原の必要性がどうもよく分からない。この公園が何のためにあるのかという原点を議論してほしい。周辺に自然が豊富な地域で、公園に自然とふれあうゾーンが必要なのか。例えば、Bゾーンに計画している交流イベント広場をAゾーンにすることはできないのか。また、将来の高齢化社会に向けて車椅子の視点でも整備をすすめてほしい。
→(綾部市)Aゾーンのはらっぱ広場においては園路が中心の施設であり、周囲との高低差や道路との取り合い等において限界があった部分はあるが、基準に応じた通路の縦断勾配は確保できている。B、Cゾーンにおける七草の径については、道路とほぼ同じ高さでフラットな池周辺の散策路として整備予定であり、イベント広場や疎林広場を除いて、車椅子での利用も可能である。
→(委員)車椅子でも、駐車場から気軽に散策できるような視点で考えてほしい。

・(委員)これからの都市公園というのは、どう管理していくか、誰が利用するかということを大きな課題として抱えていると思う。計画段階から市民に参加してもらうことが、この課題を解決する上で非常に大事だと思うが、そういう方向で公園づくりを考えるという意向、予定はあるか。
→(綾部市)市民との協働は今後の取り組みに重要な要素と考えている。身近な街区公園については、最寄りの住民の方に管理に関わっていただくことが親しみを持った利用につながると考えている。紫水ヶ丘公園の総合公園としての位置づけについては、平成12年に事業計画を検討した際に、市の総合計画策定時における市民の公園に対する要望を取り込んで計画を進めてきたが、直接市民に関わっていただくことはできていない。
→(委員)今後の方向としても市がすべて計画して、すべて作ることになるのか。
→(綾部市)計画の骨子は市が策定すべきだと思うが、B・Cゾーンの整備に際し市民の意見をきく手立てを検討する。

・(委員)B・Cゾーンのコンセプトをはっきりわかるように説明してほしい。
→(綾部市)B・Cゾーンのコンセプトは、自然を楽しむことであり、池の修景をとり入れて利用している。その池の横に交流イベント広場を唯一動的なものとして設けている。

・(委員)当初計画から50%のコスト縮減を図った見直しの内容を説明してほしい。
→(綾部市)緑の相談所、温室といった建物を廃止し、B・Cゾーン、特にBゾーンの造成につき現況地形を利用するものに変更し、土工費を縮減した。
→(委員)緑の相談所と温室はどこに計画していたのか。
→(綾部市)Aゾーンに計画していた。
→(委員)Aゾーンの施設の廃止とB・Cゾーンの土工量の見直しでコストを半減させ、当初のコンセプトを壊さずに目的を達すると考えてよいか。
→(綾部市)はい。
→(委員)計画面積は変わっていないか。
→(綾部市)変わっていない。

・(委員)2つの池は何か特徴があるのか。
→(綾部市)既存のかんがい池を公園の池として利用している。池の周囲に散策路を設けることにより、年間を通じ利用者に楽しんでもらえると考えている。

・(委員長)公園の価値は利用するだけでなく、そこに公園という空間があるという心のゆとりを与える価値もある。資料を見ると紫水ヶ丘公園では、直接利用価値が4500万円であるのに対し、間接利用価値が36億8600万円となっており、存在価値を重視している公園と読みとれる。
→(委員)公園は利用してこそ価値があるものと思う。総合公園であり、あらゆる人が楽しめる公園でないといけない。公園を作るなら、みんなが喜べるものにしてほしい。また、高齢者に配慮したものにしてほしい。他の公園の見本となるような公園整備を望みたい。
→(委員長)今後、もっと利用価値を高める工夫をするとともに、地域の特性を活かした利用方法を検討されたい。

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