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平成18年度第1回京都府公共事業評価審査委員会の開催概要

1 日時

平成18年9月5日(火曜)午後1時30分から午後4時00分まで

2 場所

京都ガーデンパレス「鞍馬の間」

3 出席者

「京都府公共事業評価審査委員会」委員

?吉川和広委員長、青山咸康委員、佐藤紀子委員、佐藤博之委員、芝池義一委員、中西たえ子委員、深町加津枝委員

事務局

土木建築部長、技監(土木担当)、理事、担当室長ほか

【傍聴者】なし

4 議事内容

(1)今年度の委員会の進め方について

  • 吉川委員を委員長に、青山委員を委員長職務代理に選出した。
  • 審査案件の件数等を考慮し、今年度は4回程度委員会を開催することとした。

(2)公共事業再評価の個別審査

 

事業種別 事業主体 箇所名 所在地
道路 京都府 主要地方道大山崎大枝(おおやまざきおおえ)線 地方道路交付金事業 長岡京市
街路 京都府 都市計画道路御陵山崎(ごりょうやまざき)線 街路事業 長岡京市
街路 京都府 都市計画道路小倉西舞鶴(おぐらにしまいづる)線外1線 街路事業 舞鶴市

 

 

ア 審査の結果

今回審査した府の3事業の再評価は、いずれも、委員会に提出された資料、説明の範囲において、その手続きがおおむね適切に進められており、各事業主体から提出された対応方針案(大山崎大枝線は「見直し継続」、御陵山崎線、小倉西舞鶴線外1線は「継続」)のとおりでよいと判断される。

イ 審査の状況

各事業について、必要性や進ちょく状況、事業を巡る社会情勢の変化、費用対効果分析、コスト縮減施策、良好な環境形成・保全の検討結果等をもとに、京都府の対応方針案について審査された。

  • 主要地方道大山崎大枝線 地方道路交付金事業について
    事業区間における沿線の土地利用状況、京都市域にまたがる道路の分担整備の考え方、工事に用いる植生の種類、歩道の幅員等を参考に、京都府の対応方針案について審査された。
  • 都市計画道路御陵山崎線 街路事業について
    長岡京駅前市街地再開発事業と本事業の関連、周辺地域全体を含めた景観、計画手続きにおける住民意見の反映状況、植栽管理等における周辺住民の関わり方等を参考に、京都府の対応方針案について審査された。
  • 都市計画道路小倉西舞鶴線外1線 街路事業について 
    道路整備における歩道幅と車道幅のバランス、安全施設の設置の考え方、渋滞緩和を目的とした道路整備における排出ガス抑制効果を参考に、京都府の対応方針案について審査された。

5 主な意見

(1)主要地方道大山崎大枝線 地方道路交付金事業

  • (委員)事業長期化の理由に用地買収交渉の難航とあるが、このまま交渉を続けて平成21年度の完成予定に影響はないのか。
    (道路総括室)地権者に対しては任意交渉を進めるが、並行して、法的手段の手続きを進め、21年度には完成したい。
  • (委員)路線全体について、府と京都市の施工の分け方は、どのようになっているのか。また、現道(旧道)の管理はどこがおこなうのか。
    (道路総括室)京都市内の府道は政令指定市である京都市が施工管理することと法律で決まっている。旧道に関しては市道等に移管し、長岡京市等が管理していくこととなる。
  • (委員)施工の工夫ということで紹介された植生工法自体は良いが、実際使った植生種子は何か。
    (道路総括室)多種類の種子が混合された市販のものを使用した。
    (委員)在来種での植生は出来ないか。緑を残す場合、そこまで考えないと、外来種の生息など、別の問題を引き起こす可能性がある。
    (道路総括室)今後の施工に際してはよく検討したい。
  • (委員)現道(旧道)を路線全体で見たとき、沿道の土地利用は主に何なのか。
    (道路総括室)住居系の土地利用が多い。
    (委員)それをふまえて、拡幅区間が少なく、バイパス区間が多い計画にしているということか。
    (道路総括室)そのとおりである。
  • (委員)事業区間での事故の発生状況は。
    (道路総括室)手元に資料がないので詳細はわからない。
  • (委員)旧道となるルートに対して、交通量は減るだろうが、歩道が無い道そのものは残ってしまう。交通安全上危険という観点では、根本的な問題解決にはなっていないのではないか。大型車規制するなどの安全対策を検討する必要がないか。
    (道路総括室)一連の事業が完了すると車両の多くは新ルートを通ることになり、旧道の交通は大幅に減少すると考えるが、状況を見て必要であれば、警察等と協議し検討したい。
  • (委員)事業区間北側の京都市施工部分の完成はいつか。
    (道路総括室)京都市の事業においても用地買収で難航しているようであり、完了年次は公表していないが、平成20年代前半には完成したいと聞いている。

(2)都市計画道路御陵山崎線 街路事業

  • (委員)地元のボランティアの結成は、地元の自発的なものか、行政の働きかけか。
    (道路総括室)地元の自主的な発意によるものである。
    (委員)ボランティア活動はなかなか難しいと思うが、周辺の地域でのボランティア活動の事例はどうか。
    (道路総括室)最近全国的に事例も増えており、この周辺では長岡天満宮付近においてボランティア団体が道路維持管理をしていただいている事例がある。
  • (委員)用地買収の対象地は主に住宅地か、商業地か。
    (道路総括室)大半が住宅地である。
    (委員)残り用地はどれくらいか。
    (道路総括室)33件のうち23件の協力を得た。残り10件である
  • (委員)事業が長期間を要している理由として市街地再開発事業の計画変更とあるが、これは何か、また、道路事業にどう関係したのか。
    (道路総括室)具体的には、駅前の再開発ビルにおける核となる商業テナントの規模が変更になった。交差点の形態などは施設の想定来場者数などを考慮して決定するため、調整する必要があった。また、再開発と本事業とが一体的なものであるとの意識がある周辺住民に対し、道路だけ用地交渉を進めるわけにもいかず、遅れが波及した。
  • (委員)写真に見える事業地の南側の狭小部分はどうするのか。
    (道路総括室)車道2車線は確保されているものの歩道が無いので、順次整備したいと考えているが、まずは中心部のこの工区から整備している。
  • (委員)災害に強い道路網の整備とは何か。
    (道路総括室)災害時における安定した輸送を確保するという側面からの考え方で、広い幅員と強い構造を持つ道路網を整備したい。この路線はその中で第1次緊急輸送路として位置づけている。
    (委員)この路線の前後にもその指定があるのか。
    (道路総括室)例えば、市役所と府の総合庁舎等を結ぶ路線等が指定されている。
  • (委員)色々な事業を見ていると、結局用地買収のために事業が長期化してしまう印象を受けるが、道路の計画をする時に、どういう段階で地元の意見を聞く場を準備しているのか。
    (道路総括室)事業の前段として、都市計画決定を行う時に、地元説明、公聴会、図書縦覧、意見書提出などによる都市計画の手続で地元意見を聞く機会を確保している。また、事業実施段階になれば地元説明を別途行っている。
    (委員)公聴会の開催は都市計画手続における義務ではないはずだが、京都府は開催しているのか。
    (道路総括室)申し出があった場合には必ず開催している。
  • (委員)ボランティア活動の支援がコスト縮減施策に書かれているが、これは本末転倒ではないか。
    (道路総括室)地域の個性を発揮してもらうためにも、地域ボランティアと協力しながら事業を進め、維持管理もしていくこととしており、結果として管理費の縮小につながるため、ここに記載した。
    (委員)地域の個性への配慮はされているのか。
    (道路総括室)長岡京駅前では市民の意見を採り入れ、信号や照明のデザイン、高さを統一したり、一部区間の無電柱化を図ったりしている。
    (委員)完成済み区間の写真を見ると努力はうかがえるが、全国どこにでもある同じデザインに見えてしまう。長岡京らしさを出すためにもう一段の努力が欲しい。
  • (委員)道路あっての暮らしではなく、暮らしあっての道路だと思うので、市民と一緒になって計画を立ててほしいと思う。
    (道路総括室)面的なまちづくりと道路整備を関連づけて進めたい。
  • (委員長)長岡京市というところは以前から有識者の意見も採り入れて事業が行われているところである。次回からはこういった事業では、関連事業も含めて総合的な視点での説明をお願いしたい。

(3)小倉西舞鶴線外1線 街路事業

  • (委員)高速道路から病院のアクセスが整備により改善するというのは大切なことだと認識しているが、一方で走行速度は上がると思われる。ガードレール等の歩行者安全対策はどう計画しているか。
    (道路総括室)歩車道境界ブロックを設置し、歩道と車道を分離している。危険な場所については、ガードレールの設置を検討する。
    (委員)安全のコストは削減しないでほしい。
  • (委員)事故多発地帯とはどこなのか。整備後の状況はどうか。
    (道路総括室)事業区間中央付近の道幅が狭い曲線区間で事故が多かったと聞いているが、この区間は昨年度改良供用し、整備された後は事故を聞いていない。
  • (委員)費用対便益比の資料の中で、事故減少便益がどのように計算されているのかわからないので説明して欲しい、
    (道路総括室)この便益は、道路の改良前と改良後を比較し、道路が安全になったことを事故損失額算定式というものにあてはめて計算を行うもので、道路種類、沿道区域、通行量等により変化するものである。
  • (委員)この事業のことを言っているのではないが、車道と歩道のバランスに疑問を感ずることがあるが、一般的に歩道の幅というものはどう決められているのか。
    (道路総括室)歩道の幅は、主に歩行者、自転車交通量及び沿道の状況によって決まり、この事業では両側に各3メートル50センチとしている。歩道の利用があまり見込まれない山地では、設置は片側だけ幅も最小の2メートルとすることもある。
    (委員)日本の歩道は一般的に貧弱であると思っているので、広い歩道整備を望みたい。
  • (委員)先程説明を受けた御陵山崎線は4車線22メートル、この小倉西舞鶴線は2車線16メートルであるが、資料を見比べると交通量がかなり違う。車線数の違いは計画交通量の違いによるものか。
    (道路総括室)計画交通量が日あたり1万台超というのが4車線整備の一つの目安である。
  • (委員)高機能舗装というものを少し説明してほしい。施工費はどうか。
    (道路総括室)アスファルトの道路というものは、通常複数の層を重ねて作るが、高機能舗装と呼ぶものは、最も上のタイヤと接する層に空隙を持たせている。この隙間には騒音を吸収する効果がある。また、雨が降ったとき、最も上の層には隙間があるので雨水は水たまりを作らず、その下の空隙のない層をつたって水は排水管の方へ流れて安全に排水される。歩道では土の上に1層だけのアスファルトを敷くため、そのまま地下に水は浸透される。なお、そういった機能から、低騒音舗装、排水性舗装、透水性舗装といった言葉を使うこともある。施工のコストは少し高いものの、総合的には有利な仕様であると判断している。
  • (委員)環の公共事業構想ガイドライン評価シートで三角の場合は、これから対策を何か考えるのか。二酸化炭素の削減が効果として書かれているが、自動車台数が増えると全体で削減することになるのかどうか疑問がある。
    (道路総括室)評価の三角は事業前に対して完成後の予想が現状維持程度であるという意味である。二酸化炭素に関しては、道路を整備することで渋滞を解消し、走行速度が適正になれば、その地点での発生量が抑えられるという趣旨である。
    (委員)「道路整備=二酸化炭素が削減」がこの欄の決まり文句となっていないか。道路を整備し続ければ二酸化炭素の問題が解決されるかのような錯覚に陥る。渋滞が減れば他の交通からの転換も考えられ、何か違和感を感じる。
    (道路総括室)道路整備による渋滞解消の副次的効果として、その地点における二酸化炭素の減少というのは確実なものと思われ、渋滞解消を目的とした道路整備事業については、我々は常にこの効果を主張したい。
    (委員長)社会の大きな流れで、通過交通の都心部への集中を避けるような環境負荷の少ない道路計画や、移動手段の転換を促すような政策がされつつある中で、個々の事業においても二酸化炭素を減らす役割というのは持っていると思う。
    (委員)二酸化炭素を削減することを考えず、自動車交通を減らす考え方をしてほしい。自動車交通量を減らすのは道路事業ではなく、まちづくりであり、道路事業をすることで二酸化炭素を削減すると主張するのは一面的ではないかと思う。計画交通量が過去や現在より多いのであれば、それは排出量が増える一つの要因であり、それを抜きにしては都合の良い説明と感じられる。
    (土木建築部長)地域全体で捉えれば、交通量のベースはその地域の経済活動であり、整備後に特定の路線の交通量が増加すれば、他の路線で交通量が減少するという前提がある。理論的には地域全体の交通量は大きく変わらないため、スムーズな走行が二酸化炭素の削減につながると考えている。また、道路事業においても、駅等の交通結節点へのアクセス道路や駅前広場の整備事業のように、自動車交通を減らすというのも一つのテーマであると認識している。
  • (委員長)大きな交通政策の話となってしまったが、そういうものをふまえてこの事業が成り立っていると思う。この事業に対しては問題無しとしたい。

6 その他

10月14日(土曜日)に現地調査を実施、10月26日(木曜)に次回委員会を開催することとなった。

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