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平成22年度第2回京都府食育推進懇談会の議事要旨

開催日時

平成22年11月22日(月曜日)午前10時から正午まで

場所

京都府自治会館ホールBC
京都市上京区西洞院通下立売上ル

出席者

【懇談会委員】

今里滋座長、芦田完委員、大谷貴美子委員、岸部公子委員、倉勉委員、
坂本茂委員、戸田百合恵委員、服部博一委員、山内司郎委員、山口日奈子委員、
湯川美栄子委員


【京都府】

関係職員


【その他】

傍聴者等

議事

京都府食育推進計画骨子(案)について資料(PDFファイル,1MB)(PDF:1,405KB)

概要

(事務局)
骨子(案)の前半部分について、資料に基づき説明

(委員)
基本理念について、前回、生まれてからでは遅いので母体からはじめるべきとの意見を言ったが、そのようにできないか。食育のスタートはあくまでも母のお腹で、まず母の体をきちんとするということにした方がよい。

(座長)
産科の先生の話では、未熟児や奇形児が多く、また、やせすぎだと子宮が発達せず妊娠できないとのことだった。

(事務局)
にわとりが先か、たまごが先か、と似たような話になる。一方で、生みたくても生めない人もいるので、配慮が必要である。

(委員)
誤解を与えるのは、「ゆりかごから」の「から」がそこからスタートするというイメージを持つからではないか。

(委員)
歯科保健の分野では、スタートは母子保健であるので、母から始まるのは自然に思われる。

(委員)
不妊の原因が男性にある場合もあるので、母のみを強調するのは、問題ではないか。

(事務局)
食育は幅広いものなので、あまり一部分のみを強調すると別の問題も出てくる。ただ、表現については工夫が必要と考える。

(委員)
食に関する問題点の中に、心を病む人が増えていることについての言及がないが、心の問題に触れてもよいのではないか。5歳児健診で育児の悩みを聞くと、1位は叱り方がわからない、2位は言葉の遅れであり、いずれも「かかわり」の問題である。

(委員)
家で女の子に炊事をさせようとすると、学校では男女平等と習うのに、なぜやらないといけないのか、と言われるが、男女で体の違いがあるのも事実である。

(事務局)
学校の家庭科は男女必修であり、男の子はできなくてよいということではない。男女の体の違いについては保健体育科で学ぶ。

(委員)
料理がどのように作られるかを知らないと、食の安全のこともわからないので、調理実習はとても大事である。ただ、中学・高校になると勉強中心になってしまうので、せめて京都の小学生には最低限の料理能力を身に付けてほしい。

(委員)
男女とも中学校まで家庭科を学ぶ。小学校6年生では弁当を自分で作ったりもするが、虐待対策の意味でも自分で作れることは大事である。出前授業でたばこやクスリの影響についての勉強もするが、肝心なのは、小・中・高と連携して、繰り返してやって、身に付けることである。


(委員)
どのようにして生産されて、食卓にのるのかを五感でわかるというのは大事なことなので、最初の食育は体験から入るというのはよいことだと思う。

(委員)
昔は家庭に教育力があり、親が調理しているのを見ることができたが、今は親も調理をしないので、干ししいたけを戻すことの意味を知らない子どももいる。給食は食事全体の8.6%に過ぎず、90%以上の食事をする家庭の役割は大きい。

(事務局)
基本が家庭にあるのはそのとおりである。教育委員会としても、家庭は重要と考えているので、学校を通じていかに家庭での実践につなげるかを重視している。

(委員)
私の体験談でもあるが、子どもの父母は忙しくて限界がある。そんな中、祖母が孫に料理を教えて簡単なものは作れるようになったので、そのようなやり方もあるのではないか。

(委員)
最近の若い人はインターネットで相談して、祖母に聞きに来てくれないケースもあるし、若いおばあさんの中には、すでに料理をしない人もいる。家庭環境もピンキリで、集中した施策が必要である。

(事務局)
具体的には後段の施策の部分になるが、例えばマザーズジョブカフェで職を探している人たちに食育をという相談も聞いており、食育講座などをやっていきたい。

(委員)
地元の小学校でのモデル事業であるが、歯科の観点からの食育として、食べるときにしっかり噛まざるをえない乾物を使った授業を行っている。講演会や製造工程の見学の後、調理実習を行い、家庭で親子一緒に料理をしてもらうというものだが、いろんな場面で何度も発信していく必要がある。

(事務局)
資料に基づき説明(後半)

(委員)
教職員の資質向上とあるが、栄養教諭と各教科の先生との連携も大切である。一般的に、保育所よりも幼稚園、指定校よりも指定校以外において意識が低い傾向にあり、学校による温度差もある。
高齢者への支援で、人の家の冷蔵庫にある物を見て、その場で考えて、その人が食べられるものを調理する、ということはたいへん難しいことであるが、食事はQOL(クオリティ・オブ・ライフ、生活の質)に直結するので、ヘルパーの調理能力の向上はとても大切である。
また、食事を介しての親子のコミュニケーションにより心が癒される面もあるので、その視点も書いてほしいし、骨量が増えるときにダイエットをすると、子宮が十分に発育しなかったり、骨粗鬆症になるおそれがあるので、妊娠期や妊娠する前から考えてもらいたい。

(委員)
原因と結果がわかりやすく具体的に書かれたようなパンフレットがあるとよい。学校給食の残食は、担任の先生によって大きくちがうという。学校全体の問題として、先生そのものも意識して考えてもらわないといけない。

(委員)
学校の先生の負担はただでさえ大きく、困難な状況の中で決められたカリキュラムの内容を教えるだけで精一杯であり、その上に食育という負担を加えたら、先生達はうつ病になりかねない。見かねて4、5月に手伝いに行こうかと行政に相談に行った時に、全国で1箇所そのようなことをしている自治体があると聞いた。

(委員)
保育所にもいろいろある。母子家庭や貧困が増えており、子どもはペットという意識の親もいる。そういったことも含めると問題が大きいし、そこに第三者がどうかかわれるのかも難しい問題である。

(委員)
別の会議で、虐待と心の問題をテーマにした食育を提案している。食は楽しいのだということを知るきっかけにできればよい。

(委員)
幼稚園児とその親で料理教室をしたところ、3人が手を切ったので、痛みがわかってよかったね、と声をかけた。このような場に来る人は、意識が高いので文句を言わないが、保育所にはいろんな親がいる。

(委員)
保育所に迎えに来た親と一緒に夕食を作って、食べて、それから帰るというふうにすれば、わざわざ人を集める必要がなくてよいのではないか。

(委員)
その時間帯にそのような行事を設定するのは、保育所にとっては負担となって大変かもしれない。私たちのところでは、自家製味噌で豚汁を作って、地域の人を呼んで一緒に食べている。いろんなことをして、それが浸透することを目指すには、繰り返してやることが大切である。

(委員)
学生が学童保育の子どもたちみんなで夕食を食べるNPOを立ち上げる相談に来たことがあるが、育児放棄につながると意味がないとの意見を伝えた。「忙しい」は詭弁であり、便利になりすぎて親に甘えがあるのも事実。一方で親子間に緊張があるために、一緒に食べたくないという場合もある。

(委員)
先日のテレビ番組に、今の60代、70代は、自分は得意なのに、子どもたちに伝えていないというものがあった。伝承されるべきことがきちんとできていない。

(委員)
お節料理などは、作ることだけではなく、食べること自体も伝承である。親の意識が高くなり、要求レベルが高くなっているが、一方で、親がやらなければならないこともある。

(委員)
自分自身を振り返ると、冠婚葬祭のお手伝いの際に教わったからこそ、食文化の伝承ができたように思う。学校の合唱祭や食のコンクールなどで人を惹きつけたら、効果があがるのではないか。

(委員)
今の食育推進計画を作った時に、食育ネットワークが項目としてあり、大事な役割を果たすべく期待されていた。計画推進のためには、行政、生産者、消費者などの組織が必要と思うので、食育ネットワークの機能の充実強化が重要であることを明確にする必要がある。予算がなかったとしても、86団体が活動交流しながら工夫すれば、府民にアピールすることができるのではないか。例えば、食の安心・安全フォーラムでは、府の予算はないが主催団体が知恵と技とお金を出してやっている。予算はあるに越したことはないが、少なくてもそれなりに食育活動を推進すればよい。短期間の費用対効果を求められることもあるだろうが、食育を続けることによってどう変わったのかを活動発表し、その意義を確認しあうこともできるのではないか。

(事務局)
食育は運動的にやっていかないといけない。1つはネットワークだが、団体そのものよりも事務局が入ってきている面がある。もう1つは「いただきます。地元産」プランだが、地域単位で考える必要があるので、最低限市町村段階で協議会を作りたい。市町村食育推進計画の策定やコーディネート人材の育成などいろいろな課題もある。この計画は骨子案の段階であり、最終的には肉付けをしていかないといけない。

(委員)
食育の目標が健康で安心・安全な食生活となっているが、そこでとどまるのではなく、医療費の削減とか有病率の低下にできないのか。

(座長)
予算や権限がなくてもやれることを、できることを考えていかないといけない。だからこそ、食育ネットワークが主体となってやる面もある。

(委員)
食育という概念はいろんなことと関係する。水産分野でやっている魚食普及も食育の一つであるが、毎年小学3年生数千人の見学の受入れや、高校の料理教室、男性グループの教室もある。10年前は生協と包丁教室をしていたが、今の時代にはあわない。このようにやっていることを全部集約するなど、予算がなくてもできることがあるのではないか。

(委員)
問題は書かれているが、目的が抜けているので、どうしたいのかが読み取りにくい。食育はあくまでも手段であり、それでどんな社会を作っていきたいのか。

(委員)
今の意見の続きになるが、医療も食育も目指すのは「健康長寿」ではないか。

(委員)
健康で安心・安全な食生活をめざすのは当たり前であり、みんなが元気でいきいきできる京都府とか、農林水産部で担当するなら農林水産業の活性化とかでもよいのではないか。

(座長)
事務局で本日の意見を反映させて、次回提示願いたい。

(事務局)
今後パブリックコメントを実施して、取りまとめ後に、次回懇談会を開催する予定である。


以上

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農林水産部農政課

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