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丹後の海の恵みを生かすアクションプラン 第3回政策検討会議議事録

開催日時

平成17年11月21日(月曜日) 9時30分から11時30分

開催場所

京都府福利厚生センター3階 第2・第3会議室

検討委員

荒井委員、池田委員、倉委員、桑村委員、中江委員、滑田委員、宮崎委員、森川委員、森田委員、鷲尾委員

座長

鷲尾委員


会議の様子

会議は、まず事務局が改定の概要及び中間案について説明し、それについて各委員が発言を行うと言った形式を取った。

アクションプラン(案)に対する各委員の発言内容(→は事務局による回答)

アクションプラン用語集について

  • 用語解説一覧に漁村や漁港が有する多面的機能を追加して欲しい。(ホームページには追加したものを掲載しています。)

「つくり育てる漁業による海の恵みづくり」について

アワビのつくり育てる漁業の振興について

  • 無病アワビが健康なアワビという説明であったが、無病アワビ以外は病気のアワビ、怖いアワビというイメージをもってしまう。
  • ここで記述されている無病アワビというのは、種苗生産をしている事業所の問題であり消費には全く関係がないので記述に対して配慮が必要である。
  • 「丈夫なアワビ」でいいのでは。

アクションプランの中の「養殖」という言葉のイメージについて

  • トリガイ養殖やイワガキ養殖のように「養殖」という用語が使用されているが、一般の人に「養殖」という言葉のイメージとして、栄養を与えたりとか、薬品を使ったりという悪い印象が定着しているのではないか。できる限り「養殖」という言葉を何か別なものに置き換えられないかと思っている。
  • 一般の消費者の人たちには、魚の養殖のように餌をやるものと、イワガキ、トリガイの養殖のように餌をやらないものが、「養殖」として同じととらえられている。これらは「養殖」という言葉でくくられているが、人が介在することによって品質が良くなる点をどう説明したらいいか、用語に頼ると他の側面もでてくるので、「ものがたり」としてなぜこれを人の手でつくることに意味があるのかを消費者に伝えていく準備が必要であると感じている。
  • 人間が子供を育てるイメージで「養育」はどうであろうか。そのことを含めて新しい言葉が必要なのかもしれない。
  • こちらの思いがあっても、消費者に最終的にどのように伝わっているかということは大事な観点である。

「消費拡大とブランド品づくり」について

ブランド化と品質の管理について

  • ブランドを守るためにはブランド品の品質管理ということも必要でないか。
  • 明石ではイカナゴで品質管理をしている。お客さんの信用を失うと、後々尾を引くので、質的な管理というものも資源管理の中に折り込んでいく必要がある。
  • 安心な商品と特産品づくりについては、今後一体となって取り組むべきではないかと思う。農村の特産品づくりというのは、自分が食べていた物を加工品として作り上げてきたことが、安心な物だという点では一定評価を受けてきた。大量生産ではなく、漁家の人たちが食べているおいしさを加工品として売り出していくことも必要でないかと思う。
  • ブランド化と簡単に記述してあるが、ブランド化とは簡単にできるものではない。お客さんに実際に食べてもらわなければだめ。そのさいには「ものがたり」も是非必要。ブランドとは高くてもお客さんが対価として支払う価値がないとだめ。

「新たな海の魅力づくり」について

海業の新たな展開について

  • ブルー・ツーリズムという用語を初めて聞いたが、グリーン・ツーリズムと同じと考えていいのか。
  • ほぼ同じと理解してもらっていいと思う。
  • ブルー・ツーリズムの推進体制が既にあるのか。
    →基本的な方向性は新京都府総合計画、新京都府農林水産振興構想の中にグリーン・ツーリズムとともに示してある。(事務局)
  • 具体的な推進体制は。
    →海業事業の中で取組を開始している。(事務局)
  • ブルー・ツーリズムについては、長崎県松浦地区で協議会を立ち上げて積極的にやっている。
  • 京都府では丹後の伊根町などは民宿の規制が厳しくなっているので投資に合わないということで、経営を断念する民宿が増えている。これは地域の問題であり何とかしなければならない。
  • ブルー・ツーリズムは、海の資源の利用や漁業体験を民宿ではなく民泊(簡易宿舎登録をしないといけない)で実施し、漁業者との交流を主目的とする。漁業者にとっては、ブルー・ツーリズムを実施することにより、副業として収入が見込める。
  • 観光のための漁業ではなく、漁業のためにどう観光を使うのかを考えることが必要である。生の現場を子供たちに教えることを含めて、漁業者の収入増にも繋がり、一石二鳥の取組と考える。
  • お客さんではなく学ぶ、教えるということが中心になってくる。
  • 学校教育だけではなく、一般の観光客(エルダー層)は体験をしたいとか生の現場がみたいという要望が多い。
  • 百人百京(新・体感型観光推進事業実行委員会:京都市、京都府、観光協会、旅行会社で構成)事業では、農林水産で実現するのは困難であった。農業分野で、自分たちで収穫し、食べるという農業と旅館との連携(新しいグリーン・ツーリズム)が生まれつつある。これらの試みは簡単なようで何年もかかっている。これの海版ができるのではないか(期待度は高い)。このアクションプランで何か前進して欲しいと思う。
  • 受け入れる側の漁業者にとっては本業とは異なることなので、最初は収益を目指すというよりは持ち出し的な感覚が強いが、これによってできた商品説明、あるいは「ものがたり」を伝えるということが、結局は本業の販売力にも繋がるのではないか。今はそれを一体としてとらえるための訓練を始めたという段階にあるのではないか。
  • 教えながら一緒に作っていき、その場で食べてもらうことが、これからの漁業には必要ではないだろうか。
  • 人づくりの担い手の確保の中で、実際に魚を獲る人だけではなく、獲ったあとの処理をする部分(加工等)に女性の役割が重要でないかと思うので、その部分に携わる人を一緒に育てていく必要があるのではないか。
  • 漁業者のボランティア的な関わり(定置網漁業体験後のお茶出し等)は、役割、位置づけを明確にする必要がある。ここに女性の気配り、経験を生かしていければと考えている。
  • 漁協と観光業界が観光定置では徐々に手を組みつつある。しかし、漁業者はおおむね一度の接触で終わりにされる。このようなことを推進していく組織やコーディネーターがしっかりしていないとだめである。観光業者と漁業者はお互いにコミュニケーションをしつこくはかる必要がある。今後どの様に考えていくか、構築していくかが大切。
  • ブランド化や加工化を記述してあるが、これらは簡単ではない。どの様にして進めていくかが大切である。
  • 観光業界はある意味漁業、農業のセールスマンという役割を担っているので、できるかぎり情報をもらって、付加価値を付けてお客さんにきていただきたい気持ちは充分ある。現在は仲人がいない状況である。
  • 農村のグリーン・ツーリズムでは、これまで農家の中で泊まるところがなかったので地域の中で受け入れた。丹後でブルー・ツーリズムを実施する場合、今やっている民宿との関係がどうなのか危惧する。

その他 エチゼンクラゲ等の問題について

  • アクションプランも大切だが、漁業の現場ではどの様なことが今問題であり、それを解決するためにはどのようにしたら良いのか、どのようなことができるのかを検討するのが大切なのではないか。
  • 例えば、現在問題となっているエチゼンクラゲの大量来遊が油流出事故のように一過性のものなのか、海の中の構造的に経常的なものなのか、係わる人ほど事は重大であるので一般的な情報として出していく必要がある。水産の現場で起こっている問題に対して、なぜだろうと思ったときに即座に回答が返せるような体制にしていくことをアクションプランの中に折り込めないか。
    →基幹産業がエチゼンクラゲの影響で操業ができない時に、影響が小さいと考えられるつくり育てる漁業の磯根漁業や内湾域を中心としたつくり育てる漁業のトリガイやイワガキの養殖業の振興により、幾分なりとも定置の代替えになるような漁業をつくっていき、多角的に、複合的な経営を目指すという観点も必要であり、その観点からもアクションプランを積極的に進めていきたいと考える。
    (事務局)
  • 漁業者は、エチゼンクラゲの大量来遊が4年間のうちに3回もあることから、今後も恒常化しないかを心配している。これに対しては、産官学も憂慮しているが即効性のある対策がないのが現状である。その中で、漁業者は魚をどう獲るかをいろいろ工夫しているが、鮮度が落ちたり、量が減っている。
  • アクションプランの中で取り組むのは難しいと思うが、エチゼンクラゲに対しては何らかの形で対処していくことが必要である。
  • 主幹漁業にとっては、エチゼンクラゲの大量来遊で沖合での漁場利用が非常に難しくなっていると思うが、その分、エチゼンクラゲの影響が小さい地先、磯根をどのように活用していくかが非常に大きく、このアクションプランの意味も大きいと思われる。

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