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平成20年度京都府食品衛生監視指導計画

趣旨

 本計画は、食品衛生法第24条の規定により、国(厚生労働省)が定めた「食品衛生監視指導指針」に基づき、各都道府県等が毎年度策定するものです。
 食品の生産、製造、流通等の状況、法律違反状況等、府内における食品衛生の現況を分析評価し、府民の皆さんの健康保護を図るための基本的な方向及び具体的な実施方法を定め、重点的かつ効果的できめ細かな監視・指導を実施するため、「平成20年度京都府食品衛生監視指導計画」を次のとおり策定します。 

基本的方向と重点的取組

  • 信頼を損なうような食品の表示・品質の偽装事件の発生を踏まえ、信頼される食品や適正な表示を確保するための取組を推進します。
  • 新規又は継続の営業許可申請時における監視指導を徹底するとともに、事業者にHACCP手法を取り入れた衛生管理手法の導入を促進し、衛生管理や法令遵守の自主的な活動を推進します。
  • 農薬等のポジティブリスト制度を踏まえ、効率的な収去検査を継続して実施します。
  • 中国製冷凍餃子による中毒事件が発生したことから、食品検査を充実し、中国製加工食品を含めた輸入食品の監視体制強化に努めます。 

実施体制

1 監視・指導の実施体制に関する基本的事項

(1) 保健環境研究所や保健所における試験検査体制の整備を図ります。

(2) 庁内関係部局及び国や他の都道府県などとの連携を強化し、広域化する食品の流通対策や緊急時対応の専門性を高めるとともに、食品衛生推進員「京の食“安全見はり番”」とも協働し、地域に根ざした監視指導を行います。

 2 実施体制は、次のとおりです。

(1) 監視・指導の実施機関とその主な役割

ア 健康福祉部生活衛生課

  • 京都府食品衛生監視指導計画及び京都府で実施する施策の策定並びにその公表
  • 府民の皆さんへの食品衛生に関する情報提供
  • 違反食品の発見、食中毒発生時などに、国、他の自治体及び庁内関係部局と連携

イ 府内各保健所(乙訓、山城北、山城南、南丹、中丹西、中丹東、丹後)

  • 食品衛生法に基づく営業許可施設や集団給食施設などの監視・指導
  • 違反食品、苦情食品に係る調査
  • 食中毒(疑いを含む。)に係る調査
  • 衛生講習会、食品衛生に関する情報提供
  • 事業者の自主衛生管理の推進のための指導など
  • と畜場及び食鳥処理場の監視・指導

 特に、大規模化・高度化する広域流通食品製造・加工施設やそれに伴う食中毒・食品事件などに対応するため、拠点保健所を中心に各保健所が連携して「食品衛生監視機動班」を編成し、専門的な監視指導を行います。また一方で、保健所の食品衛生監視員は、食品衛生推進員「京の食“安全見はり番”」とも連携し、地域に根ざした監視・指導を行います。
 
府内保健所の所管地域

(2) 国及び他の都道府県などとの連携の確保
ア 広域事案について、違反食品の発見・通報、食中毒調査などにおいて、厚生労働省及び都道府県などとの連携を緊密に行い、食品による危害発生の予防や拡大防止に努めます。

イ 広域流通食品、輸入食品などの情報の相互提供など、迅速に対応できるよう連携を図ります。なお、輸入食品の検査については、滋賀県と連携し、充実していきます。

 ウ 総合衛生管理製造過程承認施設(HACCP施設)の監視・指導について、国(近畿厚生局)と連携して取組みます。

エ 自治体間、関係機関とのネットワーク組織を通して、情報交換及び連携した取組を推進します。 
【自治体間連携組織】全国食品安全自治ネットワーク、全国食品衛生監視員協議会、近畿地域食の安全・安心行政推進会議

(3) 庁内関係部局との連携の確保
 「食の安心・安全推進会議(仮称)」を中心に、次の事項について連携し、総合的な食品安全行政に取り組みます。

ア 生産段階の食品安全確保対策との連携を図るため、農林水産部などと違反情報の相互提供、BSE対策など、緊密な連絡・連携を図ります。

イ 食品表示に係る監視・指導は、食品衛生法、JAS法、景品表示法など、所管部局の違反情報の相互提供など、緊密な連絡・連携を図ります。

ウ 上記の事項を中心に、違反食品、食品の採取及び検査結果に基づく指導、BSE対策など緊密に連携し、食品による危害防止のため、緊急時にも臨機応変に迅速な対応を図ります。

(4) 試験検査機関の実施体制
ア 保健環境研究所において、ポジティブリスト制度に基づく残留農薬等、検査計画に則った検査を実施します。
イ 拠点保健所(山城北、南丹、中丹西)において、食中毒原因菌等の検査を行い、迅速な原因究明に努めます。 
 

監視指導の実施方法

1 食品の表示や品質の偽装など消費者の信頼を裏切るような事件が発生していることから、適正な表示・品質を確保するための取組を行います。

 

2 食品営業施設に対する監視指導については、具体的な取組事項を定め、生産・製造から販売まで、安全な食品が供給されるよう行程ごとに行うとともに、標準的な監視指導回数を定め、効果的な監視指導を行います。 <別添1(PDFファイル:12KB)(PDF:12KB)> <別添2(PDFファイル:11KB)(PDF:11KB)

3 食中毒事故等の発生が多い時期等には、予防啓発や一斉取締を行います。 <別添3(PDFファイル:6KB)(PDF:6KB)

(1) 食中毒予防推進強化期間(7月1日~9月30日)
ア 食中毒注意報の発令等、食中毒予防の3原則「清潔・迅速・温度管理」など広く注意を呼びかけます。
イ 給食施設や仕出し・弁当、旅館や製造施設などに予防啓発や一斉巡回による監視・指導を徹底し、さらに検査を活用した多面的な指導を強化します。

(2) 食品・添加物等の年末食品一斉取締り(12月1日~12月28日)
ア 食品が多く出回るため、特に、製造施設へ立入り指導を重点的に行い、適正な食品や表示が徹底されるよう指導を強化します。
イ ふぐや生カキなどを原因とする冬季に多く発生する食中毒予防の啓発を行います。

(3) その他
ア 近年、ノロウイルスによる食中毒が頻発していることから、年間を通して予防啓発、監視指導を強化します。
イ 特定の違反事例頻発時において監視指導を行います。

4 食品等の検査については、食中毒菌、残留農薬、添加物など安全確認検査の年間の実施計画を定めます。

(1) 府内で生産・製造又は販売される食品等に関し、残留農薬、食品添加物等について食品衛生法等に基づく検査を行い、違反食品・不良食品の流通防止、排除を行うことにより、食品等の安心・安全確保を図ります。

(2) 農薬等のポジティブリスト制度を踏まえ、農産物、食肉、卵類、乳、魚介類、加工食品などの食品群等ごとに、検査項目(微生物、残留農薬、添加物、環境汚染物質など)ごとの年間検査予定数を含む食品などの収去検査の実施計画を定めます。 <別添4(PDFファイル:6KB)(PDF:6KB)

(3) 最近の食品にまつわる不安や事故を考慮し、平成20年度は、次の食品などに重点をおいて、検査を実施します。
 
ア 府内産農産物の残留農薬、畜水産物の動物性医薬品、自然毒などの検査
イ 府内産マガキ、イワガキのノロウイルスの検査
ウ ベビーフードや学校給食など、特に食品の安全性に注意を要する人に提供される食品における残留農薬などの検査
エ 府内で流通している輸入食品(加工食品を含む)の残留農薬や動物用医薬品などの検査
オ 健康食品中の医薬品成分の検査(試買検査)
カ 大豆、とうもろこし等の遺伝子組換え食品検査
キ 食品事件等に対応した緊急検査
ク 生産段階における野菜、魚介類等の検査
ケ その他、現在の食品にまつわる不安や事故等社会的問題に的確に対応するため、適宜ニーズに応じた項目に重点を置いた検査

(4) と畜検査については、BSEなどの検査の実施及び特定危険部位除去を徹底します。 

事件・事故発生の対応

1 違反発見時には、迅速に調査し、原因を究明します。 <別添5(PDFファイル:9KB)(PDF:9KB)

(1) 施設基準、製造基準違反を発見した場合は、速やかに改善指導を行います。

(2) 検査の結果、違反を発見した場合は、国、関係都道府県等や農林水産部局などと連携し、廃棄、回収などの必要な措置を速やかに行い、必要に応じ行政処分などを行います。

(3) 重大な違反事例や行政処分事例は、事業者名、対象食品名、措置内容などについて、随時公表します。 

2 食中毒など健康危害が発生したときは、原因を究明し、再発防止対策を講じます。 <別添6(PDFファイル:11KB)(PDF:11KB)>                                        

(1) 「京都府食中毒対策要綱」などに基づき、事故が発生した時には、迅速かつ的確に対応します。

(2) 関係部局、関係機関への迅速な情報提供を行い、国や他の自治体とも密接に連携し、被害拡大・防止のため、迅速な原因究明調査を行い、必要な情報の公表などを行います。 

3 自主回収報告を指導します。

(1) 販売食品等に起因する食品衛生上の問題が発生した場合に備え、回収に係る責任体制、具体的な回収方法、保健所への報告等の手順を定めることを指導します。

(2) 必要に応じて、自主回収情報を公表し、迅速な回収を促進します。

食品等事業者に対する自主的な衛生管理の推進

1 食品等事業者による自主的な衛生管理が基本であるため重点的に推進します。

(1) 「食品衛生法に基づく公衆衛生上講じるべき措置の基準等に関する条例」の一部改正による衛生管理基準の導入を促進します。

ア 食品関係事業者自主衛生管理手引書作成マニュアルにより指導
イ 食品衛生推進員を対象に講習会を開催し、条例改正の趣旨、衛生管理手法を周知

(2) 食品衛生管理者、食品衛生責任者などの責務の自覚を高め、施設の衛生管理の徹底を指導します。

(3) 食品等事業者による自主的な衛生管理を推進します。

ア 記録の作成・保存を推進し、衛生管理の向上と一般食品のトレーサビリティーを推進
イ 原材料、製品の自主検査等による安全性確認
ウ 食品衛生推進員「京の食“安全見はり番”」、食品衛生指導員の活動を推進
エ 食品衛生講習会において、違反・苦情、食品の衛生的な取扱い、食中毒防止などを指導
オ 事業者の情報提供の推進を指導

(4) 食品衛生推進員「京の食“安全見はり番”」、食品衛生指導員の具体的な活動は、次のとおりです。

ア 食品衛生推進員「京の食“安全見はり番”」活動

 食品衛生法に規定する制度により、平成15年度から委嘱した食品衛生推進員が活動します。

【主な活動】

  • 食品事件が発生した時など、緊急時に調査・情報収集の活動
  • 通常の巡回活動で、衛生検査機器による検査、食品表示の点検
  • 夏期・年末一斉取締り時の巡回指導
  • 食品関係営業者からの各種手続き、衛生管理などに対する助言
  • 消費者からの食品に関する相談窓口
  • 衛生講習会などにおける講師活動

イ 食品衛生指導員活動

【主な活動】

  • 班ごとに店舗を巡回し、フードスタンプを使用して衛生管理を注意喚起
  • 従事者一斉検便の実施(容器配付、受付等)

情報及び意見の交換(リスクコミュニケーション)の実施

1 生産から消費まで、情報の提供や意見の交換が行えるよう取り組みます。

(1) ホームページ「京の食“安心かわら版"」により、食の安心・安全の正しい情報や自主回収情報など、健康被害防止のための情報提供を行います。

(2) 消費者、生産者、食品等事業者、行政機関などとの意見交換会を実施します。
 また、近畿厚生局や近畿農政局など国とも連携して、意見交換会の開催を充実します。

(3) 計画の策定に当たっては、案の段階で、概要をできるだけわかりやすく公表し、意見交換会やホームページなどを通じ意見を募集し、その意見を元に再度検討するなど、情報・意見の交換を図ります。
 また、監視・指導の実施状況の公表は、年度ごとの実施状況の概要を、翌年度の6月末までに、ホームページなどにより公表します。

人材の養成及び資質の向上

1 多様化・広域化する食品に対応する食品衛生監視員等の資質の向上を図るとともに、自主衛生管理の促進のため、事業者の養成を行います。

(1) 食品衛生監視員、と畜検査員、食鳥検査員の養成・資質の向上

 国が実施する研修会などに積極的に職員を派遣します。
 また、次のとおり監視、検査技術研修や法令内容などに係る研修を行います。

  • 新任食品衛生監視員研修
  • HACCPに係る助言を行う食品衛生監視員養成研修
  • 近畿・全国食品衛生監視員研修
  • 食品検査新任研修、食品検査担当者研修、公定法等特別検査研修など

(2) 食品衛生推進員などの養成・資質の向上

 関係団体とも連携し、研修会などを開催します。

お問い合わせ

文化生活部生活衛生課

京都市上京区下立売通新町西入薮ノ内町

ファックス:075-414-4780

seikatsu@pref.kyoto.lg.jp