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平成23年度第1回京都府食の安心・安全審議会議事要旨

1 開催日時

平成23年8月30日(火曜日)午前10時から12時まで

2 場所

京都府公館レセプションホール

3 出席者

【審議会委員】中坊幸弘会長、莇祥子委員、植村憲一委員、大槻松平委員、倉勉委員、 小坂博子委員、小林智子委員、鈴木冨美子委員、平山晃久委員、 文字正委員、山本隆英委員 

【専門家】内海博司 京都大学名誉教授

【京都府】関係職員

【傍聴者】4名

【報道機関】1名

4 協議事項

5 概要

(会長)
  委員の皆様にはそれぞれの分野の代表ということでいろんな審議、討議をしていただいているが、震災や原発事故等、思いがけない出来事に対して、行政も含めて、府民が安心して生活できるということに、私たちがそれぞれ役割分担して力を発揮していきたいと考えているのでお願いしたい。
  本日は放射性物質に関する専門家の先生にも出席していただいており、ご助言等をお願いしたい。
  また「食品における放射性物質検討部会」の設置について、委員の皆様に検討していただくことも予定している。
  では、「23年度の食の安心・安全行動計画の実施状況について」の説明を求める。
(事務局)
  資料に基づき説明。
(委員)
  この計画のなかで、マスコミ関係に対する懇談とか意見交換の場は入っていないのか。食品に対する放射能に関して、低い値であっても、社会に対してインパクトを与えるという新聞報道のあり方には、疑問がある。生産者の気持ちになれば、報道側にも倫理観が一定問われるのではないかと思う。行政側も報道関係者に情報を公表する中で放射線に対する理解の醸成をしていただけたらと思う。
(会長)
  事案があったときにマスコミ対応をやった方がよい、ということか。
(委員)
  一定そういう教育や交流の場があったほうがいいというお願いです。
(事務局)
  最近では、プレス発表においても専門家の意見と一緒に公表していくやり方をとっており、放射線に対する理解を深めてもらえるよう今後も対応していきたい。
(会長)
  この行動計画で対象としているのは、府民、あるいは生産者ということで、報道関係については、その都度対応をお願いしたい。
(委員)
  前回の審議会でお願いしていた放射能についての検査について、早速行っていただいてありがたい。
  また、突発的に発生した問題や、そのときどきの大変重要な事柄についてしっかり素早く、臨機応変に取り上げていただくということは大変重要なことだと思っている。肉の生食や鶏のカンピロバクターの問題など府民に徹底して情報提供していき、計画の中にもしっかり盛り込みながら臨機応変に対応するというのは大変重要ではないかと思う。
(会長)
  現時点での計画の進捗状況に関しては了承することとしてよいか。
(委員)
  了承。
(会長)
  「京都府の放射性物質検査体制等について」についての説明を求める。
(事務局)
  資料に基づき説明。
(会長)
  専門委員の設置について、事務局から説明を求める。
(事務局)
  食品中の放射性物質について、我々の健康への影響ということが懸念されています。専門の先生方のご指導、ご助言をいただきながら我々も取り組みを進めていく必要があることから、3人の先生方にこれまでから我々の取り組みのところでいろいろご助言いただいてきている。これを活かして専門部会に位置づけ、引き続きお願いしたいと思っている(3人の先生方を紹介)。
(会長)
  内海先生からこれまで検討いただいた内容についての報告、助言をお願いする。
(内海)
  私は7月28日、府の関係者に講演を頼まれて、生物学から見た放射線の影響ということをお話したが、その日に腐葉土の放射線測定に関するアドバイスをした関係で、専門家会議的なものをつくらなければいけないのではないかということになり、ここに出席している次第である。
  8月18日に第1回の会合を行い、検査体制については十分であること、新しい機器の購入について、機器の精度について京大にあるものと一度比較すれば大丈夫であろうと助言している。
  GMカウンターやシンチレーションカウンターとよばれる放射線検出器の取り扱いは、検出器の特性を知らなければ、正確な検出が出来なったり、間違った使い方をしてしまうことになる。それから、自分たちが扱ったときに自分の手につかないかどうか、そういうような検査もしておかないと汚染が拡大するということも助言をした。
  放射線、放射性物質について、過去30年間放射線についての教育がなされてこなかったことや、見えない、におわないということで放射線に対する恐怖感を感じるものと思われる。今後とも放射線について説明をきっちりしていくということが大切である。
  137億年前に宇宙が誕生し、約60億年に現在みられる全ての物質が誕生しているが、私たちの体の中にも入っているカリウムには、半減期が約12.8億年という放射性カリウムが含まれている。そのほかにも炭素14という放射性物質もあり、植物を通して我々の体に取り込んでいる。また、地下鉄に入れば、土の中にある放射性物質から、地上より多くの放射線を浴びる。このように放射線は常に私たちの身近なところにあるわけです。しかし、自分たちは放射線や放射性物質と関係ないと思っている人たちが非常に多い。
  放射性セシウムは半減期が約30年ということになっていますが、実際は原発でできた放射性セシウムは2種類あり、セシウム137とセシウム134があって、セシウム134のほうは半減期が2年。1対1で含まれています。だから、30年たたないと半分にならないというわけではありません。そのうちの半分は2年ぐらいで減衰していく。体の中に入ってもすべてが吸収されるわけではなく、カリウムとセシウムは周期律表では同じ系列ですから、カリウムと同じように体内に入っていくけれども異物として排出されます。入っても子どもだとと8日間ぐらいで出ていき、大人や年寄りになると100日ぐらいかかります。放射線のエネルギーレベルから見ると、放射性セシウムは放射性カリウムとほとんど変わりません。ガンマ線もベータ線も出す。また、放射性カリウムは私たちの体に大体4,000ベクレルぐらい持っています。だけど、遺体を焼いたら放射性物質が放出されるとか、濃縮されるとはだれも言わない。それは知らないこともあるし、自分の体に放射性物質がないと思っているからです。今回放射性セシウムがいろんな問題となっているが、放射線や放射性物質は自然界のいたるところに存在するものなのです。
  それから、過去の大気圏内核実験で、放射性セシウムとか放射性ストロンチウムはずっと降り続いていました。今の何千倍も。だから、私たちは過去の核実験で汚染された経験があります。また、現在は30年近くたっているため半減してきているがチェルノブイリ事故でも非常に高い値を示した。だから、放射性物質が福島のときに初めて現れたというわけではないということについて、一般の方々は余り知られていない。そこで一般の人は非常に怖がるし、非常に怖いということを言われる先生方もいる。私もいろいろと今回のことがあってそれらの先生方と話す機会があったが、その人たちの知識がチェルノブイリでなくてビキニでの核実験の知識で止まっていると思いました。
  私たち先祖の生命体は、さまざまな放射線を浴びて進化してきた。私たちは、今回の事故による放射線がなくても常に私たちの体の中ではDNAに傷がついている。でも、それは治している。たとえば、列車に例えると、列車を走らせるときに乗っている人たちは修理をしている人を知らないが、夜になったら、あるいは走っていないときにはちゃんと列車や線路をチェックをする人たちがいるから 安全に走行する。私たちの体にも同じような機構が備わっており、DNAは、放射線と無関係に常に切れているが、それを修理しているから無事に生活をしている。だから、どんなに少なくても放射線があったら傷がついてあぶないというのは、それは余りにも古い生物学の知識である。高等動物でDNAの二本鎖がプツンと切れると、それは治らないと思われていたのが、バクテリアでも治るということがわかり、高等動物の我々もちゃんと治していることがわかってきた。現在はほとんどの遺伝子が同定され分離されて、一つの遺伝子を除いたらどういうことが起こるかというようなこともわかってきている。一番難しい返答が、人間に対してどうかと言われたときに、問題なのは広島・長崎のデータしか疫学的にちゃんとしたデータを持っていないということです。調査対象人数は約12万人ですが、結局100ミリシーベルトぐらいまでしかはっきりしたことはわからない。それはなぜかというと、人が生き物の中で一番修復能力が高くて、突然変異とかそういうものを起こすの頻度が10のマイナス7乗回程度である。100人に1人のことが100人に2人になった、倍になったと言うけれども、それでは誰も信用されない。ということは1桁上げた人数である1,000人に10人で、1,000人に20人になれば2倍に増加したと判断できるようになることを考えると、非常にたくさんの人数を扱わなければならない。今問題にしている10ミリシーベルトのリスクを検出するには60万人ぐらいの人たちを集めて、調べなければはっきりしたことはわからない。これを疫学調査というのであるが、そんなことはほとんど不可能に近い。
  放射線は医療の現場とか、工業で使われており、そこでの被曝を抑えるために規制を設けている。非常に低い線量をどうやって規制するのか非常にむずかしい。普通、薬などは閾値といってあるところまでは影響がでないところがあります。放射線に関しては、原爆が出てきたころはDNAも発見されていなかった。だから生物学も医学もはほとんど進歩していませんでした。生物学が発達したというのは、DNAを発見したワトソン以降、その後の研究よってであった。生物学の進歩についても教育の場で教えるのが非常におくれてしまったために、世界でもそういう生物学と放射線との関係を教えられていない。現にチェルノブイリ事故の時も、我々専門家の知識からですと、胎児の被曝で何の影響もないという妊婦たちが、奇形を心配して堕胎が行われたという悲しい報告がされている。放射線についてもう少し基本的なことを教育していかないとなかなか理解してもらえないところがあると思う。
  放射線における暫定規制値について、日本は世界と比べても非常に厳しい値となっている。放射性核種に係る日本や各国及びコーデックスの指標値というものがある。例えば肉は500ベクレルということになっているが、500ベクレルのお肉を毎日毎日食べてそれが1ミリシーベルトぐらいだという計算をして500ベクレルというのを決めた。ところが米国では日本よりたくさん食べているのに1,200ベクレルになっている。規制値をつくると、それ以上の値であったら危ないとかになるが、その値は危ないための基準ではない。もし500ベクレルのお肉を1ミリシーベルト食べようと思ったら、154キログラムの肉を食べてやっとであり、そんなにお肉を食べる人もいない。ちょうど交通規制でここは30キロ、ここは100キロと決められているが、そのまま走っている人は少ない。ときどき警察が来て取り締まったら、皆さん40だったな、オーバーしたら仕方ない、といって罰金を払わざるを得ないけれども、非常に安全側に立った一つの交通のルールで、わりと低く抑えられている。だから、今回の肉の規制値もそういうことだということを十分に理解されるというのは非常に大切なことである。今回食品安全委員会が生涯累積線量100ミリシーベルトと決めたが、あれは非常に悪いと思う。あれは止めなければ、もうすぐオーバーする人たちも出てくる。100ミリシーベルトというのは放射線を一挙に被曝した人たちに影響が出るもので、非常にゆっくり当たった場合には影響は軽減される。例えばケララとか、世界には自然放射線の高いところで住んでいる人もいる。そういうところで生涯累積線量が600ミリシーベルトというところもあり、そういう住民の疫学調査でがんが非常に多くなったとか、あるいは寿命が短縮したとかは見つかっていない。ここには食品会社の人や、消費者の方もいらっしゃると思うのですが、自分達もちゃんとした知識を持って、心配しないということが非常に大切かと思っている。
(会長)
  きっちりとした科学的な根拠で判断することが大事だ、ということなのだけれども、どこかで線引きというのは必要。行政対応としては、京都府としてはいろんな口に入るもの、それから環境も含めて検査をしていただいている。それで、検査の項目、あるいは検査方法に対して、先ほどご紹介したグループで助言、あるいはいろんな検討をいただくということになっている。そういうことで、委員の先生方、何かご質問とかあればお願いしたい。
  お聞きしたいのだが、例えば、福島産等で放射性セシウムの高い稲わらを食べていた可能性のある牛の牛肉の在庫分については、食用に供することがないよう指示をされている。その後の確認はしているのか。
(事務局)
  冷凍庫の中で保管するということで、確認している。それ以降は、国でその分については買い上げするということになっている。
(委員)
  買い上げるということは、現物を持っていくということか。
(事務局)
  農林水産省で対応されると聞いるので、そのやり方についてはどういう方法かは、私どもサイドではわからないが、買い上げの方向で進められているということは聞いている。
(委員)
  腐葉土で規制値を超えた放射性物質が検出されたというこであるが、対象の腐葉土がホームセンターなどに売らないよう対策がとられているのか。
(事務局)
  腐葉土については、国のほうから通知が出たが、まず最初に一報があった段階で、府内にある約600店の肥料販売事業者に対して、ファックスでいけるところはファックスで、ないところは電話で確認をおこなった。放射性物質が出る出ないは別にして、対象地域から来たものがあるか、あれば、それは店頭から撤去するよう指導をおこなった。その後国から通知が出たので、こちらで把握している全肥料販売事業者に対して郵送等で徹底をおこなっている。
(委員)
  肥料事業者というと、例えば私たちがよく買いに行くホームセンターだとか、そういうところも含めて、という形になるのか。
(事務局)
  おっしゃるとおり、肥料販売事業者の中にはホームセンターとかも含まれている。かなりの事業者は登録届けをしているが、実際販売していない薬局などが、一部園芸用の肥料を扱っているところもあり、そのような事業所もすべて含めて対応をしている。ある意味、販売事業者も被害者だけれども、誠意をもって対応していただき、自主的な撤去はもちろん、お客さんのほうから相談があったら、自主的に回収していただいている。事業者のほうで店頭や、ホームページでも広く広報しておられる。
(委員)
  前回の審議会では、放射物質に関する検査をしてほしいと要望していたが、十分な対応をしていただいていると思う。それにより私たちの周りでも随分安心感が広がっている。ただ、今後もう一度こういう事故が起こったりしたときは、それこそこんなレベルではない形での対応を迫られるのだろうと思われる。そういう意味では、大変感謝したいと思っている。
  これらの対応は、国から言われることもあるだろうが、京都府独自で対応されたのか。
(事務局)
  京都府独自で対応した部分がかなりある。むしろ今回の国の指示とか通知がどちらかいうとやや遅かった場合もあり、待ってられないということで対応したところである。一つは、府内産農産物の確認調査について、これについては身の潔白を証明する、ということ。今ご説明させていただいたように環境の状況からすれば問題はないけれども、府民の方からすれば、検査してその結果を見なければわからないという声も多くあり、そういう面で検査させていただいた。国の制度の枠組みは、関東とか東北とか、そういったところについては原子力災害対策特別措置法に基づいて検査の要請を本部長、内閣総理大臣が行うというもので、それは地域が指定されている。京都府はそれ以外であるが、独自でそういう対応をさせていただいたということ。それから先ほど緊急調査等の分についても、国の指示も追って出てきているが、一報が入った段階で我々としたら緊急対応ということで独自に動いた部分がある。
(委員)
  1点質問と要望です。
  1つは、14ページに緊急調査をしていただいた表が出ているのですが、シイタケの原木が検査をして問題なかったということだが、最後に自主回収を要請したとなっている。これはなぜか。問題なければ、回収する必要がないのではないか思うが。
  もう1点は、ホットスポットといって飛び地みたいな形で非常に汚染濃度の高い地域があったりとかいうことを考えると、観測地点について、本当にこれだけで十分なのか、どれぐらいであればいいのかということもわからないので、なぜここに観測地点を持ったということについて知りたい。もう少し広いエリアで何か起こったときには観測するということが必要なのではないか、というふうに感じたので、少しお伺いしたい。
(事務局)
  シイタケの原木の状況について、この7月26日の時点でガイガーカウンターで検査して、大丈夫だという状況は一応確認している。
  それともう一つは、まだ現在原木ですので、シイタケ自身は出ていない。よって、それ以前の段階でまず最初に検査してみたというところである。その中で一応念のためにということで抽出で検査をしたら、1検体だけ若干検出された。対応をどうすべきかということで、販売事業者とご相談させていただき、安全性ということは問題ないかもしれないが、きちっと対応することが必要だというご意向も示されたので、回収ということになった。販売先との信頼関係ということもあったのかなと思われる。規制する根拠法令なく、規制値もシイタケの原木についてはないが、シイタケについてはキノコ類ということで、食品衛生法の暫定規制値ということになります。
(事務局)
  説明時の資料について、平常時の検査体制ということ。緊急時については、環境測定車という車の中に分析装置を積んだ車両が3台あるので、こちらのほうは走りながら連続的にデータを測ることができる。また、いわゆる福島等で実際行われている手に持って測定する検査機器があり、ガイガー・ミュラー・カウンターとシンチレーションサーベイメーターと電離箱式と3種類ある。これも10セットあり、これらも車を使用して測るということになる。こういった訓練も福島県と一緒になって4年に1回、ヘリコプターや艦艇も使ったような非常に大々的なものもある。
  ホットスポット関係ついては、一般の方々が測られた場合に、我々が公表している数字よりも高い数字が見られる。これは測定する環境で大きく左右されるため経年変化を見て判断する必要がある。コンクリートの影響も受けるし、花崗岩や地質の影響も受ける。当然天候の影響も受けて、さまざまな値が出る。たまたまよそより高く見える値のところをホットスポットとしてしまっては間違った風評となってしまう。京都府ではホットスポットが見られるような状況ではないので、心配はないと思う。
(会長)
  先ほどのシイタケ原木については、資料の文面どおりでは、回収を要請と書いてあるから、当然どういう根拠があってということになるため、事実として販売業者が自主回収をしたと書いたほうよいと思う。
  もう1点、例えばこういう検査体制で基準値を超えた場合、どういう手順で動くのか。簡単にご説明をお願いする。
(事務局)
  流通している食品と府内で生産されている農産物、両方ある。まず、府内で生産されている農産物のモニタリング調査の関係を申し上げると、生産圃場、畑に植わっている段階で、集荷前の段階で計画的に採取してモニタリング調査をおこなっている。よって、そこの段階で検出されたからといって、すぐ流通していくものではないということが一つあるのであるが、制度上は、食品衛生法に基づく暫定規制値を超えた場合は、流通している食品であれば回収命令が出る形になる。流通すれば回収されるという前提でやっていく必要があるということで、今、定点観測的にやっているわけだけれども、その検出された周辺地域のところで流通している可能性がある場所に検査を拡大して対応していくこととしている。そこでこういう可能性があるというようなものが出れば、直ちに食品衛生法に基づく一連の回収なり、回収以前に出荷の自粛ということになろうかと思われるが、そういう形になるスキームを考えている。
  今回は放射線物質ということであるが、食品衛生法上の考え方としては農薬の残留の場合の取り扱いと同じ形になる。ただ、モニタリング調査については、それは先ほど身の潔白を証明するためと申し上げたが、もう一つは、やはりこういう定点観測を時系列的に継続してやることによって何か変化が起きてくれば早めに対処するということも思っており、突然不検出の段階から一気に500ベクレルを超えるということはなかなか考えられないので、早い段階で察知して、事前の予備的な対応ということも頭に置きながらおこなっている。
(会長)
  ほかにご質問は。
(委員)
  スクリーニング検査というのは液体シンチレーションを使ってトータルのガンマ線を測定しているという意味ですか。
(事務局)
  スクリーニング検査の機器にも何種類かあるが、今回考えていますのは、ヨウ素131、セシウム134と137、これが個別に検出できるような機械になっている。
(委員)
  一般的には、液体シンチレーションでは蛍光を出して、ガンマ線だけを測る。精密検査と書いてあるゲルマニウム半導体というのは、いわゆるガンマ線スペクトロメトリーの意味か。
(内海)
  これは半導体でエネルギーを全部測定して、セシウムとヨウ素のピークだけを測定するようなもの。
(委員)
  では、ゲルマニウムの半導体と言われるガンマ線スペクトラムと似たようなもので、3種類だけ検査するものか。
(内海)
  普通食べ物というのは検出器では測定できないので、これは新しく作製されたばかりの機器です。もう少し高価な機器と同じ性能でうまく動くのかどうか、検出したら安心してそれで測定してもいいだろうというようなこととして、購入をしようとしているところである。
(委員)
  ストロンチウムとかは測れないのか。
(内海)
  測れない。だから、わりと安価ですので今回問題になったような放射性物質だけを測定する機種です。
(委員)
  ではヨウ素も、ヨウ素131もヨウ素125もというのはだめということか。
(内海)
  セシウムとヨウ素のみ測定する機種です。
(委員)
  わかりました。
(委員)
   チェルノブイリ事故に関する報道番組で、25年ぐらい経っても小学校での給食の食品検査をしたり、あるいは建物もやっと解体に着手したというような状況が報告されていた。農家のサイドから見ると、非常に心配であり、10年、20年単位で検査していく必要があるものなのか、5、6年でこういう状態が解消していくのか、その辺の見通しがわかったら教えてほしい。
(内海)
  チェルノブイリの場合で一番わかっている事実は、子どもたちの甲状腺がんが出たということ。この前、福島で子供の甲状腺における放射線量を測定してヨウ素が見つかったというけれども、その桁がチェルノブイリの甲状腺がんの子供達に比べて100倍以上も違う。チェルノブイリ事故の場合は48時間、まったく事故が伏せられていて、汚染された牛乳や食物を摂取し、子どもたちも外へ出る状態だった。規制が遅れたために、内部被曝が高くなった。その後は非常にきっちりと規制値以上の汚染された部分では避難措置がとられ、生活可能地域では、学校とかそういうところには放射線測定器が置かれて、食べ物を測定して食べるというようなことになっている。福島の場合でも事故近辺に近いところでは、通常生活できるようにしようと思うと非常に大変なので、今回その部分は国が買い取ることになるでしょう。放射線量が低いところでは、セシウムは粘土質のところ、地表から5センチ以内にほとんどとまっているため、それをかき取って、そのかき取った放射性物質のある土は放射線量が高い地域に置くことになるでしょう。そうすれば十分に生活ができるだろうと思う。ただ、現在でも、大気圏内核実験で砂漠とかそういうところに残留している放射性物質が黄砂と共に中国から飛んできている。原爆実験で地球上が全部汚染された。トータルすれば途方もない放射性物質の量だが、体の中に入っても異物として排出されていくので健康被害が起こるという量ではない。日本海でも皆さん知らないかもしれないが、旧ソ連が解体したときに、原潜とか、あるいは原子炉とか、これは福島の量でないような放射性物質を捨てられていた。だから測定を始めると、時間が経っているので検出 されるのかどうかわからないが、よっぽどでない限りは人体に影響を及ぼすような量がこのあたりに存在するとは思えない。
(会長)
  「生食用食肉等に対する監視指導について」の説明を求める。
(事務局)
  資料に基づき説明
(会長)
  「うなぎの蒲焼の不適正表示(景品表示法)に対する措置について」の説明を求める。
(事務局)
  資料に基づき説明
(会長)
  証明というのは伝票ですか、DNA検査ですか。
(事務局)
  仕入れ伝票、請求伝票とか、そういう関係である。
(会長)
  部会関係を皆さんに紹介して同意を得ておきたい。先ほど事務局のほうから紹介があった3名の方に「食品における放射性物質検討部会」を設置するということで、了承することとしてよいか。
(委員)
  了解。
(会長)
  以上をもって、本日の審議は終了する。

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