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暗号資産(仮想通貨)に関する様々なトラブル

実態不明な投資話に関する相談事例

【事例1】暗号資産(仮想通貨)に関連付けた投資

知人からAI(人工知能)を使った暗号資産の投資を紹介され、1口25万円購入すれば何もしなくても月に5万円入るという話だった。事業者に連絡して2口買うと伝え、50万円振り込んだところ、その週に約3万円が振り込まれたので、さらに4口買いたいと申込み、家族から100万円借りて支払った後、募集の上限に達したので募集は締め切ったという連絡があった。しかし、その後配当が遅れるという連絡のあと配当が振り込まれなくなり、おかしいと思い事業者に電話したが、連絡がとれずウェブサイトにもアクセスできない。

【事例2】暗号資産(仮想通貨)のマイニングへの投資

久しぶりに会った友人に、「海外の事業者が運営する暗号資産のマイニングを行うスーパーコンピューターに出資すれば3カ月で元がとれる」、「人を紹介すると暗号資産でマージンが入る」等の話を聞いた。友人の勧めなので100万円預けることにし、指示されたサイトの登録番号を友人に伝え手続きをしてもらった。支払いは1カ月以内に行う話だったが、2週間後に突然友人から振り込むようにと連絡があり友人の銀行口座に半額振り込んだ後「残りは手渡しで」と言われたが、まだ払ってない。
毎日作られる暗号資産が私にも分配されているのはマイページで確認できるが、とても3カ月で元がとれるとは思えず話が違う。スーパーコンピューターは北欧の方にあるそうだ。組織のトップとはスマートフォンで連絡はできるが契約書はない。

【事例3】ICOへの投資

知人から、SNSを展開する海外事業者を紹介され、権利を買ってお金を払えば、トークンが発行され暗号資産を受け取れるICOに参加するよう勧誘された。その事業者のセミナーに出向くと、「4月に暗号資産の上場を予定しており、早く参加した方がよい」と説明していた。知人を勧誘した紹介者も信用できる人で、いい話だと思った。支払いは暗号資産が指定されたが、自分はすぐに暗号資産の取引ができず、知人の紹介者が代わりに手続きをしてくれるとのことで、その人に約100万円を渡した。契約書や領収書はもらっていないが、ホワイトペーパーはウェブサイトで確認できる。
紹介者たちとのSNSでのやり取りでは全額保証すると言われており、受取予定の暗号資産は現在流通していないが、ウォレットは作ってくれている。しかしインターネットなどで情報をみると不安になってきた。事業者の所在地は海外で電話番号はわからず、メールでのやり取りだけだが、メールを送っても返信はない。

【事例4】暗号資産(仮想通貨)自動売買システムの劇場型勧誘

先月システム会社というA社から突然電話があり、「B社からメールが届いているか」と聞かれ「B社の暗号資産自動売買システムが欲しいが、B社からのメールが届いた人しか購入できない。メールが届いたら連絡してほしい。謝礼も出す」と頼まれた。その後B社からメールが届いたのでA社に報告すると、10台分購入するので金額を確認するように言われB社に連絡し申し込んだ。その後、A社がシステム代金540万円を振り込んだところ、申込者と振込みの名義が異なるためB社が販売を拒否した。するとA社から540万円が戻るのに時間がかかるので、私に用意するように言ってきた。お金はないというとクレジットカードのキャッシングの説明をされたが、よく考えるとおかしいと思う。

暗号資産(仮想通貨)交換業者に関する相談事例

【事例5】不正アクセスによる暗号資産(仮想通貨)の消失

暗号資産交換業者に口座を持っており、口座へのアクセスや通貨の動きがあると、メールで通知がされる設定にしていた。ある日、パスワード再発行通知、ログイン通知、その後資金の引き出しの通知が続いたため、口座の情報を確認したところ、時価で280万円分の暗号資産のほぼ全てが引き出されており、資金がほぼすべてなくなっていた。一連の手続きは10分ほどで行われ、どうすることもできなかった。暗号資産交換業者に自分以外の者からのアクセスによって被害にあったことをウェブ上の問合せフォームから申し出たところ、暗号資産交換業者が推奨する二段階認証のセキュリティ設定をしていなかったことを理由に補償を渋られている。

【事例6】他人のウォレットへの誤入金

暗号資産を購入しようと、ネットバンクからアカウントを所有する暗号資産交換業者の自分のウォレット宛てに現金10万円を振り込んだ。振込みの際には7桁のアカウントIDに続けて自分の名前を入力することが必要となるが、その後ウォレットを確認すると入金されていなかった。交換業者に問い合わせると、アカウントIDが誤っており別人のウォレットに入金されたという。自分の名前は正しく入力しており、名前が一致していないのに入金されてしまったことに納得できず質問したところ、アカウントが一致すれば第三者の口座であっても入金されると説明された。交換業者は、入金されたウォレットの所有者に返金するよう促したが返事がないという。

消費者へのアドバイス

(1)暗号資産(仮想通貨)に関連付けた投資の実態や内容に不安がある場合は取引をしないでください

暗号資産に関連付けた投資は、消費者がその実態を確認することが難しいことに加えて、勧誘を受けた暗号資産が将来的に適切に取引されるかどうか判断することや、暗号資産に関連付けた投資が高配当を生み出す仕組みについて調べることは非常に困難です。また、単に話題となっている暗号資産が、詐欺的な投資案件の勧誘に利用されているだけの可能性もあります。そのため、知人や友人からの誘いであっても、暗号資産や暗号資産に関連付けた投資の実態や内容に不安がある場合は取引をしないでください。
また、暗号資産に関連付けた投資を事業者が募る際、その仕組みによっては、金融商品取引業の登録が必要な場合があるため、勧誘を受けた際には、その事業者が金融商品取引業の登録業者かどうか、金融庁等のウェブサイトで確認するようにしてください。なお、事業者が金融庁等に届け出ているからといって、投資の信用性が保証されるわけではありません。

(2)登録業者であることを確認しリスクを理解した上で可能な対策をとりましょう

暗号資産の取引を行うに当たっては、暗号資産交換業の登録業者であるか金融庁のウェブサイトで必ず確認をしてください。そして、暗号資産の取引に伴うリスク(価格変動リスクや不正アクセスなどのシステムリスク等)について理解をしたうえで取引をするようにしましょう。なお、暗号資産交換業者の中には、不正アクセス等による被害防止のため、二段階認証システム利用といったセキュリティ対策を設けている場合があります。消費者自身がとることのできるセキュリティ対策について暗号資産交換業者に確認して利用しましょう。

(3)少しでも不安を感じたら、すぐにお近くの消費生活センター等に相談してください

暗号資産に関する取引でトラブルにあった場合や不安を感じた場合には、すぐにお近くの消費生活センター等に相談してください。

 

 

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