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資料送付に同意したつもりが資格取得講座の契約をしたことに

事例

公的団体のようなところから電話が

K君は新入社員。ある日職場に電話がかかり、「こちらは○○資格審査協会です。職場に労務管理士を置くことが義務づけられるのを御存知ですか。今のうちなら試験を受けずに講座を受講すれば取得できるので絶対に有利です。」と勧誘された。あまりに相手がしつこく長電話になるので、仕方なく資料だけ送ってもらうことにした。

資料だけのつもりが契約したことに

3日後、自宅に段ボール箱が送られてきて、中を開けるのがこわいので、とりあえず相手先に電話をすると「先日十分説明して承認したでしょ。もうコンピューターに登録済みで絶対に取り消しできません。社会人なのに自分の言葉に責任もてないの。」と強い口調で言われた。だまされたけど仕方ないかと思って、箱を開くと、解説書数冊とDVD数枚に契約書、請求書などが入っていた。

クーリング・オフは特別な場合しか使えない???

しばらく悩んでいたら、数日後、「まだ契約書が返送されてこない。」と業者から電話がかかってきた。思い切って「まだ契約書にサインしていないので契約は成立していないのでは。それにクーリング・オフできるのでは。」と申し出ると「クーリング・オフは病気で入院したときなど特別な理由があるときしか使えない。電話で承諾したときに正式に契約は成立していて絶対にやめることはできない。出るところへ出ましょうか」と反論された。

 

特定商取引法の電話勧誘販売取引の規制内容

  • 事業者は申込を受けたり契約を締結した場合は遅滞なく法定の事項を記載した書面を契約者に交付する義務があります。(18条、19条)
  • 書面を受領した日から起算して8日間のクーリング・オフ制度があります。(24条)
  • 不実告知、威迫困惑などの禁止行為(21条)
  • 消費者が契約を締結しない旨の意思表示をしているのに引き続いて勧誘することや、改めて電話をかけて再勧誘することは禁止されています。(17条)
  • 事業者は、氏名や電話勧誘を行うことを告げる義務があります。

 

今回の事例では、契約の意思表示をしたわけではなく、不成立を主張することができる

  • 消費者は、口頭で返事しただけで、署名したり、はんこを押した契約書を返送していないので、まだ契約は成立していないと考えてしまいがちです。しかし、一般的には契約書は契約の成立を証する書面に過ぎず、契約自体は、当事者双方の合意があれば、口頭でも成立します。
  • この事例の場合は資料送付に同意しただけで、そもそも契約が成立していないことを主張するわけですが、契約の不成立は「言った。言わない。」の問題になることもあり、クーリング・オフ期間内ならクーリング・オフの主張も併せてします。
  • なお、コンピューターへの登録は業者の内部事情に過ぎず契約の成立とは関係ありません。

 

業者のクーリング・オフ妨害に注意

クーリング・オフは、消費者側の特段の理由なしに無条件で一方的に解約できる制度ですが、業者に電話で申し出たりすると、この事例のように虚偽の説明によりクーリング・オフができないものと思いこまされる場合があるので注意が必要です。クーリング・オフは必ず文書で、それも出した証拠が残る簡易書留や内容証明などで行いましょう。

 

処理の仕方

(1)クーリング・オフ期間内の場合

  • 契約書面を受け取った日から8日以内であれば、クーリング・オフができます。但し、訪問販売とは異なり書面が郵送された場合には郵便受けに配達される等消費者が了知できる状態になった時点で書面を受領したとされる点に注意する必要があります。
  • 書面の不交付や書面不備(法律で決められた項目の記載がない―クーリング・オフの記載も含まれます。)の場合は、期間が過ぎていてもクーリング・オフができます。

(2)クーリング・オフ期間が過ぎている場合

  • 不適切な勧誘行為の禁止事項があります。(不実告知、威迫、困惑行為の禁止)
    例えば、クーリング・オフ期間内であるにもかかわらず、その行使を妨げる行為があった場合などです。この場合には取消を申し立てることが出来ます。
  • 又、消費者契約法による取消(不実告知、断定的判断、不利益事実の不告知、不退去、監禁)を主張することも出来ます。

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ファックス:075-671-0016

kyo-shohisen@pref.kyoto.lg.jp

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