トップページ > 暮らし・環境・人権 > 食生活・消費生活 > 平成22年度第1回京都府食育推進懇談会の議事要旨

ここから本文です。

平成22年度第1回京都府食育推進懇談会の議事要旨

開催日時

平成22年10月7日木曜日
午前10時から正午まで

場所

京都府職員福利厚生センター第4・第5会議室
京都市上京区下立売通新町西入薮ノ内町

出席者

  • 懇談会委員
    今里滋座長、芦田完委員、岸部公子委員、坂本茂委員、十川洋美委員、戸田百合恵委員、服部博一委員、山口日奈子委員
  • 京都府
    関係職員
  • その他
    傍聴者等

議事

  1. 国の動き等について
    資料1(PDF:889KB)
  2. 現行京都府食育推進計画について
  3. 食育をめぐる現状と課題及び次期京都府食育推進計画について
    資料2(PDF:798KB)

概要

  1. 国の動き等について
    (事務局)
    資料に基づき説明

    (座長)
    国の中間まとめを見ると、若い男性への手詰まり感や広報イベントのマンネリ化などがいわれており、率直な議論が展開されているようだ。国の動きを見ながらの作業となる。
  2. 現行京都府食育推進計画について
    (事務局)
    資料に基づき説明

    (座長)
    食と農が結びつくと、命を育てるのがどういうことかわかってくるのではないか。

    (委員)
    食べ物は命であるということを計画の中に入れてもらいたい。物の命ということがわかれば、食べ残してはいけないという意識を持つ。食べ物の廃棄が多いのは、物だと思っているため

    (委員)
    食と農が大切だとみんなわかっているのに、食育が進まないところに問題がある。子育て中の母親は時間がなく、地産地消や料理に向き合うことにストレスがある。保育所では、子どもに皮むきなどの体験をさせているが、そこから母子のふれあいや食事作りへとつなげることを狙っている。子どもは作ってもらわないとごはんを食べることができないので、母と一緒に作ったりする時間を作ることが大切である。

    (委員)
    調理を通して食育を行っているが、例えば小松菜を使う場合は、生産者のところへ行き、収穫し、調理をする。地産地消を奨励している地元なので、土から食へのつながりを大切にしている。マンションに住む親子は、畑で野菜が育っている様子を見て、驚いている。

    (委員)
    種から植えて、観察すると命が見えてくるのであり、お米の収穫体験だけでは、栽培に八十八の手間がかかるという意味は分からないものである。ただ、何もしないよりは、たとえ一つでも体験した方がよい。

    (座長)
    小学生対象のプログラムでは、土づくりから収穫、調理、レストランでの提供や、賛否はあるが、生きたニワトリをしめてさばくこともやっている。親との会話が生まれたり、料理に興味を持ったりすることに取り組むことも大切である。
  3. 食育をめぐる現状と課題及び次期京都府食育推進計画について
    (事務局)
    資料に基づき説明

    (座長)
    子供への食育も必要だが、中高年への食育があってもよいのではないか。国は、メタボリックシンドロームの削減を目標に掲げている。生活習慣病の原因は食生活にあることは明らかであり、食生活次第で、医療費が高騰し、財政を圧迫する。健康であることは、国民の義務と言えるのではないか。


    (委員)
    医療費が高いといっても、透析には毎月50~60万円の医療費がかかっていて、これは若い人の3人分の給与に当たるということがどこまで理解されているか疑問である。
    また、若い世代は、今の生活を続けていると将来どのような子どもが生まれるかを意識せずに、自分の今のことしか考えずに食生活を送っている。そんなことをしていたら将来どうなるのかを認識させるために、年代別・対象別のパンフレットを作ってはどうか。

    (委員)
    保育所の職員のうち半分が独身だが、せいぜい週に1回くらいしか食事を作っておらず、ほとんどの人が食事を作れないというのが現状である。ごはんを作れない女性が多すぎるので、保育所から取り組もうと思った。いくら地産地消といっても、料理をしない人にとっては、意味がない。学校の家庭科の時間をもっと増やす必要があると思う。

    (事務局)
    学習指導要領では学校の教育活動全体を通じて食育に取り組むこととされ、新たに配置された栄養教諭が食育の中核となっているなど、現行計画策定時と比べて変わってきている点もある。

    (委員)
    授業としてやるだけでは、普段の生活に活かされてこないのではないか。学校だけですべてができるわけではないので、家庭の役割が大切である。

    (委員)
    地産地消に取り組む学校はたくさんある。お弁当の日の取組により、親子のきずなが深まった、作ることに興味を持つようになったという記事を読んだことがあるが、そのような学校が増えるとよい。

    (委員)
    地元の小学校では「早寝、早起き、朝ごはん」が生活目標になっており、次第にみんなが朝食を食べるようになった。生活目標として掲げるということも大切である。40年前から減塩や骨粗しょう症をテーマに地域で活動してきたが、言い続けること、やり続けることによって浸透したと感じている。

    (委員)
    早寝、早起き、朝ごはんはよいことであるが、子どもの生活記録を見ると、夕食が、そうめん、うどん、ピラフのみといった状況で、問題がある。夕食何品食べましょうというキャッチフレーズを打ち出してみてはどうか。何も食べないよりは、少しでも食べた方がよいので、入園説明会では惣菜に手を加えてボリュームアップする方法などを教えている。

    (委員)
    学生も同じような状況で、調理ができないと、買ってきたおむすびとお菓子でおなかがいっぱいになれば、それで食事をしたつもりになっている。
    最初から理想的なことを掲げると尻込みをするので、まずは、シチューでもみそ汁でもいいから、現実的に出来ることから取り組んで、ステージアップを促すような展開にするべきである。

    (座長)
    内閣府の資料では、貧困の子供に肥満が多いので、クッキングバスという移動式の車で食育をしているイギリスの事例が紹介されている。

    (委員)
    JAグループでは米中心の日本型食生活を目指すべきと考えて、バケツ稲作やコンクール、スポーツイベントと連携した食育に取り組んでいるが、なかなか末端までいかないし、目に見えてこない。
    一方、マスコミではスローフードやスローライフなどの番組が増えている。
    私がたばこをやめたのは、子どもが持ち帰ったたばこの弊害を書いたチラシを見たからなのだが、これからは、すべての市町村が計画を立てて、地域の段階でネットワーク化して取り組まないとこれ以上進まないのではないか。

    (委員)
    企業の立場で、場を提供するという活動をしている。例えば、子供を対象とする食育ブックを作成して、要望があれば学校に配布しているが、関心は高く、先生への情報発信が必要だと感じる。
    一方で、具体的な効果が見えてこない。いくら子供へ発信してもそれだけでは不十分であり、最近はPTA向けに朝ごはんたべようという呼びかけ、調理実習やレシピ紹介といった発信をしたいと考えている。
    母にしっかりしてほしいという思いは共通であり、発信をすると喜んでもらえるので、できていないが何とかしたいとの思いや興味を持っている。それに対して何ができるかを考えるのが大切であり、子供への食育に加えて、親向けの発信も考えている。

    (委員)
    生協でもいろいろ取り組んでいる。これまでのJAとの取組に加えて、昨年、漁連に協力いただいて魚を地引網でとり、その場で刺身や煮つけにして食べる取組を行ったところ、子どもの魚に対する認識が改まった。今年は、森連に協力いただいて、子どもを山へ連れて行って間伐をしてその大切さや鳥獣被害のことを学んだりした。いずれも現場へ連れていくのが効果的であり、親子一緒に体験させるのが大切である。食育プログラムを作り上げていきたいが、手間とお金がかかるのが難点である。

    (座長)
    論点2の若い世代、特に男性への対策だが、国の議論を見ていると、名案はなさそうだ。

    (委員)
    大学生協の食堂では、今はカフェテリア方式が主流で、選ぶ力をつけるためにカロリーやバランスについての情報提供を行っている。また、大学生協で体力測定、健診及び食生活相談を実施すると、次々に相談にやってくる。
    最近はお昼ご飯にかける金額が減っており、平均で女子は290円・男子は380円で、これでは、おにぎりとヨーグルト、菓子パンとジュースくらいしか食べられない。新しい取組として、
    (1)今年から府内の2つの大学で、「ミールカード」方式を始めた。事前に、例えば30万円分のカードを購入し、それで朝昼晩食べ、食べた内容が親へフィードバックされる仕組みを実施している。
    (2)3年前から、3つの大学で100円朝食事業を開始した。ある大学では、和食での定食にこだわり、栄養士の講義付きで、毎日60~70人が食べている。朝食を食べると、昼食も夕食もと3食食べる。
    (3)アスリート食は、ある大学のアメフト部の学生を対象に始まったが、強くなるという結果が出た。他の部にも広がっている。
    (4)地産地消では、鹿肉カレーなどを提供している大学があるが、評判がよい。
    以上のような取組から参考にできるものがあるのではないか。

    (座長)
    大学が多いのが京都の特徴であるが、若い女性については、中学、高校くらいからやっていかないといけないと思うが、いかがか。

    (委員)
    私学対象の大学生協寄付講座(13コマ)を持っており、例年60~70人程度だったのに、今年集中講義としたら、200人集まった。食育を履修単位として位置付けることも可能ではないか。

    (座長)
    履修証明プログラムとして食農政策士を作ったところ、20数名が受講している。このような取組が各大学に広まればよい。

    (委員)
    枚方市の農家レストランでは、食農プログラムがあり、イベントをしながら食と農を学ぶことができるが、集団で体験をして食べるとおいしいと感じ、若い人も多く参加するので、そのようなものがあるとよい。

    (委員)
    大学以外で若い人が集まる場としては、成人式がある。これにあわせて食のシンポジウムやPRすれば効果的ではないか。その後献血をしてもらえば、検査結果が返ってくるので、今の自分の状況がわかる。農業に興味のある若い人もいるだろう。

    (委員)
    大学の献血に合わせて栄養指導をしているが、授業が忙しいのか、学生がなかなか集まらないので、成人の日に合わせて企画するのはよいと思う。

    (委員)
    JAで月2回職員の弁当の日に取り組んで2年になる。最初に独身者を対象に料理教室を開催したが、料理にはまる男性もいるので、それぞれの企業でやってみてはどうか。例えば、若者の料理教室、企業・事業所の食育・弁当の日をやってもよいのではないか。

    (委員)
    以前こどもの弁当の日の実施については子どもの怪我のことが心配で反対したが、大人であれば怪我をしても自分の責任であり、よいのではないか。キッチンカーについては、企業で走らせることはできないのか?キッチンスタジオがあっても、子どもが小さいと出かけにくいものである。

    (委員)
    周年事業で公民館などにコンロを寄贈したことがあるが、調理実習できる場所が不足しているのは確かである。

    (委員)
    学校や保健所にも調理実習施設があるが、平日は子どもや職員が使っているし、土日は管理できないとして使わせてもらえないなど、公的なところは制約が大きい。あと、学校では衛生上の問題を指摘される。

    (委員)
    企業が施設をまわるのであれば、豪華な設備は不要。コンロと鍋が一つあれば食育は出来る。学校の授業参観の時に来て、調理などをしてもらえるとよいのではないか。

    (委員)
    食料品が手に入りにくい高齢者の問題がある。買い物難民という言葉がでてきたが、これは過疎地だけの問題ではなく、都会の真ん中でも起きている問題である。この夏は暑くて、外に出られないため、生協でも店舗来店者が減り、共同購入利用者が増えるということがあった。また、京都府北部で、一人暮らしのお年寄りが豆腐1丁を3日も4日もに分けて食べている状況を目のあたりにしたことがある。地元の栄養士さんから「半丁豆腐をぜひ作ってほしい」と言われた。高齢者の食事内容についても、問題意識としてもっておく必要がある。

    (委員)
    峰山で弁当の宅配をしていたが採算が取れなくなり、行政に移管し、ヘルパー活動だけは続けている。そう考えると、やはり地域・市町村でネットワークを立ち上げて、地域の食育をどうするか議論してほしい。直売所の取組が学校や高齢者にまで発展するとありがたい。

    (座長)
    まとめとして、論点1については親への視点を加えること、論点2については若い世代だけではなく中高年や高齢者への取組も加えること、論点3については市町村に大きく期待する旨を盛り込んでまとめていただきたい。



    以上

お問い合わせ

農林水産部農政課

京都市上京区下立売通新町西入薮ノ内町

ファックス:075-432-6866

nosei@pref.kyoto.lg.jp