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学童保育現場での事故を予防する

共働き家庭などの子どもたちが、放課後の時間を過ごす場所「学童保育」ですが、その学童保育の中で、けがや事故が多く発生しています。最近3年間の調査を見ると、各年1万件前後のけが・事故の報告があります。09年度に全国47都道府県および市区町村を対象に実施した学童保育に関する調査で寄せられた、けがや事故の具体的報告例4,804件を分析しました。

けが・事故の内容

子どもたちは狭い部屋の中で、思い思いの活動をしますので、屋内では「衝突」や「接触」によるけが・事故が多く見られます。たとえば、屋内での鬼ごっこや投球中のけが・事故に加えて、「うがい中に、別の子にぶつかって歯茎を切った」「勉強中にケンカになり、鉛筆を振り回し、足に突き刺した」「廊下を走り回り、子ども同士が衝突し、唇を切った」などがあります。

けが・事故の原因

「施設の広さに対して子どもの数が多い」「指導員の目が十分届かない」「生活空間としての設備が乏しい」ことなどがあります。また、小学1~3年生の年齢差のある子どもたちが混在して生活・活動をしていることも、けがや事故の発生原因になっているようです。

けがや事故をなくすには

何といっても、ゆったりとした生活環境の中で子どもたちが、のびのびと放課後を過ごせるような環境作りが必要です。厚生労働省のガイドライン(07年策定)では、「1クラブ40人程度、子ども一人当たりの生活スペースは1.65平方メートル(タタミ1畳)以上が望ましい」としています。しかし、このスペースが確保できた施設は4割にとどまっています。

けがや事故を予防するために

けが・事故の情報を収集して、それを各機関が共有化する必要があります。

子どもたちの安全を守る生活空間として、1施設、または1クラブ当たりの子ども数の適正化を図り、子どもの過密な生活環境・状況の改善や整備が必要です。

現場で子どもに対応する指導員の雇用条件や研修制度、専門職化に向けての改善も重要です。

事故が起きてしまったときのために、小学校などで適応されている「災害共済給付制度」を学童保育にも適用するべきです。

望まれる社会基盤としての整備

09年度調査から、財政支援などの学童保育サービスへの取り組みや実施状況を見ると、都道府県の1割が国の運営費補助基準を下回り、自治体間の補助額には3倍と大きな格差があり、市区町村との連携は不十分な実態が浮き彫りとなりました。
利用手続きなどでは市区町村や施設の運営主体の関与状況に格差があり、ガイドラインの策定にも自治体による違いがみられます。

公的サービスとして学童保育行政を強化するために、条例や規則などで安全面などの規定を設け、格差解消に向けて社会的基盤として整備し、拡充することが大切です。

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