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平成17年度第5回京都府公共事業評価審査委員会の議事要旨

1 開催日時

平成18年3月15日(水曜日)午後1時30分から午後3時45分まで

2 場所

平安会館「平安の間」

3 出席者

「京都府公共事業評価審査委員会」委員
吉川委員長、青山委員、佐藤委員、芝池委員、深町委員(加賀山委員、中西委員は欠席)

【事務局】
(農林水産部)技監、担当課長ほか(土木建築部)部長、技監、理事、担当室(課)長ほか

【傍聴者】2名

4 議事内容

公共事業再評価の個別審査

事業種別 事業主体 対象事業 市町村名
林道事業 京都府 奥寄(おくより)線 緑のふるさと林道建設事業 京丹後市、与謝野町
道路事業 京都府 主要地方道生駒井手線 幹線道路改良事業 京田辺市
砂防事業 京都府 北川 通常砂防事業 京都市

 ア 審査の結果

 今回審査した府の3事業の再評価は、いずれも、委員会に提出された資料、説明の範囲において、その手続きがおおむね適切に進められており、各事業主体から提出された対応方針案(奥寄線及び生駒井手線は「見直し継続」、北川は「継続」)のとおりでよいと判断される。

 イ 審査の状況<

 各事業について、必要性や進ちょく状況、事業を巡る社会情勢の変化、費用対効果分析の結果、コスト縮減施策、良好な環境形成・保全の検討等をもとに、京都府の対応方針案について審査された。

◆ 奥寄線 緑のふるさと林道建設事業について
 奥寄線整備による林業及びそれ以外の面への波及効果、今後の道路管理状況等を参考に、ルート及び幅員を見直した計画について審査された。

◆ 主要地方道生駒井手線 幹線道路改良事業について
 バイパス整備における自然環境の状況、歩道設置の考え方を参考に、歩道設置を見直した計画について審査された。

◆ 北川 通常砂防事業について
 流域の荒廃状況や自然環境への対応状況等を参考に、施設の配置計画と事業の進め方について審査された。

 公共事業事後評価の個別審査

事業種別 事業主体 対象事業 市町村名
住宅事業 京都府 府営住宅伊佐津(いさづ)団地建替事業 舞鶴市

 ア 審査の結果

 今回審査した府営住宅伊佐津団地建替事業の事後評価は、委員会に提出された資料、説明の範囲において、その手続きがおおむね適切に進められており、京都府から提出された評価案(「事業目的は達成」)のとおりでよいと判断される。

 なお、特定公共賃貸住宅については、空き家の状況を踏まえ、一方、伊佐津団地の公営住宅の応募倍率が高いことから、公営住宅対象者も入居可能とする等、空き家解消策を検討されたいとの意見が付帯された。

 参考:伊佐津団地は、公営住宅71戸、特別公共賃貸住宅24戸で構成され、公営住宅については直近5年間の平均応募倍率が約10倍となっているのに対し、特別公共賃貸住宅には現在6戸の空き家が生じている。

 イ 審査の状況

◆ 府営住宅伊佐津団地建替事業について
 伊佐津団地の現況と建替え前の状況、公営住宅と特別公共賃貸住宅の制度等を参考に、京都府が実施した事後評価について審査された。

5 議事の内容と主な意見

 (1)奥寄線 緑のふるさと林道建設事業

・(委員)工事はどこから行われているのか。進捗の60%とは何に対して60%か。その区間は2車線か。残りの区間は1車線か。
→(森林保全課)起点と終点両側から工事を行って、奥寄線全体の60%が完了しており、完了区間は全部2車線である。丹後縦貫林道との総合利用を考えて、平成8年から2車線で事業をスタートしたが、その後林道整備の考え方も変わり、日あたり500台程度の交通量では、5メートルの幅員を基本として適切に安全施設や待避所を設置した1.5車線で整備することとした。

・(委員)林業以外の効果が大きいとの説明だが、整備や維持管理の中で、こういう新しい位置付けの内容について、具体的にどういうことをするのか。観光等の利用をするなかで、現状ではほとんど標識もなく、ただ道が通っているだけという印象を受けるし、維持管理の面でも、府が整備をした林道の市町村による管理は、十分にできていない状況であるという問題点がある。これをどのように解決するのか。
→(森林保全課)観光振興に利用していただくために、標識の設置や展望台、休憩所の設置をしていきたいと考えている。完成後の維持管理についても関係市町村のご理解をいただいて連携をとりながら適切に行えるよう考えていきたい。木製ガードレール等、府民に優しく環境にも優しい施設を使用して、安全の確保も行っていきたい。

・(委員)駐車場等の観光関係の施設について、森林保全課で整備できるのか。
→(森林保全課)林道の整備において、林業活動に必要な作業スペースを整備するが、これを観光目的にも有効利用できると考えている。事業にも様々なものがあり展望台等の整備が一部可能なものもある。

・(委員)路線の見直しについて説明してほしい。
→(森林保全課)一つは既に行っていることだが、国道312号との取付部分を、国道がカーブで見通しが悪いため、関係者との協議の上で、当初計画から変更して安全な箇所に移動した。これにより計画延長は約200メートル延びた。もう一つはこれから行うところであるが、当該地域が平成16年の台風23号により多くの被害を受けたため、工事が降雨時の土砂流出につながるのではないかという住民感情にも配慮する必要があり、集落や水源地へ排水や土砂が直接影響を与えないようにルートを変更した。これにより計画延長は約280メートル延びた。

・(委員)(ルート図を見ながら)ヘアピンカーブの部分は解消できないのか。
→(森林保全課)地形の状況によりヘアピンカーブ部分の解消はできない。

・(委員)完成の予定は。
→(森林保全課)平成22年度である。

・(委員長)資料に、京都府レッドデータブック掲載の猛禽類の生息地が確認されたとあり、措置内容も書かれているが、対応についてはこの手法でよいか。
→(委員)モニタリング調査を行って対応しているので、問題ないと思われる。

 (2)生駒井手線 幹線道路改良事業

・(委員)バイパス部分の自然環境調査はどのように行っているか。
→(道路建設室)すでに築造完了している部分については、「環の公共事業行動計画」策定前の施工で、環境調査を実施してこなかった。今後施工する部分に関しては事前に調査していく。

・(委員)計画変更により当面の間、歩道を設置しないとなっているが、それは全線か。
→(道路建設室)全線を未設置で考えている。歩行者交通量を計測したところ、現道拡幅部分は日あたり2人、バイパス施工部分に関しては日あたり147人であった。2人の区間は歩行者数が少ないため設置不要、147人の区間はバイパス整備により自動車交通量の大幅な減少が見込めるので、設置不要と考えている。
→(委員)未設置箇所には歩道が必要ないのか。
→(道路建設室)将来的に周辺の開発が進んだ時には歩道が必要となるので、歩道用地も買収している。

・(委員)自動車を歩道無しのバイパスに誘導し、歩行者が多い地域から遠ざけるという計画は、うまく考えているなと思うが、さらに踏みこんで、バイパス完成後に現道への大型車の進入を規制することは出来ないのか。
→(道路建設室)規制は警察の所管であり、土木で規制することはできない。注意看板設置等の措置ならば可能である。
→(委員)規制看板については警察に働きかけ調整すべきではないか。
→(道路建設室)今後調整していく。

 (3)北川 通常砂防事業

・(委員)既設の床固1は撤去するのか。
→(砂防室)第二外環状道路の築造に伴い撤去することとなる

・(委員)保全対象の農地はどこにあるのか。
→(砂防室)(図示)土石流が氾濫すると想定される範囲にある。

・(委員)多数の床固が必要な理由は。
→(砂防室)渓流の勾配が急なため、床固の高さから必要な基数が決まったものである。

・(委員)地形の制約から多くの構造物が必要なのだろうが、自然を大きく改変する印象は拭えない。(河川の)堰では魚が遡れるような構造のものもあると聞いているが、今回の計画では無理なのか。
→(砂防室)現地調査を行っているが、勾配が急であるため通常はほとんど水がなく、魚類の生息は確認していない。ただし、渓流の連続性に配慮して、上流堰堤の形式は透過型としている。

・(委員)今後、植林計画との調整をどのように考えているか。
→(砂防室)山林所有者の手入れの状況によるが、ここでは、植林の手入れが行き届いていないところがある。このため、流木対策としても有効な透過型堰堤を計画している。

・(委員長)山を放置すると根の浅い竹ばかりになり、土石流が発生しやすくなるが、この渓流については竹の状況はどうか。
→(砂防室)添付写真からもわかるとおり、現状でも竹は生えており、放置すれば竹が侵食して、根を張ってくると考えられる。
→(委員長)山の所有者に言える範囲は限られると思うが、山林の涵養も含めて総合的な取り組みを考えてもらいたい。

・(委員)今回の計画地では、山の手入れが不十分で流木対策が必要となっているわけだが、地域の環境を考える上で、山の手入れの必要性、進めるべき砂防事業の方向性について、地域の人が理解を深め、行政任せではなく一緒に考える、というような取り組みも必要ではないか。
→(砂防室)事業説明などで、山を守る啓発も行い、また、地域の人に参加してもらいながら事業を進めることも検討したい。

 (4)府営住宅伊佐津団地 建替事業

・(委員)周辺住宅の景観に配慮した建物デザインを採用したとのことであるが、具体的にどういうプロセスで議論して、どのような点で景観に配慮したのか。
→(住宅課)JR西舞鶴駅に近いことから駅舎からの景観、建物を3棟建設することに伴う周辺住宅への日照の影響を考えて環境面で配慮した。
→(委員)完成写真を見る限り、都市景観に配慮した建物デザインといっても、他の建物とあまり違いがないと思えるがどうか。
→(住宅課)立地がJR西舞鶴駅に近いことや、周辺の都市計画とも整合させる必要があることから、舞鶴市と意見調整を図りながら建設したが、結果としては伊佐津団地として特別な建物デザインを採用したわけではない。
→(委員)団地の建替え事業において、環境の面で具体的にアピールする点が出てくるよう、今後は事業に反映させてほしい。
→(委員長)要するに、まちづくりにおいて、都市景観等の環境面での配慮が大事であるとの指摘である。

・(委員)府が環境に力を入れている姿勢が見えるように、伊佐津団地のような敷地面積であれば屋上緑化を行うなど、もっと京都らしさを出していくべきである。せっかく住宅を建てるのであるから、他府県のリーダーとなるような環境への方向性を作っていくと府民も納得すると感じる。
→(住宅課)今後については、「京都府地球温暖化対策条例」などを踏まえ、京都市内では環境に十分配慮したい。ただ、伊佐津団地に関しては、条例制定以前に建て替え計画を作成したこともあるが、立地が府北部であることから屋上緑化は行っていない。

・(委員)伊佐津団地では植樹をあまり行なっていないようであるが、住宅の環境上もっと植栽が必要ではないのか
→(住宅課)建設当初において、将来の管理負担を考慮し、現況のような植栽整備の設計とした。

・(委員)特定公共賃貸住宅(以下「特公賃住宅」と表記。)と公営住宅について、どういったものか、少し説明して欲しい。
→(住宅課)「公営住宅法」に基づき、月収20万円未満の世帯を入居対象とするものが公営住宅。これに対して、平成5年度に制定された「特定優良賃貸住宅の供給の促進に関する法律」に基づき、月収17.8万円以上60.1万円未満の中堅所得世帯を入居対象とするものが、特公賃住宅である。公営住宅では家賃が低く抑えられているのに対し、特公賃住宅は民間賃貸住宅と変わらないような家賃が設定されている。
→(委員)伊佐津団地では、特公賃住宅と公営住宅がどのような割合で建設されているのか。
→(住宅課)95戸のうち24戸が特公賃住宅、71戸は公営住宅となっている。
→(委員)特公賃住宅の家賃は、法律によって全国的に決められているのか。
→(住宅課)法律の施行規則で家賃の計算方法が定められている。
→(委員)伊佐津団地では、特公賃住宅と公営住宅とは別々に整備しているのか。その間取りや広さは公営住宅と比べてどうか。
→(住宅課)団地の同じ棟に同じ間取り、同じ広さで整備している。
→(土木建築部長)特公賃住宅は、十数年前に地価及び賃貸料が大きく値上がりしたことを受けて、賃貸マンション等に入居できない中堅所得層のための賃貸住宅として制度が制定され、それに基づき建設した。しかし、その後、地価の下落とともに、民間賃貸住宅の家賃が安くなり、近年では、特公賃住宅の家賃は割高感が出ている。このため、空家が発生していると思われ、現在、府では新たな特公賃住宅の建設は行っていない。
→(委員)特公賃住宅に公営住宅の入居希望者を入居させる制度はないのか。
→(住宅課)特公賃住宅を用途変更し、準公営住宅化する制度があるが、国との協議が必要である。特公賃住宅は、全国的に空家が30数%に達しており、府としても空家解消に努めたい。
→(委員)時間がかかる国との協議を省き、府の裁量で公営住宅入居対象者を入居させることはできないのか。
→(住宅課)特公賃住宅は、国の制度に基づき、国庫補助を得て建設しており、準公営住宅制度として活用するには国との協議が必須である。

・(委員)今後、所得の高い世帯に対する住宅は民間に任せておけばよいということか。
→(土木建築部長)特公賃住宅に関する法律は残されているものの、現在の社会経済情勢では自分で住宅を所有した方が安上がりとなっている。また、賃貸住宅については民間に委ねるという考え方はあるが、高齢者向けの優良な民間賃貸住宅は不足しているという現状もある。行政としては、既存の民間住宅を借りやすくするための支援が必要ではないかと思われ、府としても、18年度には新しい公営住宅のあり方を含めた住宅基本計画を立てていこうと考えている。

・(委員長)特公賃住宅の空家の状況と同じ団地の公営住宅の応募倍率が高いことを踏まえ、特公賃住宅については、公営住宅対象者も入居可能とする等、空家解消策を検討されたいとの付帯意見をつけさせていただく。

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